FRAIL
掲載日:2019/10/26
<FRAIL>
やけに襲われた衝動に グラスを床に投げつけた
破片に映る倦怠顔にまた虚しさに駆られる
夜景に溢れているネオンの眩しさに目を細めたよ
街は眠らない 四六時中騒ぎ明かす
形あるものは全てもろい一面があるのに
去る日の幻想は廃屋に消えてなくなって
すぐ傍にいるのに気配すらも遮断され
想いは伝わらない 欲望だけ剥き出しになる
仕掛けられた回路に迷い込んで
朝は人ごみに巻き込まれ 煙たさに蒸せりかえる
世界の広さこんなにも差があるかと靴引きずる
アスファルトから突き抜けた細い草束は踏まれる
視界に入らない存在は皆無に等しい
あの日交わした約束は記憶の一部になった
夢にまで見たのに予想よりもシラけていて
ギャップがあり過ぎたのは確信のない期待から
何もかも色褪せた 写真は二度と見ることない
ブルースだけが心を押し付けて
明日も明後日も減速せずにずっと
ドミノのように代り映えのない日々押し寄せる
どんなにあがいても深みにハマって
蜘蛛の糸が腕に絡みついて離れない
沸点はもうとっくに大きく上回っているから
あとは蒸発して見えなくなるだけ
人の夢と書いて儚いと読む的の中心を
ロウソクの火を消すように音もなく――




