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seventeen。  作者: 花奈よりこ
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雪の朝




そして。


12月20日、土曜日。


ついに、早紀の結婚式の日がやってきた。




朝、カーテンを開けると。


なんと雪が降っていたの。


雪なんてめったに降らないのに。


だから、ビックリしちゃったけど、チラチラ降る粉雪があんまりキレイで。


私はすごく感動して、しばらくその場から動けなかったんだ。


そのあとすぐに早紀に電話して、2人で大はしゃぎしちゃった。


だって雪の結婚式なんて、すっごいロマンチックなんだもん。


きっと、神様か天使がお祝いにプレゼントしてくれたんだ。


そう思わずにはいられないほど、外はほんのり雪化粧で美しいったらなかったの。



そして、今日はもうひとつ。


予想もしない出来事が、私を待っていたんだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーー






「いってきまーす」


予定の時間よりうんと早めに家を出た私。


早紀のウェディングドレス姿が楽しみ過ぎてキドキしていた。


でも、それとは別に私をドキドキさせるもうひとつのものがあった。



そう。


友人代表のスピーチだーーーーーー。



絶対に無理!って思ってたんだけど。


自分の心の友のめでたい人生の晴れ舞台で友人代表のスピーチをするのは……。


早紀に心からおめでとうのメッセージを贈るのは。


やっぱり。



私、だーーーーーって思ったの。



大切な親友のために、心から祝福したい。


精一杯がんばりたいって………。




それにね。


早紀の新しい門出と共に、私も少しだけ変わりたいって思ったんだ。


人前で話すのがいちばん苦手な私。


いつも、そんな場面は避けてきたよね。


でも。


これからは、苦手なことからも逃げないで、勇気を出していろいろなことにチャレンジしてみたいって思ったの。


だから、まずは早紀の結婚式で友人代表のスピーチ。


ここから始めてみようと思うんだ。



ガチガチに緊張してもいい。


ちょっと失敗してもいい。


とにかく、心を込めて伝えたい。


だから、一生懸命がんばってみようと思うんだ。



早紀もね、私がスピーチをやるって宣言した時は、泣き笑いで大喜びしてくれて。


そんな早紀を見て、私もすごく嬉しかったんだ。



……とは言うものの。



やっぱり緊張するーーーっ。



披露宴まではまだ時間はあるのに、既に私の心臓はドッキン、ドッキンいってるよぉー。


う、うまくできるかなぁ。


黒いフリルのワンピースの上に羽織った、エンジ色のコートの前を合わせながら。


私は粉雪の中、早歩きで会場に向かっていた。


と、その時。



「かおり!」



聴き慣れた声。


曲がり角で呼び止められた。


「おっす」


振り向くと、ビシッとスーツ姿の聖也くんが軽く手を上げて立っていたんだ。


「せ、聖也くんっ?どうしたのっ?こんな所で……」


ビックリ。


だって、現地集合で会場で落ち合うことになっていたから。


驚いて目をパチクリしている私に、聖也くんはちょっと恥ずかしそうに笑った。


「かおりと一緒に行こうと思って、待ってたんだ」


「え……。あ、そうなの?でも、いつからここに……?」


聖也くんがさしてる傘を見た。


けっこう雪が積もって、薄っすら白くなってる。


「今来たとこ……っていうのはウソ。実は、緊張して早く来過ぎた」


カラカラと笑う聖也くん。


「えー?」


私も思わず笑っちゃった。


実は、聖也くんもタクちゃんの友人代表でスピーチをやることになってるの。


でも、聖也くんは明るくて楽しい人だから、そんなに緊張なんてしないと思ってたよ。


「スピーチ、聖也くんでも緊張するんだねー。私はご存知のとおり、見てのとおり。今からすごい緊張しちゃって。家にいても落ち着かなくて、かなり早めに出てきちゃった」


私が笑いながら言うと。


「いや。その……。確かにそれも緊張するんだけど。今はそれとはちょっとちがうことで緊張してんだよね」


カシカシと頭をかく聖也くん。


「?」


ちがうこと?


私がキョトンとしていると。


聖也くんが、ひとつ咳払いをして私の方に向き直った。






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