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seventeen。  作者: 花奈よりこ
3/35

告白!!



「かおりーーーーーーっ」




ヒューン。


高いネットを越えて、白いバレーボールが飛んできた。


「えっ」


ど、どうしよう。


あたふたしながら、とっさにレシーブの体勢に入ってみたけど……。


バシッ。


構えた腕は虚しくも活躍せず。


バレーボールは、私の顔面を直撃した。


ぶ……。


い、痛い……。



そう。


なにを隠そう、私はめちゃくちゃ運動音痴でもあるのです。


「かおりっ。大丈夫⁉︎」


同じチームの人達が駆け寄ってきた。



今は、体育の時間。


女子と男子に分かれて、2クラス合同でやるんだ。


それで今日は、私のクラスD組と隣のクラスのC組とで、バレーの試合をしていたんだけど。


運動音痴の私はこのザマ。


顔面レシーブで、みんなに笑われちゃった。


「ご、ごめん……。大丈夫……」


へへっと笑って見せたけど。


痛いよぉ。


鼻、つぶれるかと思ったよぉ。


「次は顔じゃなくて腕で受けてよ、かおり」


「……だね」


笑い合う私達。


私のことを〝かおり〟って呼んでくれるクラスの女子はけっこういるんだ。


たぶんそれは早紀ちゃんのおかげ。


早紀ちゃんがかおり、かおりって呼んでくれるから、みんなも同じように呼んでくれてるだけ。


そうじゃなきゃ、私なんて用がある時のみに普通に〝川村さん〟って呼ばれるような地味な子だから。


もちろん、私のことを〝川村さん〟って呼ぶ人達もいるけど。



「ーーーこれだもん。ちゃんとやってよね」


ボソッと聞こえてきた言葉に私は振り向いた。


やっぱり。


岡本おかもとさん、だーーー。


キッとひっつめたポニーテールのせいでつり上がったその目は、明らかに私の方をにらんでいた。


かなりイライラしてるみたい。


「ご……ごめんね、ごめんね」


私は、慌てて目をそらして立ち上がった。



岡本さんグループは、私のことをかなりうざったく思ってるらしいの。


トロトロしてるし、ドジだし。


なにかあるとボソッと言われたり、冷たい視線を送られる。


その度に、すごく悲しい気持ちになる。


本当はすごくイヤだ。


でも。


こうやって、いつもオドオドこそこそなにも言えない自分がいちばんイヤなの。





「かおり、顔面レシーブの方は大丈夫ー?」


お弁当タイム。


早紀ちゃんが、ニヤニヤしながら私の顔を覗き込んできた。


「……もぉー。大丈夫だってば。せっかくちょっと忘れてたのにー」


「いやー。できることならもう1回見たかったわ。見事なまでのあの顔面レシーブ!コントみたいで最高だったよ。さすが私の心の友!笑いを心得ている。笑いは大事だ」


卵焼きを頰ばりながら、早紀ちゃんがケタケタ笑ってる。


「痛いですー。もう1回なんてやりませんっ」


と、言いつつ早紀ちゃんの笑い顔につられて私もつられて笑っちゃった。


でも、早紀ちゃんがなにげなく言った『心の友』って言葉が、なんだかすごく嬉しかった。




「早紀ーーーっ」


後ろのドアから、クラスメートの知里ちさとちゃんが興奮した様子で教室に駆け込んできた。


どうしたんだろう。


そんなに慌てて……。


「なによ、知里。憧れの有沢ありさわ先輩と話しでもできたの?」


早紀ちゃんが言うと。


「ちがうわよ、残念ながら。それより、早紀ってばやるじゃん!もぉー」


ニヤニヤしながら、知里ちゃんが早紀ちゃんを肘でつつく。


「なにが?」


「あのねあのねっ。F組の桐山きりやまくんが、お昼食べ終わったら屋上行く階段のとこに来てだって!待ってるからって!!」


早紀ちゃんの耳元で、かなり興奮しながら話す知里ちゃん。


「なんで?」


あっけらかんとしている早紀ちゃん。


「なんでって。なにすっとぼけたこと言ってんのよっ。これはどう考えたって愛の告白しかないでしょ!」



えっ。



こ、ここ、告白ーーーっ⁉︎



当の本人を差し置いて、私ってばひとりで真っ赤になってドキドキしちゃったよ。


「さ、早紀ちゃん、すごい……」


告白だなんて、告白だなんてっ。


「もぉ。なによ、かおりまで。そんなのわかんないじゃん。人には言いにくい相談ごとや頼みごとかもしれないじゃん」


早紀ちゃんはそう言って平然と野菜ジュースを飲んでいるけど。


私も、それはやっぱり愛の告白だと思うよ、早紀ちゃんっ。


ドキ ドキ ドキ。


早紀ちゃん、すごい!







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