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seventeen。  作者: 花奈よりこ
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少し新しい自分



プルプル!


思いっ切り頭を振っていると。


「かおり?」


早紀がひょこっと私の顔を覗き込んだ。


「どしたの?頭振って。顔も赤いけど」


「えっ。あ、ううん。なんでもないのっ」


慌てて笑ってごまかしたけど、早紀に私が今考えてたこと気づかれちゃいそうでドキドキ鳴った。


「あ、えっと……みんなもそろそろ来るかな」


とりあえずなんでもいいから話題を変更しようと、私は歩きながら軽く後ろを振り返る。


「あ!それなんだけどねっ。アイツら寝坊すたみたいで。ちょっと遅くなるから先始めててって」


早紀がプンプン怒りながら言った。


「あ……。高林くん達?」


「そうっ。家出るちょっと前に電話きてさ。『すまん、今起きたっ』だよぉー?昨日、正吾んちでみんなで遊んでてそのまま泊まったらしいのよ。どーせ朝方までギャースカ騒いで遊んでたんでしょーよ。で、みんな揃って寝坊。ホントバカ!たぶん今頃急いで順番にシャワーでも浴びてるわ、きっと」


プンプンしながらため息をつく早紀。


でも、どこか憎めないってカンジでちょっと苦笑いも混ざってる。


「そうなんだ」


ふふ。


みんな慌てて家、飛び出して来るんだろうな。


なんかおかしい。


クスクス笑ってたら。


「ごめんね、かおりー。せっかくかおりも誕生日だしみんなでパーッとやろうって計画したのにアイツら遅刻で……」


早紀がすまなそうに手を合わせた。


「ううん。全然だよ。私の方こそ、せっかくの休みなのにみんなに集まってもらっちゃって。高林くん達にも忙しい思いをさせちゃったね」


「とーんでもないっ。この話持ちかけた時、正吾すっごい乗り気でふたつ返事でOKだったんだから。今日の集まりめっちゃ楽しみにしてるよ。アイツお祭り大好き人間だから。だから、きっと誰よりも張り切ってくるよ。しっかり遅刻だけどね」


早紀の呆れた笑い。



早紀、高林くんのことバカだって怒ったり呆れたりしてるけど。


すっごく すっごく好きなんだね、きっと。


見ててそんなカンジがする。


だって、怒ってても呆れてても、なんだかどこか楽しそうで。


高林くんの話をしている早紀は、なんだかとっても嬉しそうなんだもん。


確か、中学から仲がいいって言ってたよね。



早紀の好きな人ーーーーーーーー。



きっと、とってもいい人なんだろうな。


高林くんは幸せ者だ。


明るくて、性格もよくて、美人でモテモテの早紀に好かれるなんて。


もしかしたら……高林くんも早紀のことが好きだったり……ってこともあるのでは?


昔から仲いいみたいだし。


うん、きっと高林くんだって早紀のこと好きだと思う。


もしそれが、今はまだ友達としての『好き』だったとしても、早紀の友達以上の『好き』の気持ちを知ったら。


高林くんだって、きっと早紀のこと好きになっちゃうよ。


だって。


私が、もし男だったらーーー。


高林くんだったとしたら。


きっと、早紀を好きになっちゃうから。



「かおりのそのワンピ、カワイイ。この前一緒に買いに行ったヤツ?」


「うん」


今日は、買ったばかりの淡いアイボリーの小花柄のワンピを着てきたの。


七分袖で、裾にはゆるいフリルがかかってるんだ。


そして、足元には白のペタンコシューズ。


私にとっての精一杯のオシャレ。


「私にはちょっとハデかなぁ、とも思ったんだけど……」


「全然!そんなことない、すっごい似合ってる。確かあの時、薄いピンクかアイボリーでで迷ってたんだよね。やっぱアイボリーで正解だったね」


「ホント?嬉しい」


よかった、これ着てきて。





「やっほーーー!」


カラオケの入り口のところで、知里ちゃんが大きく手を振っている。


「おーす」


「やっほー。知里ちゃん」


私が手を振りながら近づくと。


「うわ!かおりが髪下ろしてるっ。カワイイ!」


知里ちゃんが、ふざけて私にぎゅっと抱きついてきたので思わず笑っちゃった。


「ありがとう、知里ちゃん。17歳になったから、ちょっとイメチェンしてみた」


「すごくいい!あたしも髪伸ばそっかな。で、正吾くん達は?もう来る?」


「それがさぁ……」


「さては寝坊だ!」


知里ちゃんが楽しそうにズバリ。


「正解。ホントごめんねー。かおりも知里も。でも、アイツら先にやっててって言ってたから、先行っちゃおう」


「行こ行こ!カラオケ久々っ。歌うぞぉー!」


知里ちゃんが元気よくこぶしを振り上げた。


「よっしゃぁー!歌いまくるぞー!踊りまくるぞー!」


早紀もこぶしを振り上げる。


「かおりもほらっ」


知里ちゃんが私のこぶしを持ち上げる。


「え、ええ?」


「かおりも歌いまくるぞー!ハッピーバースデー!!」


早紀が笑いながら私の隣にピタッとくっついてきた。


知里ちゃんも「おー!」と言いながら反対側にくっつく。


2人に挟まれた真ん中の私。


「……お、おおー!」


不慣れながらも、一応こぶしを静かに上げてみた。


そんな私を見て、早紀も知里ちゃんも大笑い。


2人の笑い声につられて、私も笑う。



17歳になった私。


ちょっとだけ。


ほんの少しだけ。


新しい自分に出会えた気がした。








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