第九七三話「回復方法」
「疲れたぁ……。」
「疲れたッス。」
「ぐぇ。」
淫魔法【ラブホテル】で別荘に戻った途端、長いソファーに、うつ伏せに寝転ぶサナ。 と、その上に寝転ぶミツキ。
二人共だいぶ疲れているらしい。
「チャチャ、お布団敷くの手伝って。」
「はいにゃ!」
「あ、自分で……」
「いいからいいから、少し休んでな。」
自分でやろうとするサナに、ミツキの腕という重しを足して動けなくし、チャチャの手伝いで奥の寝室に布団を敷いていく。
「チャチャはどうする?一寝する?それとも起きてる?」
「うにゃー、今日は早起きだったし、ずっと、なむなむしてたから、少し眠たいにゃ。」
「それなら、チャチャの分も敷いてしまおう。」
「はいにゃ。」
「サオリさんはどうします?……あれ?」
「あ、こっちです。わたしはお風呂入ってから考えようかな?と。」
脱衣所の扉が開き、振り返るような体制でサオリさんがこちらに返事をする。
もう帯を解いていたのか、襟元が抜けており白いうなじが色っぽい。
「レン君も一緒にどうですか?」
「あはは、みんなを寝かしつけたら考えます。」
「うふふ、お待ちしてますわ。」
そういってサオリさんはクスクスと笑うと、脱衣所の扉が静かに閉まり、また、チャチャと二人きりになった。
「結局どうするにゃ?」
「そうだな、せっかくだから、今のうちに、この部屋に3組、手前の寝室に2組敷いてしまおう。」
「了解にゃー。」
▽▽▽▽▽
布団を敷き終わった後、もう寝てしまっているミツキからお姫様抱っこで寝室に運び、サナも同様に運んでチャチャも寝かしつけた後、淫魔法【睡眠姦】をかけておく。
これで起きたときにはスッキリしているはずだ。
少し時間が立ってしまったが、サオリさんはまだお風呂だろうか?
静かに脱衣所の扉を開けると、中の脱衣籠にはまだサオリさんの服が入っている。
内風呂にいる気配はないから、たぶん露天風呂の方にいるのだろう。
せっかくのお誘いだから、ひとっ風呂お付き合いするか。
露天風呂への廊下を歩き、露天風呂の入り口を軽くノックする。
「どうぞー。」と、軽やかな声が聞こえるので、おずおずと扉を開けて露天風呂へと入ると、丁度サオリさんは髪を洗い終わったところなのか、髪を頭の上に一纏めにしているところだった。
両手が頭の上に集中しているので、たわわな部分が丸見えだ。
「お疲れ様、レン君。」
こちらに気づいたのか、両胸を片手で隠し、微笑むサオリさん。
洗いたてで火照っているのか、瑞々しく赤みの差した身体が色っぽい。
「サオリさんもお疲れ様でした。」
「うふふ、今日もレン君洗いでもしましょうか?」
「あはは、今日はお疲れでしょう、遠慮しておきますよ。」
「そうですか?」
そういったサオリさんはちょっと寂しそうに見える。
とはいえ、ママさん洗い、いやサオリさん洗いももう終わっている様子だし……。
そうだ!
「サオリさん、久しぶりに、マッサージしましょう。」
▽▽▽▽▽
淫魔法で、ダブルサイズのバスマットを出して、その上にサオリさんをうつ伏せに寝かせ、淫魔法【ウエット&メッシー】で、温感ローションを贅沢に使い、サオリさんを潤していく。
肩から腕、そして背中、背中からはみ出ている胸に少し目を奪われながら、腰から中臀筋へ、そして両脚へと、満遍なくマッサージしていく。
邪な気持ちは無い。
いや、ないとは思う。
少しは有るんじゃないかな?
ただ、この気持ち良さそうなサオリさんの甘い吐息に耐えつつのマッサージは中々ハードルが高く。
「レンくぅん……来て?」
と、控えめながらポーズを取られると、よし!レベルアップで体力回復だ!と、一瞬で自己弁護しまう。
男とは弱い生き物だな。
チャチャにゃ!
こっちのお家のお布団の方が柔らかくて、寝心地がいいんにゃけど、あっちのお家のお布団の方が涼しげで、寝やすいのにゃ。
次回、第九七四話「これまでとこれから」
そんなお布団で寝られるにゃんんて、チャチャは幸せ者だにゃぁ。




