第九十五話 「見本と練習」
「…なんか変な形ッスね。あ、大っきくなって来たッス。え?こんなになるんスか?」
「面白いよね?あたしも初めて見た時びっくりしたもん。」
「やっぱり怖いッスよコレ。凶暴な形してますもん。」
「慣れると可愛いよ?正直ないい子だし、愛しくなっちゃう。」
「そんなもんなんスか?それにしても、こんなのがちゃんと入るんスか?」
「んー、実はまだちゃんと全部は入らないんだー。たぶんこの子だって全部入りたいんだと思うんだけど、アタシ身体小さいから。」
「でもこんなんッスよ?全部入らないのが普通なんじゃないッスか?」
待て。
なんか下半身がスースーすると思って目を覚ましたら人の股間で何って会話をしている。
というか、サナは手を離しなさい。
「な、何を?」
「あ、おはようございます。お父さん。」
おぅ、悪びれもせず。
「ああっ!パパさん、ごめんなさいッス。なんか盛り上がってたからつい気になって。」
それは話のことなのか物理のことなのか気になるところだが、ミツキはサナの後ろに隠れるように移動はしたものの、視線はまだ私の顔と股間をいったり来たりしている。
「えーとね、お風呂でミツキちゃんが見本を見せて欲しいって話になって、その後、お風呂をあがって帰ってきたら、寝ているお父さんのここが少し元気だったので、とりあえず見てみない?って」
「それでズボンを脱がして観察してた。と。」
「うん。」
「…はいッス。」
一応、サナを淫スキル【性病検査】で調べて見るが、ちゃんと発情期は終わっている様子だ。
と、いうことは、これは性衝動ではなくて、純粋にミツキへの善意でやってるんだな。
脱がして見せるのも今までサナにズボンを脱がされるのに抵抗したことがなかったので大丈夫だと思ったのだろう。
というか、放っておいたらそのままご奉仕までして見せるつもりだったのかもしれない。
ほら怖くない。的に。
なんか間接的にミツキの私への株がストップ安になりそうな予感。
助けてお巡りさん。いや捕まるからやっぱり来ないでお巡りさん。
「事情はわかったようなわからないような。…見本って?」
「その、あの、水揚げが条件なので、いつかパパさんに抱かれるのは覚悟してるッス。
でも、やっぱり怖いのは怖いッス。
サナはパパさんがちゃんと気持ちよくしてくれるから大丈夫的な事を言ってたけど、アタシ今まで女が嫌がったり怖がったりしているエッチしか見たことがないので、なんか信用出来ないッス。」
さらっと重いエピソードを混ぜて来たな。
「それで実際に私とサナとしているところを見たい。と。」
「そうッス。ラブラブエッチが本当にあるなら見て安心したいッス。」
ミツキはなんかそういうのは物語の中だけみたいに思っている感じだ。
「えーと、サナはいいのかい?その、見られていても。」
「もちろん恥ずかしいけど、ミツキちゃんがそれで心が楽になるならいいかな。って。」
うーん。
「それにそういう理由なら、お父さんも賛成してくれると思ったし。駄目?」
その上目遣いは止めなさい。
うーんうーん、恥ずかしい分には恥ずかしいが、二人の間で納得してるならしょうがないのか?
それに発情期でもないのに頑張ろうとしているサナの気持ちも汲んであげたいのもある。
「わかった。おいでサナ。」
▽▽▽▽▽
「す、凄いッスね…。サナちー気絶しちゃったんスか?」
「いや、疲れて眠ってるだけだよ。」
思いの外、私もサナも盛り上がってしまった。
発情期が終わって盛り下がったサナの身体の分以上に私のスキル上げした【精技】ランク3が効果を発揮したらしく、ちょいちょい呟かれるミツキの感想も含めて燃え上がってしまったのだ。
とはいえあくまで見本なので一回戦で終わらせているし、最近多いサナ主体ではなく私が主体のベーシカルなものだ。たぶん。
それでもサナの反応を見ると夜市のおかみさんの言っていた発情期無視ルートに入りそうな予感がプンプンするが。
ただ、スキル【精技】のおかげで手加減ができるようになったのと、好きな時に自分も達せられるようになったのが確認出来たのは良かった。
今までは、こちらが達するまでサナが頑張りすぎる(そしてオーバーヒートする)というパターンが多かったのだ。
おかげでサナも気絶しなかったし、二人同時に達することも出来てサナは満足そうに眠りについている。
これだけコントロールできるならいけそうだな。
「それじゃ、ミツキも少し練習してみるかい?」
「え?!ええっ?!」
「大丈夫。練習だから、そっちは使わないよ。」
ミツキは凝視してる股間から目を離し、こちらの顔を見つめてくる。
「唇もまだ取っておこうね。」
「は、はいッス。そ、それなら、お、お手柔らかにお願いするッス…。」
そういってガチガチに緊張しているミツキを抱き寄せ、頬から本来耳のある位置にキスをしていく。
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>ミツキ・エオーレを眷属化しました