第九五〇話 「スニーク」
さて、スニーク班のリーダーはミツキだ。
淫魔法【夜遊び情報誌】で出した7階層までのマップを勇者特性【ビジュアライズ】で出したタブレット的なものを持たせてある。
なぜ、7階層までかというと、前回来たときにそこまでしかマップを取得してなかったからだ。
ミツキは野伏の上に淫スキルを使えるので、鑑定スキルの【性病検査】ほか、体力ゲージ等が視覚表記される【サディスト】、危機感知能力の【マゾヒスト】も上手く使いこなすだろう。
サブにチャチャがついているので、万が一の際には、チャチャにはミツキの許可で本気を出して良いと伝えてある。
まぁ、7階層までなら最大でランク4の敵だから、ミツキ一人でもなんとかなりそうな気もするけどな。
とりあえず8階層を目指すとともに、迷宮の最下層への安全なルートを確保するのが目的だ。
で、レベルアップ班のリーダーはサオリさん。
こちらも淫スキルを使える上、淫魔法も使えるので、敵のレベルを見誤ることはないだろう。
サブはサナ。
回復的にも攻撃的にも魔法的にも安定しているコンビなので、こちらはあまり心配していない。
随行のゴールド達の強さを見ながら、戦う的のレベルを少しずつ上げていくだけの簡単な、お仕事だ。
いや、ゴールド達からしたら限界の戦いをさせられるので、大変かもしれないが、レベルアップのため、頑張ってもらおう。
そして最後が私が率いる鳥さんチーム。
目的としては、スニークチームと同じく最下層を目指すことだが、可能なら空からのマッピングをしたいとの要望が出た。
とりあえず許可はだしたのだが、深い階層にいくにしたがって木が生い茂り、空からのマッピングは難しいだろうことだけは伝えてある。
さて、改めての話だが、このタツルギの迷宮は天体状に丸く閉じている森の迷宮だ。
北極の位置に迷宮の入り口でもある巨木が立っており、反対側の南極の位置に最下層があると思われる。
パターン的には南極部に地下への入り口があって、9階層、10階層と、いう感じかな?と、個人的には思っている。
鳥さんチームはマッピングに満足したら、さっさと空をショートカットして、敵は私が倒しながら、8階層上空まで行ってしまう予定だ。
そこで【夜遊び情報誌】使えば9階層が発生してるか判明するしな。
以上のことをそれぞれのチームに説明した後、それぞれの班に分かれて行動を開始することにした。
▽▽▽▽▽
結論からいってしまえば、空からマッピングできたのは、5階層までだった。
それもかろうじて林道がわかるという程度のもので、期待外れだったかな?と思ったが、本人達は満足しているらしい。
と、いうのもゴールドの探索者のメイン狩り場、あるいはその近くの階層なので、マップの需要はあるとのことだ。
なんでも迷宮の地図は貴重なので、ギルドが買い取ってくれるらしい。
やけにマッピングにこだわっていると思ったら、そういうことだったのか。
こりゃ、スニーク組も似たような状況になってそうだな。
とりあえず、随行のゴールド達の目標は達成できたので、森から敵に狙われない高高度を飛びながら、改めて最深層を目指すことにした。
▽▽▽▽▽
あまり高高度を飛びすぎると、今度は逆に空から襲ってくる敵に狙われるので、結局はこちらもスニークミッションに近い状態での移動となったのだが、ちょっとおかしい事がある。
と、いうのも、ミツキ達よりいち早く南極部上空まで来たのに、8階層がないのだ。
いや、厳密にいうと、ある分にはあるのだが、直径100mくらいの大きさしかない。
念のため、私だけ降りてみて、地上でも勇者装備【変成の腕輪】を使いつつ、【夜遊び情報誌】を使ってみたのだが、特に変わりがないし、敵もいない。
端的にいってしまえば行き止まりになってしまってるのだ。
まぁ、実はこれ、前回訪れた際に、7階層で同じことをやって、知っていた話なのだが、ここまで何もないとは思わなかった。
前に言っていた、タツルギ迷宮はちょっと謎な部分もあるというのはこのことで、実質8階層が無いのが謎というわけだ。
ミツキッス。
さっき、ご主人様から念話が届いて、先に8階層に到着したらしいッス。
さすが空飛べる組は早いッスね。
次回、第九五一話 「8階層」
こっちは絶賛マッピング祭中なので、まだしばらくかかりそうッス。