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第九四六話 「眠れぬ夜」

 「結局同じ宿にしたの?」

 「そうッス。前の時の感じが良かったッスし、値段も今のアタシ達には手ごろッス。」


 「まぁ、たしかにそうか。」


 まぁ、ミツキの思い出の場所というのをいうのは野暮というやつなので置いておくが、特殊な混浴なのがちょっと気になるところではある。


 まぁ、逆に他のみんなにはそれが好評であるようなのだが。


 「流石に食べ飲みし過ぎた、お風呂頂いて、早めに寝させて貰おう。」


 「そうですね、わたしも今頃緊張がとけて眠気が出てきました。」

 「チャチャも、おなかポンポンにゃ。」

 「凄い歓迎っぷりでしたしね。」

 「調子に乗って、チーちゃんとギルドマスターの組手までやらせるからッスよ。

 おかげで、アタシ達みんな強い勇者一行みたいになっちゃったじゃないッスか。」


 そんなことを話しながら、部屋に案内され、浴衣を片手に温泉に向かい、ミツキとチャチャと私が、ひとっ風呂、サオリさんとサナがふたっ風呂くらい浴びて床へとついた。



▽▽▽▽▽



 「眠れないんスか?」


 「ミツキこそ。

 それとも以前の事、思い出していた?」


 「アハハ、図星ッス。」


 皆が寝静まった後、寝間から客間へと戻ると、窓際にミツキが座ってお茶を飲んでいた。


 「パパは?」


 「ああ、ちょっと()()()()にね。」



▽▽▽▽▽



 「はぁ、はぁ、はぁ、糞ッ!面白くねぇ!

 せめて娘の方だけでも何とかしねーと、気が収まらねぇ!」


 本来なら楽し気に観光客が行き来する大きな運河横を、悪態をつきながら走る勇者ケンジ・タドコロ。


 ああ、そういう奴だと『信じてたよ』。

 と、上空からその様子を眺めている。


 種族特性【淫魔の羽根】で生やした羽根での飛行と敵意を察知する淫スキル【マゾヒスト】、夜目を強化しつつ隠密行動が取れる【夜這い】を組み合わせれば、夜といえども勇者を探し出すことは淫魔の姿の自分には簡単なことだった。


 「みーつけた♡」


 全裸の自分を気にもせず、上空から勇者に声をかける。


 「な、なんだお前は?!亜人族か?【我にあたるものなし】!」


 意外と判断が早いな。


 そのまま、敵意を消しつつ、ストン、と笑顔で勇者の目の前に降りる。


 「うふふふ。」


 淫魔法【脱衣の心得】

 

 異性に対してのあらゆる行為に淫魔ランクに応じてボーナスを得る【フェロモン】

 露出度に応じて魔法使用の際にボーナスがつくスキル【裸エプロン】の二つが効果を絶大に発揮し、勇者を全裸へと剥いてしまう。


 淫魔法【淫具召喚】、【緊縛の心得】、【淫具操作】


 脱がした装備を剣や防具もろとも、【淫具召喚】で呼び出した普段チャチャが使っている重いハンマー2本と一緒にひとまとめに縛り上げ、【淫具操作】で水路のど真ん中へとぶん投げると、その重さであっという間に沈んでいった。


 この間、3~5秒くらいだろうか?


 勇者は、ぽかん、とした顔で沈んでく装備を眺めている。


 「えい。」


 そこで()()()


 あっさりと足を払われ、尻もちをつく勇者に、マウントポジションを取る。


 「まぁ、やっぱりそうよね。

 身体自体に何も当たらないなら、服も着れない。


 【我にあたるものなし】の効果は、装備にかかっているという読みは当たりだったようね。」


 「【ソードダンサー】!来い!」


 「………来ないわねぇ。こちらもやはり重量制限あり。と。それとも距離かしら?」


 「くっ!【我にあたらぬものなし】!」


 全裸の騎乗位状態マウントポジション


 一定の距離内で恥骨の位置が対象より高い位置にある場合、特定のスキルの成功率に淫魔ランク分のボーナスを得るスキル【騎乗位】が危険感知の【マゾヒスト】と【性技】と【格闘】をブーストさせ、勇者のランク1程度の【格闘】を、あっさりと無効化する。


 簡単にいうと、当てたいところに拳が着く前に、手首を捕まえて、自分から優しくあたりにいってやる、といった状態だ。


 こんなもの1000発当たろうがダメージにはならない。


 「お、お前は何者だ。なぜ、勇者の俺にこんなことをする。」


 「さっき、呟いていたじゃないの。サオリ・サオトメの娘、サナをどうにかするって。

 それを止めに来たのよ。


 殺してでもね。」


 ああ、やっと抑えていた殺気が出せる。


 声をコントロールして【交渉】や【性技】にボーナスを得るスキル【嬌声】

 【交渉】または【性技】に対して淫魔ランクに応じたボーナスを得る。【ASMR】

 そして【フェロモン】が、【交渉】に乗り、殺気がダイレクトに勇者に伝わる。


 「奴らの仲間か?!お、俺を殺せば、ネ、ネローネ帝国が黙っていないぞ!」


 「ええ、だから、お仕置きだけをしに来たの。」


 【加虐の心得】という淫魔法がある。

 淫魔ランクに応じて命中率、攻撃力がアップという単純なものだが、それ以外に追加効果があるのだ。


 その追加効果とは与える痛覚を強化する。

 つまり、これを使って与えた攻撃は通常よりも痛いのだ。


 これを関係スキルや魔法でブーストする。


 【淫魔の羽根】で淫魔ランクを+2して、淫魔ランク自体を8に。


 全裸での攻撃なので【性技】が【格闘】に乗るので、【ASMR】淫魔ランクボーナス追加。


 いつもの【フェロモン】と【テクニシャン】で更に淫魔ランクボーナス追加。


 露出度に応じて魔法使用の際にボーナスがつく【裸エプロン】で、さらに追加。

 

 そして【騎乗位】でブーストさせた淫スキル【サディスト】と【性感帯感知】で、より痛い場所を検索


 さて、これからランク60相当の痛みのスパンキングを味わってもらうわけだが、


 「でも、死にたくなったら、遠慮なく言ってね♡」

 サナです。


 ん、なんだか、お父さんの感覚が……やっぱりいない。

 何か思い詰めていたみたいだけど、大丈夫かな?


 あれ?ミツキちゃん?


 次回、「ミツキとの夜」


 え?あたしのために?


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