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第八九五話 「二柱の安否」

 「最後は前回と同じ質問でいい?」


 サナとミツキのやりとりを微笑ましくというか、嬉しそうに見ていた地母神様が、そういえば、という表情でそう問いかけてきた。


 「はい、でも、その前に報告が一つあります。」


 「報告?」


 「ええ、星の根を1本、破壊することができました。」


 「マジで!?

 え?亜人ひとの身で出来たの?」



▽▽▽▽▽



 破壊できたといっても、7割方はサビラギ様の必殺技で、私が関わったのは最後のトドメくらいなものだから、自身満々にとはいえないが、当時の様子を地母神様に説明すると、真顔で関心していた。


 地母神様曰く、神使のその子(サビラギ様のことらしい)、権能が散っている今の地母神わたしよりも強いわよ。とのことだ。


 流石に地母神様本体ではなく、今、目の前にいる分体の方のことだろうとは思うが、相変わらず、とんでもねぇ人だな、サビラギ様。


 「それにしても、神使だけじゃなく貴方の攻撃も効いたのは朗報ね。

 その調子で、星の根を食い止めてくれると助かるわ。」


 「チャチャもお手伝いできるかにゃ?」


 「そういえば、貴方も【神使化】できるのよね?

 なら、十分に戦力になると思うわ。」


 「頑張るにゃ!」


 そういって小さくガッツポーズを取るチャチャ。


 役割があると嬉しい性格なので、ちょっとテンションが上がっているようだ。


 とはいえ、なにかサビラギ様のような必殺技でもないと、なかなか今の戦力的には厳しそうだが、地母神様由来の淫魔の力を受け継いだ私の攻撃が通るなら、今のサナやミツキ、サオリさんも通る可能性があるので、意外となんとかなるかもしれない。


 と、話がそれて時間切れになる前に質問の方をしておかないと。


 元々は、私達だけじゃなく、サビラギ様達も一緒に来て質問をする予定だったのだが、こうして予定通りにいかないことも想定して、質問を預かってきてあったのだ。


 「それで、今回の質問なのですが……」


 「ええ、いいわよ。」


 「地母神様以外の二柱の安否を教えてください。」



▽▽▽▽▽



 現在の状況は、地母神様系列の亜人族にとっては、激おこ案件であるのだが、それだけでは、亜人族全体としては、というかアサーキ共和国としては動けない。


 ただ、宙転神が天父神様に成り代わろうとしているのならば、天父神様自身にもなにか起きているかもしれないし、海母神様にもなにか、しでかしていてもおかしくない。


 今回は、そのため、まずはその二柱の安否を確かめたい、というのが、ユメニシ陛下とマミ先生、ヤコさんの意見で、今回はそれが採用された形になる。


 「ほかの二柱ふたりの安否ね……。」


 地母神様は顎に手を当て、少し考えた様子の後、ゆっくりと話し始めた。



▽▽▽▽▽



 まずは、地母神様のねえさん、こと海母神様。


 こちらは、地母神様のような物理的?な被害にはあっていないだろうとのことだ。


 ただし、『種星落とし』の際、巨大な地震は避けきれなかったため、それに伴う津波を抑えるのに相当、神力を消費しているだろうとのことだった。


 あとは、海岸にほぼ近い場所への星の根の対処。


 これも負担になっているのではないか?ということだ。


 一応、各迷宮の星の根というか、魔王発生のチェックは私達が一通り回ってくることになったという話をすると、それは助かるわね、と笑顔を返された。


 とりあえず、深刻な状態ではないが、神力を散財させられているので、宙転神の被害者といっても過言ではないだろうとのことだ。


 問題は天父神様の方だ。


 現在、天父神様は、夜天神様のお力で、月の牢屋に幽閉されているとのことだった。


 月の牢屋といっても、実際の月に鉄格子付きの牢獄があるというわけではなく、満ち欠けする月の概念に囚われ、満月の日は、その力を十全に発揮できるが、新月の日は全く神力を発揮できない状態らしい。


 そのため、少し前、これは地母神様の感覚での少し前なので、相当前からだろうが、新月の夜には天父神様系列の亜人族や人族は魔法を使えなくなるらしい。


 って、あれ?


 「夜天神様って、地母神様達の味方じゃなかったんですか?」

 チャチャにゃ!


 こないだはチャチャ、見てるにゃけにゃったけど、今度はお婆ちゃんみたいに頑張るにゃ!


 もうちょっとで、できそうな感じがするんにゃけど、なかなか難しいにゃぁ。


 次回、第八九六話 「夜天神と天父神」


 それにしても宙転神様は悪い子にゃね。

 他の人に迷惑をかけちゃいけにゃいのにゃ!

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