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第八九三話 「努力」

 場所は、私達にあてがわれた部屋の寝室。


 淫スキル【淫魔】で淫魔の姿になり、早速、種族特性【神殿】を使っていくことにした。


 私を中心に円陣を組んだような状態での家族の皆がいて、それを取り巻くように、サビラギ様をはじめとしたパーティーのメンバーがいる中、【神殿】を発動させていく。


 足元と頭上に紫色の魔法陣が現れゆっくりと回転しはじめ、続いて左右、前後にも魔法陣が展開され、回転しながら大きくなっていき、全員を包み込むほどの大きさに広げていった。


 頭上の魔法陣も大きくなりながら、少しずつ上昇していったが、こちらは前回と同じく、ちょうど部屋の天井くらいの高さで止まっている。


 前後左右の魔法陣も同じく大きくなりながら外側に広がり、今では天地の魔法陣と接し合って、前回と同じく魔法陣で作られた箱の中に、全員が入っている状態だ。


 高速で回転する魔法陣の紫色の光に包まれたこの圧迫感のある空間に耐えながら、魔法陣が割れ、外側に壁が現れるのを待つ。


 そしてそれはほどなく成功し、中世ヨーロッパの迎賓館を思わせるような豪華な雰囲気の部屋。


 その中央にある大きなベッドの上に私達は立っている。


 『始まりの部屋』こと神殿に辿り着いたのだ。


 が、


 「お婆ちゃん達どっかいっちゃったにゃよ?」


 うーん、残念ながら失敗らしい。


 やはり、限られた者だけを、召喚しやすい空間に転移させてから地母神様を召喚という流れなんだな。


 予定どおりとはいかなかったが、まぁ、想定内だ。


 それどころか慣れたものなのか、祭壇の上には既に地母神様が足を組んで座っている。


 軽くウエーブがかかった髪をなびかせ、獣を思わす紫色の瞳。


 褐色の肌を露わにして、組みながらも、すらっと伸びる太ももにはスペードマークを思い起こさせる尻尾が巻き付き、なぜか頬杖をつくような形で両腕を組んでいる。


 蝙蝠のような黒い羽根がなくなっただけでも大分印象が変わるな。


 などと思ってると、開口一番、


 「だから来るの早いって!」


 と、なぜか怒られてしまった。



▽▽▽▽▽



 地母神様は 左目を左の手のひらで隠し、すうっと、サナ、ミツキ、チャチャ、サオリさんを眺め見し、そして、


 「ちょっと、そこの3人、近くに来なさい。」


 と、サナとミツキ、そしてサオリさんを近くに呼んだ。


 なんとなく察したので、チャチャは私の膝の上に乗せ直し、私の両手でチャチャの耳を塞いでいる。


 「努力してくれているのはありがたいけれども、そもそも、ああいうことは、子どもや愛を育むためにするのであって、家畜の乳みたいに絞れば良いというものじゃないのよ?」


 説教である。


 本体は地母神様とはいえ、サキュバスに絞りすぎたと説教される、うちのサキュバスさん達。


 うんうん、正直、最近は回数が多すぎるので、地母神様から注意して貰えるならありがたい。


 「せいぜい、1日12回くらいまでにしなさい。」


 いや、多いわ!


 いや、昨晩に比べればもちろん少ないし、今の私なら余裕の数ではあるのだけれども。

 やはり基準が身体であるサキュバスに引っ張られているのだろうか?


 「あの、一人12回ですか?」


 おずおずと、そう聞くサナ。

 神様に対してガッツあるな。


 でも、その数だと最悪一晩36回になっちゃう。


 「あなた達は何回でもいいけど、そこの勇者が達するのは一晩12回。

 それ以上は求めちゃ駄目。」


 ありがとう地母神様、それくらいなら僕、余裕で頑張れる。


 というか、今後は初期みたいに、皆んなの方を満足させることが重視な「レベル上げ」になりそうだな。

 ミツキッス。


 いや、正直、昨日は興が乗りすぎて、やりすぎだったと反省してるッス。


 アタシ的にも、ゆっくりじっくりとっていうのは望むところなので、これからは気をつけるッス。


 次回、第八九四話 「羽根と角と」


 でも、求めちゃ駄目とはいわれたッスけど、求められたら答えてもいいんスよね?

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