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第八五四話 「淫スキルの成果」

 それはさておき、サナから、もう少しで晩御飯が出来上がるという念話が飛んできたので、淫スキル【淫魔】から種族特性【トランスセクシュアル】のコンボで外見、というか、諸々の匂いをキャンセルし、離れへと先に戻る。


 先に、というのは、サオリさんは流石に、ひとっ風呂浴びてから離れに戻りたいという要望を聞いたためだ。


 メニューのアイテム欄に収納する形で、身体にまとわり付く諸々の体液を綺麗にすることは可能なのだが、サオリさんは意外とこれを嫌がるというか、温泉に入るチャンスを逃さないというか、「レベル上げ」の事後、温泉に入りたがる傾向にある。


 これがミツキだとその辺り論理的ロジカルなので、綺麗にしてから改めて一緒に寝たがる傾向にあるし、サナにいたっては、むしろそのまま香り、いやもう匂いだな、に包まれて寝るか、あるいは一緒にお風呂に入るていで、お風呂場で「レベル上げ」2回戦目というパターンが多い。


 この辺りは、それぞれの性格と「レベル上げ」の内容によるところが大きいな。


 そんなわけでサオリさんには、なるべく早く戻るように一声かけて、離れへと戻った。


 離れに戻ると扉の位置から必然的に台所を通ることになるのだが、3口業務用魔力コンロをフル活用して、サナがまるで踊るかのような見事な手際で調理をしているのが嫌でも目に入る。


 特に裸エプロンの下の桃尻とか。


 サナの控えめな胸では、裸エプロンにすっかり隠れてしまうのも、これはこれで中々おもむきがある。


 と、いう、まだ頭の中が「レベル上げ」モードから抜けきってないのを表情に出さないよう、また、サナの邪魔をしないように、少し台所内を大回りして囲炉裏のある居間へと向かう。


 「お父さん、おかえりなさい。

 あれ?お母さんは?」


 「お風呂はいってから戻るってさ。」


 「はーい、じゃ、もう少し手間をかけても大丈夫かな?」


 私の方を向きながらも手は休まず動かし続けているサナ。


 元の素養があるとはいえ、淫スキル【裸エプロン】がもたらす調理スキル凄いな。


 いや、あれは淫魔ランク依存だから、淫スキル【淫魔】で、それに相当するサナのスキル【性技】のランクが凄いせいだが。


 そういや、そろそろサオリさんも【性技】がミツキと同じランク2に上がりそうなんだよな。


 やはりご奉仕中心の「レベル上げ」が原因なんだろうか?


 駄目だ、やっぱりまだちょっと色ボケしている。


 変に顔に出る前に居間に入り、窓際のいつもの席へと座る。


 普段だと隣にサナが、サナの向かいにチャチャが座り、チャチャの隣で私の向かいがミツキ、私とミツキの間のお誕生日席にサオリさんが座ることが多い。


 台所組であるサナとチャチャが台所側、この建物の持ち主というか相続主であるサオリさんが床の間のある和室側、つまり1階における家主部屋側に座り、その間の比較的上座に私が、下座にミツキが座るパターンだ。


 まぁ、お酒を飲む際にも、この並びの方が注ぎやすく注がれやすいという実務的なメリットもあったりする。


 「あれ?チャチャ、元の姿に戻ったの?」


 「うにゃ、いっぱい寝て元気になったにゃ!」


 そういいながら向かいに座るミツキの横で、両手を上げて回復をアピールするチャチャ。


 子猫モードで寝ると回復が早いのだろうか?


 心配していた淫魔法【コスチュームプレイ】で着せていたが子猫モードになった途端、消えてしまっていた普段着も、今は元通りだ。


 どうやらあの魔法、サイズだけじゃなく、TPOにも合わせてくれるらしい。


 密かに懸念していた、子猫や化け猫、獣人モードから元に戻った時に全裸だと困るという状態は回避できそうなので、胸をなでおろす。


 いや、私が側にいる時ならどうとでもなるが、そうじゃないパターンも十分ありえるからな。


 特にチャチャが【神使化】しなきゃならない状態なんていうのは、相当追い詰められている状態だろうから、懸念事項は少ないに越したことはない。


 それはそうと、【神使化】モード自体は少しずつ慣れておいて、その相当追い詰められた状態の時に十全に力を発揮できないと、それこそ命に関わるのだが、その辺りは首都への遠征の際、サビラギ様が稽古をつけてくれるそうだ。


 「おまたせしました~。」


 「お母さん、前空けて空けて。」


 そんな事を考えているうちに、湯上がりホカホカのサオリさんが居間へと戻り、その後ろを両手で大きなお盆をかかえたサナがついてきている、というか、サオリさんに割り込まれた感じだなこれ。


 途端、居間には思わず反応してしまうようなかぐわしい匂いが2種類香る。


 1種類は、お風呂上がりの成熟した女性がかもし出す汗と洗い髪の香り。

 これは私が反応してしまう方。


 もう一つは、チャチャが、いの一番に反応したサナが持つ料理の匂いだ。


 この匂いは生姜焼きかな?


 あえて何回か、そして最近食べたものを作ってきたということは、料理の成果に自信、あるいは、なんらかの検証が含まれているのだろう。


 これはちょっと楽しみだな。


 チャチャにゃ!


 色々覚えすぎて頭ぐるぐるにゃったけど、一眠りしたら落ち着いたにゃ。


 今は全部は思い出せにゃいけど、お婆ちゃんの話だと、【神使化】するとちゃんと思い出すし、何度か繰り返すうちに、普段も覚えていられるようににゃるらしいから、たぶん大丈夫にゃ。


 次回、第八五五話 「生姜焼き」


 にゃ?!

 この匂いは……。

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