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第八二三話 「ミツキと夜這いと求める気持ち」

 「さっきの話じゃないッスけど、パパは基本夜這い待ちッスよね。」


 テキパキと手を動かしながら、こちらを見ずにそう語り掛けてくるミツキ。


 「最近は特にそうだなぁ。」


 地母神様に会ってからのサナ、ミツキ、サオリさんの3人は、私の勇者化に熱心で、「レベル上げ」も今まで以上に積極的だ。


 今日みたいに一人で寝られていたのなんて10日ぶりくらいで、朝や昼にお相手するのも珍しくない。


 「拒まれないのは、それはそれで安心するッスけど、たまにはパパから誘ってくれないと、自分達が魅力不足なのかと心配になるッスよ?

 まぁ、本来、発情期があるサナちーやママさんはまた別かもしれないッスけど。」


 そういって、パタムと冷蔵庫の扉を閉めるミツキ。

 だが、こちらには背中を向けたままだ。


 「ミツキをはじめ、みんなに魅力がないわけないじゃないか。

 下品な話だけど、毎回の数と量を見ればわかるだろう?」


 後ろからそっとミツキの肩を抱きしめ、ウサ耳元でそう囁く。


 サナ達とは違って風呂に入ってないせいか、耳元からミツキの汗の匂いが鼻に香る。


 正直なところ、これだけで、もう私の身体は正直になってしまうくらいだ。


 「あっ……」


 それを背中で感じたのか、ミツキのウサミミの内側が、かっと赤くなる。


 「まあ、ただ、確かに誘いづらくて自分から求められていないのは認めるよ。

 それを不安に思っているのなら、あやまる。


 自分から誘わなくても、皆から求めてくれるという甘えもあっただろうし、なんとなく皆の中で当番というか決まり的なものがあって、それを乱してはいけないかな?と思っていたというのもあるが、やっぱりそれも言い訳だな。」


 「パパ……」


 顔を伏せながらこちらに振り返り、胸に顔をうずめるミツキ。


 「……そうッスね。いや、アタシのワガママだったッス。

 あやまるのは、こっちの方ッスよ。

 ごめんなさい、パパ。

 アタシ、もう寝るッス。」


 そういって離れようとするミツキを抱きしめなおす。


 今度は肩ではなく背中を抱きめた関係でミツキの張りのある胸が私のみぞおちあたりに押し当り跳ね返りそうだ。


 そこからさらに腕を緩め、腰まで落とし、改めて下腹部を押し付けるように抱きしめなおす。


 「駄目、許さない。

 エッチな匂いをさせながら可愛い事言って、エッチな身体で誘惑するミツキを今抱きたい。」


 「アタシそんなにエッチじゃないッスよ?!」


 人聞きの悪いとでもいいたそうな顔を上げるミツキ。


 「ええい、問答無用。今から「レベル上げ」を、いや、ミツキとエッチをする。

 ……嫌かい?」


 「……嫌じゃないッス。もう、パパったらアタシの魅力にメロメロなんスから、しょうがないッスね!」


 ウサミミを真っ赤にしつつも、笑顔でそんな軽口を叩くミツキだが、その腕は私と同じように私の腰に回している。


 「ありがと、パパ。

 嬉しいッス。」


 「ありがとうミツキ。

 素直に気持ちを伝えてくれて。


 あと本気で抱くので誘惑したことを覚悟するがいい。」


 「なにおー!パパだって覚悟するッスよ!

 今日のミツキちゃんは愛情マシマシッスからね!」



▽▽▽▽▽


>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した

>20ポイントの経験値を得た

>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した

>740ポイントの経験値を得た

>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た

>レベル46になった



▽▽▽▽▽



 「はぁはぁはぁ……ここからはアタシのターンッス!

 ママさんに手取り乳取り教わったテクニック、味わうッスよ!」



>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した

>590ポイントの経験値を得た

>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た









>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した

>30ポイントの経験値を得た

>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した

>590ポイントの経験値を得た

>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た



▽▽▽▽▽



 「まるで赤ちゃんをお風呂に入れているみたいだな。」


 露天風呂で横抱きにミツキを湯船に浸からせ、左腕を枕に、お湯で撫でるように右手で身体を洗い流す。


 実は今、本気出しちゃったらミツキが気絶しちゃった。てへ。

 と、いう状況なのだ。


 中々目を覚まさないので、今のうちに汗を流してやろうと風呂場に連れて来たのだが、力が入っていないので座らせて洗うことも出来ず、今のような状態になっている。


 一応、かけながしの温泉だけど、後で1回風呂のお湯入れ替えておくかな。


 「……ん、んんん……。」

 「おはよう、ミツキ。」


 「あ、パパ……!?なぜにお風呂?

 って、ああ、わかった、パパ、ホントの本気でするなんてひどいッス!」


 現在の状況を把握した上、気絶させられるまで可愛がられたことを思い出しそう非難するミツキ。


 「いや、すまん。ミツキが可愛くてついスキルまで使ってしまった。」


 この場合のスキルは淫スキルの方だ。

 普段はスキル【性技】と【絶倫】しか使わないようにしているのだが、普段の癖で、とか、興が乗って、とか、これで最後だ!とかいうノリで、ついつい淫スキルの方も使ってしまうのが悪い癖だな。


 「もー、気絶するの怖いんスからね!」


 そういって、ぷんすこ怒りながらも体制を変え、私の肩を枕に身体を預けるミツキ。


 気絶の甲斐あって、ミツキの【性技】スキルが3まで上がっていたりする。


 正式にミツキが眷属になった後だと、淫スキル【淫魔】を使えば、一定時間【性技】スキルのランクが淫魔ランクとみなされるので、中々タイミングが良い。


 そんな説明をしているうちに、機嫌が直ったのか、しばらくの沈黙が訪れた後、ミツキが改めて口を開いた。


 「パパが正式に勇者になるのは明日ッスか?」

 ミツキッス!


 途中までの攻撃、いや口撃では、かなり有利だったんスけど、やっぱり途中で欲しくなっちゃったのが敗因ッスよね……。


 でも、そこから一気におしりまでいくパパはやっぱり鬼畜ッス。

 

 次回、第八二四話 「勇者への道」


 いや、レベル上げに必要だってのは分かってるんスけどね。

 慣れ過ぎちゃうのはちょっとまだ怖いッス。

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