第八十話 「サキュバスちゃん」
>サナは淫魔の契りにより主を倒した
>260ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>レベル19になった
>サナは淫魔の契りにより主を倒した
>190ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
▽▽▽▽▽
酔っていたとはいえ発情期中に生殺しとは悪いことをしたと心底思っている。
なので、お詫びにサービスしようと思ったが、どっちかというとサービスされたというか凄い積極的だった。
発情中とはいえ、もうどっちがサキュバスだかわからんと思うくらいに。
とはいえ、途中でやっぱりサナはオーバーヒートはするのだが。
そういうところがまた可愛い。
昨日の昼からそれだけ溜まってたのかと思ったが、なんでも夜市のおかみさんに「発情期中でもそうでなくても人族の男は積極的に行けば喜ぶし可愛がってくれるわよ?」と焚き付けられたらしい。
それをサナから聞いた時には「おい!」と思ったものの、いっそいつか機会を見て鬼族の女性の生態について聞いてみた方が良いかもしれないとも思い直した。
そろそろ頭打ちにはなるとは思うが、『淫魔の契り』によるレベルアップはなんだかんだで強力だし、短期間にこれだけ身体を重ね合うと習慣づいてしまいそうだ。
私が。
倫理的抵抗感がなくなったわけではない。
ただ単純にサナが喜んでくれるのは嬉しいし、信頼しあっている間で身体を重ねる事に幸せを感じてしまっている。
とはいえ、発情期を過ぎた後にサナがこれをどう感じるかは覚悟しておかなくては。
日数的に考えれば、おそらく近日中に発情期も終わるだろうし、思春期的な「お父さん嫌い期」がこないとも限らないのだ。
うん、今となっては想像しただけで辛い。
そんな事を考えながら、サナの代わりに皿を洗っている。
サナ自体は今、バスルームで絶賛思い出し赤面中だ。
勢いで何かやった後とか言った後に照れる傾向は相変わらずだ。
ある意味度胸があるのかもしれない。
でも一緒に風呂に入らないレベルは初めてだな。
発情期の日数によったりするんだろうか?
▽▽▽▽▽
いろいろあって朝が遅くなってしまったので、今日は迷宮に入る前にサナと買い出しに出ている。
メインの目的は野営にも使える調理用具一式と食器類一式、それから調味料類の一式だ。
調理用具さえあればサナがおかみさんの所にいかなくてもギルドの2階の炊事場でご飯がつくれるし、ゆくゆくはサナの故郷に旅する時にも使うだろうからだ。
早めに使って慣れておきたいというサナのいうことももっともだと思うし、多少かさばっても、普段はメニューのアイテム欄に入れておけばいいので問題ない。
サナは最初、自分のお小遣い、じゃなくて手持ちの報酬で買う気だったらしいが、どう考えても必要経費だと説得した。
とはいえ、自炊ばかりで世話になったおかみさんのところに行かなくなるのも不義理かと思い、サナとは晩御飯はなるべくおかみさんのところで食べようと話をしている。
需要が切実なせいかアウトドア用品はこの世界ではかなり充実しているように思える。
多少金額はかかるがコンパクトに纏まる商品がやはり人気なようだ。
当然荷物は少なくしたいものな。
まずは調理用具の内、鍋のセットだ。
だいぶ悩んだが、やはり金属製で蓋つきの中鍋、小鍋、フライパン、ザル、蒸し蓋がセットになったものを選んだ。
重ねると専用の鞄に一つに納まるのも魅力だ。
ザルなしだと大分安くなるのだが、調理の幅を考えると外せなかった。
ザルが高いのはたぶん金属加工の技術的な問題なんだろう。
竹製のザルだと段違いに安いが管理が大変そうなのでやめた。
包丁、まな板、ハサミ、フライ返し、お玉、しゃもじ、トングが薄い鞄に一つになるセットもあったので、これも購入。
携帯用なのでサイズ感は小さ目だがサナが使うなら逆にちょうどいいくらいだ。
ここまででだいぶ小さいサイズに収めることができた。
実際にはアイテム欄に入れておくので大きさはどうとでもなるのだが、旅先だと人前で使う事になるのを考えると、全体で私のバックパックに納まるくらいのサイズにしておかないと不自然なのでなるべくコンパクトに纏めたい。
次に食器セット。
一人用セットを2つ買うくらいなら、四人用セットを1つ買った方が調理の幅も出るし専用の鞄がついて来るというのでそれにした。
調理用具が小さく収まったので収納的に余裕もある。
全て金属製で、カレーを食べるような大皿、丼サイズの椀、マグカップが4つ入っており、上手く積み上げると専用の鞄にコンパクトに纏まる。
追加でスプーンと箸を同じく4つずつ買って一緒に入れる。
本来二つずつで良いのだが、サナが調理の際に使い分けたいというので、せっかくだから4人用セットにしてしまった。
箸があるので使わないかもしれないが、一応フォークも同じ数買って入れてある。
そういえば、やっと異世界らしい買い物もある。
魔力で加熱する携帯用コンロだ。
カセットコンロのように火が噴き出るタイプとIHヒーターのように火が出ないタイプの2種類がある。
どちらも自分で魔力を込めるタイプ、魔素核を使うタイプ、両方使用可能なタイプの三種類があり、当然後者の方が値段は高い。
ちなみに探索者ギルドの2階炊事場に備えてあるのは、魔力は両方使用可能で火の出ないタイプのコンロだ。
2個口のものもあるが、携帯用としては1個口が主流らしい。
人気なのは魔素核を使って火が実際に出るタイプらしい。
野外だと食材を火で直接焼きたいという探索者が多いそうな。
わかる。
あと魔力を込めるタイプは、火力や使用継続時間が、魔力の込め方の上手い下手や、込められる魔力の量に左右されるので、魔法職やベテラン向けだとの説明を受けた。
前は買ったはいいが使いこなせなくて返品やクレームを入れる客が多かったので、今は買う前にサンプルを使って実際に魔力を込められるかどうか試させてくれるらしい。
魔法は使っているが、感覚的というかゲーム感覚で使っているので上手くいくだろうか?
 




