第七八三話 「人の形(かたち)」
夕食も、その片付けも終わり、お茶を飲んで一段落したところで、場所を淫魔法【ラブホテル】の別荘へと移して、さっそく種族特性【擬人化】を試してみる。
まずは一番外見的に影響が強そうなミツキからだ。
あの大きさのウサ耳が消えるのは、結構インパクトがあったのか、おもわずチャチャが「耳にゃ!?」と叫んでいた。
尻尾の方も消えて、衣服のつくりから尾てい骨あたりの肌が丸見えになっているのが地味に気になる。
「ミツキ、どんな感じだい?」
「そうッスね。ちょっと耳が遠いというか、聞こえづらい感じがするッス。
髪型もいじって貰った方がいいかもしれないッスね。」
「なるほど。」
ミツキの場合、人間の位置にある穴の空いていない耳モドキが、【擬人化】で本来の耳となるのだが、普段これは髪型で隠してある関係もあり、普段より音が聞こえづらいのだろう。
まあ、それ以上に普段のうさ耳が聞こえやすい形状だというのもあるだろうが。
早速ミツキの髪型を淫魔法【トリコフェリア】で、金髪の内巻きミディアムの髪から後ろ一つ結びになるように整えてやる。
耳がむき出しになり、眼鏡がさらに目立つので、なんとなく本屋の店員さんみたいな印象になってしまったな。
「これでどう?」
「さっきよりは、だいぶマシッスね。あとは慣れだと思うッス。」
▽▽▽▽▽
次はチャチャだ。
ミツキと同じく猫耳が無くなるのだが、髪の毛がきめ細かな関係か、少しこもる程度で、耳を出すほどではないらしい。
前に大聖神国街行ったときは猫耳の上に帽子をかぶりっぱなしでも普通に会話していたので、それに比べれば聞こえやすいくらいだそうな。
ただ、
「尻尾がないから、落ち着かないにゃ。」
どうも気分的な問題だけじゃなく、身体のバランスを取る的な意味でも影響があるみたいだ。
戦闘にはならないとは思うが、いざという時のために、少しこの人族の身体に慣れておいた方が良さそうだな。
▽▽▽▽▽
サナとサオリさん、鬼族の二人は角が無くなるだけで一番影響が少ないとおもっていたのだが、実際【擬人化】をかけてみると、これが意外と大事だった。
サオリさんの言う、「全体的な感覚が鈍る。」と、いうのがそれで、話をよく聞いて見ると、例えるならば虫の触角が無くなったような感じのようだ。
どうやら鬼族は五感のほかに角がプラス1の感覚器になっているのかもしれない。
結局、チャチャ以上に人族の身体の感覚に慣れる必要がある様子で、結局、一番影響が少なかったのはミツキだったというオチになってしまった。
結局、ケイジョウ誘拐の決行日は未定のままではあるのだが、人の身体に慣れるため、今晩はこのままの姿でいることになった。
と、いうか、誘拐話はさておいて、明日、大聖神国街に観光に行こうという話になったのだ。
前にチャチャと行った時も、少なくても表側は風光明媚な場所だったし、みんなも一度連れて行きたかったので、下見の名目で、行ってみないか?と提案したところ、みんな賛成してくれたので、そういう方向性になった。
朝食も向こうで食べてみようという話まで発展したので、今晩は早く休んで、明日に備えようという話になり、今日はこのまま就寝の予定だ。
▽▽▽▽▽
>サナは淫魔の契りにより主を倒した
>1,100ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>レベル43になった
サナさん、貴女、明日の朝早い、っていったら、必ず布団に入ってくるよね?
興奮して眠れないタイプなの?
って、ミツキ、え?サオリさんまで?
>サオリは淫魔の契りにより主を倒した
>1,100ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した
>1,100ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>10ポイントの経験値を得た
>サオリは淫魔の契りにより主を倒した
>1,100ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>レベル43になった
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>10ポイントの経験値を得た
>サナは淫魔の契りにより主を倒した
>910ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した
>1,100ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>レベル43になった
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>10ポイントの経験値を得た
>サナは淫魔の契りにより主を倒した
>910ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>レベル44になった
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>10ポイントの経験値を得た
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>10ポイントの経験値を得た
>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した
>910ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>10ポイントの経験値を得た
>サオリは淫魔の契りにより主を倒した
>910ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
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人族の身体に慣れておく&いざという時のためにレベルを上げておく。と、いう大義名分は分かるよ?
分かるけど回数が、回数が多い……。
……上げておいて良かった、スキル【絶倫】
その後、睦言で、観光に連れていってやりたいと思ってくれたことが嬉しかったと、三人に告白され、少し安らかな心で睡魔に手を離した。
ミツキッス。
こう、なんで人族の耳って、こう聞こえづらいように出来てるんスかね?
え?チーちゃん、なんスか?
耳がない分、背が小さく見える?
あー、それはあるかもしんないッスね。
次回、第七八四話 「再び大聖神国街へ」
あ、でもこの髪型、涼しくていいかもッス。




