第七七六話 「ワシと婿殿」
「いや、それは、さすがに……」
「なにをいうか、減るもんじゃなし。
それに聞いておるぞ?婿殿はたぶん三国一の床上手だと。
発情期じゃなくても発情期以上の悦楽を与えてくれると、サナが惚気ておったわ。」
サナさん、お婆ちゃんに何いっちゃってるの?
女家族ってそういうものなの?
まぁ、亜人族の女性独特のものかもしれないけども。
ちなみにこの場合の三国一って、この場合、アサーキ共和国、ナイラ王朝、ネローネ帝国の三国を指すのだろうか?(現実逃避)
「まだまだ隠している秘密もありそうじゃしな、ここは力ずくでもいかせてもらうぞ?
いやいかしてやろう、か?」
ギャー、サビラギ様、肉食系だー!
▽▽▽▽▽
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>7,390ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして7,000ポイントの経験値を得た
>レベル45になった
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>6,350ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして7,000ポイントの経験値を得た
>レベル48になった
「ふむふむ、だいたい分かった。」
『レベル上げ』の件は、あっさりとサビラギ様にバレてしまった。
いや、おそらくサオリさん達から聞いて当たりをつけていたのだろう。
「婿殿、今、レベルはいかほどじゃ?」
「48です。」
「床入りの前は?」
「43でした。」
「なら、せめてもう一声特訓じゃな。
なに、レベル50まで上がれば、そうそう勇者にだって引けを取ることも無くなろう。」
なにその経験則っぽい発言。
って、日が変わったら、続きするってことですよね?
「なになに、既にサオリを通じて伝言は済ませておる。
朝帰りをしても大丈夫じゃよ。」
大丈夫じゃない予感しかしないんですけど?!
あとサナはたぶん、お婆ちゃん似だ。
▽▽▽▽▽
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>4,940ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして7,000ポイントの経験値を得た
>レベル51になった
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>4,100ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして3,000ポイントの経験値を得た
>レベル52になった
最後の駄目押しは当初の目標的にいらなかったのでは?
▽▽▽▽▽
念話で恐る恐るサオリさんに確認すると、みんな探索者ギルドの扉にかけてある淫魔法【ラブホテル】の別荘経由で離れに帰って、もう寝ているというので、かけっぱなしだった【ラブホテル】を一回解き、改めてこの部屋からいつもの別荘に繋ぎ直し、ラギちゃんに手を引かれ、露天風呂でお婆ちゃん洗いをさせられている。
聞こえだけなら介護だが、見た目はサナと同じくらいの年頃の上、一回り成長が良いので、色々と抵抗がある。
いや、あんだけしておいて、というかされておいて今更、という話でもあるのだが。
「いや、閨事も久しぶりじゃったな、若い身体というのは、思いのほか良いものじゃ。」
「もうしませんよ?」
「なんじゃ、もったいない。
とはいえ、これ以上は、確かに『レベル上げ』の効率も落ちよう。
ワシは楽しいが、サナやサオリはともかく、ミツキに悪いし我慢するかの。」
そういいながらカカカと笑うラギちゃん。
発情期のある女性上位の亜人族ということで、肌を重ねることに嫌悪感や羞恥心が無いようだ。
さらっとメニューから経験相手を眺めてみると、ケイジョウの筆おろしをしてやったと本人がいっていたが、同じようなパターンなのか、それなりの回数の相手が沢山、といった雰囲気の経験人数だ。
たぶん、発情期によるものなのだろう。
もちろんその中には勇者達も含まれており、経験人数でいけば、元の世界の感覚でいうと、かなり多く、何気に100人切り達成者だ。
その割にはスキル【性技】はランク2に留まっている。
いや、十分高いか、ベテランの娼婦並だしな。
サナのランク3やミツキの2で感覚が麻痺していた。
そういえば、レベルが50を越えた関係で、私の淫魔ランクも5へとランクアップしている。
スキル【性技】を今の4から最大6まで上げるチャンスではあるのだが、流石にそこまで上げる必然性があるかどうかは謎だ。
「ほれ、婿殿、手が止まっとるぞ?」
「あ、すいません、じゃ、そろそろ流しますよ。」
「うむうむ、よきにはからえ。」
そんなことを考えながら、思いっきり身体を動かせてご機嫌なラギちゃんの泡だらけの身体を流していった。
ラギちゃんじゃ!
たまには若さにかまけて無茶をするのも良いものじゃのー。
それにしても予想はしておったが、婿殿の勇者としての能力がこれほどとはな。
サナ達の年の割に異常な強さも納得じゃわい。
次回、第七七七話 「ワシとケイジョウ」
……完全に取り込むまでは、強くしすぎるのも勝手が悪い。
今回はここまでじゃな。




