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第七六六話 「よく愛し、よく励む」

 「よく愛し、よく励む、ねぇ……。」

 

 私の膝の上に横座りをしながら首に両手を絡ませるミツキの膝裏に腕を差し込み、そのまま、すっとお姫様抱っこで持ち上げる。


 「そういうことなら、もう少し可愛がってあげた方がいいのかな?」


 「え?もうアタシちょっと動けないッスよ?」


 私の爽やかな笑顔になぜかミツキの表情がひきつる。


 「大丈夫、大丈夫、やさしくするから。」


 「嘘ッスー、その顔はサナちーと二人でアタシを虐めるときの顔ッスー」


 「人聞きの悪い。愛情表現だよ、愛情表現。」


 申し訳程度に暴れるミツキを抱え、居間から寝室へと場所を移し、先ほどまで自分が寝ていた布団へミツキを寝かせる。


 丁度日も跨いだ時間だし、レベル上げを続けるには良い時間帯だ。


 「サナみたいに積極的になるんだろ?

 なら、私もそれなりにミツキを扱ってあげないと不公平だろうに。」

 

 「う、お、お手柔らかにお願いするッス。」

 

 もじもじと胸の前で両手を合わせ、ちょっと怯えた様子のミツキが可愛らしい。

 というか、ちょっと嗜虐心をそそられてしまう。

 

 いやいや、ちゃんと可愛がるつもりですよ?

 

 

▽▽▽▽▽



>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した

>70ポイントの経験値を得た

>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した

>190ポイントの経験値を得た





>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した

>190ポイントの経験値を得た



▽▽▽▽▽



 「こ、これくらいなら大丈夫ッス。」

 「なるほど、これからは気を付けるよ。」


 実は2回戦に当たって、というか、今後の『レベル上げ』に関してミツキから要望が入った。


 端的にいえば、私に早く、たくさん達して欲しいということだった。


 おっさんらしい遅漏が不評というよりも、回数で勝負して貰った方が、受け側も余裕が出来るし、地母神様に拝謁するための和合水も集まりやすいし、なにより自分達に達成感があって嬉しい。というのが理由らしい。


 スキル【絶倫】があるので、数撃ちは問題ないが、1回が短いと物足りなくない?と疑問をぶつけてみると、連続でしかも長くされると頭ぐちゃぐちゃになって、次を考えられなくなると、不評まではいかないものの、クレームを出されてしまった。


 通常、回数制限のある男の身体と女性の身体との差が出る感じだな。


 サナの話ではないが、淫スキル【淫魔】が、スキル【性技】のランク相当に淫魔ランクを再現するのであれば、【性技】スキルが上がるような『レベル上げ』の方が今後は望ましいだろう。


 サナみたいなセルフスパルタで【性技】を上げるよりは、考えながら工夫しながら技術を上げる方がミツキやサオリさんにとってもやりやすいかもしれない。


 なにより達成感があって嬉しいというのは共感できるしな。


 今の身体の能力なら十分に対応できるお願いなので、今後はそういう方向性で行こうと思う。


 私が速く達するなら『レベル上げ』にかかる時間も短縮できるしな。


 たぶん。


 きっと。


 ……その達成感とやらで盛り上がって回数が増えて、結局同じとか今まで以上に時間がかかるという可能性も否定できないが……。



▽▽▽▽▽



>サオリは淫魔の契りにより主を倒した

>190ポイントの経験値を得た






>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した

>70ポイントの経験値を得た

>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した

>190ポイントの経験値を得た




▽▽▽▽▽



 「うふふ、わたし、もう少し温まってから戻りますね。」


 そういって、露天風呂の湯船の中から、手をひらひらと振るサオリさん。


 翌朝、起き抜けに朝風呂に入りに来たであろうサオリさんにミツキと寝ているところを見つかり、脱衣所経由、露天風呂まで連行されつつ、『レベル上げ』というかご奉仕で、かなり絞られてしまった。


 二人共、前からこんなに熱心だっけ?

 もしかして私をさっさと勇者にしちゃいたい組だったりするんだろうか?


 サオリです。


 うふふ、ミツキちゃんったら、やっぱり昨晩はレン君と一緒だったのね。


 辞典貰ったの、凄く喜んでいましたものね。


 あの様子だと、ちゃんとお礼も出来たみたいで良かったわ。


 次回、第七六七話 「ロマへの手紙」


 わたしも、ミツキちゃんに遅れを取らないように頑張らなくちゃ。

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