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第五九八話 「茶碗とごはんとおかずとチャチャ」


 さて、チャチャのマイ茶碗にふさわしいおかずとは?と、なると、やはり白いご飯がすすむおかずであろう。


 てっきりサナが主体で献立を考えるとおもいきや、サナはその白いご飯そのものにこだわることにしたらしく、サオリさんとともに、お米選びに入ってしまい、主菜はミツキとチャチャに一任されることになってしまった。


 ここはチャチャが一番食べたいものにするのが王道ではあるのだが、チャチャ自身がそんなに料理の種類を知らないものだから、そのあたりのニュアンスをミツキが拾い上げるスタイルだ。


 と、いうわけで、「お肉食べたいにゃぁ。」というチャチャのリクエストに合わせて、コンセプトは「肉と米」になった。


 チャチャ自体はちょいちょい口に入る鳥のから揚げでも満足なようだが、ミツキが一捻りしたいということで、紆余曲折したものの、結局、豚の生姜焼きをチョイスしたようだ。


 辛い物好きというか香辛料系が好きなミツキらしく、かつ、ご飯がすすむおかずとしては定番で、さらにベーコンさん好きなチャチャにとっても良いメニューであろう。


 その後、サナにそう決まった旨、念話で連絡をすると、サナは豚肉にあまり詳しくないので、肉の買い出しを私とミツキとチャチャにお願いする。と任され、手分けして食材を手配することになった。



▽▽▽▽▽



 「チャチャのご飯にゃ!」


 うやうやしく、かつ豪快に両手で山盛りのご飯がよそわれた茶碗を掲げるチャチャ。


 その茶碗は、黒をベースにして白の釉薬で野原と木、そしてその木の根元に黒猫が描かれており、空には黄色い三日月が浮かんで、木には桜が咲いている。


 絵画的に表現すれば、月に夜桜、地に黒猫。といった感じだ。


 端的にいうと、私たちが既に持っている茶碗のモチーフやイメージの全部乗せなのだ。


 モノトーンがベースなところは私とサオリさんの、月はミツキの、桜はサナの茶碗のイメージに重なり、後から買ったものなのに一体感があり、それでいて新鮮さを感じる。


 桜の花びらが淡いピンクの釉薬で塗ってあるので、モノトーンのベースのわりに明るい印象をうけ、なるほど、これはチャチャに相応しい茶碗だと思わずうなってしまった。


 「良い茶碗を見つけたね。」

 「はいにゃ!」


 思わず頭を撫でると、嬉しそうに、そしてはにかみながら、そう返事をするチャチャ。


 よほどのお気に入りなのだろう、なかなかテーブルに置こうともせず、ミツキにも、そしてサオリさんにも同じように、見せて回っていた。


 その後、そのお茶碗で食べるサナ特製の豚の生姜焼きが美味しくないはずはなく、お腹いっぱいどころか、お腹がはち切れそうになるまでご飯を食べるチャチャであった。


 サナが今日は大根とその葉の味噌汁にしたのは、それを見越したものだったのかな?

 大根は消化を助けるともいうし。



▽▽▽▽▽



 お腹がいっぱいになって眠くなってしまったのか、早めに床に向かったチャチャを尻目に、淫魔法【ラブホテル】で繋げた別荘の居間では、今日のお互いの報告が続いていた。


 私の方は、診察と治療を含めてあと2~3日程度で仕事が終わりそうだという見込みと、もし早く終わるようなら迷宮組に合流する旨の報告をし、サナからは迷宮での収穫物を、ミツキからは探索者ギルドでの依頼の種類や売れ線を、サオリさんからは迷宮での戦闘についての報告を受けた。


 ざっくりとまとめてしまえば、明日以降は今日より上手くいきそうだ。という内容になる。


 明日の迷宮は今出ているギルドの依頼の内容を踏まえた上で、今日のように狩りやすく逃げやすい場所に向かうことになるだろう。


 と、いうか、明日以降は、今日【ラブホテル】で繋いだ迷宮内の扉からスタートできるので、それだけでもかなり時間の短縮になるから、なにもなければ、今日以上の稼ぎになるのは確実だな。


 くれぐれも事故だけは気を付けるようにと念を押したのだが、サオリさんにレン君は子煩悩ねぇ。と笑われてしまう。


 サオリさんがそういうくらいだから、安全マージンはちゃんと取ってあるとは思うが、サオリさん、結構バーサーカーなところもあるから、ちょっと不安だ。


 そうこう話をしているうちに、眠気が襲ってきたのか、サオリさんがチャチャの寝ている寝室へ向かい、サナとミツキは私と一緒の寝室で寝ると、手を引っ張ってきた。


 曰く、今日はお父さん成分とパパ成分が不足しているとの事だ。


 いわれてみれば、あまり二人と離れ離れになる時間というのはあまりないと思い、「私も娘成分が不足しているかもしれない。」と呟くと、二人とも嬉しそうに腕を組みながら寝室へと連行された。



▽▽▽▽▽



>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した

>190ポイントの経験値を得た

>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た

>レベル38になった




>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した

>80ポイントの経験値を得た

>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した

>140ポイントの経験値を得た

>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た




>サナは淫魔の契りにより主を倒した

>110ポイントの経験値を得た

>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た

>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した

>90ポイントの経験値を得た



>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した

>80ポイントの経験値を得た

>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した

>140ポイントの経験値を得た

>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た



▽▽▽▽▽



 いや、さっきいってた成分って、こういう成分じゃないんじゃないかな?




 今日のご飯、チーちゃんはもちろんだけど、みんな美味しそうに食べてくれて嬉しいです。


 やっと最近、少し豚肉の扱いにも慣れてきたような気がします。

 何事も経験ですね。


 次回、第五九九話 「トラージの街3日目」


 あ、そういえば、明日のお昼、どうしよう?

 水の中だから、お弁当持っていけないよね?


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