第五十八話 「一攫千金」
>サナは淫魔の契りにより主を倒した
>910ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>レベルが14になった
>サナは淫魔の契りにより主を倒した
>460ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>レベルが15になった
▽▽▽▽▽
ついつい盛り上がってしまった。
「昨日、お父さんが凄く喜んでくれたから、今日もご奉仕させて?」
とか、反則だろう。
サナが発情期で発情するのはしょうがないが、こっちが欲情してしまいそうだ。
いや、してないと嘘をいうつもりはないが、発情期のみの例外と考えている我が身としては、自分から求めるような欲情は慎みたいのだ。なけなしの倫理的に。
あれだけしておいて何いってんだって話でもあるが。
順調に開発してしまっている気もしないでもない。
まだ半分ちょっとしか入らないものの今回のラストはサナ主体でついに最後までいけたし。
それはそうと、サナがレベル12になったら迷宮に行く予定だったのがレベル15と、思ったよりレベルが上がってしまった。
前回、次のレベルアップギリギリだったとはいえ一気に4レベルアップだ。
なんだかんだで『両方』で経験値入るのが大きい。
ランク差ボーナス以外はかなり少なくなってきているので、そろそろ淫魔の契りではレベル上がりづらくなるかもしれない。
レベルが上がればサナの安全度が上がるので悪いことではないが、逆に欲が出て新迷宮3階じゃなくて4階でレベル上げがてらの金策を考えてしまう。
昨日迷宮で得た情報からすると4階のランク2のデミミノタウロスが私の戦闘スタイルからすると相性が良さそうなのだ。
とりあえず隠し部屋からショートカットして新迷宮3階へ行って階段から4階へ、あとは良い場所の扉を淫魔法【ラブホテル】の拠点にするのを目標としよう。
「お父さん…」
「ん?まだ寝ててもいいよサナ。疲れているだろう?」
「うんーちょっと眠い。でもお父さん。」
「んー?」
「今日一日ありがとう。凄く楽しかった。あたし幸せです。」
優しげな、本当に幸せそうな笑顔でそういうサナに見とれてしまった。
そんな視線に照れたのかサナはまた布団の中に沈んでいく。
ヤバい愛しい。
思わずサナに手を伸ばしてしまいそうになるが、触ったが最後、歯止めが効かなくなりそうなので、「ちょっと外に出てくるから、そのまま休んでていいよ。」と声をかけ、軽くシャワーを浴び、着替えるとラブホテルから出て、簡易宿泊所の部屋に戻り、深呼吸をする。
部屋の汗臭いというか埃臭い空気が気持ちを落ち着かせると探索者ギルドから騒がしい音が聞こえる。
部屋を出て下を覗き込むと探索者ギルドの掲示板の前が凄い人数でごった返していた。
その中にはロマの姿もあったので、階段を降り、人をかき分け近くまでやってきた。
「ロマさん、これなんの騒ぎですか?」
「おお、レン。良いタイミングで来たな、一攫千金のチャンスだぞ?」
そういって、掲示板を指さした先には、普通の依頼書の4倍はあるような依頼書が貼ってある。
まるでポスターだ。
だが、ちょっと遠すぎて内容までは見えない。
ピコン!
>淫スキル【窃視症】を習得
なんか久しぶりだな。
今は使えないもののメニューからスキルの性能を見ると視覚強化型のスキルらしい。
しかたがないので依頼内容が読めるところまでまた人込みをかき分けていく。
どうやら迷宮内での人探しの依頼らしい。
そういや迷宮入口の受付で救出隊を出すサービスがあるって言ってたが、こういう依頼で行うシステムなのかな?
救出対象は3人で、依頼を受けるためのギルドランクの制限は無し。
依頼書には似顔絵と服装の特徴、それから報酬が書いてある。
あ、これハッキリとは書いてないが王子様方のことだ。
流石にその報酬は相場や貨幣価値を知らない私から見ても破格だ。
生きて救出すれば一人につき白金貨1枚。
死体でも同じく大金貨1枚。
最悪、遺品でも同じく金貨5枚を出すとのことだ。
1金貨が銀貨100枚、大金貨なら銀貨1000枚、白金貨なら1万枚なので相当の大金だ。
相当の大物扱いというのがわかる。
一攫千金どころか上手くいけば一攫万金だ。
時間がたって迷宮に食われる前になんとかしたい。という強い意志を感じる。
窓口で依頼登録をして迷宮に急ぐ者、運搬人を探す声、パーティーを集めようとする声などなど、ギルド内は大騒ぎだ。
またまた人をかき分け、ロマのところに戻ってくる。
「凄い騒ぎですね。」
「ああ、救出依頼は珍しいことではないが、ここまでの金額が動くことはまずないからな。」
「ロマさんは行かないんですか?」
「まあ、ちょっとギルド長から別の相談を受けていてな。俺が直接動くことはないよ。」
答えの歯切れが悪い。逆にいうとゴールドの立場として間接的に動かないとならないのかもしれない。
「何か裏がありそうなんですね?」
「…お前は世間知らずのように見えて意外とカンがいいな、レン。」




