第五四四話 「尋問」
「ほら、大丈夫だって。さ、お父さん、こっち座って?」
サナに手を引かれて、今度はソファーの真ん中に座らされる。
今度は私を信じ切ったサナの視線が心に痛い。
そんなサナが右に、そして左にはミツキが座り、私を中心に向かい合った。
「たぶん、えっちな魔法でなんとかしたんだと思う。」
「あー。」
サナさん?
え?二人とも目が怖くない?
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>サナは淫魔の契りにより主を倒した
>350ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した
>260ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した
>260ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>レベル37になった
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>70ポイントの経験値を得た
>サナは淫魔の契りにより主を倒した
>350ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>レベル36になった
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>60ポイントの経験値を得た
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>60ポイントの経験値を得た
>サナは淫魔の契りにより主を倒した
>260ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
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二人の厳しい尋問で色々絞られたものの、実際のところ生身では手を出していなかったので、かろうじて許された感がある。特にミツキに。
ただ眷属化するのはどうしても必要だったというのは理解して貰えたようだ。
「とりあえず、これでこれからは相手の動きが分かるって事ッスね。」
「あと、私達と会ったことも忘れて貰っている。探索者ギルドで宿をとって、夜市で食事を取った後、宿に戻って寝てしまった。と今は認識してるはずだ。」
「あれ?それじゃ、あたしたちここにいたら、朝とか鉢合わせしちゃうんじゃ?」
サナが小首を傾げながら、人差し指を顎につけつつそういった。
ちょっと可愛い。
「うん、だから今からこの簡易宿泊所の部屋はチェックアウトしてくる。二人はこのまま部屋の中で待ってて。」
「はい。」
「了解ッス。」
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「で、結局相手の狙いはなんだったんスか?」
風呂場で後ろからお父さん洗いをしながらミツキがそう聞いてくる。
「うーん、強いていえば、淫魔の方の私かなぁ?」
「ご主人様の方ですか?」
サナにそう呼ばれるのも久しぶりのような気がする。
ちなみにサナは前の方をお父さん洗いしている。
「明日、サオリさんがいるときにでも改めて話すけど…」
先程戦ったマユコ=カタギリと、ホウマの街で部屋に忍び込んできた二人は、私をこの世界に召喚した王子様の実家、アルサリッサ家の暗部といわれる部隊に所属しているらしい。
ちなみに同じく部屋に乗り込んできたのはネローネ帝国の北部方面諜報部だそうな。
両方とも亡くなった王子について調べているらしいが、立ち位置が違うため調べていることは別らしい。
諜報部の方が調べているのは王子が他国内で行った違法行為についてで、暗部の方は王子の死因に伴う術式についてを調べているらしい。
前者はアルサリッサ家的には調べられると困る内容なので、暗部の仕事はそれらを知られないように揉み消すことも任務のうちとのことだ。
後者については、裏の世界の死霊術士まで使って、王子本人の霊から事情聴取済みらしい。
王子の霊曰く「異世界の小悪魔を呼んで遊ぶつもりが勇者級のを引いてしまったようだ。」とのこと。
その勇者級の小悪魔がその後どうなったか?というのが暗部が知りたい情報なのだそうな。
小悪魔として召喚され、そのまま還った、あるいは散ったのならそれはそれでしょうがないのだが、もしも勇者として実体を持って召喚されたのなら、ネローネ帝国の勇者として保護をするのも目的となるらしい。
アルサリッサ家としては、勇者という駒が手に入るなら、多少の違法行為は帳消しになると考えているようだ。
サオリです。
チャチャちゃんと一緒に横になっているうちに寝てしまったようです。
もうレン君は帰ってきたのかしら?
特に怪我などはしてないとはいってたけど…。
次回、第五四五話 「標的」
あら?お風呂場の方、明かりがついているような…。




