第五〇六話 「ミツキとサナ」
今回はミツキ視点です。
「ふぁ…」
パパの魔法のおかげで疲れがすっきりと抜けているせいもあって目覚めは良くても欠伸がでるのは仕方がない。
眠たいのと寝ていたいとは別腹なのだ。
目の前には案の定抱きついてしまっていたパパの顔が幸せそうに寝息をたてているので、おもわずスリスリしてしまう。
その顔の向こうはサナちーがこちらに背中を向けるようにしてパパにくっつき、パパの二の腕を枕にして身体の方じゃなくて腕を抱き枕にしていた。
あれ密着感があっていいんだよねー。
おっぱいも邪魔にならないし。
ただアタシはやっぱりこうして身体の方に抱きつく方が、こう充実感というか達成感というか顔が近い感というか、満足度が高い感じがする。
おっぱい当たるとパパ嬉しそうな顔するし。
そんな事を考えながら、なんとなくパパの頬を突っついて見たが、まるで反応が無い。
前にこの眠りの魔法をパパがサナちーにかけたときは、相当激しく揺すっても起きなかったので、パパもたぶんそうだろう。
つまり、しばらく抱きつき放題ということ。
「ひゃっほー」
改めてパパに抱きつき直し、ついでに頬にキスをして、更についでに一舐めする。
耳の穴に鼻を埋めて深呼吸をすると、昨日お風呂に入っていないせいかパパの濃い臭いがした。
そのまま耳の後ろからうなじまで鼻を這わせてパパ臭を堪能する。
むに
首を伸ばした時にパパの身体の上で体勢が変わった足に柔らかいものが当たった。
なんだろう?とそちらに目を向けると、アタシもサナちーもくっついていて暑かったのか、はだけたタオルケットの間からアタシの膝あたりに圧迫されたパパのふんどしが目に飛び込んできた。
あ、今日はまだ小さいままだ。
そっか、だから柔らかいのか。
いつも見る時は「いえーい!」といった感じの状態ばかりなので、こういった状態は新鮮。
お風呂でお父さん洗いをするときもギリギリまでパパはタオルで隠してるし、いざ洗うときは「絶好調!」といった感じになってるから、普段はどういう形なんだろうと痴的、いや知的好奇心がムクムクと湧いてくる。
ここはパパのパパがムクムクする前に、パパが目をさます前に、後学のために観察するというのはどうだろう?賛成。
そのままスルスルとパパの足元までおり、片足を跨ぐようにしてその股間を覗き込む。
セーフ。
まだ大きくなっていない。
パパのふんどしの前をぺらりとめくり、そこに結んでいる紐をそろりとはずし、めくった布を下に戻すとぽろりとそれは顔を覗かせる。
むわっとするパパの濃い臭いとは裏腹に、小さく縮こまった子とだらりと寝苦しそうにしている子、いや双子?は、ちょっとカワイイ。
「これがあんな風におっきくなるなんて不思議ッスねぇ。」
「そうだねぇ、怒ってない時のここって可愛いくらいなのにね。」
「そうッス……ね?!サ、サナちー?!」
パパのそれに奪われていた目を声がした方に向けると、そこにはサナちーの顔があった。
ちょうどこうポールを中心に点対称のみたいな格好でサナちーも覗き込んでいる。
「おはよう、ミツキちゃん。」
「お、おはようッス。サナチー。」
う、冷や汗をかいているのが自分でもわかる。
これは人生の中でも見られたくないシーンベスト3に入っちゃうのでは?
「う、ち、ちなみにサナちーはいつ頃から起きてたッスか?」
「『ひゃっほー』の辺りくらいから?」
ほぼ最初からだった。
う、今のこの状態よりパパの臭いかいで悦に浸っているところを見られたのが恥ずかしい。
「それよりミツキちゃん、観察は続けないの?」
そういいながらサナちーはその小さな手で色々なところを持ち上げたり感触を確かめたりしている。
サナチーにとっても、パパがこの状態なのは貴重らしい。
「そ、そうッスね。観察、そう、観察を続けるッス。」
そうだこれは後学のため、つまり学問のためなので恥ずかしいことではないのだ。
あ、でもここの感触面白い。
サナです。
徹夜の後だから、疲れが残っているかと思いましたけど、凄いすっきりしてます。
目が覚めてしばらくお父さんの腕をはむはむして遊んでいたらミツキちゃんが楽しそうに降りていくので、ついついつられちゃいました。
次回、第五〇七話 「タツルギの朝」
あ、いつもみたいにおっきくなってきた。




