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第四八七話 「BBQ」


 まぁBBQといってもデカイ鉄串に肉がゴロゴロといったアメリカナイズドした感じではなく、焼き鳥より少し大きいくらいのサイズにしてある。


 と、いうのも、ほぼ女所帯なので、あまり大きくしてしまうと数を食べられないからだ。


 その代わりに種類だけは多くして、牛、豚、鳥の食べ比べ串とか、カリーの港町で買ってきた海老やイカ。

 殻付きホタテなんかも買ってきてある。


 「イカなんてさばくの大変じゃなかったッスか?っていうか、どっから持ってきたんスか?」


 大変というか私では無理だったのでカリーの魚屋で捌いてもらったのを、輪切りにして串に刺し、ゲソはゲソで食べやすいサイズに切っただけなのだが…


 「その辺りの話も含めて食べながら説明するよ。」


 とりあえずは悪くなる前にBBQを焼いてしまおう。



▽▽▽▽▽



 「カリーの港町ですか、そういえば行きましたね。」


 豚串を手にサオリさんがそう感想を漏らす。


 「船に乗って行ったの10日くらい前でしたっけ?」


 イカ串とゲソに醤油ダレを塗りつつサナも話に乗った。


 今日のご飯は私だけでやるつもりだったのだが、逆にサナが落ち着かないと言うのと、焼くのはともかく、たしかに味付けには自信がないというのも相まって、焼くのは私、味付けはサナという分担でBBQを始めている。


 「そういわれれば、なんかオシャレな格好で馬車見に行ったッスね。」


 焼けた串をチャチャにとってやりながら自分も牛串を齧るミツキ。


 「これはなんの肉なのにゃ?」

 「それは鳥肉だね。」


 今日、色々な動物を見たせいか、肉の種類が気になるようになったチャチャにそう説明してあげる。


 ちなみに鳥串は長ネギのねぎまにしてある。


 「ホウマの街へショートカット出来るタイミングを図るのもいいけど、カリーの港町はホウマまでは馬車で3時間程度だからね、カリーに飛んで馬車で移動した方が早いと思うんだ。

 あ、サナ、そっちのホタテに今日チャチャとサオリさんが作ったバターも入れてみて。」

 「え?醤油のほかにバターもですか?」

 「結構美味しいんだよ。」

 「お役に立てて嬉しいにゃー。」


 「カリーへ行く件、わたしは良いと思います。」

 「アタシも賛成ッス。そこからホウマまで行ってしまえば、西廻りのルートのほぼ3分の1達成の上に、ミスネルの街もそう遠くはないッスから。

 あ、イカ美味しい。」


 「ホタテもそろそろ食べごろだよ?凄いいい匂いしてる。

 それでお父さん、いつ頃この街を出るんですか?」


 元々反対するつもりすらないようにサナがそういった。


 「明日、は急だから明後日かな。」

 「それならお世話になった人に挨拶回りした方がいいですね。

 はい、お父さん、あーん。」


 「あーん。そうだなぁ。この街からちゃんと旅立ったって証明するためにもそれは必要だな。

 あ、鳥串美味いな。」


 「あ、サナちー、ズルい。パパ、こっちも、あーん。」

 「あーん。ん、本当にイカ美味しいね。」

 「そうッスよね?」


 私に食べさせた後、サナとミツキはお互いにまた食べさせ合いシェアしていた。

 うん、それくらいしないと全種類食べるには種類も量も多いしな。


 「あちち、あち。ととさん、えびあーん。」

 「あーん。うん、ちょうどいい塩気だね。チャチャありがとう。」

 「どういたしにゃしてにゃー。」


 頑張って向いた海老の一口目を食べさせてくれるというチャチャの健気さに頭を撫でてやりたい欲が出るが、残念ながら両手とも串を焼く手で汚れてるので断念する。


 「うふふ、じゃ、レン君、あたしもあーん。」

 「あーん。うん、やっぱりこれお酒欲しくなりますね。」

 「飲んじゃってもいいんですよ?」

 「いえ、今日はもうやめておきます。」


 手を添えながら豚串をあーんしてきたサオリさんにそう返すとクスクスと笑われた。


 「ママさんは飲まないんスか?」

 「そうねぇ、んー、レン君のいうとおりお酒に合いそうですけど、わたしも昨日飲んだばかりだし、やめておくわ。」


 そういや昨晩も結構飲んだっけな。

 特にサオリさんはベロベロだったし、大乱れだったし、色々思うところもあるのだろう。



 サオリです。

 バター醤油ホタテが凄い美味しくて、お酒が欲しくなりますね。

 また食べすぎて太ってしまいそう…そう、そうなのです、少し、ほんの少し引き締めないと…。


 次回、第四八八話 「キャンプ」


 やっぱり運動なら迷宮に入るのが一番かしら…あとは夜に…いえいえ、そんな不順な考えは駄目。

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