第四八〇話 「牧場」
「「「「「ごちそうさまでした。」」」」にゃっ」
おしい、もう一歩だったなチャチャ。
「さて、ここでパパに問題ッス。今日の朝御飯の中でアタシが作ったのはどれでしょう?」
「サラダ以外全部。」
「なんで分かるんスか?!」
「ととさんすごいにゃぁー。」
驚いているミツキとチャチャを見てサナとサオリさんがクスクスと笑っている。
ほうれんそう風の青野菜のサラダがお浸し風で味付けがサナっぽかったとか、味付け面での判断もあるが、ミツキは表情とうさ耳に感情が出過ぎというか、私が食べる時にチラチラ見過ぎだ。
「どれもとっても美味しかったよ。いつのまにかミツキも上手になったね。」
「そ、それほどでもないッス。」
「ねぇねもごちそうありがとにゃぁ。」
「どういたしましてッスー!」
照れ隠しなのかチャチャの頭を激しく撫でまわすミツキ。
種族や肌の色は違えど、二人は姉妹感があるな。
「ミツキちゃん、あたし洗濯物干したいから、後片付けお願いしてもいい?」
「了解ッス。んじゃ、チーちゃんにも手伝ってもらおうかな?」
「はいにゃ!お仕事するにゃ!」
「それなら、わたしはサナの方を手伝おうかしら?」
「じゃ、ちょっと私はギルドの方を見てくるよ。」
台所に私を加えて3人は狭いし、下着が中心の洗濯物を扱うのもはばかられると思い、そういって部屋を離れた。
掲示板で依頼やその相場をチェックしたり、受付の女の子にロマへの伝言を頼んだりしながら時間を潰す。
うーん、先々の事を考えたらチャチャも探索者としての登録だけでもしておいた方がいいかな?
旅の途中で路銀に困ることはないとは思うが、選択肢は広く持っていた方が良さそうだし。
必要に応じて、という方法もあるが、登録の際、チャチャのレベルは偽装工作こそしているものの、万が一、元のレベルがバレた場合、なんとか対処できるのはロマのいるこのエグザルのギルドだけだろうから、そういう意味では、やるならこの街でやるのがベターだろう。
▽▽▽▽▽
「う、」
「う?」
「し?」
「あってるッスよ。」
「うしにゃー!」
牧場に着いて牛を見つけた途端、走って近寄っていくチャチャだったが、近づくにつれてスピードが遅くなり、最後に立ち止まったかと思ったら、ゆっくりと怯えるように戻ってきた。
「近づいてみたら思ったより大きかった?」
「にゃぁ…。あとなんかもぐもぐしてたにゃぁ。食べられちゃうにゃぁ。」
「大丈夫だよ。」
そういって頭を撫でながらチャチャを慰めるサナ。
慰めている本人も最初に牧場に来た時、牛が思いのほか大きくて驚いていたことは黙っておこう。
ちなみに白鬼族は米にこだわりがある農耕文化っぽいが、牛じゃなくて馬を労力にするらしい。
それはさておき、
「とりえあえず、品物の受け取りは後でもいいから、一通り遊んでおいで。」
「にゃ?」
「えーと、ねねさんとねえねと一緒にお勉強しておいで。」
「はいにゃ!」
「行こう、ちーちゃん。」
「きっと驚くッスよー?」
「頑張るにゃー!」
サナとミツキに手を繋がれ、楽しそうに歩いて行くチャチャ。
うん、チャチャには少しずつでもいいから『楽しむ』ということを覚えていって欲しい。
「レン君は一緒に行かないのですか?」
「三人だけの方が勢いというか何をやるにも回転が良さそうなので。」
「うふふ、そうかもしれませんね。では、わたしもレン君の方と御一緒しましょう。」
そういって腕を組んでくるサオリさん。
その柔らかな胸の感触が腕に伝わってくる。
子どもの目がないと積極的なんだよな、サオリさんは。
自分も人の事はいえないかもしれないが。
▽▽▽▽▽
「馬…ですか?」
「ええ、前に乗馬体験した時はサナとミツキだけでしたからね。私もちょっと試してみようかと。」
「経験は…小さいころに引馬に乗ったことはあるっていってましたね。」
「よく覚えてますね。」
そんなような話をしながら、サオリさんと二人で乗馬体験コーナーにやってきた。
自分の分の銀貨を払い、大人しそうな雌馬を選び乗せて貰う。
ちなみにサオリさんは見学だ。
柵の外からこっちに手を振っているのが見えたので、こちらも振り返す。
「それじゃ、はじめますね。」
「お願いします。」
くつわを掴んでいる係員の誘導で乗っている馬が踵を返す。
▽▽▽▽▽
>淫スキル【騎乗位】を得た
ミツキッス!
まずはどこから行くッスかね?
一応チーちゃんの勉強という名目ッスから、バターとか食べ物づくり体験より先に動物見せて名前覚えて貰って餌やり体験とかからスタートみたいな感じッスかねー。
次回、第四八一話 「騎乗位」
じゃ、まずは牛からリベンジッスよ!




