第四五九話 「ナルシストとスキル」
さて、サナ達三人はこれで良いとして問題はチャチャだ。
サナは『金剛鬼』サビラキ・サオトメの孫にしてサオリさんの娘ということでレベルも高めの設定だが、チャチャにはそういうバックボーンはなく、元々のレベルも4と最初のころのサナと比べても低い。
もちろん、本来のレベルにしておくのも手ではあるのだが、もしもこの先、迷宮に一緒に入る事になると、同じシルバーランク、つまりレベル20にしておいた方が、探索者ランク上げも楽でいいのでは?と、欲が出てしまう。
いや、考えすぎだな、単純にレベル14くらいにしておこう。
レベルをプラス10してランク1にしたのは一応訳がある。
大聖神国街を一緒に歩いていた時に気づいたのだが、やっぱりチャチャは本当のレベルが44なだけあってステータスが高すぎるのだ。
これが、ちょっとした瞬間、たとえば走り出す、とか、とっさに掴む、といった時に発揮されてしまうのだが、周りの同じくらいの子と比べると、やっぱりそれが突出してしまっていた。
ある程度はちゃんと教えて抑えるつもりだが、それを見られてもある程度は言い訳出来るように、でもランク2だと年齢的に不自然ということで、せめてランク1にしたという消去法だ。
偽装工作としては、これで十分なのだが、どちらかというと運用面の方でチャチャは困るんだよな……。
実はチャチャを除く3人は、種族特性【眷属化】で眷属にしている関係と、淫スキル【ナルシスト】の効果でメニューのステータスから、色々とプリセットが出来る。
この淫スキル【パネルマジック】でのステータスの偽装工作も、ここにセットしておけば、私が頭の中でステータスを開くだけで、自動的に更新される。
これは普段着ている淫魔法【コスチュームプレイ】で着せた服や、淫魔法【淫具召喚】で出したミツキやサオリさんの眼鏡も同様だ。
最近は初期の頃のように毎朝魔法を使って出したりはせず、効果時間を12時間に延長した上で一度出し、その後は朝と風呂に入った時にメニューで更新という流れだ。
厳密にいうと、たとえば朝なら、朝起床→淫魔化→増えた分の魔力を使ってメニューから更新→男の身体に戻って外見リセット→おはよう。という、セコい真似をしている。
魔法の効果時間内であっても、私、もしくは眷属から一定距離を離れると、着せた服や出した眼鏡なども消えてしまうのだが、ランクが上がるにつれその距離も伸びていったので普段は全然困らない。
淫魔法【ラブホテル】の部屋内では、プレイエリア扱いで、そもそも消えないしな。
逆に言えば、【眷属化】していないチャチャは【コスチュームプレイ】で服を着せたとしても、単独行動をされ、一定距離を離れると服は消えてしまうのだ。
あと、【パネルマジック】での偽装工作も毎日しなくてはならない。
昔ならともかく、更新に慣れてしまった今では正直面倒だし、なによりうっかり忘れてしまいそうなのが怖い。
これから一緒に旅をするのであれば、チャチャに言ってはいけないことの口封じは必要不可欠だろうし、素直なチャチャは、うっかりそれを話してしまいそうなので、眷属化か奴隷化での強制力も必要となってくるだろう。
そのどちらかを選べというなら眷属化しておいた方が楽なのも確かなのだが…。
「ととさん、考え事かにゃ?なんかとまってるにゃ。」
チャチャを達しさせなきゃ眷属化できないんだよな
▽▽▽▽▽
『アリシアさんの時のパターンならどうッスか?』
『ああ、その手があったか!』
私自身に抵抗があるとのと、前に話題になったチャチャへの性教育にも絡む話なので念話で三人に相談してみたが、「覚えるなら早いほうが良い」という鬼族二人の意見に対して、ミツキがそう提案してくれた。
つまりチャチャが寝ている間に眷属化してしまえばいいのだ。
と、いうと聞こえはいいが、実際やることはお巡りさん案件なのだが、少なくてもチャチャが『そういう事』を覚えるのは回避出来る。
チャチャに「おっぱい触ってもいい?」といえずに伸ばし伸ばしになっていた淫魔法【おっぱいの神様】での頭の形の治療も一緒にやってしまうのも手だろう。
寝ている間に【隷属魔法】で奴隷解放してしまうのもアリだな。
よしよし、なんか一気に片付きそうだ、善は急げでやってしまおう。
「チー。」
「はいにゃ、ととさん。」
「チーはだんだん眠くなーる…」
「チャチャはだんなんねむくにゃーる…?」
よし、淫魔法【睡眠姦】の時間が残っているうちに、ちゃちゃっと済ませてしまおう。
なにげにチャチャの方が私よりレベルが高いので、効果時間も短めなのだ。
▽▽▽▽▽
「えーと、どうしてついてくるのかな?」
これからすることを三人に説明した後、チャチャをお姫様抱っこして、別室に移動しているのだが、その三人がそのまま部屋についてきている。
「だってその内容だと、めっちゃ魔力必要ッスよね?」
「レン君に魔力分けるために、わたしたちもいたほうがいいとおもいまして。」
「お父さんがどうやってやるのかなーって。」
いっそサナが清々しい。
サナです。
あたしが、ちーちゃんくらいの歳の頃には、もう教えて貰ってたし、見せても貰ってたので、別に起きたままでも良いと思うけど…。
次回、第四六○話 「睡眠姦再び」
お父さん、変なところで恥ずかしがりますよね?




