第四十三話 「眷属化」
「私なんかでいいのか?」
「お父さんがいいです…お父さんじゃなきゃ嫌です…。」
潤んだ瞳でサナがそう見つめる。
これは破壊力ある。
「そうか。」
そのままサナを抱きかかえるとベッドに運ぶ。
サナは私の首に手を回し、胸元に顔を伏せている。
流石に恥ずかしいらしい。
酒のせいもあるのだろうか耳まで真っ赤だ。
そのまま覆いかぶさるようにベッドに寝かし、首の手を外そうとすると
「お父さん、ちゅー」
緊張した顔をしながらそうおねだりされたので、おでこに軽くキスをする。
不満そうなサナの顔を尻目にそのまま右の頬、左の頬、瞼、耳元についばむようなキスを続ける。
その度にくすぐったそうに身体を震わすサナ。
幾分緊張が解れた様子のサナの目を見ると、そっと目を閉じ軽く顎を上に向けるので、頬を包み込むように右手を添え、そのまま口づけた。
▽▽▽▽▽
失敗した。
ロマにはああいったものの、何回か達すれば発情も落ち着くだろうと高を括っていた。
淫スキル【性感帯感知】も併用しながら色々と指や舌や唇で優しく相手をして何度か達せさせたものの状態異常としての発情が収まらず、そうしている間にサナの反応が良いのでこちらも盛り上がってしまい小一時間サービスしているうちにエライことになっている。
今、淫スキル【性感帯感知】で見るとサナの全身は眩しいくらいに光っていた。
文字どおり全身性感帯状態だ。
異性に対してのあらゆる行為に淫魔ランクに応じてボーナスを得る種族スキル【フェロモン】と、精技の成功率を淫魔ランクに応じて上げる種族スキル【テクニシャン】がパッシブで発動しているのを忘れていたというのもある。しかもそれぞれランク2で。
今のサナはちょっと人には見せられないような状態だ。
いや見せる気もないんだが。
『発情期は異性が相手をしないと収まらん。』
ロマの言葉を思い出す。
しかしなぁ…。
「お、お父さん…」
やっと出しているような、か細いサナの声で我に返り、サナの口元に耳を近づける。
「意地悪しないで…お願いですお父さん…。」
あ、これもう駄目だわ。
私が。
淫魔法【被虐の心得】
痛覚コントロール(受ける苦痛を快楽へ)
淫魔ランクに応じて防御力がアップ、被ダメージを精力に変換
念の為、なけなしの魔力を使いサナに魔法をかけると改めてサナに口づける。
▽▽▽▽▽
失敗した。
と、いうかやりすぎた。
怖い、自分の若い身体怖い。
最初はサナを気づかって早めに終わらせたものの、つい反応が良くて何度か連戦を…。
ついつい夢中になってしまったのだ。
男って嫌ね。
と、いうわけで、サナは今ベッドで寝ている。
気を失っているともいう。
だから【被虐の心得】の他にパッシブスキルも乗るんだっつーの。
刺激が強すぎたらしい。
それはそうと行為の最中、新たな特性を得た。
説明を熟読すると結構重要なスキルだ。
種族特性【眷属化】
使用後に達しさせた相手を眷属化するスキルだ。
成功すると相手の左指の小指に『淫魔の契り』という指輪が生まれ自分の眷属となる
これをつけている間、主と眷属、または眷属同士の間で念話が可能で、主からは眷属がいる場所の方向や距離も分かるらしい。
これだけでも結構な性能なのだが、このほかにも主と眷属が性交した際、それは戦闘とみなされて射精時の精子を生贄にして指輪に仮想経験値を蓄えるという効果がある。
つまり避妊効果があるとともにお互い達するとお互いのレベル差に応じた経験値がそれぞれに入るのだ。
随時発動で実際に経験値が入るのは粘膜ごとに1日に1回という制限があるが、下手なパワーレベリングよりよほど安全にレベル上げが出来る。
現にサナは今回ので、1,790ポイントの経験値と3,000ポイントのランク差ボーナスが入りレベル10になってランクアップした。
レベル7から3レベルアップだ。
あと、ランクアップ時には状態異常がリセットされるのか発情が一旦消えたのだが、連戦している間にまた付いてしまったのはすまなかったと思ってる。
状態異常としての発情は消えたが、健康状態としての発情期は生きていたので、再発したんだと思いたい。
あくまで仮想経験値なので指輪を外すとレベルは元に戻るらしい。
実経験値の入り方は、この見かけのレベルがベースなのか実レベルがベースなのかは説明を読んだだけではわからないが、眷属側のデメリットとしては、戦闘時等の所得実経験値の5%が主側に奪われ流れ込むらしい。
どうサナに説明したもんかな。っていう性能だなコレ。
今日は17時にもう一度更新します。