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第四○三話 「体液」


 問題はこの魔法は対象の体液から情報を得て肉体を再構築する魔法なので、それが髪の毛であっても発動するかどうかだ。


 体液が必要なのは、おそらく遺伝子情報か何かを読み取っているのだろうから、髪の毛でもいけるとは思う。


 でも体液として判定してくれるかは微妙だな。


 試しに化け猫から黒い毛、赤い毛、そして金髪の名残を1本ずつ引き抜き、それぞれを淫スキル【淫具鑑定】で鑑定していく。


 黒い毛と赤い毛は駄目だったが、金髪の方は


『髪の毛』

 ・白猫族 チャチャの髪の毛


と、元々の名前が表示された。


 よし、大丈夫そうだ。

 毛根部は髪の毛と違って生きた細胞だし、それなら少ないとはいえ体液も得られるだろう。


 「サナ、ミツキ、この金色の部分から5本ずつくらい、先に白い部分が残るように毛を抜いておいてくれない?」


 「はい。」

 「了解ッス。」


 「サオリさんは、すいませんが魔力分けてください。」

 「はい。いくらでもどうぞ。」


 サオリさんから種族特性【ドレイン】で魔力を分けて貰った後、誘拐団達からも根こそぎ魔力を奪い取る。


 次にサナとミツキからも分けてもらい、再構成の時に本人の魔力も必要になるかもしれないので、化け猫からは最小限の【ドレイン】で済ませた。


 現在の魔力はゲージ全部合わせて5,670、つまり満タン。

 さて治療を始めようか。



▽▽▽▽▽



 「で、なぜにご主人様は全裸なんスか?」

 「この方が魔法の性能が上がるのよ。」

 「相変わらずよくわかんない能力ッスね。」


 まったくだ。


 ちなみに今使っているのは淫魔ランクに依存する調理スキル兼、露出度に応じて魔法使用の際にボーナスがつく淫スキル【裸エプロン】だ。


 他にも淫スキル【婦人科】や体調モニター用の【性病検査】なども同時に使っており、治療対象の化け猫自体は、ちょうど大きな熊のぬいぐるみのように壁を背もたれにした状態でうつむくように座らせてある。


 準備が出来たのでサナ達にとってもらった金髪の根本の細胞を淫魔法【トリコフェリア】で活性化させた上で、親指の上に乗せる。


 「さて、いくわよ!」


 淫魔法【おっぱいの神様】を発動させると、足元と頭上に紫色の魔法陣が現れゆっくりと回転しはじめた。


 3回目ともなれば流石に慣れてくる。

 システムメッセージのガイドに合わせて、親指に載せたを毛根部を舐め取って必要情報を読み取り、両手を大きく広げる。


 それに合わせ両手の手のひらの前にも魔法陣が浮かび上がり、自分を中心に四方で広がった魔法陣が、色を濃くしながら少しずつ小さく収束していく。


 両方の手のひらの中に収まるほど小さく収束し輝きを増した魔法陣、それを毛皮で隠れた化け猫の胸へと当てていく。


 おっぱいというか乳首の上で回転し始める魔法陣を改めて再度自分の両手に移し直し、今度は化け猫の頭に残っている金髪部分へと手を動かす。


 こう改めて触ってみると化け猫の頭にある金髪部分の根本はこぶのように盛り上がっており、その大きさはちょうと小さな女の子の頭くらいだ。


 これが白猫族の少女だった名残だと信じて、その盛り上がりを両手で掴みながら魔力を込めていく。


 「あ!耳!」


 サナのいうとおり、魔力を込め始めてすぐ、金髪の上に、ぴょこんと猫耳が立った。

 化け猫の頭に瘤は更に盛り上がり、少女の髪の生え際まで出てきている。


 結構順調だ。

 これ、このまま引き抜く感じかな?


 とはいえ、手に伝わる感触的には、化け猫の頭の中に少女の身体、いや頭だけが埋められているような印象を受ける。


 化け猫の身体をコントロールするために、頭だけはそのまま残っているのだろうか?


 そのまま両手で魔力を込めながら持ち上げるというか引き抜くようにして力を入れると、今度は少女の目のくぼみが現れ始めた。


 が、しかしそこには初めてみた時のような大きな蒼い瞳はなく、神経のようなものが化け猫の体内へと伸びている。


 これはサナ達には、ちょっと見せられないな。

 身体でそれを隠しながら魔力を込め直し、目や顔を再構築しつつ、ゆっくりと少女の頭を化け猫の身体から引き抜いていく。


 サオリです。

 流石にこれはレン君でも治らないと正直思っていましたが、もう頭が出て来ました。

 凄いですね。


 なんというか、こう、ちょっと出産にも似ているように思えます。


 次回、第四○四話 「チャチャ」


 無事成功すると良いのですが…。

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