第三七五話 「マーキング」
>サオリは淫魔の契りにより主を倒した
>460ポイントの経験値を得た
>レベル32になった
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>50ポイントの経験値を得た
>サオリは淫魔の契りにより主を倒した
>350ポイントの経験値を得た
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>50ポイントの経験値を得た
>サオリは淫魔の契りにより主を倒した
>350ポイントの経験値を得た
「うふふ、レン君の匂いの方が強くなってしまいましたね。」
そんな、最初は自分でやったくせに…。
いや、後半調子に乗った自分も悪いのだが。
▽▽▽▽▽
「あれ?パパだけ先に上がって来たんスか?」
「あまり長風呂が得意じゃないからね。」
「あー、お母さん、お風呂長いから。」
脱衣所を出た正面の部屋でミツキとサナが2人で布団を引いていた。
まぁ、長風呂が得意ではないのは本当だが、むしろサオリさんが身体というか、ぶっちゃけ髪を洗うのに時間がかかっているのだ。
飛びすぎたというか、飛ばされすぎたというか。
ある意味、サナみたいに『絶対体内に取り込むガール』の方が事後が楽なのだろうが、それはそれでまたどうかと思う。
「ママさん、マッサージ喜んでたでしょ?」
そういや当初はマッサージをしに風呂場に行ったのだったが、結局、全然していない。
いや、身体の一部を揉んだりしていたので、マッサージと強弁できないこともないだろう。
サオリさんも喜んでいたというか、悦んでいたのも本当だし。
「少なくても今晩はグッスリ寝られるとは思うよ?」
レベルが上がって体力と疲労が回復したのは風呂場にたどり着く前の前半戦だったから、その後のマッサージ?で、サオリさんも適度に疲れているだろう。たぶん。
「お父さんもマッサージする?」
そういいながら、サナが敷いたばかりの布団をポンポンと叩く。
その布団は何故か二組くっつけて並べてあった。
サナのことだから別にエロい意味でのマッサージではないだろう。
と、いうか、その場合だとサナは直球で言ってくるし、たぶんいつもの『何かしてあげたい欲』が強い状態だと思うので、遠慮なく行為、いや好意に甘えよう。
「あ、パパ、そうじゃないッス。こう、縦に。」
そういいながらミツキが足を持ち、90度身体をズラされる。
最初、片方の布団に寝転がったのだが、そうではなく2枚の敷布団を横断するように寝るよう直された。
1枚の布団だとサナかミツキの片方がはみ出すし、かといって2枚の布団の真ん中に寝るとくっつけた布団が割れて私の身体が床に落ちるからだと説明された。
「なるほど。」
ミツキの言い分に納得して、改めて寝直すと、さっそくサナが脇腹の横あたりに座り、私の右手を持ってマッサージをしはじめた。
一歩遅れて反対側でミツキもそれに習う。
「あー、気持ちいい。」
自覚は無かったが、なんだかんだいって今日は私も緊張していたのか、若干強張っていた指先から手のひら、前腕へと揉み進んでいく小さな手の感触が心地いい。
「えへへ。ほんと?」
「ああ、本当。気持ちよすぎて寝ちゃったらごめん。」
「パパはお風呂入った後だし、寝ちゃっても大丈夫ッスよー。」
感想に気を良くしたのかサナもミツキも楽しそうな声だ。
ぶっちゃけ目を瞑って、感触を楽しんでいるので、表情は分からない。
まな板の鯉よろしく、2人にマッサージされるがままだ。
「はい、お父さん、うつ伏せになって。お顔ここ。」
しばらくしたあと、半分うとうとしながらも、サナの誘導にしたがって寝返りをうち、うつ伏せになって顔というか鼻を正座したサナの両脚の少し離した間に埋めるような体勢になるが…
「サナの匂いがする…」
脳天がサナのお腹に着くくらい深く顔を乗せてしまったので、脚の間からサナの汗の匂いが直接鼻に香るのだ。
「ムラムラきちゃうッスか?欲情しちゃうッスか?」
「しないわけじゃないけど、それよりも、安心する匂いだな。」
からかうようなミツキの声にも、思わずそう正直に答えてしまうくらいリラックスしてしまっている。
マッサージのテクニックに蕩けているというよりも、気持ちが入ったマッサージに酔っているような感じだな。
「ちょっと恥ずかしいけど、なんか嬉しいです。」
そういうサナに頭を撫でられた。
あ、駄目だ。
これ寝る。寝てしまう。
ミツキッス!
えっちぃマッサージしてる時のパパの感じも良いッスけど、真面目なマッサージしている時のパパも意外とキュンキュンするッスね。
あんまり経験ないッスけど、親孝行してる!って気分になるッス。
次回、第三七六話 「川の字再び」
アタシもパパのお尻の上に乗って腰と背中いくッスかねー。




