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第三六三話 「サナとの睦言」


 「お父さん、角さわってー。」

 「ん?こう?」


 珍しいなサナからそんな事を言ってくるのは。


 腕枕している腕をサナの頭に巻き込むようにして、指で相変わらず小さいながらも健康的な爪のような桜色の角に触れ、爪よりは少し柔らかく、凹凸もなくスベスベとしている感覚を指先で楽しむ。


 人差し指でつついたり、親指の腹でなぞったり、両指でつまんだり、人差し指と中指の間に挟んで頭を撫でるようにして擦る。


 「ん…っ…」


 指の動きに合わせてサナの口から吐息が漏れる。


 「お、お父さん、そこまでしなくても良かったのに…」


 あれ?何か間違えた?

 てっきり『おねだり』だと思っていたので、角に近づけた唇をそっと戻す。


 「えっと、奴隷の話をしたり、性別変わったりする話してるうちに初めてお父さんと一緒に寝た時の事を思い出したの。」


 角を指の間に挟んだままの私の手の上に自分の手を乗せ、押さえるようにしながら、そんな事をサナが話し始めた。


 「あー、あの時は、鬼族の角を触る意味を知らなくて、半分ウトウトしながらサナの角を触りまくってしまってたっけ。」

 「うん。あの時は恥ずかしかったんだから。」


 そういって首の辺を甘噛みするサナ。

 少しだけあたる小さな牙というか八重歯のような感触がくすぐったい。


 「あはは、ごめんごめん。」


 甘噛みのお返しにに、サナに押さえられている手の中で人差し指と中指を交互に動かすようにしてその間に挟んでいる角を擦る。


 「ぅあっ…」


 首から離したサナの口から声が漏れる。


 それこそ最初の頃に比べるとサナの角も敏感になったというか、感度が上がっているというか、体格差の関係で手でも唇でも非常に触りやすい位置にあるので、ついつい可愛がってしまい結果的に開発している状態だったのだろう。すまん。


 「もー、だめー。そんなつもりじゃなかったのに。」

 プンスコしながら今度は耳たぶに噛み付いてくるサナ。


 距離と位置の関係でそこにしたのは分かるのだが、そんなつもりじゃないのに誘っている感じになってしまっているのは、お互い様のような気がしてきた。


 「そんなつもりじゃ駄目?」

 「んー、…駄目じゃない。」


 頭を押さえていた手を私の頬に添え直し、引き寄せるサナ。

 それに合わせ、うなずくように顎を引き、それと同時にサナの背中に回している手を寄せ上げ、唇を重ねた。



▽▽▽▽▽



>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した

>40ポイントの経験値を得た

>サナは淫魔の契りにより主を倒した

>460ポイントの経験値を得た



>サナは淫魔の契りにより主を倒した

>460ポイントの経験値を得た

>レベル32になった



▽▽▽▽▽



 日をまたぐ前に一回戦が終わっていれば経験値的に有利だっただろうが、レベルは上がったので結果オーライだ。


 そんな事を考えられる程度には冷静になった。


 今回は初めて身体を重ねた時の事を再現するようにしていたら、ちょっとお互い盛り上がりすぎてしまっていたのだ。


 初めてサナと会った時は、こんな関係になるとは夢にも思わなかったな。

 改めて、そんな事を考えながら私の胸の上で寝息を立てているサナの頭を撫で、その髪の間から顔を覗かす角にそっと口づける。


 そういえば、あの時、


>童貞卒業により種族特性【淫魔法】が開放されました


というシステムメッセージが出て、それからプレイエリア外でも制限はあるものの男の身体のままで淫魔法が使うことができるようになったんだっけか。


 その後、ミツキの水揚げをした時にも


>複数人経験により種族特性【淫スキル】が開放されました


というシステムメッセージが出て、同じく淫スキルも使うことができるようになった。


 そう考えると、男の身体の時だけじゃなく、淫魔の身体の時にも同じような条件で、何かが開放されたりするのだろうか?


 ミツキッス。


 今日はママさんと一緒のベッドッス。

 ママさん、柔らかくて抱き心地いいんスよねー。


 パパともサナちーともまた違った良さがあるッス。

 

 次回、 第三六四話 「選択肢」


 あと柔らかいおっぱいは正義ッス。

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