第三五一話 「三番目」
「サオリさん、初めて会った時も問答無用で切りかかってきましたもんね。」
「その節は失礼いたしました…。」
そういって、ぷくぷくと鼻のあたりまでお湯の中に沈んでくサオリさんの仕草が、ちょっと可愛らしい。
「メンタルの面では、サオリさんもそうですが、サナやミツキも実際会って見ると不安定になることもあるでしょう。
誘拐団をエグザルの街まで連れて行けばロマさんのパーティーの一員が手を貸してくれるとのことなので、なんとかそちらに誘導する方法を考えてみますよ。」
「そんな事、出来るんですか?」
そういいながら、お湯から顔を上げ私の肩に顎を預けるような形で抱きついてくる、というか、持たれてくるサオリさん。
ちょっとのぼせてきてるみたいだな。
「あっちの予定が最初からエグザル行きなら、それで良し。
そうでなければ、密かに接触して誘導してみますよ。よっと…」
サオリさんの両脇から腕を差し込み、抱き上げるように浴槽から上がる。
「とりあえず、のぼせる前に部屋に戻りましょう。」
▽▽▽▽▽
「(それじゃ、いってきます。)」
「(いってらっしゃいッスー。)」
ん、ふぁ~。
寝室からほど近い居間の方からする声で目を覚ます。
寝たまま少し縦に伸び、目線をふと左側に向けると、サオリさんが横向きで幸せそうな顔で眠っている。
髪をアップにしたまま寝ているので、うなじのほつれ毛と首筋が色っぽい。
部屋の中というか、布団の中から香るサオリさん臭に、ちょっとムラっとくるが、結局昨日の晩、布団に入った後も、もう一戦してしまったので、さすがにやりすぎだろう。
サオリさんも疲れているだろうからと、起こさないようにそっと布団から、そして部屋から出て居間へと向かう途中、台所でエプロン姿のミツキと出会った。
「パパ、おはようッスー。」
「おはよう、ミツキ。
って、びっくりした。エプロンの下、何も着てないように見えた。」
サナもたまにそうだが、ミツキの部屋着は露出が高いというか布面積が小さいので、こうして上からエプロンをつけてしまうと、正面からだと裸エプロンに一瞬錯覚してしまう。
どうも、昨日から頭がエロモードになっているようだな。
「ははは、そんな訳、ないッスよ。」
「そうだよな。」
「ちゃんとパンツは履いてるッス。」
そういってペロンとエプロンを捲ってみせるミツキ。
文化的にゴム紐自体が無いわけではないのだろうが、サイズが調整しやすいために普及している紐パンが顕になる。
って、おい。
「パパ、ご飯にするッスか?朝風呂にするッスか?それともア・タ・シ?」
「…サナに聞いたの?」
「うー、サナちーに先越されたッスよー。」
眉をひそめて困ったような顔をするミツキ。
「昨日の晩、サオリさんも同じような事、言ってたよ?」
「え?!ママさんもッスか?むー、三番煎じになっちゃったッスね。」
目に見えてガックリしょぼんとしてしまっているミツキ。
いいからとりあえず捲ってるエプロンから手を離しなさい。
とはいえ、この (ほぼ)裸エプロン状態は、サナに出遅れた分を挽回するための手段のつもりだったのだろう。
先に起きてくるのがサオリさんだったらどうするつもりだったんだ?と一瞬思ったが、飲んだ後の日のサオリさんは結構ねぼすけなので、ミツキならその辺りは織り込み済みなのだろう。
段々小さくなっていくミツキを抱きしめ、頭をよりよしする。
この、丁度うさ耳が顔のあたりにくる抱きしめ方はわりと好きだ。
綺麗に手入れされたミツキのうさ耳の感触は頬で味わっても、唇で味わってもとても良い。
「たぶん朝ご飯は今、材料をサナが買いにいってるんだろ?」
「…はいッス。」
「それじゃ、朝風呂の前に、朝ミツキにしようかな?」
「へ?」
▽▽▽▽▽
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>40ポイントの経験値を得た
>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した
>460ポイントの経験値を得た
>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した
>460ポイントの経験値を得た
>レベル32になった
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>30ポイントの経験値を得た
>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した
>350ポイントの経験値を得た
ミツキッス。
あやうくママさんが起きてくるところだったので、途中でお風呂場に移動したッス。
うちらの方の寝室に誘導するはずだったんスけど、結果オーライッス。
次回、第三五二話 「デートの約束」
それにしてもママさんまで…いや、酔っぱらったママさんなら十分ありえたッスね。




