第二五九話 「エロゲ」
そのほかに、ミツキの覚えた【隠密行動】は、敵に見つかりづらくなるだけではなく、不意打ち攻撃に補正がつくらしい。
クリティカルが出たりするのか?
クリティカルという概念があるかどうかも知らないが。
ミツキのスキルは一通り目を通したので、次は特性【ビジュアライズ】で自分を含め4人のステータス等を並べながら、それぞれが使える魔法などもチェックする。
サナもミツキも魔法の数が多いのは、属性攻撃魔法が多いのと、それに対する属性防御魔法が多いためのようだ。
単発攻撃魔法だけだが、ミツキも攻撃魔法を覚えたのは汎用性が高そうだ。
地味にサオリさんも光系の単独攻撃魔法を一つ持っているんだな。
覚えている魔法の構成からみると、サナの修験者は多対多、ミツキの野伏は単体対単体、または単独行動を前提としているような印象を受ける。
属性防御魔法の効果もサナは範囲だし、ミツキは対象1人だ。
そのほか、スキルや魔法、ステータスを眺めているうちに、自分の特性【エロゲ】に追加項目が増えているのに気付いた。
現在、視界内にメニューが出てるのはこの特性【エロゲ】のおかげなのだが、これのランクが上がることによって、表示方法を変えられるようなのだ。
現在は『SYSTEM1』という表記で、例えるならば、ネトゲのメニューに近いのだが、表示順的にランク3になって覚えたらしい『SYSTEM3』が凄い。
凄いというより、分かりやすいかな?
例えるならばTRPGのキャラクターシートだ。
それにより数字系の表記が細かく見ることが出来る。
たとえば、この表示によると、淫魔法【加虐の心得】は淫魔ランク×10%、命中と攻撃力がアップするし、淫魔法【被虐の心得】は同じく防御力がアップするらしい。
毎度おなじみ種族特性【フェロモン】や【テクニシャン】も同様の倍率なので、今までの『淫魔ランクに応じて』という表記は、淫魔ランク×10%と考えて良さそうだ。
具体的な数値で書かれると効果が分かりやすい。
っていうか、あまり使ってなかったけど【加虐の心得】強いな。
あと、よく使う淫魔法【ラブホテル】や【淫具召喚】、【コスチュームプレイ】も、今は一品10万円相当までの物が対象らしい。
そこ、単位は元の世界のままなんだな。
これ、もしかしてランクごとに1桁金額が上がっていってるのだろうか?
そのほか、攻撃力、命中、防御力、回避、魔術、神聖魔法、魔法耐性という能力表示も増えている辺り、キャラクターシート感がある。
それぞれの能力表示には『最大』という表記があるので、素質という言い方の方がこの世界では馴染みそうだ。
この表記によると、各能力は以下の計算式で決まるらしい。
攻撃力=筋力+器用
命中=敏捷+器用
防御力=筋力+耐久力
回避=感覚+敏捷
魔術=精神力+器用
神聖魔法=感覚+敏捷
魔法耐性=耐久力+精神力
神聖魔法だけ感覚的にピンとこないが、ミツキみたいに獣ベースの亜人族の事を考えれば、感覚+敏捷というのは、野生の力をイメージしているのかもしれない。
敏捷と器用だけ算出するときの出番が3回と多いので、それぞれのステータスがAとA+のミツキがゲームシステム的に強いのが地味に面白い。
器用のステータスを倍化させる【絶対回避】改め【相対回避】があるので尚更だ。
あと、スキルのランクもこの能力表示をベースにそれぞれの行為の最大値に影響を与えるらしい。
具体的に言えば、能力の数字にスキル無しだと50%、ランク1で75%、ランク2で100%、ランク3で125%とランクごとに25%刻みで上がり、それを掛けたものが実際の最大値となるらしい。
サナやミツキが前に言っていた、ランク1で一人前、ランク2でプロ、ランク3でベテランというのも数字的に見ると納得できるな。
たとえば今の私の命中は、この表記でいうと最大で300。
スキルを持っていない【射撃】だと最大でも150、ランク3の【槍術】だと最大で375だ。
この差はかなりデカイ。
これが淫魔の身体だと命中が480だから、スキルなしで240、ランク3で600と、ステータスが上がれば上がるほど効果が目に見えて大きくなる。
思っていた以上にランクの差というのは大きいものなんだな。
経験値のランク差ボーナスが大きいのも頷ける。
ちなみに淫魔の身体でスキル【性技】を使って男の急所(性的な意味で)から本気でドレインする際の命中は、480×125%(性技ランク3補正)+種族スキル【テクニシャン】ランク3補正30%+同【フェロモン】補正30%+淫魔法【加虐の心得】ランク3補正30%=480×215%=1,032と、アホみたいな数字になる。
今思えば、最初デミオーク相手に無双出来ていたのは、このお陰だったんだな。
それはそうと、特性【エロゲ】でのメニューの表示方法なのだが、『SYSTEM1』と『SYSTEM3』があるのなら、当然『SYSTEM2』があるわけで、その表示方法にすると、メニューの雰囲気がガラリと変わる。
オブラートにぐるぐる巻きにして表現すると、育成シュミレーションゲーム風のステータス画面になるのだ。
表示される項目名に目を瞑れば。の話だが。
サナです。
社の裏門の屋台で買ったアレがあるので、一品は決まっているけど、後は何にしようかな?
せっかくだから、食器もなるべくたくさん使いたいし…。
次回、第二六○話 「3人の男」
ミツキちゃん、なにか食べたいものある?




