第二四九話 「予定外」
サナとサオリさんは、このままここで寝てしまうというので、浴室に繋げた追加の部屋から元の2ベッドルームに戻って来た。
バーカウンターの缶ビールを片付け、ベッドの前まで戻ると、あいかわらずミツキが幸せそうな表情で横になってクークーと寝息を立てている。
途中で目を覚ましてないっぽいな。
横を向いているミツキの背後側からベッドに潜り込み、ミツキの枕と肩の間のスペースに腕を差し込み軽く抱きしめ、身体を寄せる。
布団の中とサラサラと枕の上を流れる髪からミツキの匂いがした。
同じ物食べて、同じ風呂に入ってるのに3人とも香りが違うのが不思議だ。
そんな事を考えつつ、ミツキを抱きまくらにして微睡んでいく。
▽▽▽▽▽
「え?!へ?!なんでッスか?なんでパパに抱きしめられて寝てるッスか?」
なにか腕の中でバタバタしているので、大人しくさせるために抱きしめる。
下腹部に弾力のあるものが当たって気持ちいい。
なんだこれ?尻?
あー、尻だな。
サオリさんほど大きくはないが、ミツキの尻はツンと上向きの美尻だ。
主張が激しいというか、スタイルが良いというか、張りがあるというか。
ミツキは胸もそうだよな。
抱きしめている手をずらして感触を楽しむ。
「え?え?え?パパ、ちょっとパパ、寝ぼけてないッスか?あの、あっ、当たってる、当たってるッス!」
んー騒がしい。
大人しく寝なさ…い…?
「あ。」
「あ。じゃないッス!」
「ごめん、ミツキ、寝ぼけてた。」
「寝ぼけて隣のベッドからこっちに入って後ろから抱きしめて、押し付けながらおっぱい揉むってどういう寝ぼけ方ッスか?!」
ミツキが背後から抱きしめている腕を振り切ってこちら側を向く。
うさ耳が赤く、目を見開いている。
テンパってるっぽい。
「いや違うんだ。」
落ち着かせるために、正面からミツキの頭を抱きしめ直すと、ちょうどいい感じに、うさ耳の根本のモフモフしているところに自分の鼻が入った。
耳かきの梵天を思わせるようなふわふわ感に加え、うさ耳に籠もったミツキの濃い体臭がする。
体臭というと聞こえが悪いが、実際のところは凄く良い香りがするので、そのまま深呼吸するとミツキが「ひぁぁぁぁぁぁ。」という声にならない声を上げて腕の中で悶えた。
ちょっと楽しいので反対側のうさ耳で繰り返すと、ミツキはしがみつくかのように身体に抱きつき、そのまま力なく沈んでいく。
「おはよう。ミツキ。」
「…おはようッス。」
恨めしそうな顔のミツキにおはようのキスをした。
「んっ…。嬉しいッスけど、なんかいつものパパと違う感じッスね。」
「色々と思うところがあってね。」
昨日色々あったせいか、自分でも、なんとなくスキンシップ過多なモードに入っているようだ。
「朝だけど夜這い。ってことじゃないッスよね?」
ミツキが腕の中で頭だけをキョロキョロと動かし、部屋の様子を探ってる。
「サナちーとママさんは?」
「朝ごはんの買い出しに行ってるはずだよ。」
昨日の晩、サナがその予定だと言ってた。
今日の朝はミツキちゃんが残る番だと言ってたので、なにかそういうローテーションがあるのだろう。
なんとなく察しはつくのだが。
「そう…なんスか。」
ミツキが、あれ?おかしいな?みたいな表情をしているので、本来の順番では無いっぽい。
おそらく昨晩の『お仕置き』とやらでその順番とやらが狂ったのだろう。
ミツキは落ち着かなさそうな様子でモジモジしてる。
そういう仕草が普段の明るく賑やかな雰囲気とのギャップで凄く可愛く見える。
「ミツキ、『レベル上げ』しようか?」
「へ?え、えっ?!」
「昨日、結局レベル上がらなかっただろ?帰依の儀式の前に上げておいた方が効率的じゃないか?」
「そ、それはそうッスけど…。」
アワアワしているミツキ。
まさか私の方から、そういう事を言われるとは思ってもいなかった様子だ。
「あと、ここからは兎人語でね?」
「えーっ?!」
▽▽▽▽▽
>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した
>80ポイントの経験値を得た
>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した
>140ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>レベル29になった
ミツキッス!
アタシ、朝からレベル上げしちゃうと、一日ポワポワしちゃうんスよね。
何かをしてる時に思い出しちゃうというか…。
次回、第二五○話 「加減」
パパにレベル追いついちゃうと、『レベル上げ』のためって誘いづらくなっちゃうのが最近の悩みッス。
今日みたいにパパから誘って貰えるようになると良いッスけど、なんかまた余計な気を使われているような気もするッス。




