第二四一話 「二人がかり」
「あっ、気持ちいい…。」
「ママさん、結構、肩こってるッスねー。サイズ的な問題ッスか?」
「サイズ?今日はずっと正座して同じ姿勢だったからかしら?」
確かにサオリさんは胸の大きさ的に肩がこりそうなイメージがあり、こうやって下から見上げるような体勢だと尚更そのボリュームが強調されて見える。
今はベッドに座っているサオリさんの肩をミツキが揉んで、私が床に座って足をマッサージしているところだ。
しばらくは恐縮していたサオリさんだが、マッサージが始まってしまえば気持ちよさそうに目を細めていた。
靴を脱がせ、足裏からふくらはぎをマッサージしているところなのだが、白のハイウエストワイドパンツの裾から手を突っ込んでいる形なので、なんかちょっと背徳感がある。
サオリさんのふくらはぎは、しっとりとして柔らかく手に吸い付くようだ。
正座の疲れなら膝裏や足首を揉みほぐした方がいいかな?
たしか鼠蹊部とかもマッサージすると良かったはずだ。
そんな事を考えながら、サオリさんの足首からふくらはぎ、そして膝裏の方へと手を伸ばしていったところで、部屋の扉をノックする音がした。
「あ、お料理、来たみたいッスね。」
「いいよいいよミツキ。私が出るから。」
サオリさんの頭越しに扉を見つめるミツキを押しとどめドアへと向かった。
「お待たせしましたー。」
扉をあけると金髪ポニテのウエイトレスがトレイを持って立っていた。
ソバカスがあるせいか、ボンキュッボンな体型とあわせて、すごいアメリカンな感じがする。
この娘、前にロマさんとドヤで飲んだ時にも運んでくれた娘だな。
大銅貨を数枚チップとして渡して、包んで貰っていた料理をトレイごと受け取ると、お礼をいって笑顔で帰って行った。
「さて、料理が届いたけど、先に食べるかい?」
「どうでしょう?下でもそれなりに食べてしまっていましたし、座って落ち着いてしまったので、今じゃなくてもわたしは大丈夫です。」
「そうッスねー。パパ、サナちーはあとどれくらいで起きそうッスか?」
ミツキに問われ、淫スキル【ナルシスト】から種族特性【眷属化】の影響下にあるサナのステータスを確認する。
「3時間弱、ってとこかな?」
「それなら、サナちーが起きるまで待って、残りは皆で食べるのはどうッスか?」
「それはいいわね。」
「そうだな、そうしよう。」
話がまとまって、メニューのアイテム欄にトレイごと料理をしまったところで、隣の部屋から大きな「乾杯!」の声が聞こえた。
「お隣の部屋、盛り上がってますねぇ。」
「レストランから部屋に戻って飲み直しってとこッスかね?しばらくうるさそうッス。」
どうやら隣の部屋は男所帯のパーティーらしく、声を抑える気もないのか賑やかな声が聞こえてくる。
壁が薄いというより、酔っぱらってて声がデカいんだな。
「落ち着かないから、あっちの部屋に行こうか?お風呂場への扉から内部屋をもう一部屋用意しよう。」
「はい。」
「了解ッス。」
▽▽▽▽▽
「シンプルな部屋ッスねー。あ、でもお風呂場は広いッス。」
「元のお部屋が豪華すぎるだけで、ここだって十分立派なお部屋ですよ?」
そりゃ普段はラブホテルの部屋とはいえ、最低二つのベッドがあるハイクラスの部屋だし比べる方が悪い。
泊まりじゃなくて休憩の魔力量で部屋を確保したので、これでも部屋のグレードは高めなのだ。
「それじゃ、サオリさん、マッサージの続きをしますから、改めて座ってください。」
「え?もう十分ですよ?」
「ママさん、遠慮しなくていいッスよー。
…そうだ!パパ、どうせなら、お風呂場でマッサージしないッスか?」
「お風呂場で?…あー、あれか。」
「あれ?ってなんでしょう。」
不安そうなサオリさんに、ちょっと嗜虐心を刺激されてしまう。
そういえばサオリさんはローション使ってのマッサージは未経験だったか。
「あ、でも、にゅるにゅるはともかく、ここのお風呂、マットがないッス。」
「そっちは魔法でなんとかなるから大丈夫。
じゃ、ミツキ、サオリさんを連れて行こうか。」
「了解ッスー。」
「え?何?何がおこるの?何をされるの?」
▽▽▽▽▽
>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した
>140ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>サオリは淫魔の契りにより主を倒した
>590ポイントの経験値を得た
>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た
>レベル24になった
サオリです。
長時間の儀式は自分でも気づかなくても疲れが溜まるものなのですね。
二人の按摩がとても気持ち良いです。
次回、第二四二話 「白雪姫再び」
え?え?
そんな所まで?
え?そんな所で?




