第二二八話 「昨晩はお楽しみでしたか?」
「それじゃ、朝ごはんの後片付けは私とサオリさんでやっておくから、二人はお風呂で身を清めておいで。」
「はいッス!」
「お父さん、お漬物と食器は、あっちの部屋に場所作ってありますから、そこにお願いします。」
「わかったよ。置き場所分からなかったら私が預かっておくから心配しないでお風呂入ってきな。」
「はーい。」
▽▽▽▽▽
サオリさんと軽くイチャイチャしながら食器を洗ってギルドの部屋に置き、戻ってきたくらいで二人がお風呂から上がってきた。
サオリさんもまだ浴衣姿だったし、身支度は淫魔法【コスチュームプレイ】で全員分、揃えてしまう。
一応、全員比較的露出の少ない格好を目指したが、ミツキの服のセットはどうしても生足が出るので、昔サナ用にプリセットしたパステルブルーの薄手のニットにパンツはサロペットというセットにミツキのピンクのパーカーを組み合わせて、ミツキとサナ両方に着せ、双子コーデにしてみた。
ちょっと子どもっぽ過ぎたかな?
サオリさんは最初に買った黒のハイネックノースリーブニットに白のハイウエストワイドパンツ。
それに白系の丈の短いカーディガンを羽織っている。
私は相変わらず鬼族の種族衣装の作務衣だ。
楽な上にサナのウケが良い。
あと地味にサオリさんもやっぱりこの格好が好きだそうな。
全員この鬼族の種族衣装でも良いかと一瞬思ったが、ミツキが周りに変な目で見られそうな気がしたので止めた。
ちなみに自分がそう見られてるであろうことは気にしてない。
ロマさんに言わせると凄い貧角の男鬼だと思われてるかもしれないとの事だ。
角が小さいサナが人族っぽく見えるのと、ちょうど逆っぽい。
「それにしても、せっかくいい部屋にしたのに酒飲んで寝ただけだったな。」
そういや結局風呂にすら入ってない。
「そんな事ないッスよ?パパが寝た後、サウナ試してみたり、茶室?でゴロゴロしてみたり、アタシ達、広さを満喫してたッス。」
「やっぱりお部屋多いと過ごしやすいね。」
「寝室の他にもう一部屋あると大分気楽ですねぇ。」
うちのパーティー、気を使う人が多いので、そうかもしれないな。
今回の部屋までいかなくても、ちょっと今後の部屋の選び方考えてみるか。
「作戦会議もできたしね。」
なんかサナが不穏な事をいいだした。
「作戦会議?」
「お当番会議というか…。」
サオリさんの目が泳いでる。
「女同士でゆっくり色々な話出来たッスよ。女子会ってやつッスね。」
「女子会ねぇ…。」
まぁ、男がいたら話しづらいこともそりゃあるだろう。
「ま、皆が楽しく過ごせたなら良かったよ。」
「温泉も良かったですしね。」
「ホント、今までで一番豪華なお風呂だったッス。」
「あれ?お父さん、お風呂入ってないんじゃ…。」
あ、バレた。
「もう、駄目ですよー。次は無理矢理にでもお風呂入れちゃいます。」
「いくら魔法で清潔にできるからといって、横着のしすぎは良くないッス。」
「はい。」
「うふふ、こうやって、お父さん洗いやパパ洗いになるのね。」
二人とのやり取りを聞いてサオリさんがクスクスと笑っている。
▽▽▽▽▽
「ここは…。」
「南区の歓楽街ですよ、サオリさん。」
「そういや前にご飯食べた時に、ここから部屋に戻って来てたッスね。」
「あの時のちーずふぉんでゅ、美味しかったね。」
サオリさんと会う前の日だっけな?ここに来たの。
まだ昼時までは時間があるのか、開いている店もほとんどない。
相変わらず南区は町並みが綺麗だ。
一般用の宿も近いせいか、一種の観光地的な扱いなのかもしれない。
そう考えると職人街もその一部になるのかな?
歓楽街の出入り口にいる見張りに「いつ入った?」とか聞かれるかと警戒してたが、べつにそんなこともなく普通に出られた。
交代要員の時間もあるだろうし、入る時だけ気をつけていればいい。と、いう方向性なのかもしれない。
ここまでくると、もう南門が見える位置だ。
旅人や行商人らしき馬車が出入りしている。
ロマさんの話によると、南門から出て東側に亜人族共同の社が立っているらしいが、これ、いちいち南門から出入りしなきゃならないのだろうか?
身元確認とか面倒だと思うのだが…。
サナです。
ミツキちゃんとお揃いなの久しぶり。
ぱーかーは、うさ耳や角隠すのに便利だねーみたいな話をしてました。
次回、第二二九話 「裏門」
さて、お父さん洗い、いつにしよう?




