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第二○一話 「おあずけ」


 「サナちー、そろそろ場所替わって欲しいッス。」

 「うん、ちょっと待ってね。んっ。」


 ミツキが私の首に回した手を離すと、サナが入れ替わりに同じ様に手を回し、そこに体重をかけるようにして腰を上げる。

 水音とともに一体となっていたサナの身体が離れ、ミツキと入れ替わる。


 「ッんーーーふぅ。」

 甘い吐息とともにミツキが私の胸に背中を預けるような形で上に『座る』


 「ちょ、ミツキ?」

 慌てて先程までミツキを抱きとめていた手を伸ばし直そうかとするが、その手はサナに絡め取られた。


 「サナちーだけなんてズルいッスよ?パパ?」

 振り返ったミツキの顔はイタズラっ子のような笑顔だったが、そのうさ耳の内側は真っ赤に染まっている。


 恥ずかしい分には恥ずかしいらしい。


 「アタシもパパ分欲しいッス。」

 いや、さっき言ってたのは明らかにそういう方向の成分じゃなかっただろうお前。



▽▽▽▽▽



>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した

>60ポイントの経験値を得た

>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した

>260ポイントの経験値を得た

>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た



▽▽▽▽▽



 「こ、こんなに大きいんですか?」

 サオリさんの目が一点に釘付けになっているが、子どもの身体の時が小さかっただけで、そこまでいわれるほど大きくはないと思う。たぶん。


 「あの、サオリさん?本当に大丈夫ですか?怖かったりしません?」

 「あ、はい。その、大丈夫ですから、あの、お願いします。」


 今はサナやミツキと『レベル上げ』をしている間、『発情』しているのに『おあずけ』されていた状態のサオリさんを鎮めようとしている。


 ミツキが「この先を考えたらママさんも私達と同じくらいのレベルまでは『レベル上げ』しておいた方が安全ッス。」という言葉の援護射撃と、サオリさんの服を手際よく脱がせていくサナの物理的援護のもとベッドに横たわる全裸のサオリさん。


 羞恥で赤く染まった肌が色っぽく、思わず見とれてしまう。


 狭い部屋の中は三人の女性の蠱惑的な香りが混じり合いクラクラしそうだ。

 その香りに子どもの身体の時は空回りしていた心と身体の歯車がガチっとはまり、音を上げて回転していくかのように気持ちと身体が高まっていく。


 「あ、あの、たぶん、大丈夫ですけど……やっぱりちょっと怖いので、優しくしてくださいね?」



▽▽▽▽▽



>レンは淫魔の契りにより眷属を倒した

>10ポイントの経験値を得た

>サオリは淫魔の契りにより主を倒した

>1,310ポイントの経験値を得た

>ランク差ボーナスとして3,000ポイントの経験値を得た

>レベル21になった



>サナは淫魔の契りにより主を倒した

>260ポイントの経験値を得た

>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た

>レベル27になった



>サオリは淫魔の契りにより主を倒した

>910ポイントの経験値を得た

>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た

>レベル22になった



>ミツキは淫魔の契りにより主を倒した

>260ポイントの経験値を得た

>ランク差ボーナスとして1,000ポイントの経験値を得た

>レベル27になった



▽▽▽▽▽



 「…ちょっと盛り上がり過ぎたかな?」

 「えへへ、久しぶりだからしょうがないですよ。」


 私の頭を正座した両腿の上に乗せ、優しく撫でながらサナはそう感想を漏らした。

 凄い楽しげなというか満足げな顔をしている。


 「やっぱりパパは身体大きい方が安心感あっていいッス。」

 ミツキも汗の粒を舐めるのを止めてそう感想を漏らす。


 ミツキは私の左肩に頭を乗せる形で抱きつき、左手で心臓の鼓動を確かめるように私の胸を触っている格好だ。

 

 「って、ママさん遠くないッスか?」

 私の大きく投げ出した右腕の手首辺りを腕枕にして、反対側を向いて丸くなっているサオリさん。


 我に返って恥ずかしがってはいるように見えるのだが、さっきから私の掌を両手で隠すように自分の口に当て、サナやミツキからは見えないように、その内側に何度も口づけをしてくれているので、嫌では無かったようだ。



 ミツキッス!

 やっぱりパパは、この寄りかかれるサイズがいいッス。

 元に戻らなかったらどうしようかと思ったッスよー。


 次回、第二○二話 「ただいま」


 あと、スイッチ入って、ノリノリのパパも久しぶりッスね。

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