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第一九○話 「勝敗」


 「で、なにか考えでもあるの?」

 食器洗いの手伝いというか、淫魔法【ウェット&メッシー】を使っての水道役をしながらミツキにそう問いかけた。


 今は宿を借りているので本当は必要ないのだが、魔法を解除すれば水分が飛ぶ関係で食器を乾燥させる手間が省けるため、すっかり習慣になってしまっている。

 サナに頼ってばっかりでは心苦しいというのもあるしな。


 「サナちーと一緒にゆっくりお風呂に入りたいと思っただけッスよー。

 いやー昨日は流石に狭かったッス。」

 「だから4人は無理だって言ったのに。」

 「あはは、ついつい前の大きなお風呂のある部屋のつもりでやっちゃったッス。」


 どうやら何をするかを話してくれるつもりは無いらしい。

 ってことは、また何か気を使ってるんだな。


 「サオリさんも入るだろうから、あまり長湯はしないようにね。」

 「レンくんと入るッスか?」


 「サオリさんが、一人で、ゆっくり入るだろうから、あまり長湯はしないようにね。」

 「あはは、了解ッスー。はい、これで終わり!。」


 「それじゃ、私はこれ持って戻るついでにサナを呼んでくるよ。」

 「ホントッスか?じゃ、先にお風呂入ってるって伝えて欲しいッス。」

 洗い終わって乾燥した食器を抱えてラブホテルの部屋に戻ろうとしたところに、洗面所に置いてあるアメニティが目に留まった。


 ふむ。

 「それじゃ、呼んでくるね。」



▽▽▽▽▽



 「耳かき、ですか?」

 「こっちの世界に来てからはしてなかったと思って。」

 サナを風呂場に送り出し、淫魔法【淫具召喚】で耳かきを召喚したところ、サオリさんが食いついてきた。

 洗面所にあった綿棒を見て、ふと耳かきがしたくなったのだ。


 「というか、こっちの世界でも耳かきってするんですね。」

 「あまり一般的じゃないですけど、少なくとも鬼族はしますよ。」


 そういってサオリさんがにっこりと柔らかい笑顔で笑う。

 こうしていると、元人妻というより、ゆるふわお姉さんという感じだ。


 「よければ、わたしがやりましょうか?」

 そういってサオリさんは正座をして、その両太ももをポンポンと叩く。

 ちょっとドヤ顔気味なので自信があるらしい。


 「それじゃ、お願いします。」

 洗い物の手伝いも洗面所が狭いという理由で断ってしまった手前、続けて断るというのも収まりが悪いので、遠慮なくお願いすることにした。


 けっしてあの、めっちゃ柔らかい太ももに負けたわけではない。



▽▽▽▽▽



 はぁぁぁぁ負ける、負けるぅ。


 「レン君、気持ちいいですかぁ?」

 やめて、耳元で話しかけるのやめて。おっぱい後頭部に当たってる。

 膝枕もおっぱいも柔らかくて、めっちゃいい匂いする。


 「はーい。それじゃ反対側もしますから、こっち側向いてくださいねー。」

 こっち側って、サオリさんのお腹側を向け…だ…と?!


 「向いてくれないと、もう一回こちょこちょしちゃいますよー。」

 そういってサオリさんは耳かきの反対側についている梵天を、ゆっくり回転させるように耳の穴に差し込んでくる。


 ひあぁぁぁ。ぁぁぁあ。

 ゆっくりと逆回りで抜かれた時には観念してサオリさんのお腹に顔を埋めた。

 当たり前だが、こっち向きの方がサオリさんの香りが強い。


 「うふふ、くっつきすぎですよレン君。これじゃお耳が見えないです。」

 見えないってことは無いだろうと首を捻ってサオリさんの顔を見上げようとしたが、それは叶わなかった。


 おっぱいに視界を阻まれたからだ。


 おーう。

 そうだよな。私だって淫魔の身体の時には足元見えないものな。

 同じくらいのカップのサオリさんだってこの位置からじゃ、そりゃ見えないよな。


 サオリさんの両手で頭の位置をずらされ、耳かきの2回戦目へ突入された。

 目をつむると触感が鋭敏になってしまうし、目を開けていると上から迫ってくるサオリさんのおっぱいが気になってしまう天国のような地獄だ。



▽▽▽▽▽



 「…なにやってるッスか?」

 「あー、耳かきだ。いいなぁ。」


 サオリさんと耳かきを交替して、2回戦目、つまり反対側の耳が終わろうとするくらいにミツキとサナが風呂場から戻ってきた。


 ディフェンス側じゃなくてオフェンス側なら大丈夫だという考えは甘かった。

 さっきのお返しとばかりに淫スキル【性感帯感知】も使いつつ、サオリさんの耳かきをしていたのだが、その髪から香る匂いや、吐息とともに漏れる色っぽい声が、もう、大変だったのだ。


 本当に大変だったのだ。


 種族スキル【テクニシャン】や【フェロモン】が乗るのはしょうがないとしても、なぜ淫スキル使った自分。

 いや、何かスイッチが入っちゃってたんだな。たぶん。


 先にお腹側を向いてもらって耳かきをし、今は反対側を向いて耳かきをしているところに二人が戻ってきたので良いようなものの、順番が逆なら、いかがわしい事をさせているように見えたかもしれない。

 セーフ。


…よく考えたら、お互い横にじゃなくて縦に膝枕すれば良かったんじゃないかこれ?


 「あっ…。」

 耳から梵天をゆっくり引き抜ぬくと、またサオリさんの口から吐息が漏れる。

 ちょっと気まずい。

 特にミツキの目線が痛いように感じるのは被害妄想だろうか?


 「…えーと、サナお姉ちゃんもするかい?」

 「うん!」



 サオリです。

 耳かきにはちょっと自信があったのですがレン君も上手ですね。

 あと、ちょっとドキドキしちゃいました。


 次回、第一九一話 「お勤め」


 耳もスッキリしたし、これからお風呂だし、幸せです。

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