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第一八七話 「成果」


 「結構大変だったッスねー。」

 「ねー。」

 ミツキとサナが魔素核やドロップ品を回収しながら、そんな話をしている。


 槍を魔素核に突き立てて相手の魔力を9割ドレイン、追い打ちのサナとミツキの矢で相手の魔力枯渇、勝った!


 と、思ったが、そんなことはなかったのだ。

 ゴーレムの魔力ゲージが回復というか、もう1本分魔力のストックがあったためだ。


 もう一撃、魔素核に槍を突き立てようと思ったが振り落とされ、サナたちとは反対側に着地したところに、ゴーレムの蹴りが飛んできたので、スキル【回避】の力を借りて跳ね避けたところで、やっとゴーレムが動かなくなった。


 背を向けたゴーレムに向けてサナとミツキが矢を射ち続けてくれたおかげで、やっと本当に魔力切れになったようだ。


 形を維持する魔力も切れたのか、そのままゴーレムは緑色の光の粒子になって霧散し、迷宮の壁や床に吸収されていく。

 

 「倒せないことはないけど、他の敵に比べて時間がかかるわね。」

 「いえ、この人数でこの時間なら理不尽に早いですよ。」

 サオリさんがそういいながら薙刀の刃を点検している。


 「あれだけ当てたのに刃こぼれしてないのは凄いですね。

 そもそも刃が通るとは思いませんでした。」


 「刃こぼれしても出し直せば治りますから遠慮なく使ってください。」

 戦闘に関してはサオリさんが一番常識人なので参考になる。


 「身体がデカイから矢が当てやすかったッス。」

 「さすがに魔素核に当てるのは無理でした。」

 ミツキとサナもそう感想を漏らす。


 「わざわざ選んで狩るほどじゃないけど、私の魔力回復に戦うなら悪くないかもしれないわね。」


 「精霊系も行きますか?魔法攻撃が来るので、たぶん今より苦戦すると思いますよ?」

 サオリさんの意見にちょっと悩む。


 「いや、場所移動して楽なのを狩りましょう。私も本調子じゃないですし、安全第一で。」

 「はい。」

 「了解ッス!」

 「わかりました。」


 その後、新迷宮3階へ降りる階段の方に向けて移動しつつ、狩りを続けていった。



▽▽▽▽▽



 「ん、この階までは探索者登って来てるみたい。」

 淫魔法【夜遊び情報誌】で取得した新迷宮3階の情報を皆に伝える。


 「そうなると明日には4階にも人増えそうですね。」

 「地下の旧迷宮は敵の取り合いが凄いって話ッスからね。新迷宮に敵が湧いたら当然こっちに来るッスよ。」


 今は新迷宮の3階にある上りの階段側の小部屋でドロップ品の確認をしている。


 狩りも狩ったり魔素核だけで30個もあった。

 敵が一箇所に固まっていて、釣りに時間がかからなかったハーピー相手の時と比べても多いくらいで、サオリさんが普通に引いてた。


 この部屋に来る途中、ゴーレムをもう2体狩っているので、ランク3の魔素核も3つ含まれている。

 カプセルもそうだが、デミゴブリンやデミオーク、デミミノタウロスが落としている武器なんかも、それなりのお金になるだろう。


 「カプセル関係は探索者ギルドの依頼書見てから換金の方がよさそうね。」

 「たしかこの、『ゴーレムの核』って、良い値段になるはずですよ。」

 サオリさんがカプセルの中身を眺めながらそう言った。


 「オーク達の武器も前に持ち込んだ時くらいありそうですね。あの時は金貨1枚でしたっけ?」

 サナがミツキと一緒に私のバックパックに武器を詰めながら聞いてくる。


 「今回は大物の武器が無いから、もう少し安いかもしれないけどね。

 十分に稼げたと思うから、今日はこれくらいで終わりにしない?」


 「賛成ッス!たぶん、もう結構いい時間ッスよね?

 あ、でも換金はレンちゃんがパパに戻ってからの方が良くないっすか?

 今収めてもギルドのランクの査定にならないッスよね?」


 言われてみればそうだな。

 「じゃあ、邪魔になる武器類だけ収めちゃおう。

 サオリさん、今の私の身体だとこのバックパック背負うのは不自然なので、お願いしていいですか?」

 「ええ、もちろん。」


 この後、この小部屋の扉に淫魔法【ラブホテル】をかけて、迷宮入り口前の公衆トイレのドアまでショートカット。

 近くにある迷宮内の換金所で武器類を換金した後、また改めてラブホテルの部屋に戻ってきた。


 結局今回の武器も一式金貨1枚で換金して貰った。

 魔素核だけでも追加で金貨5枚弱くらい分はあるので、今日は相当稼げたな。


 サナとミツキに銀貨10枚を、サオリさんには宿代分も含めて銀貨20枚を報酬というかお小遣いとして渡して、残りはサナの奴隷解放資金として預かることにした。


 皆を普段着に淫魔法【コスチュームプレイ】で普段着に着替えさせた後、種族特性【トランスセクシャル】で男の身体に戻る。


 「おかみさんのところにもしばらく行ってないな。」

 「その身体じゃしょうがないッスよ。それにこの時間だと酔っ払いに朝以上に絡まれそうッス。」

 「今回、お肉が手に入ったので、これで何か作りますね。」

 「あ、じゃ、荷物出すよ。」


 メニューのアイテム欄から調理関係のカバンを取り出して床に置いた。



 サナです。

 今日は今までで一番多く戦った感じがします。

 あと豚肉が手に入ったので、アレを作ってみようかなー。


 次回、第一八八話 「発情期再び」


 ちょっと時間かかるけど、美味しいからいいよね?

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