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第十七話 「レベル」



 「それで、レベルいくつになったの?」

 と、一応聞きつつ、ステータス鑑定スキルである淫スキル【性病検査】でサナのステータスをチェックする。


 「えーと、たぶん5か6くらいだと思います。数え間違えてなければですけど」

  残念、数え間違ってる、レベル7だ。

 どうやら私のように視界に表記はされずにレベルアップ時のゲージ回復回数で自分のレベルを把握してるっぽい。


「ちょっとまってね…んー、レベル7になってるわよ?」

「え?レインさん、人物鑑定スキル持ちなんですか?凄いです!」

 凄いらしい。【性病検査】という失礼なスキル名を使ったのは黙っておこう。


「ランクアップまで後3レベルかー、はやく一人前になりたいなー。」

 ランクという概念もあるんだな。

 で、ランク1で一人前か。なるほど。


 「ご主人様のように…早く強くなりたいです。」

 喜んでいたサナの表情が曇る。

 なにか思うところがあるのだろう。


 ローテンション良くない。

 「レベルアップおめでとう!」

 思わず抱きしめてしまう。


 「大丈夫、焦らなくてもきっと強くなれるわよ。」

 「…はい、ありがとうございます。足手まといにならないよう頑張ります。」


 ああ、無力感に苛まれてるのか。


 「そういえば、扉の件だけど、隠し扉になっているだけだから心配しなくていいわよ?」

 「え?そうなんですか?」

 胸の中のサナの顔が少し明るくなる。


 「ちょと待っててね。」

 サナから離れ、隠形感知系スキルの【引き出しの秘密】を頼りに隠し扉の仕掛けを作動させる。


 1分も立たないうちに隠し扉を開けることができた。

 「よかった…。」


 サナがホッとしたような表情をつくる。

 最初は日本人形みたいなイメージだったけど、意外と表情豊かだなこの娘。


 「とりあえず一回中に入りましょう。またアイツら来ても面倒だし。」

 そういってサナに手を伸ばすと、はい。といって手を取り着いてきた。


 「それにしても…」

 「ん?」

 「こんなに迷宮獣が頻繁に出るのに、よくあの貴族達はこの部屋に来れましたね。護衛でもいたんでしょうか?」

 迷宮獣というのはモンスターのことだろう。そういえばあの貴族たち武器になるようなもの持ってなかったな。


 「それか、この隠し扉のように他に出入り口があるんでしょうか?」


 「サナ」

 「はい?」

 「ナイス!それだわ!部屋の中調べ直してみましょう。」


 デミオークのドロップ品を拾った後、部屋に戻りサナと二人で部屋を再捜索する。

 淫スキル【引き出しの秘密】の助けもあって隠し通路はあっさりと見つかった。

 しかもクローゼットの一つが二重扉になっているというベタな隠し通路だ。


 「サナ、そっちのクローゼット見てもらっていい?」

 自信をつけさせるためにサナをそちらに誘導し自分は反対側の壁を調べるふりをする。

 「はい!」

 なんとか役に立とうとしているのか一生懸命なサナ。

 うまいこと見つけてくれよ?


 「ご主人様!ありました!ここ、開きます!」

 よし!


 「ホント?あ、ホントだ。偉い!サナありがとう!」

 またハグをして頭を撫でる。


 こういっちゃなんだが女性の身体ってスキンシップしやすくていいよな。

 元の身体だとセクハラ&通報案件なのに胸の中のサナも褒められて嬉しそうだ。


 隠し扉の先は迷宮とは違って壁や床は発光しておらず、そこから出た後、石造りの階段が上に続いている。


 「サナ、ランプ一つ持って来て貰える?」

 「はい!」

 自分は淫スキル【夜這い】のおかげで夜目が効くので問題ないがサナには暗すぎるだろう。


 と、階段を上る前に、部屋に戻り迷宮側への扉をあけ、デミオークが落としていったナイフを使い勝手に閉まらないように細工しておく。

 扉の先に今デミオークがいないのはレーダーで確認済みだ


 ナイフはあと数本落としていったので1本くらいここで使っても大丈夫だろう。

 ドロップ品というよりデミオークが拾った物っぽいんだよなこのナイフ。

 持ってない奴の方が多かったし、種類もバラバラだ。


 クローゼット内の隠し扉を抜け、片手にランプ、もう片手はサナの手を引いて階段を上がっていく。

 こちらの隠し扉も自動的に閉まる仕組みのようだ。

 この扉はそのまま閉じたまま放置だ。


 「ご主人様、どうして迷宮側の扉を開けっ放しにしたんですか?あれだと迷宮獣が入って追ってきませんか?」

 サナが不思議そうな顔をしながらそう問う。


 「アイツらじゃ隠し扉は見つけられないだろうし、それに通路側を開けておけば私達はそっち側から逃げたように見えるかなーと思って開けておいたのよ。」


 「この後、貴族たちの仲間が迎えに来るか様子を見に来るだろうしね。」

 そういってサナにウインクする。


 「なるほど!」

 目をパチクリさせながら感心するサナ。

 カワイイなこの娘。


 まぁ、迎えに来るか合流しに来た貴族たちの仲間が部屋で大量のデミオークと遭遇して酷い目にあうといいとか思っていることは内緒にしておこう。



キーワード回収まで相当かかりそうです。


長い目で見ていただけると幸いです。

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