表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

132/979

第一三一話 「案件」


 ロマの依頼とは一言で言えばマッピングの仕事だった。


 内容としては、探索者ギルドの掲示板に貼ってあった『山側から見た新迷宮6階の天井に空いている穴の位置確認』という依頼と同じ内容だそうだ。


 受注できるのはシルバー以上のランクの探索者なのでスルーしてたのだが、結構良い値段の依頼だったはず。


 ロマ曰く、優れたマッパー( だと思っているらしい )のレインに穴の位置を確認して欲しいということだった。


 と、いうのも、王子様方の迷宮の不正利用をきっかけに、迷宮の出入り確認を強化する動きがあって、そのような中、外から出入り自由に見えるあの穴の場所を確認して、塞ぐことが急務になって来ているそうだ。


 ところが、迷宮内側からは常にハーピーがいて内側から穴まで登ることも難しく、外側からは鬱蒼と茂る森の中を探索して穴を見つけることは難しいという状態から、なかなか依頼の受け手が居ないらしい。


 森まで行って淫魔法【夜遊び情報誌】を使えば穴の位置も表示されるかな?

 丁度今、ハーピーの狩場にしているところだから、このままハーピーが追加で湧かなければ狩り尽くして穴まで登って、穴の外側で淫魔法【夜遊び情報誌】使った方が確実か。


 どちらにしてもなんとかなりそうだ。

 「わかりました。ちょっと相談してみます。」

 「おお、助かる。駄目なら駄目でまた次の手を打つから、5日以内くらいに返事を貰えないか?」


 「はい、もしも期間中にロマさんに会えなかったら、ギルドの受付にでも伝言頼んでおきます。」

 「おう、よろしく頼む。良い返事をまってるぞ。」

 ロマともう一度グラスを合わせた。



▽▽▽▽▽



 「と、いう話だったんだよ。」

 「えーと、とりあえず今までどおりに人面鳥狩ればいいってことですか?」

 「とりあえずはそうだね。

 迷宮が涸れている内にハーピーを全部倒して、なんとか穴まで登って、魔法でマッピングする。って流れかな。」


 「ハーピーって結構強いんじゃないッスか?立体的に動いてくるッスよね?」

 「その辺りは今までもサナと二人でも安定して狩れているから、ミツキが増えた分で、もっと楽になるとは思う。

 ただ、ミツキの奴隷解放記念に明日なにかやろうかと思ってたのが、今回の話で時間との勝負になってしまったから延期しようかと思っている。ごめんね。」


 「いや、全然構わないッスよ。実際、奴隷解放もアタシから断ったわけですし。」

 「どっちかというと、お父さんのものになった記念だしね。」

 「それだってパパって呼ぶようになった日が記念日みたいなもんス。」


 あ、そういえば…

 「ミツキにかかっている強制力を解除しておくね。」

 娼館にいる間に私の情報が外に漏れないように種族特性【眷属化】を使ってミツキにかけた『ミツキが一人でいる時は、ラブホテルの部屋での記憶が一時的に無くなる』という強制力を解除した。


 「…特に何か変わった感じはしないッスね。」

 そりゃそうだ。

 

 あと、サナと同じく人さらいによって封印されている記憶もあるだろうから、一応、隷属も上書きしておいた方がいいかな?



▽▽▽▽▽



 「私を貴方の奴隷にしてください…。」


 ベッドに腰かけ上目遣いでそんなことを宣言する褐色の肌に金髪の美少女。

 その頭には白いうさ耳までついている。


 この、なんだな、グッとくるな


 「ご主人様とお呼びなさい。」

 「ご主人様…。」


 そうミツキが「宣言」した途端、その身体が赤というかピンクというかそのような光に包まれた。


 「どう?」

 「なんかドキドキするッス…」


 「いやそうじゃなくて、人さらいに合った時の事を話せそう?」

 「……ん、大丈夫そうッス。でも、話さなきゃ駄目ッスか?」

 「いや、無理に話さなくてもいいわよ。」


 用件が済んだので、さっさと種族特性【トランスセクシュアル】で、男の身体に戻る。

 「これでミツキは少なくとも精神的には完全に自由になったはず。」

 「なんか懐かしいですね。」

 サナが感慨深そうに呟いた。


 「結局、今のはなんだったんッスか?」

 「ミツキやサナを攫った奴が二人にかけた隷属の魔法は、攫った時の事やその相手の事を人に話せないような制限がかけられているらしいんだよ。

 で、今それを上書きして元の状態に戻したところ。」


 「あー、なるほどッス。

 …えーと、つまりパパは奴らを探してどうにかするつもりなんッスか?」


 「わざわざ探してまでどうにかしようとは今の段階では思ってないけど、見つけたらタダでは置かないつもりではあるな。

 二人がこの街の奴隷商に売られたなら、この街にまたそいつも来る可能性はあるだろう?

 なら、二人がそれを見つけて私に教えられるようにしておいたほうがいいかな?って。

 第二、第三のサナやミツキ達を増やさないようにするためにもね。」

 そういうと、しばし見つめ合っていた二人がピトっとまたくっついて来た。


 「サナ姉さん、これはチュー案件だと思うッス。」

 「うん。これはしょうがないと思う。」

 この後、めっちゃ二人にチューされた。



 サナです。

 『私を貴方の奴隷にしてください…。』って、懐かしい感じがするけど1週間くらいしかたってないんですよね。


 次回、第一三二話 「川の字」


 でも幸せな一週間でしたよ?お父さん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ