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第一二二話 「ヘルプ」


 「パパ、いってらっしゃいのチュー。」

 「はい、いってきます。」チュ

 「サナちーも気をつけて。」チュ

 「うん、いってきます。」

 ミツキにほっぺたにキスをされたサナがくすぐったそうにしている。


 その後、娼館を出て、近くの公園の公衆トイレの扉から探索者ギルドの簡易宿泊室までショートカット、今はギルドの掲示板の前まで来ている。


 ギルドのランクがカッパーになって依頼書を受けれるようになったので、淫魔法【盗撮】を使って掲示板全体を記録して、いつでも内容を見れるようにしておく。


 その後はお決まりの迷宮入り口で受付を済ませ、奥に進み換金所前の公衆トイレからショートカットして昨日の狩場である新迷宮5階、ハーピー達がいる吹き抜けまでやってきた。


 「昨日と特に変わりはないみたいね。」

 「増えたり減ったり変わったりもしていないんですか?」


 ここはなにかの原因で2階層がぶち抜きになっているため、淫魔法【夜遊び情報誌】やメニューのマップでは新迷宮6階の詳しい状況がわからないことから、淫スキル【窃視症】で視覚を強化した上で、同じく淫スキル【性病検査】で昨日の残りのハーピーの状況を確認する。


 今いるハーピーは諸々含めておよそ20匹ちょい。

 最低レベルは20、最大は35なので、おそらく昨日のままだろう。


 「大丈夫みたい。それじゃ、早速昨日の続きをしようか。ランク3は今の所全部上の階層にいるので、近くて単独のハーピーから順に狙っていって大丈夫よ。」

 「はい!わかりました。」



▽▽▽▽▽



 『いきます!』

 サナが昨日と同じく念話で合図をしてくる。


 配置は昨日と同じく、サナがハーピー達に矢が当たる位置まで前に出て、私が通路の入り口で構えている形だ。

 昨日は最初ここで弓を構えていたのだが、全然当たらないので今は槍を構えている。


 通路に入ろうと高度を落としたハーピーを直接狙うスタンスだ。


 見事レベル20のデミハーピーに矢を命中させたサナが、それを引き連れて通路の中まで走って行く。


 通路に入ろうと高度を落としたハーピーが私を狙ってくるようならバックステップで通路奥に誘い込み、サナが種族特性【ドレイン】を種族スキル【男根のメタファー】で付与させた矢で射ってスタンさせ、私が槍でトドメを刺す。

 サナを狙って私の横を抜けて行こうとする場合も同様だ。


 サナを狙って私の上を滑空していくのなら、下からハーピーの弱点である総排出腔を狙い、槍から同じように体力を9割【ドレイン】してトドメ。


 昨日、ランク1ばかりとはいえ20匹以上倒して要領は掴んでいるため、今回もスムーズな滑り出しだ。


 最初に釣ったデミハーピーを皮切りに、2時間ほどで10匹のハーピー達を倒した。

 内訳としては、ちょうどハーピーとデミハーピーのレベル20を4匹づつ、デミハーピーハーフのレベル20を2匹だ。


 サナのレベルは上がってないものの、ドレイン【経験値】のお陰で私のレベルが27になった。


 ドロップ品も、ランク2の魔素核が6個と、鳥革が2枚、鳥肉が4個、ハーピーの死体が4体だ。

 金額が高めのハーピーの羽根がドロップしなかったが、今回から運搬者ポーターとしてハーピーの死体を全部持ち込むつもりなので、収入としては十分だろう。


 そんな風に2度目の休憩の時に戦利品を整理している時に、突然ミツキから念話が届く。


 『助けてパパぁ!!』


 「サナ、部屋に戻るよ!」

 「え?何か…」

 サナの手を引いて迷宮の部屋の扉からショートカットするためにラブホテルの部屋に飛び込む。


 「ミツキの身に何かあったみたい。」

 「!先に行ってください!その方が早いです!」

 「わかった。」


 娼館の部屋の扉にショートカットしようとするが、出ることが出来ない。

 どうやら向こうの扉がちゃんと閉まっていない様子だ。


 「直接行けないので、公園から行く!後で着いてきて!」

 「ご主人様、それなら、お父さんに戻ってから行った方がいいです!」

 それもそうだ。この身体なら最悪入り口で止められる可能性もある。


 種族特性【トランスセクシュアル】で男の身体に戻り、娼館近くの公園のトイレからショートカット。

 デミミノタウロスから【ドレイン】したスキル【突進】も使って娼館へ急ぐ。


 貸切の札を掲げて娼館の入り口を駆け抜け、階段を数段飛ばしで駆け上がり、ミツキの部屋の前までくると、少し空いた扉の中からくぐもった声と、争うような音が聞こえる。


 カッっと頭に血が上り、扉ごと引きちぎらん勢いで開けて中に飛び込んだ。



 サナです!

 ミツキちゃんに何が?!


 あ、ロマさん!

 はい、一緒に来てくれると嬉しいです。


 次回、第一二三話 「午後のミツキ(前編)」

 念話でも返事が来ないし、私も急がなきゃ!

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