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話すって難しい  作者: いいんちょう
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生徒会長の一年間

今日は3月15日、とても冷たい空気が私を包みこむ。しかしその時の私はあまりの緊張から、寒さを感じていなかった。みんなの視線が集まる。私は話し始める。怖い、とても怖い。足がガクガク震える。こんなところ、誰にも見せたくない、だが羞恥心を恐怖が上回った。しかし私はこの恐怖に、負けるわけにはいかなかった。私は話した。かけがえのない、友達のために。



今日は4月6日、私は生徒会長になった。春休みの期間が終わり今日は始業式、つまり生徒会長が交代し、選挙で信任された私がこれから一年間、生徒会長を勤めることになる。

私はいつも通り学校へ登校する。祖父から中学生になるときに買ってもらった自転車は、少し錆ついしまっている。

「今日は追い風か」

思わず言葉がもれる。生徒会長1日目に追い風とは、幸先がいい。とても気持ちのよい風が僕の背中を押す。でも僕は、他の人には話していない僕しか知らない病気がある。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ほら、席につけ。」

4月から僕らの担任になった先生が、3年1組の生徒を席につかせ、朝会を始める。僕は今、この年から初めて同じクラスになった人たちに囲まれている。その中に例外である人物が一人、私の隣に座っている。

朝会が終わり、生徒たちが緊張しながら、一限目の準備を始める。

「久しぶり‥古賀君。同じクラスだね‥、よ、よろしく。」

彼女は塩谷 ゆかり、僕の保育園からの幼なじみで、中学に入ってから僕の知らないところで不登校気味になっていた。

そして彼女が呼んでいたように僕の名前は古賀、古賀 そう。今年一年生徒会長を勤める人物である。

「あの‥古賀くん?」

彼女の言葉で、僕は思考から現実に戻される。

「あ、あうん。久しぶりだね、ゆかり。おんなじクラスになれて、とても嬉しいよ。」

「そうだね‥私も嬉しい。」

ぎこちない会話が終わる。彼女の長い髪が揺れ、授業の準備を再開する。僕たちは物心ついた時から一緒にいた。彼女は何度も僕を助けてくれた。今度は僕が助ける番だ。時は約2ヶ月前、2月14日に遡る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日は2月14日、世間で言うところのバレンタインデーというやつだ、先程から周りがなんだか騒がしい。しかし僕は周りの楽しい雰囲気とは違う、悲しい事実を僕は今日知ることになる。


この日の昼休み、僕の隣の席の女の子が話しかけてきた。彼女の名前は相馬あい、僕の幼なじみの友達、いや親友というべき人物だ。

「ねぇ、古賀くん。今いいかな?」

「もちろん、構わないけれど。」

「それが、君の幼なじみの、私の親友のゆかりちゃんが‥。い、いじめにあっているの‥。」

いじめ。その言葉が、僕の心を突き刺す。

「そうか、分かった。僕がなんとかする」

「なんとかって‥なんでそんなに冷静でいられるの!?あなたの幼なじみがいじめにあっているんだよ!!?」

彼女が言う通り、僕は驚くほど冷静だった。人はあまりにおかしな出来事が起こった時、案外冷静になったりするものらしい。


僕はこの日、幼なじみのことをなんとかして助けようと思った。どうしようもなく、何かをして、ゆかりを助けたくなった。僕は今日、生徒会長になることを決めた。

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