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校舎を駆ける阿吽。体が小さいので距離が伸びない(駆け回っているか、基本は人の気配持ってるモノは神器質いや違う八百万とも違う。神の気配はちらほらするが少し歪だな)階段を駆け上がり角を曲がるそこには誰もいない………移動速度が止まった!隠れたか部屋を順次探すしかないか教室のドアを前足で開く中は真っ暗微かに窓から月の光が差し込む。教室の中は阿吽の足音が余計に響く『どうしたの?チビ助?迷子かな?それとも』黒髪に眼鏡を掛け微笑む手を前に出し『怖くないでチュよ』その手を噛みつこうとする引っ込める手をぶらぶらと振りながら『嫌われちゃったかな?阿吽くんって呼ばれてたよね。口寄せってわけじゃない魔物にしては魔力を感じないけど精霊さんかな?』不思議そうにのぞき込む女の子から距離をとる(死人じゃない、然しただの人ではない魔女?という奴か、ここの空間も足場が安定してない)ふらふら浮いてしまう阿吽に『あたしのモノになる?なら今安定させ…………!!』先程まで浮いていた阿吽はすっとその場に安定して浮いている「この体ではイマイチ伝達が感じにくいな、だが今はこんなものか、悪いね誰の者にもなる気はないわ」ぷーっと膨れる魔女?『ナマイキなわんちゃんね、でもすごーく興味は湧くわ私の使い魔にしてあげる』教壇に腰掛け足をぶらつかせる「あんたはここの生徒か?」黒いローブを靡かせ『そうよ、最も今は声色を換えているし、体格も換えているわ、特定は困難よ』そんなことより私の使い魔になる件なんだけどと話を進めるが「使い魔ね、そんな話を死人がしていたっけ、いいぜあんたの使い魔になっても」『ホンキ?』勿論ただしがつくんだけど「そうだな鬼ごっこってのはどうだい?これより一時俺があんたから逃げ切れたら俺の勝ち掴まったらあんたの勝ちだ。平等だろそれじゃよーいどんだ」教室から飛び出す阿吽『ちょっとドキドキしたいやいや相手はただの犬…………欲しくなっちゃうじゃん』すぐにホウキで追ってくる(魔力というものか神でもない人が使う力か……偽神非力とは違うのか)教室を使い上手く隠れながら距離を離していく後を追う黒いローブ(上手いわね、感知出来ないわけじゃないけど障害物を上手く使ってこっちとの距離を詰めれないようにしてる体は普通の犬だと思うけど、中身は別物ね、感知は犬くんも出来るか)一定の距離を取り警戒しながら後を追う(とはいえ埒があかないか、少し仕掛けてみるか)その場に止まる魔女髪飾りが光を放つ「″pkova″」標的を想定して静かにハッキリと唱える部屋の机や椅子、ロッカーなどが動き出す(命を与える?八百万みたいな感じではない。魂というよりは表面で操っている感じかなどちらにしても)有象無象をかいくぐる阿吽合間に打撃を与えても効果は薄く立ち上がる(自動回復?加護みたいなものか原理は力を行使してる者を妨害するしか無いか)「逃げ回るのはいいけどいつまで」魔女に向かい机が襲いかかる?!「あら、失敗失敗でも直接避けないのナ」あたしの魔力に干渉された教室から出て体制を!ドアにかけた手を離す″露見ットぱーち″倒れ込む女の子それを見て「はまるるちゃん?!」鼻血を流す女の子がいた……反対の校舎の一室「さて、ここかな隠れてないで出て来いよ」部屋の奥からバイオリンを持った女子高生が現れる「あら喋る犬さん如何したのかしら」「さっきの人間の女が行っていたであろう行為はみんなお前がやったんだよな″音神″」「どういう」「縛神、神約聖書により与えられた罰だったかな」「はいはい参りましたただ遊んだだけじゃん。そういう君は狗神だろキミのことはよく知らないけど父親は有名だからね」遊んでいただけか、さっきの女の子はただの人だったか、なるほど操っていたのは音神だった女の子が乗っていたホウキも教室の机や椅子も女の子からは神力を感じなかった理由はそういうことか「それでアタシをどうするのよ、キミは支神というわけじゃない、その体キミも私と似たような者かな」「そうだな………俺は縛られてはいないけど本来の神力は使えないだけど時閒と浅からぬ付き合いでね」時閒の名を聞くと音神の視線が鋭くなる「神約聖書がどうとか言うレベルじゃないわね、条件は何かあるんでしょう。無闇に時閒の名前出したわけじゃないんだから………」「ある人を倒すのを手伝ってほしいできるなら無力化したい」………「″神喰い″ってところ………図星か、この所アタシみたいに縛神や神性が落ちた神、神擬きを手当たり次第に食べてるって人間がいる。信じ難いけどなるほど事実みたいね」よく調べている「あぁ、協力して貰えるかな」「わかったわその神喰いの討伐だっけか、よろしく狗神くん」………「すぴーすぴーすぴーすぴーすぴー」「これでよし眠らせたけどこれでいいの?」ここの生徒さん達には夢だったって事にした。音神は姿を見られて無いからちょうど良かった「まぁ戦力はこんなものよね」学校からの帰り道各々の紹介を済ませ教会へ戻った「私達が相手する化け物は一応は人よ、カテゴリー的にはね」「おい狗神お前何と戦おうとしている?人の娘の話では神罰処か世界全体の的に感じるけど」「″喰い新″………喰いて力を得る………食べるってのは比喩だけど力をつけてきている。その中には神も居たとか」厄介ね音神の目が細くなる。出来ることを考え二日間が過ぎた。女の子の家の前ふらっと現れる喰い新。「靜だね………ふーん神に悪霊、魔力生きのいいのが集まったナね、それでは最高のディナーターイム開始ですね」喰い新の廻りを取り囲む阿吽達「まずは小手調べ」両手を合わせ土のゴーレムを生成「喰らえ!祟れ!蝕めば!君達には聞こえなーい、どうにもならない人の叫び心の奥に眠る小さなモノから止めどなく溢れる大きなモノまでこのゴーレムの核はそんな人々の愛用品や肉体の一部なーんだよ」ゴーレムが阿吽達を襲う腕や足の部分を削り取られても「ほら、元通り憎しみってのはね積もり積もる無くならない。怖くて恐くて壊くて脆く粘っこいのさ、ここらはいやいや自分自身ですら理解なんかしてないドロドロな感情だ!ありがとう名も知らない誰か?ありがとう無自覚な悪意!」きりがないゴーレム破壊と再生を繰り返す。一同は追い詰められる。一歩前に出る阿吽全てのゴーレムを睨みつけるするとゴーレムは後ずさる「あーあもうバレちゃったのか、ちょっとは楽しめると思ったのになぁ~」男の声と共にゴーレムは砂になる。そんな残骸を見下ろしながら「あれだけ恨みだの妬みだのつよく執着するくせに…………人間ってのはほーんと″脆いよね″陰じゃああれだけ冷酷で残忍な事ができて強いのに面と向かうとなんとやらってね(カラッと声色を変える)それにしてもさすがに元神様心地のいい殺気でしたよ………これから殺されるっていう強いイメージが頭から離れなかったもん。そりゃあ不安だよね盗んだバイクでどこへやらってねフアンシカナイだね」核となった誰のモノかもわからない一部を足で踏み砕く「まぁいいもの見れたから良いかな………さてお次は」そんな喰い新を見て「何でこの子を食おうとする……」冷静に語り掛ける阿吽に顔に手を当て笑いながら静かに「それ言っちゃうんだ……なら他の物世界の何かならいいの?他の子供?弱者ならどうだ?あの子じゃなければよかったのか?違うね………さてお次は此奴だ」懐から箱を取り出す「これはそうだな所謂″禁忌の類″中には何が飛び出すやら御開帳」静かに開くが中には何もない?「上です!」機関銃が星空に弾幕を張り巡らせる「有象無象の集合体……掃いて捨てるほどある想い人は挫折と安穏を繰り返す想いは消えない?消せない?いえいえ想いは重く鈍いものです」両手を閉ざし「大きく変わる者の影響は小さくなりここを一つの″忌囲所″とかす。まぁ一つ心霊スポットって思ってもらえればいいです」空気が重い何か得体の知れない者に舌舐めずりされている気分「雰囲気に呑まれるな、精神体に強く作用してるだけだ、実際は!」地面を叩くと霊体にノイズが走り不安定になる「精神体でしかないんだよ」ほうッと驚きの中に嬉しそうな表情を浮かべる喰い新「そこの狗神様は物世界に造詣が深いようで……珍しい神様だ」「そうだな………少し懐かしい」……「父上もう神世界に戻ろうよ」親子連れの2匹の犬見た目は普通の犬と変わらないが神世界から物世界へ来ている歴とした神様なのだ。獣神は本来物世界へは来ない縄張り意識が強い事もあり神世界での睨みあいが続いているからだ。然しこの親子神は違うこうして物世界を旅している。今は国盗りの時代人の集落の家に便宜上飼われている「との丸、にわかまる、お帰り」にこやかに出迎える首をなでられ喜ぶ素振りを見せる親に対し懐こうとしない子犬女の子を素通りする。鐘の音が村に鳴り響く「敵襲!実ヶ谷の連中だ!」慌ただしさの中子犬の元へ「我ら神は魂の存在なのはわかるな?」「知ってるよ……父上は人に寄りすぎなんじゃない」「狗牙よおまえは寄らなすぎだよ」どれどれとその場を離れ敵陣となる地へ向かう。人相手なんだから当然なんだけど一瞬で父上は食い散らかした人の戦より酷い状態……暫くして村の住民が押し寄せる「またか………こうも続くと恐ろしいな、大きな獣にやられたみたいだ」「我等の守り神か、それとも」考え込む村長を他所に「守り神かどうだろな神ではないと思うが」明らかに村の者ではない男。皆男の方を振り向く南蛮柄の巻物を腰に巻き「″神巻間者″かいいうわさは聴かないが、怪異狩が目的か?」村長が男に話しかける「まぁそんなとこです。それよりここの村では新しく犬を飼ったとか?」「犬?あぁ親子連れで子供の方は中々警戒心が強いようだがそれがどうしたんですか?」「今その犬はどこにいますか?」村長は周りを見渡して「飯時には現れるもうすぐ夕食だ顔は描かさず見せている。気になるなら待っているといい、それよりその犬が目的かな」「この村は交通の要の上にある。人にしても狙いやすい。怪異にしてもそんな人の集まるこの場所は格好のエサ場だ。悪意、妬み、殺意等々負の感情も溜まりやすい。然し数月前それがパタリと治まっている。神の導きだとも怪異のいたずらだとも言われている。さてさて我等が主様も気になる様子原因の追及と確保なければ排除を試みる、では遠慮なくここで待たせて貰おう。その親子の犬がただの畜生であることをいのっています」………「父上村には戻らないんですか?」尋ねる狗牙に「ああそうだな今宵はやめよう。村の者ではない男の匂いがする。村の中からするものとその者同等の別の匂いが村を取り囲んでいる。危害は銜えまい狙いは私達だよ。少々動きが過ぎたかな。肩入れするつもりはなかったが」「その者はただの人ではありませんよね?匂いは普通の人とは異質です、どちらかというと」林の中から魑魅魍魎が現れる。然し狗牙がにらみつけると林の中へ戻っていく「あれらに近い感じがします。同じではではないですが似ています」「そうだな彼らはあれら″魂削″と似ている肉体があるからそれらがない魂削とは根本的に違うが、普通の人と違い見えている触れられるそして対処方法を用いれるという感じだなぁ」てくてくと歩く親子「そうだな、うん行ってみるか」………国盗が盛んな時代王が住む都に犬の親子がたどり着く「すごーいいつもの村とは全然違いますね父上」「おのぼりもいいがここへ来たのは魂削に近い人の目的を探るためと勉強だよ。奥に見える真っ赤な建物にこの国の王がいる。その取り巻きにさっきの人と同じ匂いがたくさんいるだろ」「はい、というか中には魂削以上の化け物じみた父上本当にこれが人なのですか?」「うんいい反応だ。神世界にいてはこれらのことはわからぬ、人は一概に同じではない死人とて似神非力なる神力に近い力を振るう者もいる。見た目に騙されぬこと足元をすくわれるぞ」街の中へ「おいおいどこの馬鹿犬かな、都に入ってくるなんてここは俺らの縄張りなんだ田舎の村にでも帰りな!」数頭の犬を引き連れ現れる丸っこい犬辺りには足の長い犬や胴体の長い犬も現れる「パンカク新入りには優しくしなさいよ」「うるせぇ!ペリカナは黙ってろ、ココヤマまでてめぇらは持ち場に戻れよ!ここは俺の管轄だよ」睨み合う犬同士「地方から出てきたばかりなので許してください。ここには帝なる人の王様がいるとか……」「へぇーじゃあ貴方達″人に飼われてたんだ″」空気が軋む「父上、話せるんですか!?」状況は数万の犬に囲まれている「まぁ……無理だろうな狗牙いつものな」はいはいと父上の後ろに隠れる。深く息を吐き出し犬の群れを駆け抜けていく「ヒュー速いわね!ココといい勝負ねあたしやバンちゃんじゃ追い付けないわ」……父上は速い!僕がついて行けるようペースはかなり下げてるのについていくのがやっとなんて………父上との間にクルリと丸っこいさっきの犬が割って入る「中々やるじゃんただの犬じゃない?!」首を傾げるココヤマもただの犬ではない父上の影に隠れる「カワイイ、あんたのせがれなの」にこやかに母性を発するココヤマ(速い!気配をギリギリまで感じられなかった父上は)ちらりと父を見る狗牙「彼らは追ってこないな」必要性がないのか、目の前のココヤマとやらで対処可能とふんだかどちらにしても「どうして追いかけて来たんですか?」「そら逃げるからやろね、尻尾振ってかえらはったら追いはしまへんけどあんさんは街の奥へはいりはった。つまり」狗牙の耳元で「ぼくちゃんたちをからかい……注意しにきたんよ」父上の爪を躱し距離をとる。そのスピードも狗牙では目で追えない。狗牙を甘噛みして銜える「追いかけっこなら私は負けないけどって」余裕ぶるココヤマを置き去りして逃げる。甘噛みされながら「父上私なら」もがく狗牙に「お前を置いて帰ったら母上に召されてしまうよ神であってもそれに、あれらはただの犬ではない」一定の距離がとれたので甘噛みしていた狗牙を離す「この匂い、まだ探しているか」当たりには牙に涎をたれた野良犬が数百ヨソ者の親子を探している「神世界に帰ろうよ父上」元気のない声が父上を急かすが「そうだな、でもここまで来たことだし一目見物して行きたいだろ」狗牙を頭の上に載せ野良犬の海を隠れながら町の中心へ進んでいく………「まだ見つからぬのか」町の地下深く椅子に腰を降ろす大きな年老いた犬「探索の足を増やしてはいますが」バンカクは答える「ただの野良犬って訳では無いみたいなのですよね~」ベリカナが笑顔にジトメで進言する「どういうことかな、バンカクただの犬ではない?魔窟か?霊縛か?」やれやれと訪ねる声に対して「いいえ、震感は魔力も歪配も感知出来ていません。あの力神……なのではと」恐る恐る進言する「神は居らず要らずあってはならず、この世の主はタダ一人我が主“帝“のみだ」地下の座敷牢を見上げる年老いた犬僅かに差し込む光が映すのは犬の足元の繋がれた鎖ギシッと遠くで音がする。地下への階段を下る足音その気配を察したのか3匹の犬は姿を消す。足音が座敷牢の前で止まる「子分共は姿を消したか?齢数百年“帝の一族“を守護してきたいや呪い続けてきたバケモノめ!!まぁいいこんな所まで来たのはキサマに聴きたいことがあるからだ。ここより数里離れた小さな街で今奇妙な事が起きている。その街いや村だったか。その村は今まで数百の盗賊、山賊に襲われてきた。貢ぎ物を送り凌いできた……だがここ数カ月数百の山賊や盗賊がその村を襲おうとした矢先“食い殺されている“心当たりはあるか?!」黙ったまま何も話そうとしない老いたバケモノ「帝に危機は訪れるか?!」質問を変える男に「心配せずとも“俺の獲物は変わらない“」その言葉だけ吐き捨てる老犬。その言葉を聞き座敷牢を後にする男達。地上へ出ると「鮒戸塚か」隕石のような火炎の球が男達の前におちてくる地上をえぐり火炎が弾けると中から「ただいま帰還いたしました。北流化来の討伐無事完了いたしました」持ち帰った首を数体前へ放り出す「早いな、半月で往復も兼ねるか、血生臭さ殺しすぎたな」自分の匂いをかぎながら「水浴びしたんだけどな、だってさ命を刈るその時こそ命は耀くんだよ。精一杯こればっかりはやめられないかな」すこし赤みがかった刀身を見つめ呟く「それで“バケモノ犬“は元気だった。お年なんですよね。最後の介錯はスパッとしてあげましょうか」薄く目を開けニヤリと笑う「あれには“都を守る柱になって貰う“」「呪われたもつけてあげて下さいな……それでは帝に挨拶をしてくるにゃん」スキップしながら帝の住まう柄区へ向かう。無礼だと取り巻きの兵士が刀を抜こうと手をかけると同時に首が落ちるが「“天坂矛“」兵士の首は繋がっている。後ろ向きのまま血生臭い女は「そこに愛はあるのかにゃー、命大事に」ボロボロな左手を振り返り見つめつつ「心配せずともまだ死ねないさ、村へ赴く数十人兵士を護衛に、鮒戸塚報告がすんでからでいい本部に立ち寄り“師直“と“金成“に私達の後を追うようにいっておいてくれ」「あたしもいっていい」「殺さないと約束出来て違反したら切り刻まれたいならいいぞ」じゃあパースと手を振り奥へ進んでいく。瓦屋根の上犬が2匹「考えすぎじゃないか、あれだけ引っかき回してガキ連れだろ?俺ならこの場を早く離れるがね」若い火傷の後で右前足がいたたまれない犬が話す「あたし達まで表舞台に借り出されてる。これって」話の途中だが目の前に子連れの犬が現れる。咄嗟に物陰に隠れた2匹(いい毛並みだねぇ………小っこいガキ連れ間違いないかな)仕掛けようとする火傷の犬に(わかんないの?あれはあたしら外犬とは違うわよ。獣の形はしているけど中身はまるで違う物。出来るならこの場を離れたい)「ここに“人の神?“がいるのですか?」不安定な足元と高さに驚きながら父親に尋ねる狗牙「神ではない王だな、纏め役というのとは少し違うようだが、なぁそんなところなのかそこの犬君たち?!」狗牙たちの前後に現れる隠れていた犬たち「バレてるなら話は早い、大人しく拘束されな!俺の名は“感涙“だ」お前の名はと聞き返す感涙に「狗牙だ!」「いやちげーよそっちのオヤジさんの名前だよ。ガキは引っ込んでろ」ガキじゃない「父上!僕がうんうん俺がやります。いいですよね」小さな狗牙が父の前に立ちはだかる。鼻息荒く感涙を睨む「おいおいマジかよ。あんた親父ナンだろ!ガキのお守り!自分自身で巣立ち気分かよ!胸くそ悪い!」父上は口を出さない。そんな態度に狗牙の方に尻尾をふり「ガキとメスは相手にしない」狗牙が牙とツメで攻撃を加えるも上空にかわされ頭を踏みつけられる狗牙が頭を挙げられないよう力を入れながら「やめとけガキ、お前じゃ俺の相手にならんよ」牙をむき言い返そうとするも踏みつけている足とは逆の足で屋根瓦を粉砕する。真横の狗牙が無意識に剥き出した牙を引っ込めてしまうほど強力な一撃「今は、大人しく引け………恐れは決して悪いことでは無い………死んだらつまんねーぞって!」勢いよく噛みつく狗牙「僕はガキじゃない!もちろんオスだ!」ニヤリと笑みがこぼれる感涙「何?そういう趣味なのかな?」呆れ顔の連れのメス犬「反駁は手を出すなよ。ガキ!オスだと号毎したんだ」狗牙の真後ろへ「いい反応だが」爪が罹る一瞬風が狗牙を突き抜ける。傷だらけの狗牙が倒れ意識を失うしかし父上は微動だにしない「けっ、胸くそ悪いな!てめぇのガキがやられても知らん顔かよ。まぁいいや、手は抜いた傷は残るかもしれないが致命傷じゃねぇ…………反駁やるぞ!手伝え」「あらてっきりタイマンご希望かと思ったけど、あんたが馬鹿じゃなくてよかった」「逃げ出すがてら救援を呼ぶのがセオリーなんじゃねえのかよ?」「ぶっぶっー不正解で~す。目の前のそれはそんな生易しい相手じゃない。そこの子犬君を盾に逃げる案を強く推奨それでも一瞬でも隙を見せればいいえ………とにかくやるしかない勝てる見込みはゼロよ!ハッキリ断言できるわ」数秒後……立ち上がる事ができない反駁と感涙………「さてと、歩けるくらいは回復したか?無理なら負ぶって」立ち上がる狗牙「弱いのは分かってた。さっきも力の差がありすぎて手加減されまくってたのも全部(噛み締めながら)全部………」「帰るぞ、神世界へ」「何で??ここまで来たのに一目だけでも見るって」そんな満身創痍な狗牙を背中に抱え「そうだな、時間かな、確かに今の王とやらにはアエナイかもしれない。だけど廻りの者達と触れ合って………それでいや言い訳かな。厳密には生き物ではない我々神とそれ以外の者では“違う者“ということ………難しかったかな、母上の心配が頂点に達する前に帰ろう?!狗牙?!」返事をしない狗牙体には面妖な紋章が浮かび上がっている「“贄紋確“が表れたとは」倒れる感涙が呟く口元のみ動かしながら「その呪いは解けない、そのガキは永劫この街の一部だ。いい気味なんて言えねーか、よく聴けそこのガキの親父悪いことはいわねぇそのガキは置いて」言い終わる前に狗牙を丸呑みにする「とりあえず、これで干渉は避けられるが(目を閉じ感覚を研ぎ澄ます)気配は大きいモノが三つ、桁違いか」言い終えると一瞬で帝の目の前に現れる父上、帝を廻りの者達は急ぎ戦闘態勢をとる「あんたが帝か?」返ってきたのは応えではなく降り注ぐ矢の嵐「違うか、あんたじゃない」そういうと一瞬でその場を離脱する「何をしている追わぬか!(どういうことじゃもういっぴきに“呪縛“をかけたはず……一緒ではない?いやしかしこの都の結界より外へは逃げられん)捉えよ、帝への無礼、必ず捉えよ」この都中心だけを護る仕組みに特化している。あの村もそうだったが神としては見るに耐えんな。さて追ってか考えごとをしているうちに父上の廻りには複数の犬が逃げ場のないほどとり囲んでいる。その中からゆっくりと一匹の老犬が姿を見せる体はぼろぼろ刀や槍、弓や斧。大きな体には複数の武器が刺さる。年季を感じさせる体。とても古い傷後も見当たる。さらにゆっくりとペースを落としながら父上の前にあゆみでる。他の犬達は心配そうに父上との間に割って入ろう牙を向け威嚇している。そんな若い犬に対して「話があるだけだ(廻りの怯える瞳をしている部下をなだめながら)戦ってもわしに勝ち目は少しもない(ニコヤカニ目の前の父上を見ながら話す、同意を得るように)のうお若いの」そんな老犬の笑顔には目もくれず淡々と話す父上「戦わないなら何故姿を見せてまで出ばってくる。じいさんの与太話につきあうほどこちとら暇じゃないんだよ。とんだとばっちりを受けた事で、あいにく息子が呪われちゃってね。解除の方法を探さないと行けない」父上のお腹を見ながら老犬が「なるほど、、、呪縛ですか、それなら力になれると想うのうお若いの」年の功といわんばかりに取引の言葉を吐き出してくる。慣れているのだろう父上も切り返す「目的はなんだ?いきなり力を貸す今のところ手が出るほど知りたい情報だけど…………あんたは何を望む」老犬の目の奥が光ったと思うと口が開く「望むことか?いやいや私はキミに聴きたいことがあるだけだ(笑みを忘れずポーカーフェイス然し口元は世話しなく動く)いいかな?それとも呪縛のことを話そうかな(話す事で注意を上書きして最も効率のいいところで手を使う)きみの倅なのだろう多分きみの中にいるその子は呪いをかけられたようだ(的確に情報を管理まとめている。多分頭で計算しながら)最も今はきみの中にいることで呪いの浸食を遅らせている(よく理解している。相手はただの老犬ではないが神ではない神なら神力の膨れあがりがすぐに分かるはず)どういう仕組みなのかは非常に興味があるのですが(目を中央の塔に向かわせながら)今はそれはどうでもいい息子さんが罹っている呪いは至って簡単この都からの外部への流出の制限が一つだ」やっぱりなのかと曇る顔をする父上「呪いとやらをかけた相手に心当たりはありますか?」そんな質問に首を横へ振るそれと同時に口を緩ませ「ていねいな口調ですね。信じてしまうのですか?私の言葉を実は外への出られないというのはデマカセかもしれませんよ。案外このまま外へ出た方が」誘導するような言葉だったが眉一つ変えず「いやこの印は外へ向かうに連れ広がり濃くなっている。似たような仕組みをしっている」あの一瞬でこれですかと呆れ顔な老犬「しっている?!それは呪縛の解き方も心当たりがあるって事ですか??」自身に刺さる武器を口でくわえ「なら一つお相手願おうかな」禍々しさが目立つ………「力源は生きる咎といったところか」抜き出した武器からは辺りを汚すほどの歪みが発している持ち続ける異常は精神を腐食いや既に心はボロボロかな………目の虚ろさからも長いとても年月をこの場所に自身を縛り付けていたんだろう。今は理解は必要ない(キッパリ)狗牙は必ず神世界へ加えれた刃をもち父上に切りかかる(急所を狙わない?体の一部に当てようとだけしているだけだ。触れると効果を発揮する)父上の体の一部を擦る(当たった?加護か?神約ではない!)父上に触れた刃はヒビが入り砕け散る「血肉で縛っても………お主は何者は意味がないか……ワシも永らくいきておるが概念外の存在という感じかな」「……間違いないか、全部吐き出させる。今の武器ではないお前は持ってる″特呪解具″を引っ張りだす」明らかな宣言に対して「これは畏れ入る″特呪″の知識まであるとは神様というのは俄には信じていなかったが、目の前に存在されては否定は無意味か………犬の神様一つ尋ねたい」おもむろに投げかけられた言葉を受け「何かな?物塊……いや失礼呪いを享受する犬くん、出来うる答えは用意しよう」その言葉を聞き「今この帝都の王に″神″はいるかな?」すぐに「………″今はいない″……」否定する言葉に少しだけ目尻を下げ「いや(廻りを見渡す)長い本当に長い年月を歪めた結局……神にすら……違う!私が其れを否定してどうする!」言い聞かせた言葉は魂を逆なでする「″福者アルマヌ″」全身の毛が逆立つまるでハリネズミみたいだ「長い年月は感度を極限まで上げることの出来る感覚と体内で練り上げる正と負の入り混じった感情が組み合ってしまう………良かれ悪かれね」全方向に突き出した針は形状を少しずつ変化させる。歪な武器へと「創造の賜物、思いの深さ取り込み寝かされた重みは武器ならずモノを武器として昇華した」感心しながら口を滑らせる狗牙パパが引き裂かれる爪と噛み砕かれる牙を予想、悪寒が走る(狗牙の安全第一第一)自分に言い聞かせブレーキをかける。一つ一つ無効化していく。溜め込んだ呪いを付加させた武器はことごとく叩き伏せられていく。狗牙の体を見る。効いていないわけではない。其処らの耐性のない人や獣なら立ち上がることすら困難だろう。だが神様だから元々が魂を基本としている。効かないのではなく″生き物が考えた程度の呪いは避ける必要すら無い″受けたところで擦り傷程度の感覚の認識″………「弾切れかな」折れた武器や砕けた武器、其処ら中に散乱している「やっぱり時間稼ぎにもならなかったか」倒れ込む呪いの獣に「納得したなら解呪は!?なんだ浸食か」動きが鈍るかとも思われたが、老犬は真っ二つに避けて「あーあそうか、オマエサンは生きてはなかったのか、難儀な体だなぁ」口から狗牙を吐き出す狗牙の体に染み出していた呪いの毒が退いていく。其れを確認すると狗牙を甘噛みして自分の背中に放る「頼み、がある頼………」喋らなくなる老犬「ハァ~これ以上匂い付けたくないんだけどな」まるで神風の如く城にいたものの命が消えていく。そこに躊躇や偏見などなく、ただただ単純作業が進んでいく。王ノ間の一角「これで終わりかな」血みどろな王が断末魔を上げる余裕もなく倒れている。あっけない終わり人が長い年月を重ね築き結んできたモノがこうも容易く終わってしまう。ほんの本当に一瞬一瞬が脆く何もなかったかのように無くなってしまう。いやちがうそれは物世界や神世界も変わらない………なら………それからすぐに父上はひかれるように時閒に挑み時の彼方へ飛ばされてしまったんだ。異質な力への対処と侮らないこと(すごいな忌囲所は異質な力の対処として展開させている。長い間この場所に留まっていれば本来なら動けなくなってもおかしくないんだが)「さすが神様でも“神様以外はどうかな?“」廻りを見渡すと倒れ込むメンバー「悪霊に魔術師、聖人擬きオレも含め神様とはほど遠い奴ら微かに立っているお友達の神様もどうやら犬の神様とは違い何かしらの罰を受けているのかな?」音神は縛られていて真面には動けないか「1対1というのは分が悪いかな?」喰い新が身構えたその時大きな食いちぎる音が響く「うわぁーー!!ヒヒヒ以外だなぁ」そこには半身が食いちぎられている喰い新の姿が「まだ生きてるか?さすがに混ざり物だ。だが」振り替えれずに「えぇ………命の灯火は消えかかるでしょう。ですが」阿吽の体を蝕むナニカに「あなたも完全な神ではありませんでしたか、いやはや何とも残念残念食ってみたかった…………せいぜい苦しみをあなたに」灰になり消え去る喰い新「音神後は頼む」言い残しいつもの場所へ犬小屋に………「ここまでかな、お願いします時閒様」目の前には大きな犬が一匹「あなたが私になったのですね………うっ……早く……あの子に………こんな姿みせたく」阿吽の影が歪に犬と化け物の間をいったりきたりしている「あぁ、分かったよ」狗牙の一撃が阿吽を捉える…………遠く離れていても少女の泣き叫ぶ声は鳴り響いていた。それから彼女を気にかけること数年運命は交差することになった。




