八十五ページ目
「街も大きくなってきたね。ここの所、神の逆鱗にも触れてないし、場所が場所なので当たり前ナンだが」白髪のおじいさんが腰を叩きつつ街を眺めている。その傍らには汚れた白衣の女の子と綺麗な長い白髪を靡かせたおばあさんがいる。「んっーーん、でもな~いつ転生するかは分かんないし、さて」ゆっくり起き上がり、ふらりと散歩へ向かおうとする白髪のおじいさんの首根っこを捕まえ「休憩終わり……オタクサ帰るわよ」と引きずりながら街の中心へ向かう「ちゃっ……ムツサさんまってくださいよ。まだ外の観察も、外での実験もやってないのに」ぶーぶーとふて腐れながらムツサについていくオタクサ「引きづらレルわしは無視ですか?!」諦めたのか素直に引きづらレル白髪のおじいさん。いつものこととおじいさんを引きながら「死都というよりもその周りね、全くここまで死人が集まるなんて思わなかったわよ」すると後ろ向きで名残惜しそうに後を付いてくるオタクサが「えぇ、そうですね。この場所を選んだ理由は神に対しての対策だったのですが、皆、心の安定を求めるのかも″転生″にも影響力が働くのかも……うーん、ワクワクドキドキですよ。さぁ実験を始める」「はいはい帰ってからね」ムツサを通り越してドーンだよー♪とご機嫌にスキップで駆けていく。そんな姿に頰が緩むムツサ。そんな場の雰囲気にムツサにひきづられながら空を見てポツリと″いつまでこんな……こんな″そんな言葉が風に掻き消される。遠くで光の柱が見える「……街から大分離れてるわね」首根っこを持ちながら光の柱を横目に見るムツサ、その横からひょっこりはんと顔を出すオタクサ「″焚柱″あんだけ大きいのは珍しいですねぇ、物世界で災害でも起きたのかな?」焚柱……人は亡くなると物世界を離れ神世界へ行き着く。そのあと転生という形で神世界を離れる。焚柱は神世界へ魂が行き着いた時に発する印のような現象だ。物世界で肉体を離れた魂は肉体が持っていたエネルギーを纏ったまま神世界に現れる。そのエネルギーが神世界に到達したあと魂を離れ焚き火のように燃え尽きてしまう。その燃え尽きる現象こそが焚柱なのである。気づいた時には横にいたワクワクちゃんは焚柱の方へ歩き出している「ハァー全く、急ぐと転けるぞ」ひきづっていた白髪のおじいさんもいつの間にかワクワクちゃんの隣で話に華が咲く。その後をゆっくり追いかけるムツサ………焚柱の周りには死人が集まっていた。「どうだい?焚柱がかなり減ってるんじゃないかな?」後ろからごった返す死人だかりにつま先立ちするオタクサに尋ねる白髪のおじいさん。そんなおじいさんに「えっと、二組の家族?みたいですね。おっと浪秤の登場ですね」浪秤とは似神非力の知識を有した死人。死浪のように上手く力が使えないが、一応″鍵″を有している死人………その男の死人の隣で周りの死人とは違う死人がいる「どけ!ここは傘王″澪泣″様の溜まりだ!ここに落ちた物、落ちた死人は″澪泣″様の洗礼を受けよ!」浪秤が前に出る。早く行えと急かす澪泣に脇にいた男は二組の家族の前に現れる。先に目覚めた父親であろう二人の男は家族を後ろに下げ体を呈して守っている。その様子に進み出た男は「心配しなくても″まだ何もしない″″まだ分からないからね″君たちはその肌、皇帝の大陸付近の出かな?」男二人は喋らない。そんな二人に傘王は「言語が通じないのではないか?」というも「いえこの神世界では全ての言語というか″感覚は一つに共通化されています″此方に来て″言葉が理解できない″というのは一度たりとて無いそれは″声を発するという行為″が適切ではないのです。なので例え赤ん坊だろうが認知症の者でも”″この神世界では関係なく″言葉を発することは可能です」分かったと納得する傘王。兄弟と見られる男の片方、弟に後ろの家族を任せながら「ここは、何処ですか?追い詰められ火に包まれたことは覚えている………″あの世″なのですか?」哀しくも真剣な眼差しで問い掛けるその言葉に自身の掌を見せる男「薄いでしょ。手だけではない(両手を広げながら)私も、あなたも、だから貴方達の質問の答えなら″あの世″ということになる」そうですか、と透き通る手を見ながら自身と家族が行き着いた先を噛み締める。再び掌を見せてきた男の方へむき直し「事情は理解しがたいですが飲み込めました。あなたはさっき″まだ何もしない″と言った。それはどういう」投げかけるように問い掛ける死人に「私はというか、まずはこの世界についての簡単な説明から、おっと自己紹介がまだでしたね、私は″華城といいます″そこにおられる傘王″澪泣″様にお仕えする者です」にこやかな物腰は年の項を感じる「今いるこの世界″あの世″というのはあながち間違いではありません。私もあなたもこの世界にいる人は総じて″死人″と称されます。然しこの世界は私たちが主体の世界ではない。我々死人はこの世界では異端なのです」異端という言葉の意味がまだその世界に来たばかりの家族には理解出来ていない。頭を掻きながら「簡単に言うと″神様の世界″です」黙っていた後ろの男が「はっ、言うに事欠いて神様……死んだってのは理解したが、夢見がちなガキじゃあるまいし、それじゃあんたの後ろのふんぞり返る嬢ちゃんが神様だってのかよ!」弟の剣幕に割って入る兄。そんな兄弟に傘王が口を開く「あたしは死人よ、貴方達と同じ、ただこの世界に長くとどまっているだけ」素っ気なく話す傘王、続けて「其れで″キミは″疑心暗鬼″なの?」何を言っているのか分からない家族に、溜池をつきながら「話を戻そうか…………今着ている服は″人生最後に羽織っていた物″………焼け焦げた後の遺るその服を見れば君たちが″平穏じゃ無い最後″だったのは分かる」華城はその場にいる全員を見て「″何か持ち続けた物はありませんか?″肌身を離さず離れなかった物はありませんか?」其れが示す意味はなんだと訴える。華城が「″物見遊山″」家族の廻りを囲むように四つの山が出現する間には白い綱が巡る「これは(驚きだ………この神世界へ至る死人の数は多く限りがない。だがその中で″鍵″を持つ者は一握りだけだ………然しこの家族はなんだ物の大小はあったとしても″全員が所有している)……」そんな華城の後ろ姿に「如何なの?持ってるの?持たないの?」後ろを振り向かず「……確実にしたいので(私の一言でこの家族の転生までが決定する)」「全員連れていくわ」ちょっと待って下さいと華城が訴えるも華城の周りには黒い長靴に色とりどりの雨ガッパが立ち並ぶ「傷付けてはダメ、ゆっくり捉えなさい」傘をクルクルと回しながら冷たい視線を送る傘王そんな傘王から反転して家族の代表である兄の元へ「いいですか!よく聞い!!」そんな華城の真後ろに白い雨ガッパの男が声をかける「やめとけよ、華城お前の″物見遊山″を用いた後のお前の態度″持っていない″″中の数人が持っている″なんて態度じゃなかった″全員が『鍵』の所有者だった″てのは俺でもわかるぜ………だからこそ、な、だからこそ絶対に″逃げらんねぇ″だろ?」悔やむ華城にそんな彼を横切る華城からは「ごめん、すまない」俯く彼の口から漏れている。「と言うわけだ、お前さん方は幸か不幸か我々が″死街長″目に止まってしまった。(自身の首元を見せ)悪いな、お前さん達にもこれと同じ物をつけて貰う………まぁつけたが最後″転生までと諦めてくれ″では」見れば華城にも周りの雨ガッパにも傘王の周りの死人達にも痛々しい首輪が着いている。押しくらまんじゅうのように雨ガッパ達に囲まれ一カ所に集まる家族達、鍵を持っていると言われても力についても理解出来ていないのなら宝の持ち腐れ。この家族も首輪をつけて傘王に飼われる其れがここに落ちた不運なのだろう。………″よくあること″そんな暗雲低迷の家族の前に白髪の老人が転げ落ちる。「よぉ、澪ちゃん元気そうだの」老人は奥にいる傘王に気さくに声をかける。家族達はいきなり現れた老人にキョトンとしている。「何の真似?あなたの行動、いい噂聞かないよ」そりゃお互い様じゃとご近所付き合いに華がさく。見かねた華城が澪ちゃんに進言する「傘王様、″浮遊の白翁″との戦闘は避けるべきです!」然し横から一人の雨ガッパがおじいさんを蹴り飛ばす「なにが、浮遊の白翁だよ、鍵も持って無さそうなただの死人だろ?」ケラケラと笑いもう一度蹴り飛ばそうとおじいさんに迫った時、その蹴りを同じ軌道の蹴りで返し雨ガッパは彼方へと弾き飛ばされる!「よう女王様、メンタルは相変わらずガバガバかな?」おじいさんの前に仁王立ち、真っ直ぐ傘王を見る「ムツサさんも相変わらずですね、大事な駒なのに如何してくれますかね」きゃははと家族の間から笑い声がする。小さな男の子と女の子その間で変な顔を曝し長い髭をクルクルと伸ばしている。すると笑顔の雰囲気が広がって周りの少し大きな二人の女の子も微笑みだす。まったくと言うムツサも白翁を見守る。白翁を中心に輪が広がっていく。それは華城や雨ガッパ達にも……然し華城や雨ガッパ達に走る電撃「目は覚めたかしら………思い出したかしら、まだ足らないかしら」その場に伏せる全員を見下ろす傘王「流れ流れる痺れ、痛み………ハァハァやっぱり″この感覚はいつでも最高もっとよ、もっとだよ………あたしの死人ちゃん達❤」傘王は真顔で笑みを浮かべる。「相も変わらぬ性根のいや魂の腐れ加減ね」そんな白翁や家族の元へ届け物が「御仲間でしょ?感動的再会?」申し訳なさそうに正座するオタクサちゃん「巻き込まれるから離れてろって言わなかった」投げ掛ける言葉に「でもですね。思った以上に傘王の縄張りが広がっているみたいなんですよね。前より玩具の数も増えてますし、逃げ切れねぇーっの、とりま伝令は送りましたし」その会話にクスクスと笑いながら「来ませんよ、ここは(傘を持ったまま両手を広げ)私の世界なんだから」辺りにはびっしりと首輪がついた死人が覆い尽くす「″一人につき一つ″(チャリンと″首輪の鍵″を取り出す)足搔きなさい」オォーーと叫び声と共に振り下ろされる拳の前に、振り下ろした死人の顔に蹴りが入る「オタクサ!そこの爺さんと死人達を一カ所に集めなさい。後は言わずも分かるわね!」弟の方が襲い来る死人達に迎撃を試みようとするも弟くんの膝をつま先で折り着物の後ろを握り後方へ飛ぶ!飛んだ場所は地面が凹み金棒が横たわる「チッ外れちゃった」横から「そのままで捉えろ、そう言われたろ、痺れと痛みのとばっちりは勘弁だぜ」さっきの華城と話していた男だった。「どうせ、転生まではこき使われるっての、あんた達も傘王様にみっかった不運を呪えば」くそっと言う弟くんを放り投げ「あーあ、あたしはただ死人街を回って新しい道具の材料が欲しかっただけですのに………ムツサさんはアッチで手一杯かお守りするこっちの身にもなれっての」金棒がオタクサの頭上に「はい、終了?!」金棒が当たる直前小さな小瓶の蓋を開け中から綿アメが膨れ上がるように弾けてくる。其れが金棒をクッションのように包み止めオタクサへは届かない。小瓶を掲げながら「食べていいわよ」オタクサがボツリと呟くと綿菓アメは浸食するように金棒を持った雨ガッパの女の子を飲み込む「″搦″!」飲み込まれた女の子であろう名前を叫ぶ死人、他の死人は目の前のソレが自分たちでは手に負えないと理解して後ずさる。然し叫んだ男の死人は警戒しながらもその場から一歩も引こうとしない。弟くんは腰を抜かすそれに寄り添う兄。家族達も動けないでいる「何も食べなくても!」目を背けながら話す兄にオタクサは「でもこうでもしなきゃ周りの死人はあたし達を間違いなく襲ったよ。あたし一人でひーふーみー……二家族を守る。並大抵のことではないよね」それはそうだけどと言う兄に弟が「そのチビの言うとおりだ。其奴が何とかしなきゃ俺があの金棒でぴしゃげている。多分兄貴でも同じ運命だ。それにどっちかが遺ってもさ今のオレや兄貴じゃ家族は守れない」そんな二人の兄弟の肩を抱き「其れでもお前さん達は″ここにまだいる″なら少なからず守っていけるさ!」白翁がいいとこ取りしてた。そんな白翁に「一番のお守り対象は黙ってて下さい」と胸に突き刺さるお言葉を放つオタクサ「相変わらずモフモフ感満載だの″未″は」話を変えるため冷たい態度のオタクサそんな彼女の持つ小瓶を見ながら中身について「今回は他の死獣は連れて来て無いのかの?」周りを警戒しながらも「今回はあくまで″死都″周囲の観察が目的です。………まぁ実験データ取れるかなとか今みたいな想定外の事態対策として持ってきたんですがいやー備えあればですね」小瓶からモフモフとでる″未″はいい警戒にはなっているが首輪の雨ガッパ達に取り囲まれる。目の前の仲間を食べた?化け物だが………彼らに引き下がるという選択はないだって首輪がその痛みが傘王の視線が″其れを許さないから″その時家族の中の最年少である男の子が苦しみ始める「太市……太市?!」母親であろう女性の死人が男の子に声をかけるも男の子はぐったりと動かない。慌てる家族の間をかいくぐり白翁が男の子の元へ。其れを見て「転生ですか?それにしては廻光が見られませんね?」周りの雨ガッパ達を警戒しつつ白翁に声をかけるオタクサ。そんな彼女に「違うと思う………これは″塊無化″だ!」目を背ける白翁。心配する家族達「おい、″塊無化″って何だよ?太市はどうなるんだよ?!」白翁の胸ぐらを掴む弟くん。掴まれたまま黙ってしまう白翁そんな彼を横目に「私が説明するわ、誰が話しても結果は変わらないわ」家族達に背を向けたまま「そこのおじいちゃんが言った″塊無化″っていうのは″魂に衝撃が加わって起こる……そうね『欠損』みたいなモノなの″魂っていうのは生きてる頃には体という入れ物に入った″水″みたいなもので形は無いけど安定していたの、でも其れが死んでしまうと体という″入れ物″が無くなってしまう。だからとても不安定になる」話を続けるオタクサの言葉を遮る兄「だが、私達や君らには何も起こっていないようだが、悪いけど″不安定″という感じはしない?!」そんな訴えをする兄に「悪いけど″不安定なんだよ″この神世界に置いての魂という存在は″異物″でしかない。だから″転生″という次へのシステムがあるんだと想う。結論″この神世界にある神以外の魂は例外なく全て″不安定″そこの男の子と同じ状態に至っても不思議ではないんだよ!」はっきり断言するオタクサにだったらどうすりゃと頭を抱える弟くん。男の目の前に立つ白翁「″周りの死人街の者の排除は絶対にしないでくれ、次までの安息の地を提供する不安定な魂だからこそ今のような状態の解消が目的なんだから″ムツサ、オタクサ大きくするのは構わないし」言葉を続ける白翁に向けて怒号が飛ぶ「ダメ!絶対にダメ!!」ムツサとかける声を無視して「いつもそう…………アッチで困ってる死人が入れは遠くても出向いて世話をやく………自分の面倒もろくろく見れないくせに助けるなら力は貸すわ………でも″如何することも出来ず助けられない範囲″なら簀巻きにしてでもここから離脱する。例えこの先」その先は言わずもかなだった。白翁は男の子の前で両手を挙げる。止まらないそんなことは分かっていた。「オタクサ!ちょっと止めなさいよ!」これも無駄なことだってココロノナカでは分かっている………こんなことして何になる。オタクサちゃん辺りなら死人なんだから遅かれ早かれと言うかもしれない……でも目の前の男の子はまだ立てるようになって数年だ。楽しいことや人や物と出会って感動したり、鬱になったり、喜怒哀楽があったって良いじゃないか?!それなのにダメだ!死んだ苦しみもないまま、転生ですら無い。魂がぼろぼろに砕けていくなんてダメだ!ダメだ!止まれ!止まれ!必死に材料と技術が乏しい中で修復を試みる白翁だが男の子のキズのようなヒビは小さくならないむしろ………いつもそうだ生前も小さき頃から兄の背中が世界の一部だった。ついて廻る日々それは兄が王に着いた後も変わらない………倒れる背中年老いても兄の背はガッシリと視界を覆うほどの大きさで倒れ込んでいる。無力だった。何も出来なかった。もう目の前には兄はいない兄が座っていた席に座らされている………ゆっくりと目を閉じていく。長くはき出される息は生気が抜け出るのを自身に感じさせる。余生は傀儡……いや思えばずっと傀儡だった。生まれたその時から父であった王は偶像でしかない″力など、権力など、自由など何一つ存在していなかった。父は抗わなかった。楽だったから自由はないが″黙って従っていれば問題ない″父の口癖を兄は嫌っていた。其れが兄の命を縮める結果を生んだ。起きて眠るまでこの椅子に座るだけの生活ただただそれだけの一生。動かなくなった兄の背中を見つめる私の首元には冷たいものがあり、その冷たさが抗えば″私が終了する″事をひしひしと伝えてくる。あと何日?何年?この国は続くのだろう?…………「おい?おい?」うとうとしていた。やれやれ年をとって…………体が軽い?いや薄い、手だけではない体全体が奥が見えるほど薄かった。「おいって?聞いてるのか?」目の前に股を開き両手を腰に当てる白髪の綺麗なおばあさんが私の顔を覗き込む。思わずドキッとしてしまう。「玉座に座って?外?」周りを見渡す。荒野の真ん中に自分と彼女以外見当たらない「ギョクザ?生まれは良いみたいね?その恰好、服には破れも綻びも無し(彼女は着ている服を上げ下げして診て確認している)まぁまぁな最後だったみたいね。」にっこりと笑う彼女は爽やかな笑顔だった………私はこんな笑顔したこと無かったなぁ「あの、その(薄くなった胸を掴みながら)私は″死んでる″って事ですか?」あの世、一般的に想像していたのとは違う。項垂れるおじいさんに白髪の老女は「なに?その様子だと″地獄絵図″でも思い浮かべたの?」はっと真っ青になるおじいさん。そんなおじいちゃんに「蓮の池、天使や悪魔、そんで地獄絵図なんてのは生きてる人間が考えた空想だった。蓋を開けりゃあなんてこと無い見た感じ体が薄くなるだけで………おっとそうだった」彼女が言葉を止めると周りにはガラの悪い薄い人に取り込まれている。「ったく遠路はるばるご苦労なこった。」首を傾げて数分あっという間にガラの悪い死人は名残惜しそうに撤退する。「彼らは何者何ですか?」と聞く白翁にやれやれと手をハタキながら「彼らは死人よ。私らと同じ(遠くにある街を指差す)あそこに街があるでしょう。あれ″死人街″って言って、この世界に来た死人が転生するまでの間寄り添う場所。まぁそんなとこかしら、彼等はある街から″新しい奴隷を確保するために依頼された死人″ってとこ、彼等″体の一部に紋様や首輪があったでしょう。あれって″似神非力を使った拘束″なの………ってそこの説明からか」生まれたての小鹿のような白翁に項垂れながらも座り込む彼に手を差し出す「あたしは″六作″よ女の子の名前っぽくないのは無視して」名前が余程気に入らないのか名前のとこだけ小声だった。「ワシは(そうだなと自身の白髭を触りながら)″白翁″と呼んでくれ」…………目の前の男の子のヒビが大きく広がって………その場にいる誰も白翁ですら″どうしようもない″と理解した時、そのヒビの上にちょこんと鳥のような小さな死人?ではない雌鳥がいた。その者は男の子のヒビを観察しながら「深いわね~普通″死人″はこの神世界にとっての異物なんで″世界から拒絶される″しかしこの子の魂は″馴染んじゃってるわねぇ″寧ろ異物が馴染むと魂その物が耐えらんなくなり″ズレが生じやすい~うん原因はこれね♪とりあえず処置きましょう」男の子の体の上を世話しなく動く姿はとても愛らしい。ヒビの広がりが止まる。その姿からは想像出来ない。辺りを雨ガッパを来た死人達が詰め寄らんとしていた。傘王の傘が閉じ獲物を示す。一斉に飛びかかる雨ガッパだったが全員地面にたたき伏せられる?家族の前に立つ羽衣を着た少女。明らかに死人とは違うそんな少女に小さな雌鶏は男の子の上から「照留か?待機してなさいと言いつけておいたのに、やれやれ困った子だね」と手を動かしながら振り向かず述べた。「母上の言いつけを守っていては私が路頭に迷ってしまいます。かといっておとなしく私と一緒にはいてくださらないでしょう?」確かにと小さきママが答える。




