表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神約聖書  作者: 裸形炉
82/115

八十二ページ目

銀色の林の中に佇む城が大きさを増してくる「大分近づいてきたわね!」目的地である”囲折合”オオキミの住まう場所で呪いを解くアイテム?である″卍燈籠″がある場所だ。快調に駆け抜けるグーガとその上に跨がる死人が4人、前から父親を探しているリニャン。その後ろが運命の王子?であるグーガの呪い?を解く使命に一人燃えているオオキミの孫″祈琥″その後ろでリニャンに騒ぐな!と注意しているイシドセ君、彼もリニャンと同じく父親を探してここまできている。そして最後尾に位置するのが死浪と呼ばれる力を持つ死人で今売り出し中の死浪″虹晶席″の一人″翠の羽織が風に靡く″枯枯坊主と呼ばれる小坊主だ。彼の場合はリニャンの父親達の事を調べていたようで一行と共に行動したほうが良いと彼自身が判断したようでついてきている。そんなグーガの背中事情とは一線を隠してグーガの耳元では他のメンバーに聞こえないようにヒソヒソ話が続いている。グーガの耳元から見え隠れする黒いボックス左右に一つずつついている。単なるオシャレ?等では無く『もう少しで照留の元へ………』落ち着かない様子の片方の黒いボックス。その様子に『焦っても何にもなりゃーしませんよ。心配しなくても”卍燈籠”はあたしらの最高傑作です。燈籠への如何なる刺激も燈籠内部には伝わることはありません。現に今まで彼ら死人が開けることは皆無です。閉じ込めるのには適してはいますが、開ける作業は頗る面倒~なんですよ。なので当事者この卍燈籠を持ち出した者以外は使い方を把握していなければ開けらんないただの置物ですよ♪』不謹慎だぞと片方の黒いボックスをこつくグーガ、こつかれた方の黒いボックスから『それで王子様は如何するおつもりなんで?上に乗っている半分は父親探し、翠も理由はともあれ目的は同じ、残りの四分の一は王子様の呪い?を解く?でしたか、まぁ理由はどうあれこのまま行けば目の前の建物に”卍燈籠”は間違い無くある………となるとグーガもとい狗牙様の決断というのが気になりましてね、あたしや神約違反している元鳥神の社長は目と耳という形でしかこの現状には関われないそれって人で言うとこのテレビを見てるとか、今どきのネット民みたいなもんなんですよね~……だからアタシらは意見は述べられますが決定し動くのは狗牙様という事なんで……当事者というか傍観者に近いけどここまできていることも踏まえて無関係ではないですよね。そこんとこグーガ男………狗牙様の考えを聞かせて貰えないですかね?』淡々と話す山月こと黒いボックスその一そんな山月の言葉を受け『社長さんも同じ意見かな?』ともう一つの黒いボックスに尋ねる狗牙。其れを受け無機質な箱から『私としては狗牙様が”卍燈籠”を如何するのか?それが気になる所です。勿論今回の一件ここに来た目的を考えると天裸形……父上の元へ届けてくれる……この結論に至ると確信しています……いますが、狗牙様は優しい……きっと言師の影響が強くなっているあなたは貴方の上にいる彼らを振り切って”卍燈籠”を奪い去る……という選択肢は絶対に選ばない………私はそう確信しています……選択肢次第では彼等も傷付かない選択肢を探ろうと藻掻くはずです………”時間が無い”はっきり言ってしまうとその一言に尽きます。父上がどう思っているかはわかりません……ですがこれだけは断言します”私は今も昔も照留を救う……それだけの為に行動している”それは今この時も同じです。貴方の選択如何によっては……全力で卍燈籠を取り返します例え……父上が其れを望まなかったとしても……例えこの死都と呼ばれるこの場所をオオキミと呼ばれる彼らの王やそこの死人の子達の親を消し去ってでも…………必ず”卍燈籠……照留を全てにおいて優先させます!”』静かに重くでもハッキリとゆっくりとした声で狗牙の耳へ届く社長の言葉そんな彼の言葉を聞きながら『”わからない”』そう一言応えるだけで他に言葉を発しないまま一刻一刻と囲折合に近くグーガ…………「一足遅かったか、こちらの神力を抑えている反動か!其れとも死獣として切り離していた影響か?神力を感じ取ることに少しズレがあるか………」グーガ達が先程までいた院瀬見の中に探し求める祈琥プリンセスが居ないことを確認して囲折合の方へ向かうコロマルとその上に乗る太市、周りには門番だった鬼瓦達が倒れ込んでいる。そんな彼らを気にする太市に「心配しなくても少し魂を揺らしただけだ。波のように大きくな、死人の魂はこの神世界では不安定な状態にある。元々この神世界にあるべきモノではない死人はその不安定な状態が酷くなりこの世界に留まれず”転生”という形をとる(足元の死人を眺め)この程度の揺らしならすぐに安定するさ、曲がりなりにも死浪と呼ばれる死人の中でも魂が安定している者達だから心配するな」それでも心配する太市に喰ったがよかったか?と尋ねると力の限り首を横に振った。そんな太市に続けて「しかし……肝心の”祈琥”というお前の姉は居ないようだが?もうひとりの姉の話ではここに引き籠もっているようだという話だったが」そう問われて太市は「そのハズなんだけど……よっぽどの事が無いと城の外には出ないと思うんだけどなぁ」困った様子の太市に嘘は無いと判断するコロマル「なら”よっぽどの事”ってのがあったのだろう……」と遠く囲折合の方を見る。(先程までここにいた獸神は今は中心部に向かっている………俺の追っ手………一時はそう思ったが……違うのか?わずかな神力はこのコロマルの姿でも発している………それには気付いているはず……だが捕らえに来る訳でもなく、今度は中心部へ向かっている……姿形を視認してはいないので神力から”獸神”という事だけ分かっている……鳥神にしては……この速度は違うな……この速さは走って移動している……追っ手の選も捨てきれないか)遠くを見ながらこれからの行動を計りかねているコロマルに「これからどうするの?祈ねぇがここにいないってことは誰かに連れ去られた?」どうしよう……と不安そうな彼を見て「恐らくだが、お前の祈ねぇはここにいた獸神と行動を共にしている……どういう経緯かは推測しかねるが………先程までいた獸神が踵を返すように囲折合に向かっている!しまった!卍燈籠か!狙いは……なら天裸形の差し金……然し何故……鳥神ではない?」途中から自分を置いてけぼりに話すコロマルにどういう事なのか?と説明を求めるも「さっさと乗れ!獸神を追うぞ!」そう言いながら院瀬見を後にするコロマルと太市………『例の獸神こっちに向かってるね……しかもさっきまでと違い神力を隠そうともしない……どうしますかね?王子様?』黒いボックスの一つが囲折合へ向かうグーガに耳打ちする。その言葉に応える事無く駆ける足音はスピードを増す。グーガの揺れる髪の間からもう一つのボックスが『ここで対応しないのですか?相手は獸神とはいえ……ここまでの態度を見れば不自然さが際だっています。ここに入った理由が何なのか分かりかねますが、今まで姿を隠し狗牙様と距離を保ってきている………ですが今こうして我々を追ってきている……その目的が我々なのか其れとも』諭すように話す黒いボックスに駆ける足を止め後方へ振り返る囲折合はもう目と鼻の先………だがそこには首のない獣とその背中に乗る死人の少年の姿があった。「卍燈籠」向かい合う二匹の獣の間を一つの言葉が木霊する。「急いで追ってきて正解だったな」と首のない獣が言葉を漏らす。ぱっと見その姿形は異様の一言ガッシリとした体その雄々しき姿に凛々しさを感じるはずだが、その凛々しさを頸から上が台無しにするほどすっぽりと無い。実際には無いという表現は正しくなく頸の根元が捩れその上はその空間自体が歪んでいる。その異様な獣に後ずさりするグーガの上にいる一行だが祈琥だけはその歪んだモノの先に見える馴染みのある姿に声を発する「太市、あんたがなんで?」グーガから降り弟に近づこうとする祈琥に「”あれでいいみたいだな!”」と振り下ろされる歪んだ獣の尻尾だがその尻尾を止めるように差し出されたのはグーガの尻尾だった「お前は死獸という訳ではないな、獸神か?何故ここにいる?何故今になって中心部へ急ぐ?……何故卍燈籠を狙う?」止められている尻尾に力を入れながら「これはこれは……狗牙様でしたかということは獸神王の命令でこちらに?やはり狙いは卍燈籠ですか?」その言葉にグーガの上の面々は驚きを隠せない、先程の黒いボックスの助言と忠告”わからない”そう答えるしかなかった自身の他の答えが見つからず頭を抱えている。一旦祈琥の前に出るグーガ。間合いに入られる事を嫌がったコロマルが苦々しく尻尾を引っ込める。そんなコロマルに対し前足を地面に叩きつけながら「答えろ!何故卍燈籠を狙う!」解らないことは山ほどあるが今は”卍燈籠”を狙っているかどうか……その事だけに絞り質問する……「……そうですね……まぁここまで姿をさらして中心部へ向かっている。そうなると狙いは”卍燈籠”というのが自然ですよねでも”オオキミ”を狙っているかもしれないですよ。現にそこの祈姉ちゃんを狙ったのは人質にして……」戯言を続けようとするコロマルに『『「ないな」』』とダブったようにハッキリ応えるグーガ「それならお前たちがここに現れる理由が無い!お前の見た目は死獸のようだが神力は間違い無く獸神だと判る。もし後ろの中心部にいる?オオキミという死人を狙っていたら俺達の真後ろを通らず避けて中心部へ行けばいい」その言葉にコロマルが「理由があって行かなかっただけですよ。だからといって”卍燈籠”を狙ってオオキミを狙っていない理由にはならないのでは?」然しすぐにグーガが反論する「理由か?確かに卍燈籠にしろオオキミにしろ。そこの囲折合という場所にあるようだ」それにと祈琥にコロマルの伸びる尻尾を払い除け「この死人がどうやら重要なようだ」どうやら話し合っても無駄だと悟ったコロマルは祈琥を狙ってくる。そんなコロマルの猛攻を躱しながら尻尾を使いながらリニャンの後ろに乗せると「あの獸神に乗っている死人は知り合いなのか?」そう聞くグーガに「弟、どうして獸神?と一緒なのかは理解出来ないけど……」そうかと頷きながらコロマルとの間合いをとるグーガそんな彼の上から「太市どうして?脅されてるの?だったら……」弟が捕まっているそう感じた祈琥は必死に呼びかけるも「違う!俺は俺の意思でここに居る!どうしても”卍燈籠”必要だから!」鬼気迫るその様子に唖然とする祈琥、夢見がちなお姫様そんな自分を痛い目で見つめる姉の祷珀でも祈ねぇ祈ねぇと笑顔でなついていた弟の太市そんな弟を邪険にしながらも何処かで嬉しかった自分がいた。そんなことを思っている祈琥だったがそんな無邪気な弟とは思えないような顔を獸神?の上に跨がる彼はしていた。すぅーと息を吸い込むそして「どうして!どうして必要なの!卍燈籠を必要な訳をお姉ちゃんに話しなさい!!」木霊する祈琥ねぇちゃんの大きな声その目は弟を真っすぐ見つめ返答を待っている………喉元まで出そうな言葉をぐっと引っ込める。言っていないぞ!その気持ちが跨がるコロマルの毛を握りしめる事で太市の決意はコロマルに伝わる。そんな気持ちを組んだのか黙ってグーガに守られる祈琥を狙うコロマル「やっぱり素直には渡してくれませんか未来の獸神王様」少しからかいながら話すコロマルに「何時までその恰好でいる?いい加減”頸”くらい出して話したらどうかな?」やれやれと思いながらも少し考えてねじれた頭が歯車のように基にはまり「頸無しというのも風情があっていいものですよ。すぅーすぅーしますし重くないので」コキコキと重そうに頸を回すコロマル。満足しましたか?とグーガに確認する。見た目はグーガに似ている獸神の中でも孤転や獸神王に似ている。狗神と呼ばれる獸神の一種なのだとわかる。口元は牙の間から神のモノか其れとも死獸のモノか憐れなカケラが見え隠れする。そんな口元から「魂の世界………この神世界では”魂”の在り方により姿、形、そのモノの全てはそれにより決まる!それは死人であっても神であっても変わらない…………だからだからさ”美味いんだよ”」美味い?途中までの神世界の在り方から一転して美味いんだよという言葉に脈絡を感じ得ない……いや理解出来ない訳じゃない。そのしゃべる口元のカケラを見てコロマルが遣ってきたことは理解は出来ないが何とか無く想像出来る。モラルなんて言葉じゃない完全なモラルハザード人だって獣だって行わないであろう行為”自身と同じ種を食べる”という行為、いつも話している者を係わっている者、助け助けられている者を食べる!なんていう存在がいるだろうか………だが現に目の前にそのモノはいる。自身の行った行為はもはや希薄となり悪びれる様子もなくそのモノはそこにいる。好きなモノを好きなだけ小熊のような子供が牙を剥きながら「でも今はお預け………どうしても”ソレ”がいる。心配しなくても食べたりしませんよ。ちゃんとそのままの状態でお返ししますから……………”ソレをよこせ!”」神魂中毒………目の前の獸神の目に映るのはグーガ達ではない………そんなものはそこら辺の石ころと同じ自分が必要とする”卍燈籠”へと続くための死人……その奥にコロマルが見ているのはご馳走だけだ。コロマルだった其れは今は別の………本来の獸神の姿へと変わっていた。神力を隠す必要も無いこともありヒシヒシと伝わる神力にグーガの上に乗るリニャンやイシドセ……耐性のあるであろう死浪の枯枯ですら構える手が震えている。尻餅をつく祈琥に向かい迫るコロマルその上の太市はしがみつくのが精一杯だ。躊躇した一瞬コロマルの尻尾が腰の抜けた祈琥へと絡ま………然し何かに弾かれる。見ると黒いボックスの片割れが展開して祈琥を守りコロマルの尻尾を弾いていた。黒いボックスの一面。サイコロ状だった四角は立体を崩し六つの面に別れている。その三つを使い大きな三角形を祈琥の前に張り出しコロマルの尻尾を弾いた。三角形の前で黒いボックスだった一面がクルクルと回りながら『さて、ぶっつけ本番での運用でしたが共食いして強化されている神堕ちの攻撃にも(祈琥を嘗めまわすように見ながら)どうやら無傷で耐えれているようですね。満足満足一本満……コホン』自身の力作に鼻唄を歌いたくなる気分の黒い一面「”目と鼻”じゃなかったのかよ」と黒い一面の横に出るグーガ『あれぇ?今のは危ういタイミングでしたよ~♪このままそこの死人を渡しては神堕ちが”卍燈籠”まで一直線ってルートじゃないですか、此方としても社長さんの手前入らざる得なかった。そう理解してくださいな』イマイチ納得為かねるグーガに反対側から『ここからは私たちも出来る事をします。この通り山月様の技術も神堕ちに通じると立証も出来た。とにかく神堕ちが卍燈籠に照留に近づいている。あいつの口元見ればそのあとのことは想像したくない。嫌だと言っても勝手にやりますよ!』愛妻家のもう一つの黒い一面に「あーぁ、分かった。このまま此奴を野放しにするのは後々この神世界全体にとってよくないようだしな」そう言いながら自身の尻尾で上のリニャン達をひとりずつ降ろすグーガ「どれだけできるかわからん守りながらはきついだろう。前に出すなよ!」そう二つの黒い一面に告げながら前に出るグーガそんなグーガの動きが止まる。「………離してくれないか?」力ずくで振りほどこうとせず、ゆっくりと尻尾をぎゅっと掴む小さな女の子に話しかける。「……強くて……優しくて……一緒にいるのが当たり前なんだよ………トオサマが居なくなるのは嫌………グーガは居なくならないよね」確認するように掴む尻尾を握りしめ離さない。そんなリニャンの目からは涙がこぼれ落ちそうだ「………」黙ったまま尻尾で起用に涙を拭うと「ちゃんと探すのは手伝う……だから待ってろ」と前に出るそんなリニャンを抱きしめる祈琥が「無理なことは分かってるけど!その……」言いたいことは理解したグーガが歩きながら「なるべく努力する!」とコロマルの前に歩み出る。ヤレヤレと頸をならしながら自分の上にいる太市に「祈ネェちゃんの意志は別にしても話し合いではすみそうにないなぁ……如何する無傷で取り返して、そういうふうに聞こえたが………何なら”あっちに行ってもいいぞ”今なら見て見ぬふりを……」そういうコロマルに「目の前の獸神?はコロマルの仲間なの?」そう聞く太市に「仲間か?そうだな同じ種類の神様、獸神といっても種類でいえば八百万とまではいわないが多い方の神様かな、しかも目の前のグーガと言われている獸神は”狗神”と呼ばれる種類の神様でな俺もその狗神の端くれなわけよ」自身と目の前の神様が極めて同じ種類であることを太市に話すコロマル、そんな話を聞き少し考えこんだ後に太市は「勝てるの?」とポツリと漏れる。其れを聞きながら「勝てるのか?か………狗牙………ソレが目の前にいる狗神の名前だ種類の多い獸神の中のトップを獸神王と言ってな今の獸神王と先代の獸神王は共に狗神しかも兄弟だ。今の獸神王は心優しく温厚な性格、故に皆をまとめ上げる事にはいささか難がある。その証拠に幾度も反乱じみた行為もあった………だが先代の獸神王は違う力による統率を強いていた。この神世界に獸神在りと言わしめるほどの実力だった………まぁ最後は呆気ない”力は力に屈する”……より大きな力にね………そんな先代の獸神王の息子が目の前の狗牙様という訳さ」その言葉にそれってといいそうになる太市に「まぁそれだけじゃお前さんと変わらないよな未来のオオキミ様?」とコロマルが切り返すと不機嫌になる太市そんな彼に「それだけじゃ俺もここまで警戒しない……”時閒の龍”神世界最強の神国である”龍神国”を作り上げ………先代の獸神王を意図も容易く時の閒に葬りさった神………その無敵ともいえる神を倒したのが目の前の先代獸神王の息子の狗牙様なんだよ」息を呑む太市、彼にとってみれば目の前の獸神もコロマルも同じに思える。神力を感じ得ない太市では両方の獸神は同じだがコロマルから伝わる気合いのようなものは嘘偽りのないホンモノだ………それだけは理解出来た。スッとコロマルから降りる太市「乗ったままじゃ戦いにくいでしょう……コロマルが”オオキミ”や”姉ちゃん達”をを食べる可能性がある以上俺はここに居るよ……」ふーんと太市の対応に満足したのか「そうだな大事なご馳走を食べるため”おなかを空かせますか”」と太市を置いて前に出る。戦い方はシンプルだお互い獸神同士武器は爪と牙シンプル故に、お互い傷つきながら泥臭く戦う。まさに獣のケンカだ。拳と拳のぶつかり合いを彷彿とさせる………”強いな”と口元を歪める狗牙(ここまでの実力とは思わなかった………元々強かったか……魂を食べる事でその力を得て強くなったか……どちらにしても今の俺と同格か……七福神が居ない以上”時閒”には戻って戦うというのは、まぁないかな………どちらにしても毘沙門の力を借りれば勝てるぐらいか………”卍燈籠”に限らず獸神でここまでの神力を持つのはそれぞれの頭レベル、獸神王達のように大体”年月”がいるだが此奴は”若い”)一呼吸置いて「お前さん”すでに神を食ったのかな?”」そういう狗牙に「えぇ、とびきりの”友”をペロリと……」そうかと嘆く「”友”か、堕ちるとこまで堕ちたな」憤慨しながら吐き捨てる狗牙の台詞にも「堕ちたですか……違いますよ、今まで知らなかっただけ………感じなかっただけ………誰もソレヲ行わなかっただけ”たったそれだけですよ”」自分がしたことを悪びれる様子は感じられない爪で狗牙の尻尾を弾きながら「強くなりたかった強くありたかった……自分もあぁなりたいと目に映る友に”ダブらせてその気になって”でもそんなことをしても………何も残らなかったただ虚しかった………だから”貰ったんだよ……そのモノ自体を”足りないなら……端からこうすればよかった」自分の爪を見ながら神力を解放する「ハァー、うっとりする力だ……狗牙様には……力のあるモノには永遠に理解出来ない事ですよ」心の叫びと共に膨れ上がる神力……徐々に狗牙を圧し始めるコロマル「警戒はしていたがこんなものか実に……実に」狗牙の速度を上回り切り裂かれ吹き飛ばされる狗牙「単純なホントに単純な”力の差”がここまでとは、少し残念です。俺たち獸神の中じゃアンタは別格の誇りだった。ふんぞり返る獸神の頭達とは一線を引いていて………でも”こんなものなんですね”期待しすぎた私が………今となってはどうでもいいホントにホントにどうでもいい………気にしなくなるとなんだかこんなものなんですね………ハッハッ”つまんないですね”」必死に防ぐ狗牙をアッサリと力で押し込めるコロマル、その視線は奥の祈琥を見ている。然しその目の前を鋭い一閃が真下から突き抜ける「おっと、おっと油断がすぎましたかね、興味が薄れると意識しづらくなってしまう………僕の悪いクセですね(立ちはだかる狗牙に)敬意は払って相手をしないと失礼でしたね…………”元”偉大なる……センパイ」………「………云兎!!」急に起き上がる白衣の女性に付き添う同じ白衣の女の子、その横には仁王立ちする真っ赤な大男がいる。女性の様子に胸を押さえながら「惨支おばちゃん倒れたまま中々目覚めないから………転生しちゃうかもって」涙目で話す姪っ子に対して「ごめんなさい祷珀ちゃんに心配かけて!云兎あれ?夢だったのかしら太市の声がして、云兎の名前をおばさん研究に没頭するあまり幻聴が聞こえちゃった。眠る必要はないとはいえ今詰めると駄目ね、祷珀ちゃんの言うとおり”転生しちゃたりしテへ♪」冗談交じりに話す惨支おばさんに「えぇーっといいにくいんですけど……その太市がきてたのも事実でして………云兎ちゃんの話もホント」いきなりガッシリと肩を掴まれ「云兎がどうしたの?なんで太市くんだけでここに?それに(キョロキョロと周りを見渡して)オタクサ様は?何処ですか?研究をほったらかして出かけられた太市くんとその死獸?とですか?」如何なのですか?と祷珀の体を揺らしながら質問責めにする惨支だったが意を決して「囲折合に戻ります!」と立ち上がる。其れを止める祷珀「待って、落ち着いて惨支おばちゃん、ん?なんで囲折合?太市たちは”院瀬見”に向かったはずだよ、祈琥に会いに行ったはずだから」そういう祷珀に惨支が「あの子はあたし以上に”感”のいい子なの、だから無意識に色々なモノに気づく………いいえ違うわね、感じるのよ幸か不幸かね”兆場”あの人が持つ力をあの子は片鱗だけど受け継いでる」それってと祷珀が訪ねると横から赤い死人が口を挟む「兆場……澱みや歪み何処にでもある”それに気付くこと”……空気が重いピリピリしている皆一様に理解はしているが、それが何かは明確ではない………其れを”正確に得られる力”こう形容するしかない」わかったような、分かんないようなモノ理解に苦しむ祷珀に”そんなものよ”とにこやかに話す惨支「あの子が”卍燈籠”を誰にも渡さないのは”渡せば取り返しのつかない事にはなる”ということを肌身に感じている。言うなれば”勅勘”なの……誰に?なんで?かは当の本人である云兎にも分かってないわ………でも”渡してはダメ”ソレが誰なのか?何のためなのか?その答えが得るまではね」ヨシと気合いを入れ囲折合へ向かおうとする惨支、その視線は遠くに見える囲折合に向けられている。凛とした母の顔付きだ。急に顔を横に向け祷珀の方を見る「祷ちゃんは如何する?あたしの杞憂なだけで、オタクサ様とすぐに引き返すかもしれない。無理してついてこなくてもいいわよ。疲れてるのは祷ちゃんも同じでしょう。ゆっくり休んで」と気遣う惨支に「疲れてんのは惨支おばちゃんだって同じでしょ………それに………」それに?と山彦のように返す惨支に「あたし独りここに居る方が怖いです。オタクサ様秘密多そうだし、ヘンナモノ出てきても対処に困ります」視線を赤い鬼に方へ見上げる「ついて行かれるんですよね?」勿論と頷く赤い鬼。その表情を見てそそくさと惨支の隣へ」3人は共に霊林炉へと進んでいく、その先にある囲折合を目指して………(はぁはぁどうなってる?)いつの間にか見上げる状態になっているコロマル、つい先刻まで圧倒的有利な立場にいた………いたはずだった。なのに今はどうだ地に伏しているのは”オレの方”だ。………違う神を食って神力は桁違いに上がっている。狗牙との力の差は今も変わらない、変わらないわずなのに、なんであいつが立ってる。もしかして力が落ちている!吸収出来ていない?クソ!神を食べるのは死人を食うのとは違うということか。………悔しさに滲むコロマルを見ながらグーガが「別にお前さんの神力が落ちてる訳じゃないよ」理由を知っている、狗牙の言葉は”コロマルの状態”を一早く見分けていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ