八十ページ目
「うーん今度の神器質はいいわね、前回の分と前々回は力の濃縮が少なかった事もあって(取り出し試験管に入れて攪拌する)うん!今回は濃度的には十分ね」匂いをかぎながら舌舐めずりをする。霊林炉の北に位置する白い病院風な建物″死鬱家″と呼ばれるその建物は古びた洋館のようで見た目が怖い霊林炉しかも北は霧がとても濃いのでかなり近づかないと分からない程だ。その″死鬱家″の代表が試験管を見てニヤつく女性″オタクサ″だ。この死都の結界システムを考え構築した張本人でもある。そんな彼女の横でデータの解析とサンプルの管理を行っているのが日本人形のような髪型で白い白衣をきている女性が″惨支″日澪随祖″の奥様で云兎のママんだ。その周りをチョロチョロと動き回っているのが!ガッシャーンと資料をぶちまけ倒れ込む「大丈夫!祷珀ちゃん!」と手を出してくる惨支に「すみません、今すぐ資料を」とかき集める彼女に自分も一緒に拾いながら「大丈夫だよ。そんなに急いでないし………!」とそのままペタンと倒れ込む惨支に「惨支おばちゃん!!」どうしよ、どうしよと悩む祷珀ちゃんの頭をこつきながら「ただの過労しょ……横になってりゃ治るって」と話ながらそんなことより卍燈籠が見当たらないんだけどと探すオタクサに対して惨支をベットに寝かせながら「この前、飼疆のオオキミ直属の騎士が使うからって、いいよーの一言で貸し出したじゃないですか!」という祷珀にえぇーそうだっけといるんだけどなと口を尖らせていると端の方にいる赤い鬼こと″夏蓮亜″が身の丈程の棍を抱きながら立っている。その前に行き「お願い、ひとっ走り卍燈籠取ってきてくれないかな?どうしても今すぐ必要なんだよね」オタクサちゃんのお・ね・が・い❤(ウインク付き)と全身全霊でお願いするものの「断る!」とオタクサちゃん全否定の答えが返ってくる「何で?年か?シワか?チェンジとかか?残念キャンセル料が発生します」等のボケをかますも「俺は日澪随祖の命令を受けて惨支様の護衛をしている。惨支様がここにおられる以上はここを離れる訳にはいかん……以上だ」タイプじゃないのでごめんなさいとはっきり断られしょげるオタクサちゃんに「年増はイヤだって!根暗はイヤだって!結局なんだかんだで男はアクティブな子がいいって!」とネガティブゾーンに入った隠りすぎるだよオタクサちゃんに「分かりました。あたしが取ってきますよ」という祷珀に「ホント!ゴメンね、何か押し付けたみたいでさ」とにこやかに微笑むブラックな社長のオタクサちゃんに毎度の事なのでと身支度をする祷珀そこに呼びリンがなる「ありゃ新聞の勧誘、宗教のお誘い、はたまた民生委員のおばちゃまかな」というオタクサちゃんに「こんな辺鄙な所にですか?それはとても殊勝な営業の鑑ですね」と会話をする二人だが呼びリンは単収縮のように一定の感覚で鳴り続ける早過ぎず遅すぎず、はいはいと祷珀が玄関先に向かおうとすると、其れを遮る太い棍「ここは俺が見てこよう、ここを離れる訳にはいかないが、惨支様のこともある。俺が出るのが最善だ」そう告げて玄関先へ向かう赤い鬼こと夏蓮亜さん。その大きさは動くと尚意識する程の巨体だ。質実剛健なその巨体の背中はどこか安心感を与えてくれる…………まいったなと肩を撫で下ろし疲れた様子の太市まっすぐ北を目指していた……いたはずだがさっきの″未″以外に″酉″と″卯″にも遭遇した方角と時間的に″酉″というのは分からなくはないが″卯″って相当変な方角へと迷子迷子したらしい今は何とか目的地である建物霧の中の病院風″死鬱家″に到着している。疲れ切った太市の後方にいるコロマルこと功丑も同じくらい疲れていた。太市よりも早く気付いてはいたものの直接そのことを太市には伝えられず何とかやり過ごすためにあれやこれや太市を誘導した。メインディシュの為とはいえさすがに直接あの死獣とやる気はおきない。だからこそかなり疲れたな。その場にぐったりするコロマルに「お前も疲れたか、体のデカいお前があいつらに見つかんないかハラハラだったんだぜ………ってわかんないか」頸基に触れながら話し掛けてくる太市に(こいつ………この場で食って………まぁいいや今は少し疲れたし、下手に動いてメインディシュに手が届かない何てのはごめんだしな、俺の頸を直すか………実際は治すこと自体意味は無いのでここに来る意味も無いんだが、俺だけではあの死人の娘が警戒して部屋を開けない、どうしても横にいる″太市″が必要だ)伸びそうになる爪を抑えながらも(早くしろ!)と云わんばかりの態度で太市の体を押す「くすぐったいって、それじゃ呼びリンを押せな………い?」門が開いたと思ったのだが?あれ?門があるのかと思ったけどそれは上を見上げる。どうしてお目々はそんなに大きいの?……其れはねこの大きな目でキミの姿を捕らえるためさ…どうして手に持っている棒は柱みたいに大きいの?……其れはね一気にすり潰すためだよ……どうしてお肌がそんなに真っ赤なの?……其れはね目の前のモノに興奮しているからさ……どうしてお口には牙が生えているの?………其れはね″お前を食べるためだ!!″……等という前に母が話してくれた話に似ていた(正確には怖がる太市を面白おかしくからかうための姉達が盛りまくった)こともあり妄想が全開で頭の中を駆け巡っている太市。その口元からは弱々しく「美味しくないです……美味しくないです……美味しくないです」と半泣きの顔と共に必死に訴えかけかの者を見上げ懇願している。その後ろから(赤い肌に身の丈程の棍棒にこのデカさ噂には聞いていたが、見るのは初めてだな″老疆の赤鬼″獣神の中では知れ渡っていた名前だ。神が死人を警戒なんてことは珍しい″似神非力″と呼ばれる神力に似ているとはいえ、所詮、死人の魂を磨り減らして使う。技でしか無い神が恐れるというのは拡大解釈だと思っていた。然し今目の前にいる″コレ″は違う!この風貌はその時とあまり変化は見られない………数体の獣神と渡り合う。その時居合わせた獣神は決して弱い獣神では無かった。その数体の獣神を持ってしても転生に至らしめ無かった相手……それが″老疆の赤鬼″こと夏蓮亜と呼ばれる傷だらけの大男だった)と横を歩く死浪の親玉が立ち止まり太市に頭を垂れ跪く「太市随新、御息災な様子、飼疆の頭として喜ばしい限りです。」えぇっとと初対面の大きなオッサンに驚く太市に赤鬼の後ろから「どうかしたんですか?まさかホントに変な勧誘って(ひょこっと顔を出す祷珀)あれ?太市じゃん?何であんたがここにいんの?」という姉の言葉に「ちょうどいいや、祷姉に用があったんだ!」と迫る弟に「な、何?ははーんまたあんた変なことしてないわよね!」と上から疑わしく見る祷姉に「父ちゃんみたいなこと言うなよ……」という太市に彼の後ろにいる大きな死獣を見て「はぁ~、まぁいいわ、とりあえず中へその死獣は外って、まぁいいや一緒に中へ暴れることは」一旦太市へと顔を向けるも「分かったわよ……怒んないでよ、まぁ暴れても″赤鬼さん″がいれば抑えられそうだし」と小さく話ながら建物の奥へそこには「なんだった?まさかの三カ月契約しちゃいまし…………!」ビューンとひとっ飛びコロマルにがしりと抱きつきペタペタと触りまくるオタクサちゃん「何この子?拾ったの?どうするアイフ……みたいな!何で頸は?着脱式の一品てかてか?コホン……冗談はさておき大きいねー犬?狼?いや違う!それにしても(頸から上を見ながら)ここまで劣化しているとは悪性腫は見てきたし″うちの子達″も外見のデカさならひけはとらないのにね………それで太市随新はコレをどうにかしたいとはるばるここまでお姉ちゃん訪ねてサンゼンリな訳ですな?」どうですかな?というオタクサちゃんに「そう……だからさ祷姉ちゃん(姉の方を向いて両手を合わせ頭を下げる)お願いだよ!何とかならないかな」という弟の態度に「っーか何であたしなの?太市あんたにはあたしの力見せたことないけど?」という祷珀に「えぇー違うの?じゃあ祈姉ちゃんの方なの?」という太市に「そうねぇ(コロマルの姿を見ながら)コレはアタシじゃなく祈琥の方が適任かも、所長にはどうにかできませんか?」とオタクサちゃんにコロマルの事を聞くも「さっきもいったけど″ウチの子達″以上の悪性腫なのよねその子(白衣のポケットに手を突っ込んだまま)魂の劣化状態もよくないしアタシじゃ無理ね」と返すオタクサちゃんを見て太市は「云兎にまかせきりなんだけど、大丈夫かなという」ボソッと投げかけた独り言すると「えっ、云兎!どこ?ここ?ごめんなさい!寂しくさせてごめんなさい!」と言いつつ起き上がる惨支に「おはよう、惨支おばちゃん」と太市が挨拶すると太市をがっしりと掴み「云兎がどうしたの?あの子に何かあったの?あの子すぐ泣くから!帰る!今すぐ帰って………!」そのままガクリと太市に倒れかかる。其れを片手で受け止める赤鬼さん「すみませんご疲労が溜まっておられるようです」とそのままベットに寝かせる。その様子を見ながら「うーん!(ポンと手を打ち)ここはひとつ(太市の前に頭を垂れ)太市随新にお頼みがございます」と一言おいて顔を上げニンマリと微笑む「俺に頼み?ですか?」祷姉ちゃんに目でどういうこと?と投げ掛けると「卍燈籠の事ですか?」とオタクサちゃんに尋ねる「まぁそのなんだけど、神器質の濃度って濃さにもよるけど一定に保つのって難しくてさ、冷蔵庫にキンキンにって訳にもいかなくて、そこで神力を封じるための卍燈籠を………あれ?そういえば何であの死浪は卍燈籠を……まさか」そのあとを立ち尽くしている赤鬼さんが話す「オオキミより次の社に就任するであろう鳥神″天裸形″の阻止のため、その倅の嫁である鳥神″照留″の捕獲の為にお借りした」えぇーーっと大きな声を出したのは祷姉ちゃんだけだった。「なるほどね鳥神″邪々天牛″あなた達は知らないでしょうけど、雄々しくもって雌何だけども、雄々しくって言葉が似合う程の太股に血の色のような鮮紅色の羽根そして大きく見通されているような瞳はそこが戦場だということを忘れさせてしまうほど美しかった。女の子なアタシが吸い込まれちゃいそうになるくらいね。でもその雄々しかった姿は長くはみられなかった。彼女を神病が襲ったの、一言で言うなら小っちゃくなっちゃう病ね、今の姿は知らないけど噂では鳥神の屋敷から出ることも出来ない程だとか………そこで″弱った彼女″は天裸形のアキレス腱だと知って捕獲は成功したの?」と赤鬼さんに聞くと「私の耳に入ったのは概要だけだ。惨支様の護衛が優先されている。腕の立つ者を集めて要るはずだ。現にここに卍燈籠を取りに来た者もオオキミ直属の手練だ。相手は天裸形とはいえ″倒さず時間を稼ぐ″ことなら問題なく出来る者だよ」と話す赤鬼さん。其れを聞き眼が泳ぐ太市に怪しく睨む祷姉ちゃんそんな皆を前に「今はそこの死獣くんの頸を治してあげることを前提に話をしようじゃないか、ここまでの話をまとめるとそこの死獣くんを治せるのはどうやら祈琥様だけですよね」と祷珀に確認すると「そうですね、間違いなくその死獣を治せるのは祈琥の力だと思う」と答える。「となると、その祈琥様は今はどこに?」と再び祷珀にたずねると「さぁ、多分″院瀬見″にいるんじゃないですか祈琥はあんまり外には出ませんから、所長といい勝負ですよ」と言われ「アタシは以外にアウトドア派よ外での研究が前は主だった………ってアタシのことはいいの、何イヤなことあったの?イジメ?家庭内暴力?部姫不名もドメスティックバイオレンス~♪」とあらやだ奥様と隣の赤鬼さんを巻き込みはじめたので「違いますよ。あの子は………」と口ごもる姉の祷珀。ここまで来たら隠し事はナッシング~コーーーと弟くんにゲロッちまったほうが楽だぜと迫るオタクサちゃん「えっ?祈姉ちゃんがお城にいる理由そんなのあったかな?ドレス姿で窓を眺めては″王子様~❤″って言ってるだけで特に!」本人無自覚のまま話した弟への制裁が今静に行われる。その場に倒れる太市くんに(アホだな……)という感じで見守るコロマル「つまーり夢見る夢子ちゃんな理由なのね」と話をしめるオタクサちゃんに額に手を当てながら「あーあ、身内の恥を………まぁそういうことですよ。日がな一日妄想にふける。年取ってもボケないでしょうね、あれは……とにかくそこの死獣を治すためには祈琥の力を借りるのが最も早い方法だと想いますよ。そしてそのプリンセス祈琥は今も″院瀬見キャッスル″の窓から日がな一日夢見る少女でいられる~♪ってね」なるほどとなると皆に視線を戻し「とりあえず死獣くんは連れて行くとしてここから直接″院瀬見″へは行けないことは無いけど……ふぅしょうが無いアタシが一緒に行きます。祷珀ちゃんは惨支さんとここにいて下さい」それならアタシがという祷姉ちゃんに「確かにお姉ちゃんが一緒なら心強いのですが、真っ直ぐ″院瀬見″に向かうためにはどうしても霊林炉を突っ切らないといけないけど、知っての通りアタシのカワユイ子供達が巡回中です。出会せばゲームオーバー必至です。なのでオタクサちゃん印の毎日食べたいこの毒林檎じゃない″レイリンゴ″チャラチャラチャチャ~アタックチャンス銀色が銀色に滑り込むが時既に遅し」とまわりをおいて暴走するオタクサちゃんに「所長がわざわざ離れずとも」という祷姉ちゃんにママを大切にしろよポーズをかましながら、よっこいしょとコロマルの背中に乗る「さぁ行こう!時の彼方へ」と白衣を靡かせて準備万端「ヤレヤレヤーレ」と気を付けてと二人と一匹を送り出す一同であった…………「すーごーい!」とグーガの上で騒いでいるのはリニャンだそんなグーガの下には大きな丑が伸びている。つい先程銀色の林である霊林炉に入ってみると待ってましたとばかり巡回中のオタクサちゃんの子供達の一匹″丑″の死獣と遭遇したがそこは神様の弟子であるグーガ軽くいなして一撃を加え戦闘不能に「此奴は……ホントに驚いたね……この霊林炉の主たる十二の死獣の一匹を一撃で………ですか」息を呑む枯枯坊主「でもどうしてあの″院瀬見″に中心の″囲折合″に向かうべきではないんですか?」イシドセくんが進言すると「確かに目的の″卍燈籠″の確認なら囲祈合に向かうべきだと思うが?」と枯枯坊主も付け加える。そんな彼らに「だがその″卍燈籠″を盗み出そうとした輩を探してここまで来たなら一度入った中心は警戒されているなら他の可能性から潰しておきたいんだよ(最も神力が感知できれば探すのが早いが………『奥の方ですよね、この神力は獣神ですね』と小声でいう社長『死人の国しかもこんな奥深くオイラの技術ですらこんな奥深くまで入り込めないってのにどうしてかね?』と続ける。囲折合の奥の建物か微かだが神力を感じた。ほんの少し前この神疆ウイグル慈鎮区に入った直後、瞬間的ではあるが神力が膨れ上がるのを感じた。ほんの一瞬だったが社長が言ったとおりこの感じは獣神の神力で間違いない。ならそちらに向かうべきなんだが下の丑と交戦しているときその獣神?が移動を始めたそのいこうとしている方角の先に″院瀬見″がある。確かにここに来た目的は捕らわれた照留の奪還が第一優先だ。然し神が相手ならまた話が変わる捕らわれている照留は今戦うことは皆無だ。神病により無防備な状態の彼女は真っ先に狙われる可能性も低くない。ここに侵入した獣神?の理由は不明である以上早めにその獣神?と接触しておくべきだ。少なからず相手にもこちらの神力は感じ取れているはずだ。なら牽制の意味も込められるが、どうやら相手はこちらの動きも感じてはいるものの逃げる?ってのはは無いらしい。そうとうの手練かもしくは、何か避けられない?状態なのかもしれない)そう言うわけで今はあのお城を目指しています」グーガの視線の先には銀色の林の中に一際大きなお城がそびえ立つ。其れを見ながらお城に向かい走り出すグーガ…………お城の周りには掘りがありお城へと続くのは一本の橋のみだ。勿論橋の麓には門番と思われる二人が立っている。両方とも死人ではなく死浪なのだろう「やっぱり門番はいますか……枯枯さんは知り合いじゃないんですか?」グーガが一番後ろに跨がる同じ死浪に尋ねると「私達、虹晶席はこの頃頭角を現した新参者の死浪です。由緒正しい死浪特にこの神疆を守る″飼疆″と呼ばれる死浪のトップ直々の傘下のものとは格が違いますよ………多分大丈夫です」っと言って少し離れた場所に潜んでいたグーガから降りて歩いて城門のほうへ、案の定門に近づく数メートル前で門番の飼疆に止められる「止まれ!ここは次期随祖の住まわれる所だ!慈鎮区に入れたのだからキサマも死浪なのだろうが、飼疆ではないな!もし飼疆なら随祖の住まわれるここには来るまい………名を名乗れ……それ以上許可無く近づくなら″敵と判断する″」瓦の鎧を纏って鬼瓦を面としてはめた胸板の厚い男が威嚇してくる。瓦で創った籠手は形状を変えて鋭い爪のように組重なっていく「どうだ!かっこいいだろ!」バシッとその後ろから鬼瓦を叩く手「そこはかっこいいじゃなく恐ろしいだろ!」と突っ込まれ「いやいや直美くんかっこいいというのは間違って!」と反論間もなく叩かれる「どっかのマネージャーみたいな名前じゃねーよ!あと鬼瓦がひび割れてなんかかっこいいより痛々しいよ」そんな相方の言葉など聞き入れず枯枯坊主の方を向いて「さぁ、始めようか一方的な壊しあいを!」そんなひび割れ砕け始める鬼瓦に「いや、もうお前が一方的に壊れかけてるよ、顔面崩壊しまくりだよ!」さすがだ少年と瓦を復元工事する鬼瓦を他所に「それで君は何しにきたのかな?確かにこの壊れかけのワレオの言うこともまんざら間違ってない、随祖が住まわれるってのは間違ってない最も″囲折合″程大事な場所ではないようだけどね」自分たちは暇なのだイヤこんな場所だからこそ守っていると話す大きなハサミを背中に背負う飼疆に大きな影が迫る「ここに″卍燈籠″というのはあるのかな?」大きな姿の死獣に腰を抜かすハサミの男「十二死………じゃない?しゃべった?」と後ずさりしている。そんなハサミの前に「この新生鬼瓦が」復元したての鬼瓦をバッサリと尻尾で簡単に切りさくグーガ「お顔キレテール」とゲラゲラ笑うリニャン。倒れ込む新生鬼瓦。尻尾をそのままハサミの方へ向け「卍燈籠というのを知っているか?」と聞くと頸を横に振るハサミ、やはり下っ端なのか、このハサミの飼疆は何も知らないかと思い「無駄足か……引き返して!」体を震わせ上に乗るリニャンとイシドセくんを振り落とすグーガその直後グーガに上から複数の傘が突き刺さる。上空からパラパラと傘を回転しながら舞い降りるドレス姿の女の子そのまま地面に降り立ち傘をたたむそのまま肩に傘をかけて「やかましかと王子様が逃ぐるだろが、ちぃーたーわかれよ!」鋭い目つきで怒る女の子クルクルと傘を回しながら「銀色に染まる海の中にポツンと聳える真っ白なお城、一面銀色の世界を眺められる窓、そこにはため息をつく可憐な少女が一人肘をつき世界を眺めている。変わることのない世界、彼女の溜息は一つまた一つと銀色の世界に溶け込んでいく。そこに颯爽と現れる王子様」一人世界の妄想は膨れあがりまわりは見えていない。そんな彼女に対して一人の女の子が物申す「グーガを離して!」それでも辞めない彼女に耳を引っ張り「グーガをは・な・せ・!」と叫ぶと「うっさか~そぎゃん、いわんちゃわかー、あんた達がうっさかけんちょっと黙らせただけたい」そう言ってグーガの元へ「うるさかったのなら謝る、こちらも急いでてね、なので………って?聞いてる?」小刻みに震える傘を持った少女。次の瞬間「見つけた!アタシの王子様!」とグーガに抱きつくおいっと言うグーガを気にせず「分かってる。あなたは魔女の呪いを受けてそんな姿にでも大丈夫!お姫様の目覚めのキッスで」とグーガの顔を抑え唇にそんな彼女の後ろから「ウチのグーガに何曝しとんじゃー」と頰を両方に引っ張るリニャン「痛っ、何よアタシの王子様なのよ!あんたの家にはなんかこう手違いで厄介になっただけ、礼を言います″ありがとう″という訳でグーガ王子のことはこれからアタシが」という傘の女の子とリニャンの取っ組み合いは続く………nowろーでぃんぐ……「ただの死人にしてはいい根性ね……まぁいきなりは良くないわよね……いきなりは……まずはそうね自己紹介からコホン私は″祈琥″この院瀬見に住むプリンセスよ」私が名乗ったのだから貴方達も名乗りなさいと言ってくる祈琥に取っ組み合ってたリニャンが「リニャンだよ。グーガはウチの子なの!」ときっちり主張してくる。火花散る二人を他所に枯枯坊主がハサミに対して「ここに卍……いや飼疆は来なかったんですか?」と聞くも「全く来てないな」「″新鬼瓦″」「ここに配置されている飼疆は俺らだけだよ」砕ける音がしながらも「飼疆ってのは知っての通りあくまで″死人神オオキミ″を守ることがメインというか全てだよ」「″ニューオニィーギャーワラー″」グーパンチが炸裂しながら「部姫不名は今″囲折合″にいるので其方に半数以上の飼疆が動向している」「″素・鬼瓦″」「素顔じゃないか!」というツッコミに満足気な鬼瓦やり遂げた感満載だ。そんな相方を無視しつつ「それに祷珀様も霊林の死女じゃない″オタクサ様の元へ行かれている。あそこには我等の頭が一緒におられる」「″この鬼瓦に次ぐ強さのね″」と付け加えると「懲りない所とかね!」と突っ込む。其れを聞きグーガが邪魔したと去ろうとするといつの間に祷珀が背に跨がっていた。




