七十ページ目
お馬さんゴッコならぬ”お犬さんゴッコ”を続けるグーガとリニャンあれから小さなお庭をデッカいグーガがエンドレスで回り続けている。ハイヨーだの進めーだの元気な掛け声も徐々に減り口数も少なくなっていく。疲れたのか、それともトオサマが帰らず寂しいのか「………したい………したい」??ボソボソと呟く声を発しているかと思うと「じ・ま・ん・したい、自慢したい自慢したい、こんなに大きいって!喋るって!グーガ凄いって!出たい出たい出たい」庭に背中をつきぐるぐるとジタバタする「”いいかリニャン、トオサマが戻るまで決して外に出るな!何があってもだ!”と言われてなかったか?」ぶーっと膨れながら「わかってるし!」というリニャン続けて「あーあ、こんなこと今まで無かったのにしかも家から出るなって、あんな厳し過ぎるトオサマ初めて」厳し過ぎると付ける時点、口うるさいのはいつものことらしいがそうか”こんなこと今まで無かった”か自身の上で寝そべりふて寝するリニャンを背負いながらその場にある石ころを尻尾で家の外へ弾くが石ころは外には出ず見えない壁に弾かれ中に戻る”こんなこと今まで無かった”ねぇ黒いボックス超テンションでもない社長を通して(山月様そちらの様子はどうだ?)と尋ねると(全く同じ獸神と言っても私はチューチューの雷鼠ですよ、さっきも咄嗟に分裂しろかといったと思ったら、しれっとあの死人に投げつけるし、バレないように貼り付くのも楽じゃないんですよ)死人なので気付かれることはないが彼等の死角をついて移動するのは楽じゃないと愚痴を漏らす山月に(こっちは助けに行ってやりたいがどうやらそこのトオサマが結界を張っていったみたいだ。破ることは容易いだろうが)その発言を受け少し大きな声を上げて死人たちがざわつく。彼等が気のせいかと落ち着いた所で(ちょっとそれってヤバイでしょ、覚悟した者の行動っしょ、ヘルプミーというか、大事な用を思い出したんで此処らで落ちていっすか?)という山月に(協力するよう頼んだら引き受けたよな!)と社長にも確認を取る。社長からも(私からも頼みます。このような事態になれば、諜報を主な活動としている貴方にとっては撤退すべき場面なことは、承知しています。ですが……どうか力を貸してもらえないでしょうか、彼女はどんな姿、形になろうと、私は……)その様子に(分かったよ……その代わり私の出来ることは諜報活動のみです。この場で何かあって私に神力で何とかなんてことは無理なので、合流を薦めます。)確かにとグーガが「少しだけ外に出てみるか?」と背中でふて寝するリニャンの頭を尻尾でコつくそのまま顔を半分埋めたままで上げ「でも、トオサマが……怒るかも」そんな彼女に「石ころを外に向かって投げてみな!」と石ころを渡す「こんなことして……」呆れながらも投げてみると何もない場所で石ころが跳ね返り戻ってくる「何これ?!」ビックリする彼女に「結界ですね、誰が教えたかは……まぁこの際いいとして問題は何故こんな結界を張る必要があったかです。君は”こんなこと今まで無かった”と言った。”家から出るな”このようなことを言われたことは無かったんですよね」うんと頷く「ならこれは非常事態ということなのでは君を守る必要が出来た……ここにいればキミは守られるかもしれないけど」その先は彼女も想像がついた。「トオサマ……トオサマいなくなっちゃう?ねぇクーガどうしようねぇクーガ」そんな震える彼女の頭を優しく尻尾で撫で「君は如何したい?」間髪入れず”トオサマの所へ”聞くまでも無いようだすぐ様、結界を尻尾で断絶し破壊する。勝手識ってるなんとやら凄ーいというリニャンに「探している師匠が似たような事が出来るのでね」と応え街へ飛び出す。走りながら(山月様の位置分かりますか)黒いボックスの社長に尋ねると(ここからだと直線で数キロ話から建物のどれか)くっ街の端かっ!てどっちの家が中心よりにあったこと、家に結界を張ったということは、巻き込まれる可能性を考慮した?何の可能性だ?死人神への反乱ってのはさっきの会話内容から考えにくいはずだ。考えがまとまらず走っていると「ちょっと止まって!」急にリニャンがその場でブレーキをかける。ふと見ると空き地で死人の子供が数人集まっている「イシドセ!」子供達の中心核に要る短髪の子供が此方を振り返る「何だリニャンって!何だよそれ!死獸!」廻りの皆はそれぞれ死獸を連れている小さな者から大きめの者まで、その中で一際異彩を放つのがイシドセと呼ばれる少年が連れている死獸だった白く美しい毛並み体に刻まれた多数のキズとのギャップが美しさを引き立たせる「はっ(見ないようにしながら細い眼でグーガを眺めながら)まぁ、リニャンにしては(すげぇデカいよな、ユミメアの3倍近くはあるぜ、などのこそこそした声がまわりから聞こえる)体格だけ良くてもな、死獸に大事なのは如何に美しくあるか(毛並みもいいよね、牙もカッケー)でも一番大切なのはやっぱり理解度だよなユミメア!(空高く投げたボールを木の枝をつたって登り、ナイスキャッチしてイシドセ君の元へ)まぁ、うちのユミメアには勝てないのはしょうがな」髪を撫で上げながら続ける彼に「そんなことより!」イシドセ君の額に血管が浮き出て「そんなこと?ちょっとデカイだけの死獸を持ってるからってあんまり調子に乗るなよな!そんな程度の」そんな彼の言葉を遮り「トオサマは何処?じゃなかった!シヲヂおじさん家に居る」いきなりの質問だったがギクリとなるイシドセ君「い、いや用があるって少し前に出ていって……その」歯切れが悪い「如何したのイシドセ?」というリニャンの下から「結界を破って遊んでるのか?」ドクンと心臓の音が聞こえるかと思ったような態度で「ち違うその”家から何があっても出るな”って何時になく意味深でさ親父あんま結界うまくなくてすげー穴だらけ何だよ、で難なく突破出来て、少ししたら帰ってって!!しゃ……喋った!」その場にいる皆が腰を抜かす一方でエッヘヘへと自慢気に鼻息荒いリニャンそんな彼女を急かすように尻尾でつつきイシドセ君の前で大きな牙のある口を開ける「たっ、食べないで!死んだ!」噛まれた瞬間「あれ、生きてる?」そんなイシドセ君を甘噛みしながらも「いや、もう死んでるだろ?」と発言しながら首を振りリニャンの後ろに投げ背中に乗せる「それで、その”シヲヂおじさん”ってのはどこにいる?」えっーとというイシドセ君に「トオサマ達がこんなことするの初めてだよね!それっておかしいでしょ!普通じゃない!何かイヤなことおきるかもしれない」そんな彼女の様子に他人ごとじゃないことを悟ったイシドセ君がクーガを掴みながら「親父帰ってこないつもりかな?この所何だか、近寄り難くてさ、ピリピリしてるってか、神経質にちょっとしたことで馬鹿みたいに怒るくせ、ボーッとしてるときは話し聞かない、上の空多くて……(心配そうなユミメアを捕まえてる尻尾ごと近づけると舌を出してイシドセ君の頬に辿る涙を静かに一回ずつ舐める)ユミメア……ありがとう」ねぇ、イシドセ!と言おうする彼女より先に一呼吸ついて「私たちは“彼らを止めたい“何を思ってキミやリニャンを結界に置いてきたのかは分からない、だけど自身が何か大きな存在に関わるしかもこの街の中で、そして“キミ達を守りたい“という結果何だと思う。だから探すことは彼らの意思を踏みにじることだと思うんだ」親父の意思?その事を考える彼に前に座るリニャンが背中越しに「死獸なんていらない……ワガママも言わない……自慢もしなくていい……一人にしないで……キラキラ見るのはやだよ」と静かに震えていた。それと同時に後ろから彼のほっぺに擦り寄るユミメアの感触にボソッと「俺も……イヤだ」と発した後すっと指を差す「この死都は外を四方の高い壁に囲まれて中心の空間は歪んでおり中には死人神“オオキミ“がすんでいます」神世界には物世界との行き来を行う事や特段強い神同士の戦いなどで発生する“歪“が存在する。先代の獸神を閉じ込めている空間等もその一つあれは時閒により創られたものだが、自然に出来るモノも少なくない「“オオキミのいる場所“には普通の死人は元より死浪の一部しか出入りは出来ません」前から「あたし達何度も入ったのに中を通り越して反対側に出るの?」後ろからリニャンの頭を抑え「多分、結界の類だと思う。中には通っても反対側に出ない者もいたので」イシドセ君が勢いよく話すもあっーもと彼の手を離して元の位置に戻るリニャンそして「今はそんなことよりも」と言うと「親父の部屋にも、その中心部分の事が書かれた資料があったんだ。とても詳しく、今話した結界らしきことってのは俺が大分前に読んで得た知識何だよ。もしかしたら」俯くイシドセ君に「オオキミの所へ、少なからず(横目に中心の部分を覆う球状が見える)“あの中に行こうとしている“ってことか」背中にいるイシドセ君は黙っている、どういう理由かは分からない……社長の嫁が攫われたことと何か関係があるのか……まぁいいこちらとしてもあの中に社長の嫁の鳥神がいるのは間違いなさそうだ。脚を止め三差路を前に「その親父さん達は(中央に浮き立つ球体の方を向き)まだ“あの中“には行ってないといえるのか?」そう言うグーガに「先程も述べた通り親父が中に行く方法を考えていたことは資料を見て解りました……でも“親父たちが中に行こうとしている“というのは考えにくいと思います」ほぉと笑いながら何故かと聞き返すと「親父たちは死人です。ただの死人です。確かに武器は自然にある神器質を加工して作っていますが、それだけです。それが精一杯、死浪と呼ばれる一部の死人は、自然の神器質を武器又は自身の思い入れのあるものに加工して、それを“鍵“として(胸に手を当て)魂の扉を開けて、魂そのものを削り力に変えて戦います。中に入って親父たちが何をしたいのかは分かりませんでも、中にいるのは“死人神オオキミ“です。それにオオキミは元よりオオキミに仕える死浪も数え切れないほどいます。先など見えています。腕がからきしな、うちの親父ならいざ知らずリニャンの親父さんがそんな無謀なことするわけがないんです」自身の親をディスりながらトオサマのことは尊敬しているイシドセ君にうーんと首を傾げるリニャン彼女の中のイメージとは多少ズレがあるようだ「つまり親父さんたちは、まだこの街の中ってことか?」とイシドセ君に尋ねると「はい、あの資料から“あの中に行く方法“を考えていた事は確かです。多分だけど死浪かもしくはそれに匹敵する力を有した者、神……は無いかもしれないですが中で何をするのかによりますね、オオキミへの直談判の書状?はどうだろう、それなら数月に一回その機会ならあるし」うーんと悩むイシドセ君を見て、狗牙にはふと“探している鳥神“の事が頭によぎる、その考えが見透かされたように黒いボックスから小声で耳元に「狗牙様、もしかすると“この件に照留が関わっている“のではないですか?」その声に「確信はないが、恐らく」と小声で返す。うーんと唸るイシドセ君たちにも聞こえるよう普通の声で「なるほど、親父さんたちは“何か“をあの中からとってくる様に誰かに頼み、その誰かが“何か“を持って帰ってくるのをどこかで待ってるということかな?」そう尋ねると迷い無く、頷くイシドセ君其れを確認して「それで“その待ってる場所“ってのに心当たりはあるの?」動くための指示を待ってる狗牙に「昔、一度だけ黙って親父の後をつけた事があって、ここも通ったのでこの三差路の左に真っ直ぐいくと街外れに大きな森がありその中に古びた小屋があります。おそらくはそこだと思います」彼の進言を聞いて進路を三差路の左の路に向け脚を速める、その時球体の方からまばゆい光と共に悲鳴や叫び声がこだまする。何だと驚く狗牙に「あの光は、球体とこの街を結んだ時のつまり“何か“が移動する際に見られるものです」うんうんと頷くリニャン「いつもあんな悲鳴や叫びは……聞こえないか、ということは“何か“が親父さんたちの待ってた者の可能性が高いということか」狗牙が移動しながら聞くと舌を噛まないように必死にしがみつくイシドセ君が頷く「中心部分か、古びた小屋か、どちらに向かう?」判断が必要だと立ち止まる狗牙にリニャンの後ろから「……今中心に向かったとして“何か“と一緒に親父達がいるとは思えない(迷わず狗牙にハッキリと)このまま古びた小屋を目指した方がいいと思います。多分リニャンのおじさんも一緒だと思うから」トオサマっと胸を抑えるリニャンを見つめながら進言するイシドセ君、そんな彼等の判断を尊重しながら狗牙は中心の方からは二つの力がぶつかるのを感じている「分かった、ならこのまま古びた小屋の方を目指そう」と止まっていた脚を加速させ中心部より離れていく。二つの力その両方とも神力ではない、探している鳥神かもと頭をよぎるも黒いボックスからの反応はない。このタイミングでの球体からの移動はリニャン達の親父達が関係していると考えた方が自然か、ならどの道、街外れの古びた小屋にいる親父達の元へ向かう方が最短なわけか。駆ける足音が早くなり四重支持期が少なくなる………悲鳴、叫びがこだましあう、それは街の建物が崩れる音や死人が逃げ惑う音等と絡み合いパニックの様相、地面に片膝を折るのは追われる者である死浪の騎士、目の前には首のない死獣であるコロマルが騎士を囲み、襲いかかるべく距離を詰めてくる。だが刀を抜くことをしない騎士鞘に収まった刀を杖代わりに立ち上がる「私の前で……あそこまでの……成長を見せられた太市様と助け船を出して私の至らぬ部分を補ってもらい、一筋の光明を見いだしてもらった云兎様の手前(目の前の激おこコロマルを前にしながら刀を強く握って)キミのカラダにキズをつけるわけにはいかなくてね、とはいえ逃げ回るのも、そろそろ限界か」コロマルは首から上がないせいか、息切れ、疲れを感じることはないタフなあんちくしょうなのか、その爪は鋭さを感じたままだ。すっと街の中に、逃げ込む、細い路地に伸ばす腕、爪は騎士の背中を掠めるも止まってしまう。ふぅ~全く休む暇も無いなコロマル君の飼い主のお嬢ちゃんは目覚めたか、というよりお二人は無事に地鎮区まで戻られただろうか?祷右様と后左様にはお会いになられただろうか?ムツサ様に会われた際は云兎様はちゃんと補佐して下さるだろうか?壁を背に集中してコロマル君に悟られないように努める体に密着させる鞘に入った刀身唾に手をかけそうになる。壁が貫かれるもコロマル君の爪には騎士の感触は無い騎士の潜伏する壁の手前の壁がコロマル君の一撃で脆くも崩れ去る”何とかする”そう約束したものの如何したらいいか分からず逃げの一手を貫いていた……「こっ……ここです」猛スピードのGを受けながらも目的の小屋を指し示すイシドセ君。一方「トオーサマ!」と小屋の扉を開けるとそこには翠色の羽織が背丈スレスレで地面につき擦れて汚れている。そんな羽織を背中に纏ってリニャンの声に反応して此方を振り返る。顔立ちは幼くリニャン達と同じ位の年に見える羽織の下に見える衣類と丸坊主な頭から寺の小坊主といった印象だ。その羽織の隙間から「くっ……リ、リニャンか!」そこには、かろうじて意識を留めて倒れている男がいる。部屋の中を見渡すと壁によたれかかる男此方は意識を失っている「カマチのおじさん、それにワエのおじさん大丈夫なの?」奥で気を失うワエという死人に近づこうとするも「早く!ここから逃げろ!頼む!あの子達は今回の件には”なにも関係してない”」体は動かないのだろう。首だけ上を見上げながら懇願するカマチのおじさんには目もくれず、翠色の羽織を返して此方を向き「どうやら知り合いみたいだし、こっちから聞いた方が早いか、ねぇキミ、キミがここに来たってこととさっきのこのおじさんの言葉から”ここにいたであろう”人物を探しにここに来たんだよね?」振り返り静かに開くその目の奥にある光はどんよりと鈍く輝き、目を逸らしてしまう。同じ位の年、背丈……だけどその眼光は自分の生きてきた?人生とは明らかに違う!其れだけは頭の奥で理解している。頭を掻きながら「二人いるから、片方はいいかな」イシドセ君を確認して再びリニャンの方を向くと懐から白と黒が交互に連なる数珠を取り出す「天なり、地なり、古今の言を紡ぐ時、我が倶舎となり間引き”お弾く”」そのまますっと数珠を片腕に巻き込み突き出すと手を広げ数珠の一部を「”快諾”」と口から発せられると数珠は弾けリニャンちゃんの廻りに散らばり止まる「キミの名前は?」急に聞かれて「リニャンだけど」と咄嗟に答える。其れを聞きながら「リニャンか、ではリニャン、キミにこれから幾つか質問します。その事に関してキミは”嘘をつく”と」リニャンの真横を目に追えないスピードで数珠のカケラが通過する「これが直撃します。私達は死人なのでこれで転生出来るのか?といわれたら分からない少なからず僕の知っている範囲なら、この状況下ではあり得なかったと言いきれます」ゴクリと唾を飲み込むリニャンちゃんに「大丈夫、応えたくなければ”拒否する”と応えればいいのでただし”黙ること”つまりこちらの質問に対しては必ず”返答”はもらいます”無回答”というのは、このやりとりでの”嘘”と判断しますのでご注意をしてください。何か質問は無ければ始めますが」如何しますと彼女に投げかける割って入ろうとするも『やめた方がいいです』とこの場の何処かにはいるであろう黒いボックスの片割れが社長を通して語りかけてくる『まったく、遅いですよ。あの後あの場にいた二人の死人はさっき大きな建物が崩れるような大きな音の後に出て行くし』……さっきここに来る途中の移動に関することか、ここまで把握できたか、距離的には確認は難しいが、その移動が彼らの依頼と関係したなら様子を見に『山月ここに居た死人は4人だったよな?』小声でささやくと、えぇと応える山月に、その二人はさっきのリニャンの反応からトオサマとイシドセ君の親父さんのシヲヂおじさんの二人だと分かった。残りの二人もリニャン達の様子を見ていると知り合いなのはわかるが視線を翠色の羽織の小坊主に移す『それで、あれは?』という狗牙に『出て行ったすぐあと、扉が再び開いて、あの子が現れたんでさ、入れ替わりみたいに直ぐさま、なんで二人が帰ってきたのかと、それで今、目の前で起きている”喚問”みたいな事を、残った二人の死人にしたって訳でさ』なるほどと聞きながら『なぁどうしてこの部屋に居た二人とも状態が違うんだ”一人は意識を失っているがもう一人は入ってきたリニャンの声が届く程には意識を保っている。何か小坊主が行ったその”喚問”とやらの過程もしくは結果が違ったのか?』黒いボックスに耳を傾けると『端的に言えば”嘘を言った……いえ違いますね、嘘だということが見抜かれたから”ですかね。私はここに居て一部始終を見ていましたが、明らかに嘘を言っていた事、ここで言う嘘は隠している事があった事ですが、それはここに彼が来る前に起きたことや彼が推測の域を出ないこと等で”嘘だと彼が判断出来ないこと”ではあの数珠の似神非力は喚問者を襲わないということみたいです。気を失っている死人は彼に”ここに居たのは貴方達二人だけか?”と喚問されると倒れている死人は”二人だけだ”と答えてしまった。だがここから出て行く二人を彼は目撃していた、しかもその年、格好までズバリと言われてしまった。この事は”彼に対しての明らかな嘘”なので彼は”偽証”による罰を受けてしまうことになったという訳です。まぁ順番的に倒れている方が先だったので意識があった彼は言葉を選べたんで意識は辛うじて保てていたということでしょうか』その”喚問”とやらにリニャンが応じていや強制的に質疑されるということ『外からの干渉することは出来るか?』と尻尾を揺らしながら聞くと『まぁ所詮”似神非力”なので出来ないことはないと思います。彼らの場合はただの死人のようでしたから、質問中に片方が手を出す?ことは皆無でした……ただリニャンちゃんですか、あの死人の子の安全までは私の口からは何とも言えませんけど』戦闘に不向きな自身のことも挟みながら話す山月に分かったと戻るように指示すると小声でラジャーと耳に届く。




