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神約聖書  作者: 裸形炉
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六十八ページ目

「スルメ~カジメ~焼いか~胃酸過多~♪」ルンルン気分で狗牙の背に乗り死都の平民街を闊歩している。首輪をかけられ其れをトオサマが持っている……「ほらほら、トオサマあたしの言うこと聞くんだよ♪」娘の成長っぷりに驚く反面「駄目だ!」とこれからリニャンが言いそうなことは理解できる「飼えません!確かに魂の方は大きそうだけども、うちの小さな庭というかあの犬小屋には入らないだろ?」狗牙のお手をブンブンと振り回しながらも「だってほら、番犬になるよ……それに自慢も出来るし……大きいから荷物も運んでもらえるし……自慢も出来るし」よっぽど悔しかったんだろうと言うのがリニャンの言葉から漏れ出す、確かに自慢は本生、家族を守ってくれるのは大事かとトオサマが考えごとをしている間に「あたしリニャンあなたは?」という少女につい自分の立場を忘れて「狗牙だ……あっ!」しまったと思ったこれで二回目どうもこの娘をみてるといつもの調子になってしまう「すごい!すごい!よトオサマ!」と娘の反応とは対照的に自身の得物を取り出し狗牙に襲いかかるトオサマ「何者だ!(尻尾で弾かれ地面に落ちるも槍で踏ん張り)死獸ではないな(槍を回転させながら体制をすぐさま立て直す)大きさからいっても犬の死獸にしては大きすぎるとは思った、あの戦闘力それに加え(そのまま腰を屈めて体幹に槍を近づける)まさか喋るとは」使い古された木の棒その先端に括り付けてある石おおよそ現在の死人とは思えない武器、死人は時代を追う度に洗煉されていく、技術もその一つだ。神々では思いつかない(元々神にはそんなものは必要ない)剣、槍、盾、弓、車両、毒、銃、電気等様々なモノを組み合わせいろんなモノを作り上げた人としての歴史が死人としてからも活かされている。今、狗牙の前に立ちはだかるトオサマもその一人だ。トオサマは体幹をそのままにスライドさせるように槍を真っ直ぐ突き出してくる。槍の軌道を見ながら「悪い、少し空の散歩でも楽しんでくれ」と尻尾についた黒いボックスを上空へほおりなげる。そのまま尻尾を器用に槍に蛇のように螺旋を描くように這わせていくトオサマが気付いた時には頸基に「此方にはあんたらをどうにかする気はないだから槍を納めてくれないかな?」と自身の頸基にも槍を受ける狗牙お互いあとヒトツキで届くという距離で止めている。そのまま喉元をならしながら狗牙を見据え眉をひそめ「ならば、貴様は何者だ!ここまでやるんだ死獸です等という応えは論外だ!」ポツリと「それ以上の存在」ハッとしたようにトオサマの槍を持つ手に力が入る「目的は何だ、オオキミが支配するこの地に、神の不可侵すらも破るのか?!」死人神は神としての認識か、見た所外部で見る死浪とは少し違うようだがそういう教育を受けているのか「いや、済まない君たちの神であるオオキミと戦いに来たのではないよ、ある神を探しに来たんだその神は神世界を放浪していてね小さな(手の2本の爪を使ってサイズを現す)このくらいの大きさの神でね、その神の元で私も修行していてね(空の散歩をしていた黒いボックスを手元に戻して)こうやって(黒いボックスをこつくと小声で「ハイハイ」とポラロイドカメラのように当たり障りのない神世界の風景を写した写真を出す)神世界を回りながらその神を探しているのです。今回此方の方に滞在したとの情報を得て来たのですが、どうやらガセだったようで」凄ーいと見慣れない写真を見るリニャンちゃん「だったらウチにおいでよ!その神様もゴショサンなら知ってる!イタっ」頭をこつかれるリニャンちゃん「リニャン!何度もいっておるだろうオオキミをそのように軽んじた呼び方をしてはならないと」だって平民街の皆はそう呼んでんだもんというトオサマ「オオキミの加護のおかげで我等は暮らして行けているのだそこの所をだな!」というトオサマをほってヒョイと狗牙の背に乗り「ゴショサじゃなくてオオキミに聞けば一発でその神の居場所も分かるはずだよ、何たってオオキミなんだもの」絶対の信頼なのかそんなものを感じる。娘が信頼しているせいか「お主のことは信じよう。どこぞの神なら非礼は詫びるが」持っていた槍の先を狗牙の頸に近づける「グーガーは暴れたりしないよ!」というリニャンに「念のためだ、悪く思わないでくれ」と槍の先が形を変え狗牙の頸を覆い大きな首輪となる「抵抗はしないんだな」というトオサマに「首輪をすることが貴方方への”誠意”と受け取っていただければ幸いですよ」と応えると「それじゃーレッツゴー」とリニャンちゃんの掛け声と共に街へと向かう……その頃、死都”神疆ウイグル慈鎮区(死人神の一族が住まう地)の中央にある儚庭園に片膝をつき頭を垂れる天裸形と話をしていた死浪がいた「それでそれが例のモノか?」庭園の中で一段上になる石段に絨毯を敷き座り心地の良い椅子に座る年老いた男性の死人「何をしているオオキミの言葉だ応えよ」と言うのは白装束に桜色の羽織真っ赤な鮮血色の綱紐を肩から下げている白髪にその冷たき視線は死人神という言葉がよく似合う年老いた女性の死人、威圧されながらも「はい、オオキミ、この卍燈籠の中に居られるのが前厳師である鳥神”天裸形”の御子息の嫁でその昔”邪々天午”と呼ばれていた照留様です」オオキミが椅子を立ち上がり周りにいる清掃奉仕団と呼ばれる女性の死人達が寄り添う「しかし私が若かりし頃に見ていた姿とはいささか違うような”邪々天午”ハッキリと憶えているその姿は荒々しくここの大間の死樹のような太さの足を持ち睨まれるとそれだけで身の凍る視線しかし其れとは裏腹にその気高き美しさに視線を外せなかった……」一段石段を清掃奉仕団と共に下る「そのような狭き場所に閉じ込めず出してあげてはくれませんか?」というオオキミの言葉に「なりません!オオキミは死都を壊滅させるおつもりか、おい貴様情報ではその鳥神も今は神病に臥せっているとか(見下すように)故にオオキミがお心を痛める必要は無いのです。しかし(自身の扇子でペチンと卍燈籠を叩きながら)妾も遠き彼方にこの鳥神を見たが(扇子で鼻を抑え)生粋の田舎娘のように臭く堪らなかった記憶しか無いが、畜生は所詮は畜生か開けられて畜生の匂い等勘弁して欲しいわ(最後にペチンと扇子で叩き見下ろす)下げよ!何時までそのようなモノをオオキミの前に置いておく!」ハッと卍燈籠を下げる死浪の面々、まぁまぁというオオキミに対してお前様がそんな風だから妾がという彼女に機嫌を直してと優しく声をかける。和やかな空気感が辺りを包む、顔を赤くしながらも「それで、その鳥神は次の社には就かぬのだろうな」その問いに頭を垂れたままで「……分かりません(白髪おばあちゃんの眉が上がるも)ただ(卍燈籠を眺めて)かの者を愛しんでいたことは天裸形の御子息が神約に反した際も彼女を守りそのまま息子の嫁として扱っていた模様でした。御子息の方は現世に縛られているらしく此方としては手も出せず、かといって御子息の娘、天裸形の孫にあたる卯人と呼ばれる鳥神は現世に居られるようです」頭を垂れたまま応える死人にオオキミは階段を清掃奉仕団の補佐を受けながら上り椅子に深く腰掛ける「あくまで扱いには注意してください。獸神は勿論のこと、他の神々とも事を構える気は無いのですから、皆さんご苦労さま、疲れを取って休息を」その場にいる全員が頭を垂れる。その人となりはさすが”死人神 オオキミ”と呼ばれるだけはある。頭を垂れ目を伏せ思い出すのはオオキミとこの地に至るまでの記憶、遠き昔オオキミと出会うまで物世界では盗み殺しは日常だった”生きていくため”その一言のためとはいえ死んでこの神世界にくるその時まで血のニオイがしない日は無かった……死ねば終わりだと思ってた”何もない無がそこにはある”でも違った待っていたのは盗むことも殺すことも適わず、ただ、ただ”神という圧倒的で一方的な力を持ったバケモノ”が周りにいる地獄だった。腹は減らない、喉も渇かない、疲れはするが眠くはならない……死んでいる事を実感するのはそんなところ、むしろ恐怖は強くなり生きていた頃は食べていたからこそ、眠っていたからこそ心の平穏は保たれて居たのかもしれない。支えを失った心はフラフラと不安定さだけが増していく。唯一の救いは回りの死人が見せる光の粒子となり消え去る”転生”この神世界を離れられること早く、早くと自身の番を待つものの、どうやったら転生出来るのか分からない。途方にくれ出した答えが”神へ立ち向かうこと”一度神同士の戦いに巻き込まれ逃げ遅れた者が転生する事があった。これしかないその場にいる全員がそう悟りわざわざ神々の戦いがある場所へ趣いただが、それは大きな間違いだった神の持つ神力が全て死人を転生出来る訳ではなく、終わることのない痛みだけを刻まれいつ来るかも分からない転生を待つ事にもなった。何だよこの世界、生きてるあのクソみたいな世界がよっぽどマシだったじゃないか、誰ともなく呟かれる言葉、地面を叩く者、その場でひたすら泣き続ける者、横になりふて腐れ寝る者”何をやっても結果は同じ”全員が感じた目の前では獸神のいざこざが続く、神とはいえその行動は犬や猫等が物世界で見ていた喧嘩だ。あの時はにゃーにゃー、ワンワンと唸り声と共に手当たり次第に物が壊れるそんな情景が脳裏の片隅にあった。ふと足元にある石ころを拾い獸神達へと投げつける。逆鱗に触れ此方に意識が向くそんな淡い期待は、跳ね返ってきた石ころが自分の真横に転がる音で心が沈む。目の前の獸神いや、この世界の神にとっては死人が、あの時の犬猫と同じ”取るに足らないどうでもいい存在”自らにとって邪魔になるなら排除するがその脅威すら感じ無ければ放っておく。頭のどこかがスッキリする。そうなんだと納得する自身への風あたりがひどくなるのを肌で感じる目の前に自分の数十倍の獸神が迫ってくる「もう、いいや……疲れた」大きく息を吐き出す、頸基を引っ張られる感覚、見ると先程の位置から数メートル真横に倒れている右耳からはゼーハーゼーハーと息切れが酷い年寄りの男の死人がいる。ありがとうという言葉より「何でこんなことする?此方に来たばかりか?ならこんな無意味なことはするな!」起き上がりながら「どうせ同じ何だ”ここは俺たちの世界じゃない”」助けてもらったからか、ありがとう等言う気分は起きず、自分ではその代わりの警告がてらだと話していると「良かった、まだ腐れきってなくて」しゃがみ込み下瞼を引っ張って「結膜に異常はなしと」体の節々を動かす「動くことに問題なし、それだけ喋って違和感ないし、痛そうな動作も無いなら」立ち上がり笑顔で「うん、元気で何より」其れを聞いて「聞いてなかったのか!余計なお世話何だよ!こんなことしても!」脳天気な爺さんに腹が立った。すると両手が包み込まれ「いい手じゃの、使い込まれている苦労してきたことがすぐに分かる。足掻いて、足掻いて其れでもどうにもならなくて(その姿勢のまま後ろの獸神達に対してか)転生のその時を待ち続けた……でも飽きた!あぁー何て言えばええのかの」手を握ったまま目をつぶり考える。その後方にバンと音と共に獸神の後ろ足が迫る。うんうんと考え込む爺さんには口に出そうとするも間に合わないのがすぐに判断出来るスローモーションのような感覚に爺さんの話にいつの間にか聞き入っていた自分がいた事”諦めたくない自分がいた事”を認めざる得なかった。エレベーション真上に引きずりあげられる感覚、真横を見るとうんうん唸る爺さんの間に真っ白な髪に目の細く鋭い凛とした表情の婆さんが自分と爺さんの首根っこを持っていた「ちっ畜生神が(頸基の瘢痕に触れながら)あの太ももじゃないか……」と両手を離すそのまま地面に落ちる。「おっ”ムツサ”あれ何で君がここにいるのです?」見下ろす彼女にあっけらかんとした笑顔で尋ねる爺さんに「はぁ(ジト目で)毎度毎度(片耳を引っ張りながら)どうして後先考えずに突っ込むのかしら(ほっぺを挟み込み)情報が入ったら風の如く現場に急行って(更に手に力が入る)全く持って」呆れ果てる彼女に「ぎょめんなしゃい」と反省の弁を述べるご老体「其れで(此方に視線を送り)こいつ誰?」……その後ろ姿はあの時と何も変わっていないと頭を垂れながらも死人の騎士が感じていると「あれー?鳥の神は?せっかく青衛から玉響まで来たのに、ちぇーつまんないの~」両手を後ろで組み不機嫌そうにする黒装束を身に纏った小学1年生くらいの死人の男の子。その後ろには少年と同じ服装をした男の死人の兄弟がいる「太市不名オオキミの御前だよ、まず云うことがあるのではありませんか?」そう告げながら片膝をつき頭を垂れる兄弟の死人。その様子にだってとオオキミに助けを求めようと視線を送るもにこやかに笑うオオキミの後方の視線に身震いを感じ自然と片膝をつく太市不名、続けて「オオキミにおかれましてはご息災のことえっーと元気そうでよかった」白髪のおばあちゃんが兄弟の方へ「全くお前達は……オオキミに万が一何かあった場合、日澪不名あなたが次のオオキミなのですよ!(オオキミは微笑ましくその様子を眺める)それに部姫不名あなたの教育が成っていないことがそもそもの……」とガミガミとおばあちゃんの説教は続く、こっそりと後ろに向かい「今日は一段と長いね」という太市不名に向かい「太市!あなたはいずれオオキミとなりこの死都を死人達の長としてですね」と目を伏して話を進めていると、頭を垂れる死人の騎士に「ねぇ、鳥の神は今どこにいるの?」先程まで兄弟の死人の前にいた太市が死人の騎士の真横にいた。「太市不名様、元の位置に早くお戻りを」という騎士に「大丈夫、ばあちゃん、ああなると説教モードは一時続くし、その間喋りっぱなしだし、モーマンタイ、無問題」確かに白髪おばあちゃんが一方的に喋りっぱなしになっている「もしかしてダメだったの?」という残念そうな太市に「いえ、卍燈籠という道具の中に入っていただいています」今どこにと迫る太市に「お気に召されなかった事もあり、別の部屋に」目を輝かせる太市に「分かりました。とりあえず一目見るだけですよ!一目見たら、すぐ戻ってくること!いいですね!」強く念を押すと黙って首を何回も縦に振る。遠くの日澪と部姫の兄弟に視線を送るも頭を垂れたまま此方によろしくの合図を出している。その様子は慣れていることを示していた。やれやれと太市と共に儚庭園を後にする。部屋に向かおうとすると「いーけないだ、ばあちゃんのお話聞かなきゃ」という太市より少し大きな女の子の死人が大きな袴突きのやっこさんを抱えてこっちを睨んでくる「何だよ、云兎じゃないかよ。ビックリした禱姉、后姉かと思った。帰って禱姉たちとやっこさんごっこしてろよ」と騎士の死人の背中を押してその場を去ろうとするも、黒装束を引っ張って「白猫だもん(んっ?と振り向くと)やっこさんじゃないもん、この子には白猫って名前が(涙を決壊寸前まで留めながら話すその姿に)あるもん!」すぐさまヤバいと察した太市は「分かった!なぁ分かったから」慌てる彼を尻目に爆発寸前の云兎に対して「そ、そうだ今から俺達”いいもの”見に行くんだぜ!」その言葉に「いいもの?」決壊が収まる「そそっだからさ一緒に連れてってやるよ、何と”鳥の神”を見れるんだぜ」其れを聞き「鳥さん見たい!」という云兎に冷や汗をかきながら「んじゃ行こう」と三人は卍燈籠の部屋に向かう、道中の太市の表情からあのまま泣かれてしまうと大変なことになったことは明白だった。同じような部屋が続くなか、部屋の前に死人の騎士より若い死人が部屋を守るように立っている。其れを見つけた太市は駆け出し部屋の前に、そのあとを追うように云兎も白猫をぎゅっと握りしめたまま、おぼつかない足でそのあとを追い掛けていく「うん、何だ子供がどうしてこんな所に?」自分達の前にふんぞり返り両手を組み、偉そうにしている子供「黒い装束?珍しい物を着ているな」と二人とも彼が死人神の一員だとは気付かない。この神世界にいる死人はおろかこの死都に住む者の殆どは死人神というのは神の一種だと今も思っている(最もそう言う風に教育してきたんだけど)そのやり取りを見ながら太市たちに追い付く死人の騎士「どうしたんですか?今は報告中のはずでは?」片方の死浪が急に現れた上司に戸惑いをおぼえる「このガキたちは何なんですか?まさか隠し子とか?」不真面目な方の死浪が軽くジャブをかますも「この方達は……」説明しようとするも、秘密裏に見て帰らせるそんなことが頭をよぎり「あぁ……知り合いの子ども達何だ。其れで中の様子は?」冗談もロクに言わないあなたがっとそんな心の声が漏れ出るような眼で見る真面目な死浪だが一度眼を閉じて再び眼をあけ死人の騎士を見て「いえ、特に変わった様子はありません(部屋の方へ首を向けたまま)あれから物音すらしません。まるで(口元を緩めながら)眠っているかのようです。我ら死人では神力は感じられない故、外から確認のしようもなく(再び死人の騎士の方を向き)然しこの部屋への入り口はここのみです。元々この部屋の作りが”このような用途のため”に作られているらしく」その続きをいつの間にか太市や云兎と仲良くなって戯れるもうひとりの死浪が「誓っても誰も出入りはしてませんよ」と付け加える。そんな彼らに死人の騎士が「分かった……其れでその中の様子を改めようと思うんだが」やれやれと真面目な方の死浪は「そうですね、あれから一度も部屋の確認はしていませんでしたから(キラキラ光る子ども達をチラリと見て)出入りがないか確認をお願いします」と空気を読んでくれる。やった!という態度を見せる太市の頭をガシッと掴み「羨ましいね~持つべき者は知り合いのおじさんに感謝するんだな!」と髪をくしゃくしゃにしてニシシとからかっている。そんな彼らと別れ部屋へと踏みいる八畳という空間だが中にポツンと真ん中に卍燈籠が鎮座しているだけだ「ねぇねぇ、あれが鳥の神なの?」という云兎に「えっえあぁそうだぜ!」という太市「……動かないよ?鳥の神様」卍燈籠は持ってきた当初のまま変わらない、この卍燈籠は死人が開発したものではない、獸神の中の雷鼠神と呼ばれる神が開発したものの一つだ。それがたまたま死人の商人から手に入り使っている。どうやら雷鼠神と呼ばれる獸神は他の獸神とは違い戦いは強くないそこで人と同じように”其れを補う物”を創っている多数開発しているらしくモノが流れてくることは珍しくはない。戦いは強くないってのは我ら死人の方が切実なのだから、などと思っていると後ろに隠れる二人に対して「心配しなくても、あれは鳥の神様ではなく、其れを捉えておく”鳥篭”のようなものです。なので鳥の神様はあの中にいますよ」近づきながら説明をする。先程の太市の説明とは違うと云兎が白猫で太市を叩いている。しかしこうやって見ただけではホントにこの中にあの時自身の両手に収まるほどの鳥神が入っているのか疑いたくなるが、この卍燈籠に入れたのは他ならぬ自分自身なのだから疑う余地は無かった……「もういいだろ!先に触らせたんだから今度は俺の番!」中から出してあげる訳にはいかず卍燈籠を持つぐらいでお二人には勘弁してもらった。二人にしてみれば卍燈籠自体が珍しい物のようなので問題なく遊び道具とかしている。どうやら白猫への侮辱の代償として云兎に先に遊ぶ権利を譲ったらしい、まだまだと急かしながらも守っている姿は未来のオオキミとしては若干不安をぬぐいえないけど。面白かったと云兎から未来のオオキミに卍燈籠が渡る。そんな太市の後方が爆発する煙が充満する出入り口を開けようとするも空かない?扉を叩き「おい、開けてくれ誰かいないのか?おいって!」煙の中から鉄の靴の音が響く「無駄ね!あたしの甲冑”空音”は周囲の指定した音を掻き消してくれる、そしてコロマルは周囲の衝撃を吸収してくれるの」と片腕に卍燈籠を持った太市を抱えた髪の長い女性とその横には顔が黒い渦のように吸い込む穴のようにへこんだ牛のような馬のようなものが現れる。あっけに気をとられている内に「じゃあね!」とあっと言う間に連れ去られてしまった呆然と立ち尽くしながら、これからのことで頭がいっぱいでパンクしそうだでこの痛みも吸収してくれないかと心の隅で思ってしまっている。

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