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神約聖書  作者: 裸形炉
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六十七ページ目

「事の始まりはそうね、私がこの神世界に来てしばらく経った頃かしら、その時は部活で遅くなった学校の帰り道、ちょっとショートカットしようと信号のない道を横断しちゃってぽーんてね浮かんだ位は覚えてるけど気付いたらそのままこの世界だった最初は何が起きたか理解できなくてでも自分のように薄くない存在である神やいきなり光に包まれる転生なんか見てると「あぁ、もうあたし生きてないんだなぁって」あたしが今いる世界にあたしの帰るべき家はないと認識させられたの、そうするとどうよ、見据えるべき目標も夢もないざっくりとまわりを見渡す自分と同じような奴らがごろごろいて、顔を上げる者など誰一人いなかった。そんな彼等を引きずり連れて行く者達、死人はさ”転生を待つ”ってのがこの神世界でやれる事の全てなんだけど(自分の手をグーパーと動かす)ほらこーやって動くのさ、話も出来る、飢えることもないだからあんまり死んでるって感覚が無いのさ、だから”何かしたい”それが続くと”何か遺したい、産み出したい”それは”もっと、もっと”と増えていくんだ。人は弱いから輪になる自分に足らないものをお互い助け寄り添う、だけど一方で自分と違う者をその輪からはじく一見真反対に見えるこの二つは同じこと、ひとりぼっちはイヤなのさ形はどうあれね、あたしも運が悪かったら今頃そこの少年の場所に立って眺めていたかもしれない。だがその時死浪の一団に救われた彼らは、死人が死人を踏みにじる行為を神が律しなかった事が許せず神に戦い(勝てないので直訴)を挑んだが、所詮は人、神には勝てるわけもなくでも彼らはあきらめなかった何度仲間が転生されようとも、向かっていったそんな中で産まれたのが”似神非力”だある一定の範囲ならば爆発的な力を産む魂を燃やす力、使い続ければ転生ではなく魂を磨り減らし消滅という末路がまっているそんな諸刃の力だ。最初にこの力を教えられた時重ねて言われたことは今でも覚えている。でも無力な自分といつ終わるかもわからない転生はあたしを突き動かすには十分な理由になった。時は流れて彼等の中に”神は生きている者にしか力を与えず、我等”死人は転生を待つ”この概念はずっと変わって無いならば……”我らを守る神がいないのなら神の変わりとなる者を作り置けばいい”死人神”をまぁ実際神は創ったりは出来ないなので”死人神の一族”を作り”我らの象徴にすればいい”とした。そして其れを支える者を”死浪”と呼び少しずつ少しずつ神世界全体に浸透させることで我等”死人の神”を作り出したの」死人が作り出した神という支え、どっちかというと物世界の神の考え方に近い、前に夢神国であったマナノ侍が”自分達にも目的が”みたいなこと言っていたし、死人も色々大変なんだってそれが今回の鳥さんの社への就任辞退とまだ繋がんないと思っていると「数日前だったかな、裁来のオッサン何処の本部に虹翔席の緊急集合が係ってそんで何なのかなって集まってみると死人神の一族の住む王居との連絡役をしている”茈席”から死人神側からあたし達の中から特に出来る者を選出して送って貰いたいって連絡があったの、その連絡は他の死浪にも係ってる見たいで”こりゃあ何かあるなって”」それで向かったの?というアタシに首を横に振り「勿論断ったわよ”お腹痛くって本調子じゃないとか、今手が離せない別の神に見張られているとか”まぁ別の神に見張られているってのが効いたみたいどうやら”神々に動きを悟られたくない事情があるんじゃないか”ってね、てっきりそれだけの手勢を集めて鳥神”天裸形”を倒すのかと思ってたのだけど辞退って事は天裸形自体はピンピンしてるわけだし、アァ失敗したのかと思ったけど茈席の話だと”これで天裸形が社に着くことはない少なからず天裸形は無いはずだ”って言ってたからね、茈席は嘘つくタイプじゃないし、現に社の選定は始まって大方時間も経ってる先程の君の口振りから天裸形様以外が社の主に就くという選択肢は無いみたいだしね」アタシの顔を伺いながら自身の知ってる情報は以上だと両手を開いて種も仕掛けもない素振りを示す。どう思うとフクローさんに訪ねるも(この話だけを鵜呑みにするのは危険ですね、天裸形のところに向かい事情を聞くというのも一つの手ではありますけどその茈席という死浪が断言に近い状態で話をしている面からも他には言えない事情があるのかもしれません。結局のところ彼等の懐には飛び込まないとこれ以上の情報は得られないということでしょうか)ならばと「分かりました、二つ目の条件もこれで結構です。貴女の立場も理解してます。それでは一つ目の条件通りにお願いします、遅くなりました」と契約成立と握手を交わす……「ハァーーッかなり寝ちまったか、死人とはいえ長い移動は魂に係る負担もでかいということか」ベットから起きた彼はビルの1階へと階段を降りていくと「花人のネーサン準備は整ったんですか」そう訪ねる彼に「あぁ殆ど終わったすぐに出発したいがオッサンはもういいのか?」えぇもうばっちりと笑顔を見せ「相手が神じゃ無い俺の取り越し苦労ならいいんですがね、それでネーサンはここの守りの任務はいいんですかい、ほっぽり出して」手を横に振りながら「別に良いわよ、こんな辺鄙なとこ取りに来やしないわよっうか、サボる口実にここの任務に着いたんだから」溜め息をつきながら「死浪の世界じゃ一番だって噂のネーサンがそんなんじゃ、ネーサンに憧れてる死人が悲しみますぜ」荷物を背負いながら話すオッサンに小声で「まぁさっき悲しまれたけどね」とぼそっと話す、何かいいやしたかというオッサンに「さぁオッサンと二人旅はしんどーいっていったの」護衛だって事忘れない下さいよというオッサンに置いてくわよとそそくさと歩き出すその後を必死に着いていくオッサンそんな彼等を少し離れた所から後を着けるアタシ達なのでした………時は少し遡り、獸神国「ハァーーッ」そんな溜め息を漏らす獸神に対し「どうしたの?狗牙くん具合悪いの?」と膝を折りしゃがみ込んで自分の額を当ててくる獸神王の娘の孤転ちゃん「すまん、大丈夫どこも悪くは無いさ」と尻尾で軽く彼女の頭に触れる。言師の支神である狗牙が今回、獸神国に戻ってきているのは「すまんな、狗牙、急に呼び出して」みると腰に前脚を置き痛みに耐える孤転ちゃんの父である獸神王の姿がそこにはあった「全く寝ぼけて玉座から転げ落ちて腰を打つなんて」呆れ顔の娘に「ホントに優しくないのーもう少し労っても」だからあれほどといつもの口喧嘩に発展するのを眺めている狗牙を見て……「(コホン)まぁ前置きはこのくらいにして(イタタッ)わしも年だ」腰を摩る娘を見ながら「どうじゃここらで孤転と一緒にこの国を担ってくれんか」その言葉に孤転ちゃんの摩るスピードが早くなり「いやっ、でも、そんな心の、でも狗牙君がいいなら」獸神王の腰がぼや騒ぎになる。熱っ!熱いっ!と自身の腰を冷ましながら「お前さんには次の獸神王を……」ゴクリと息を呑む孤転ちゃんとは対象的に「まぁ考えてもいいが、それで今日は何の用なんだ?」考えていいと言う言葉に茹でダコになり獸神王の腰で指をもじもじさせながら、孤転ちゃんが未来の新婚生活を妄想してにやついている。其れをほっといて「次の社の主についてお主はどう思う?」娘の行動にやれやれと思いながらも狗牙の方を見る「実際は誰がやってもいいと思うが、例えば勢力的な面で見れば文句なしに龍神だろうな、逆らえる者も殆どいないし、当の龍神王は優しさもある、第二、三世代が暴走してもあいつらが手綱を締めりゃ問題ないし……ただ何処かの龍神の教えを守るって一点があって頑な何で龍神って選択は先ずないな」其れを聴いて「せめてそこは獸神にしてもらいたいが、確かに今の我らでは龍神程の制御力もないしの」付け加えるように狗牙くんが「獸神は種類多すぎだよ、その証拠に獸神王が何だかんだで全ては決められないだろ」痛いとこつくのーと摩られて痛みが治まった腰に一段落つく「ならば八百万では?まぁ多すぎか」という獸神王に更に付け加える狗牙くん「強くもないしな、強さだけとは言わないがある程度神力はないとまとまるもんも」纏まらんということかと獸神王が呟く、そんな獸神王を見て「まどろっこしいな、次の社の主は前ゲンシである鳥神”天裸形”だろ。ほぼっーか決まりだろうが」そう言う狗牙に「其れがのうー”辞退する”そうだ」最初言ってる意味がわからなかった「辞退する?何で?」問いただす狗牙は「わからんよ、しかも急な申し出だ、一度は受けているにも関わらず、周囲からは彼奴のせがれが起こした事が原因という者もいるがそれはもう、とうに昔の話じゃ今は表向きは罰を受けておるしの」なるほどと立ち上がる狗牙「分かったつまり”断ってきた原因の追及”のために天裸形の処へ向かってほしいというわけだな」というと「さすが物分かりがいい、どうやらついこの前”この獸神国内に死人しかも死浪が数人紛れ込んだようだ”色々慎重に動いていたようだ。雷鼠の区域を通った時に山月の防犯に引っかかったらしくの、孤転」そう言うとはーいと獸神王の背中を降り机の上にある黒いボックスの元へ「ちょっと待てそれって」狗牙が構えるも「まぁ待て、孤転スイッチを」はーいと「えぇっーと、コレだよね」ポチッと起動させる「もしもーし山月様分かりますかー?」黒いボックスに話しかけると中の目玉が動き「オーケー、オーケー相変わらず可愛いの孤転ちゃんは声も癒やされるわ」フン感度はいいようだなと獸神王が話すと「お久しぶりです先代獸神王の御子息狗牙様」という声がスピーカーを通して聞こえてくる「それで外に出ないお前さんがわざわざこんなことする?獸神の一員としての自覚が今更目覚めた訳でもあるまい」すかさずボックスから「まぁ率直に言いますと”知らない事があると不安だった”ってのが今回協力した一番の理由ですかね」飄々とした声で応えるボックスを見てから再び獸神王の方を向き「分かった(尻尾でボックスを引っ掛け)今回は俺だけでいい」という言葉に私もという孤転ちゃんに「いや、今回は相手は神じゃないし大丈夫だ。前の夢幻フォローの一件とあるお前は獸神王のそばに居てくれ、頼む」そう言われると一緒に行きたいと思っていた孤転ちゃんも承諾する。そのまま獸神王の元を後にして天裸形の元へ向かうその道すがらある程度獸神王の場所から離れちょうど天裸形の住む鳥神の領域に入る一歩手前で立ち止まる。その様子に「ん?如何しました狗牙様、天裸形様の元へ急がれるのでは?」そう言う黒いボックスを目の前に置き「そうだな、もうすぐ鳥神の区域に入るだからその前に”お前達の真意”を知りたくてな」睨みつけられるボックスから「お前達?何を言ってるんですか、真意も何も私が協力した理由は先程話したとおりです。今回死浪が獸神国の我々の区域を通過しました。そのことの理由を知りたくて」その話を聞いて「そうだな、この前の夢幻フォローの一件に関わっていたのは今使っているこのボックスの事からも認めざる得ないよな」また蒸し返さないで下さいよと反省していることを伝えるも「夢幻フォローが使っていたモノはお前が直接夢幻フォローに渡したのか?」そう訪ねると「えぇーまぁー」とあいまいな返事をするボックスに「時間もないしな、いい加減出て来たらどうだこの会話も聞いているんだろ?」「……」黙り込むボックスに「プロキシアスの社長さん!」その断言に「……やれやれそうですよね、そういえば直くんのウチにいったんでしたね、狗牙様」全て知っているまぁ”矛盾なる神”を調べていれば行き着くか「このままでは、話しにくいのでよっこらせと」山月の一言で黒いボックスはパッカーンと二つに割れてしまいましたとさ「これで話しやすいですやろ、騙してるつもりはないんですよ。ただ社長さんが」そう言ってもう一つの片割れに視線を送ると「このまま山月さんを通して必要な事はアドバイスして陰ながら事態の把握と出来るのなら収集も兼ねてはいけたらと踏んではいたんですが、これでも物世界で神約に違反した罰を甘んじて受けている身ですよ、そこら辺もう少し組んでもらえませんかね」と嘆願するも「この前の夢幻フォローの一件確かにお前さんは直接的には関わっていないだが、今回は当面目的は同じだそれにお前さんも”家族が関わっている”ならお互い隠し事は無しにしたいそれもあって孤転を置いてきたんだ。死浪とは戦ったことはないが言師の話では、侮ることは出来ないようだしな、お前さん達はそのすがたでは自由な移動は出来まい」二つの箱は黙っている「なら少しでも相手の事は信頼に足る者にしておきたいのさ」わかりましたと頷く、纏まったと「ほな、急ぎましょう」と急かし天裸形の元へ到着すると、そこには「これはこれは屋敷がボロボロですね」と山月が画像として収めていく、実際死人がここまで死浪といえども天裸形を神とここまでやり合えるモノなのかと正直驚いていた「中へどうやら父上は無事のようですが……はぁどうやら予想していた結果になってしまったようです」苦々しい口調が社長を神約というリスクを犯してまで動かした要因になったようだ中へ入るとボロボロの居間に腰をかける天裸形の姿があった「イタタッ、年は取りたくないのよもや死人に遅れを取るとは、王からの社への就任要請か?それなら断ったはずだぞ」足労かけたと続けるも「何があった?あんた自身は無傷だが、その言いようおそらく」話の続きに割り込むように黒いボックスの片割れが天裸形の前に「父上”照留は何処へ連れていかれたんですか?”」という問いにゆっくりと溜め息をはいて「すまん……守りきれず……おそらく死人の国の何処かとしかいえん……ホントにすまん」項垂れる天裸形を見ていたもう一つのボックスが「取りあえずここで起きた経緯を話して貰えますかね天裸形様」わかったと経緯を話し始める………毎の起こりは今から少し前この区域に普段は感じない複数の死人の気配を感じた事から「どうした?こちらの世界に慣れずに迷い込んだにしては数が多すぎるか、何のようだ」見ると既に囲まれていた丹念に予行演習をしたのだろう配置は全員の位置が掴みにくく一人一人が上手く死角を作っていた「狙いはワシの首かな、老いた鳥ゆえに、身は思ったほど旨くないし、いいダシが取れるとは期待は出来んぞ」その言葉にリーダー格の風貌の男が一歩前に出て来て「天裸形様とお見受けするが、間違いあられないか」そういう死人に間違いないと応えると「天裸形様は次の社へ就かれると聞きました、そこで一つ質問に答えていただきたい事があります」丁寧だが重い言葉で話を進める死人に何かと聞くと「”死人転生機関”というものがこの頃出来たのはご存じか?」死人から訪ねられた質問に「あぁ死人と神のいざこざを減らすというためには必要だとは思う、死人にとっては神からの不用意な転生をされずにすむこんな風にの!」羽根をかざすと辺りの死人が光るが消えてはなくならない「のう、ワシは今お主達を転生させようとしたが出来ないそれは獸神国代表である獸神王が神約聖書に署名したその時点でワシら獸神は全て例外なく”ある一定以上の死人以外”は転生させることは出来なくなった、そういう神約を結んだからのう」というワシの言葉にリーダー格の死人は自身と廻りの者を見て驚きながら「死人にとって神の力は偉大であり強制的な転生はある意味脅威でした。普通の死人にとっては、だが我らにとって重要なのはそこではないのです。我らにとってはその後の文言”ある一定以上の死人というのが大事なのです”つまりある一定以上の死人は強制的にこの神世界から排除されるということ!我らの神”死人神”というのをご存じか?」頷きながら「死人神、実際はその姿を見たことはないが伝承としては聞いている程度だ」天裸形がそう返すと「我等が死人神は神ではないのですここまで話せば天裸形様ならお分かりになられると思います……どうかこの神約の一文のみ破棄することは出来ませんか?とても都合のいい解釈なのは分かっています。」頼み込む死人に「なるほどそちらの事情は理解はしたが無理だの少なからず神約聖書に書かれていることは神世界では絶対となる。ざっくりと書かれているならまだしも特に直接、神約聖書に書いたものは覆ることはない例え其れがどのような神であったとしても、すまんな神約は神と人または神自身のことについて書いてある物、死人はその範囲には入らないのだ。先程の死人転生機関もあくまで”神が行う死人の強制的な転生の阻止”が目的でしかないんだよ」そうですかと項垂れる死人「あなたにその理を今の言師を辞めさせる意志はありますか?」その問いに「ワシが選んだ言師じゃよそんなつもりは毛頭ない!!」その答えに「分かりました。ならばあなたが社に就くことを私達は”どんな手を使っても阻止しましょう」……その後は戦闘に突入といってもワシは死人を転生させることはできないし相手の死人は全力で立ち向かってくる、長くこの神世界にいるだけあって強かったがあくまで死人を超えた強さでしかなく、其れが神に届くかといえば、死浪について知らないのならばいざ知らず神世界でも死浪の力である”似神非力”についてはかなり分析されその仕組みも知っていることもあり、”似神非力”自体が神と人の差を埋めることにはならなかった……拮抗状態が続いたが、それは笛の音によって破られる。リーダー格の死人が「どうやらもう一つの方が上手くいったようです。先程の件そうですね、取り敢えず”社への就任は辞退してもらいましょう”か」という死人に対し「どうかのワシ以外適任は!」笛の音がした時点で別の死人が居たことは分かった。その死人が”別の何かを行っている”ということも、今からして思えば神と人の差についてはあちらの方がワシ以上に理解していたのだ、端からワシに対しての今までの行動全て足止めに過ぎず”照留を攫うこと”が目的だったのだろう。全くざまぁーないの、そして今ワシに出来ることは立ち去った死人の進言通り”社への就任の辞退”をするこの事だけじゃ……淡々と状況を話す天裸形に対し「分かりました、狗牙様はこのあとどうされるのですか?」と社長が聞いてくる「そうだな、一度獸神王にこの事態を話して、そのまま言師の元へ帰って、お前さんを神約聖書で裁いてというのが本来の役目から考えても妥当なんだろうな」まわりが静まり返る「だが言師がこの場にいたら(ハァー)お前さんを裁かず必ず助けに向かうって選択肢をとるはずだ、だがオレは言師をなるべくお前さんには近づけたくはない(うんうんと山月がうなずく)だからといって事態が事態だ獸神王にも支援を求めるのは難しい(二つのボックスと天裸形を見て)なるべくならこの場にいる面々に協力を頼みたい、となると天裸形は立場上動けないだろうしそうなると、オレ単独で動かないといけない勿論お前さんの嫁だ。協力はしてくれるんだよな?」回りくどい言い方をしたけど鳥神の親子は「「感謝する」」と揃って礼を述べ、もう一つのボックスからは「エッーー」と嫌がる声が聞こえた「さて、救出すると決めたはいいが、その死人神というのは恐らく神ではないな、神力では探れないか」そういう狗牙に「そうだの、狗牙がいうとおり死人神は神ではない故に死人転生機関の”ある一定以上の死人以外は転生出来ない”という文言が問題になった」と話す天裸形の言葉にそれと死人神ってのが神じゃないってのは何が問題なんで?という山月、もう一つのボックスである社長が「今、神約聖書に直接署名したのはどの程度何ですか」という質問に「神世界のほぼ全て、不鎖が拒絶したので無形神の行為はその制限には係らないが、ほぼ全ての神と思って貰っていいかの」という父上の言葉に「確かに彼等には不利ですね、元々たしか神約聖書には”神の超過行為”ってのが入ってましたよね」元厳師である父上に訪ねる社長に「おおざっぱな解釈としてだが入ってはいたが、あれはあくまで倫理、マナーに近いし、あくまで神約聖書を持ってるゲンシがその場にいて、そのゲンシがその行為が超過行為と判断した場合だけだったはずだ」其れを聞いて「死人にとっては神の逆鱗に触れさえしなければ今までは”転生のリスクは低かった”だから神世界の奥深い場所で転生を遅らせるなり止める方法を用いれば他の死人には神のように振る舞うように表向きは出来た……しかし今回出来た”死人転生機関”は神の逆鱗に触れても無闇に理不尽な転生をさせないという目的で創られた。これにより死人は神の逆鱗を必要以上に畏れなくてすむ、しかしその一方でその逆鱗の一つの原因であった死人の必要以上の増加を防ぐという目的のために”ある一定以上の死人以外”という文言をつけたこれにより死人の神世界での街の拡大(通常街は一人の死人により形成されておりいい意味でも悪い意味でも”独裁”という形を取ることになる)を防ぐことを目的にすることによって神々の承諾を得たはずでも、死人神がもし長い間を越えてこの神世界にとどまり続けている”神ではなく死人だったら”」理解したのか山月が「”ある一定以上の死人”ということになってしまうなるほど今までの死人神というレッテルが剥がれてしまうという訳でどうしても死人転生機関をどうにかしたいと」自分なりの解答を示す「それで社長の奥様の居場所ですが襲撃した死浪つまり死人は神力を持たないので探れない、奥様の神力を探るというのは?」と提案する山月だが鳥神親子は黙ってしまう「たしか神病だった”無溜神縮”とかいったかな?」という狗牙に山月が「たしかその神病は時が経つと共に体と神力が比例して小さくなる奇病でしたか、鳥神特有の神病だった」と説明を終える「父上、照留の神病の進行具合はどうだったんですか?」ボックスからの音声に「そろそろ年月的には”最微小期”に入る頃だがまだその兆候は見られてはいなかった」という天裸形に「ということは今照留の神力が全く感じられないのは」と返す社長に「あの死人らが”何かしら神力を遮断する容れ物”に照留を閉じ込めて居るんじゃろうの死人にとっては、照留が弱っているいないの判断はつかないはず神力を感じられないからの」という手詰まり感が漂う中もう一つのボックスに「こういうときこそ、雷鼠ネットワークが必要だよな!」とボックスを見下す「そこまで情報に詳しい山月殿だ、死人神についての情報は持ってるよな!」ドキリとボックスが揺れ「えぇーっと、いいくら私とはいえそんな都合よく」そんなボックスの態度に「そうだな!」と瓦礫に尻尾を突っ込んで探っている「あっ……ちょっ!」静止するかのような山月の声に「これかなよっと」と何かを取り出す狗牙「これは、盗聴するものだよな?社長さん、今回の一件山月が獸神王に協力を申し出たこと、その裏に社長がいたことから”ここで起きたことに対して何かしらの異変に気付いただからこそこうやって山月を使ってことの解決を図ろうとしたんだろ」そういう狗牙に「まぁ、ここまで来たんです持てる手札は見せましょう山月さんお願いします」契約ではそこまでと渋る山月だったが「分かりました、死人神の所在は分かりません。毎回いろんな手を使ってその場所は探りに係るのですが死人神の所在は死浪のごく一部の者だけがその場所を知っているようでそのルートから方角は社を中心として北、神淵と呼ばれる場所その周辺までは特定したのですがなかなかその先が進まず」神淵か、この神世界はほぼ全ての神は住む領域決まっている。殆どの神は中心となる社の周辺に固まっている、それぞれの領域は隣り合ってはおらず間に不可侵領域を構えている。死人達はその場所に街を造る。神淵とは特にその不可侵領域が広いもの普通の不可侵領域ならば例えば獸神国の中の狗神と鳥神の間にも不可侵領域はある今回ボックスを問いただした場所がちょうどその辺りになる。神淵となるとここら辺の近くだと獸神国と八百万の国の間等は境が広く移動するのも大変だ、つまり山月が言っている死人神がいるであろう場所はそれぞれの神国の間、しかも社より北は獸神国と無形神の国?の間にある神淵の中でも最も広い領域だ「山月もう少し絞れないか?」あれから取り敢えず北の神淵への移動を始め今は獸神国の端まで来ている、天裸形はそのまま鳥神国に残ってもらい、今は運びにくいので一つのボックスに戻ってもらったモノを尻尾で挟んでいる「無茶言わないでください獸神といえど私達”雷鼠”は名前こそ勇ましそうに聞こえますがその実神力では八百万と同格かそれ以下何ですパワー系のお仕事はからきしでして、だからこそこうやってボックスを開発したんですから!」と神世界での苦労を語られる、この前の死人転生機関発足の時も感じたが大変だなと思いつつ立ち止まる「ここからは情報もないゆっくりと進もう」と一歩踏み出すと後ろ足が紐のようなものに吊り上げられ逆さづりになりブランブランと揺れる「全くと!」外そうと尻尾で紐をきろうとするが「狗牙様……少し待って下さい!」と小声で社長が囁く林の中から「凄いよ!トオサマ!あたしのワナに大きな死獣が!」とはしゃぐ麻の服を着た子供が満足気に狗牙を眺めている。男の子かと思う服装半袖半ズボン腰には、短い銅剣を差している。奥の方から「リニャン、また”小さな死獣”か小さい者は転生も早いそんぶん無闇に捕らえると魂の欠損に繋がるからやめなさいと!」持っていた長い石の槍をその場に落とし尻餅をつく、そこでトオサマが目にしたのは死獸の中でも大きな部類に入る者だったからだ「何だ!この死獸はここまでの死獸が何故、死都下の近辺まで(得物を拾い上げ)リニャン今すぐ!こっちに来い!」頬を膨らませ「やだ!アタシのなの!みんな死獸持ってるんだよ、コルフはこの前、転生しちゃったし、こんな(手を広げて)大きな死獸誰も持ってないんだよ!飼う、飼う、飼ーいたいーの!」とその時娘の背後の草むらが揺れ大きな赤い目玉の兎が現れる通常の兎の数倍トオサマの2倍近い体格だ「リニャン!」トオサマの声が聞こえ自身を覆う黒い影に築き後ろを振り返るもすぐ近くまでそれは近づいていて、だが次の瞬間にはその兎は林の奥に吹き飛ばされて逃げていく。ぺこんとその場に座るリニャンが駆け寄るトオサマにしがみつきわんわんと泣き出す、其れをあやしながらもあの大きさの兎の死獸を吹き飛ばす。犬の死獸に警戒を怠らない……今のは死獸か昔は社の近辺でも珍しくはなかったがこの所は死人の数の増加もあって見なくなったと思ったが、神淵に追いやられた感じか、などと考えごとをしながら紐を尻尾で切って1回転着地する。そこへ先程までトオサマの膝でくずっていたリニャンちゃんが目の前に掌を前に突き出す「お手!」少女と狗牙の間に沈黙が流れる「おー手!」えっ聞こえなかったの?と言わんばかりに少し長めに少し大きな声で呼びかけてくる。どうしたものかと天を仰ぐそして今一度少女を見ると「おぉーー手!!」両目に涙をいっぱい溜めて睨んでくるそんな少女、誰かを重ねてしまい……ついポン!……置いてしまった!と同時にその笑顔にほっとする狗牙だった

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