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神約聖書  作者: 裸形炉
65/115

六十五ページ目

「……暗いんだけど、廻りが(覗き込む先は飲み込まれるほどの暗さがある)ちょっと!聞いてる?っわ螺馬!揺らさないでよ!」今お姉さんを抱えているのは夢神と神約を交わしている螺馬ちゃんだ”夢の羽”と呼ばれるもので飛んでいる「お姉ちゃん暴れないで、落ち着いて!うわぁぁ!」二人してバランスを崩し落ちていくがすぐにアタシが足を掴み「ったく、警戒しながら何だからちょっとはこっちのみにもなってくださいよ」辺りを警戒するアタシ物世界から神世界には神約している者か神自身が一緒ではないと来れないわんわんさんが前に言ったように通る神によってもその時間帯は違う七福神も夢神様もランクは低くくないすぐにでも神世界へは入れるが念のためゆっくり警戒しながら移動している「取りあえず社から遠ざかる形で入るのが無難でしょう、そのまま維持出来るなら布袋を纏った状態は続けて(ほーちゃんとアタシは頷づく)皆もすぐに出られるようにしましょう」ナビを買って出ているのはロクジューだ。あの後進言しようとしたアタシに「連れて行くのなら”勝手な行動”は慎むこと」と強くお姉さんに忠告して管理下に組み込んでくれた。さすが七福の知恵袋関心しつつ任せていると神世界に突入する「ここって?」辺りを見渡す出たことの無い場所だ。取りあえず社を探すも見当たらない「あのー?聞いてる」いきなり目の前にお姉さんが現れる「何ホントにここが神世界?なの」隣にいる螺馬ちゃんに確認を求める「あたしも神世界に来たのはまだ3回だし、ここが神世界なのかっていわれてもちょっと困るんだけど」とお姉さんの問いかけに困るすると「獸神が使う専用の道それを”獣道”という。神世界を縦横無尽に駆け巡るその道は、獸神の獸神たる所以だろう。そしてその絡み合う複数の分岐路となる場所の一つがここだ、だが獸神の神力は感じない元来は他の神との鉢合わせや縄張りの回避のために使われているが其れも棲み分けがほぼ決まった今や社が造られてからはよっぽどの事でも無い限り使うことはなくなってしまったようだ、探している言師の支神であるわんわんさんの神力も感じないしな」広い森林の中、回りを見渡しながら話す夢神様、アタシからしたら回りは木が鬱蒼と生えているだけで、道なんてあるようには思えない少しでも離れれば迷子になりそうだ。続け様に夢神様が「まぁもっとも”獸神が使ってないって事はもちろん」ザワザワと周辺の草木が揺れる「死人の巣窟とかすだろうの」辺りには数十、百の薄い人が姿を現す囲まれている「いてっー!って何?(其れを拾うお姉さん)小石?」握ったそれは当たったら痛いが大きくはなく当たっても大きなケガをするというモノでは無かった「出て行け!ここは僕た……我々の土地だ!」大勢の中からアタシ達より背の高い全身ローブに身を包んだ男が叫ぶ大柄な男の死人ではあったが声が低くなく、怖いイメージは湧かない。黙っていると「聞こえない?言葉が分からないのか?『来たばかりなのかも?』ばっバカ声出すなよ『ごっ……ゴメン』」そのやり取りに廻りの数百の死人がざわめく、あのちぐはぐな体つき「アタシ達こっちに来たばかりなの?何か不快にさせたらごめんなさい、すぐにここから離れるから」袖を引きながら後ろで「この死人達はいったい何なのでしょう?夢神様もあたしの中に戻ってしまって」という螺馬ちゃんに「多分この子達は……」アタシ達が話している間にお姉さんがローブの死人の前に「ぶつけといてゴメンの一言位言ってもいいと思うけど!」強い口調で話すその態度に『ピキッ!!』とお腹の方から変な声、音?がして「ちょっ!バカ!しっかり支えっうわっ!ローブの死人の上半身がブリッチというか後ろに下半身を置き去りにして倒れ込む、怒った本人もびっくりしたのか「ピキッ!!」と同様の擬音を吐き尻餅をつく『だって~(ヒック)そんなに怒らなくても~(ヒック)あたし一生懸命やったもん(ヒック)うぇぇーーん』下半身が堪らず泣き出してしまうローブを脱ぎ捨て上半身を演じたであろう少年が下半身の回りで「わかっ、分かったから、よくやった兄ちゃんが悪かったから」と泣きじゃくる下半身をあやす『母ちゃーん……』その言葉が合図となったのか、すると辺りからもぐすぐすと泣きじゃくる声が聞こえてくる『ママっ……』『お母さん……』『マミー』泣き声だけ聞いていると小学校低学年もっと保育園か幼稚園のような感覚「何だよ…みんな泣くと……俺ま……僕も悲しく……会いたいよー母ちゃ」ゴツン!!えぇーここで!殴る見るとお姉さんが男の子の頭をゲンコツで殴っている「いってーな!騙したのは悪かったけど何も殴んな?!」アタシも螺馬ちゃんもあたふたしてると先程殴っていた死人の男の子と泣きじゃくる女の子をギューッと抱きしめている「ほら見なさい。ちゃんと”悪かった”って言葉に出来る力あるじゃない。寂しいのは我慢しなくていいの、小っちゃいんだから」一陣の風が電車が通過する音のように響きわたる抱き締められる男の子は泣いている声は聞こえないけど、きっと家族なのか、誰かを思い出して今まで辛かったことを吐き出すように、それからが大変だったどっと押し寄せる死人の子供たちその数ざっと数百、ロクジュさん曰く死人の中には幼くして病気、不慮の事故など突発的にこの神世界にくる場合自分の置かれた立場も理解できていない者も少なくない特に幼い場合その場を動けず酷い場合は労働力としていうことをきかせる死人達もいるとか、そういえば大奥様とあってたターバン骸骨が”新しい死人を手に入れた”だの言ってたような「何っ!体が光って?」抱きしめていた女の子が光りだすと共に光の粒子とかしていく、分からないなりにもギューッと握りしめ「どうして?何で?クソ!どうしたら」掴もうとするも上手くいかずもどかしくもその女の子を離すまいと必死なお姉さんに「お姉ちゃん……ありがとう……」女の子は目をつぶり穏やかに消えていく「いつ見ても、寂しいな……」ボツリと述べるアタシに「これって?」驚いているのはお姉さんと直に転生を見たのは、はじめてだった螺馬ちゃん達姉妹だけ周りにいる小さな子供たちは綺麗なモノを見るような眼だった驚かないその様子からはじめての光景ではない、それは彼方も同じか上半身だったお兄さんは悔しさ?に拳を握りしめていた。多分数十回この光景を見てきたのだろう、その時も目の前のお姉さんと同様にどうにかしようとしてきたに違いなく……結局如何することも出来ず今に至っているその事は彼の態度が物語っていた「イッターーーァ!」骨の軋む音と共に「ちぇっ!なにやってんだよ!あぁーん!!言われたことすらやれねーのかよ、しまいにゃ転生かよ!つかえねーなー!」タキシードを着ているがノーネクタイワイシャツもボタンも閉めず茶髪なのだろうか顔には般若のタトゥーが入っている彼も薄く、神力は感じない死人なのだろうことは分かった「何たら転生機関?って(踏みつけながら)のはあと何年とかわかんねーもんなのかよ(さらに強く踏みつけ)こんな役にも経たねークソガキなんざ、置いて遣ってるだけでも有り難く思えっ「ちょっとあんた!」」キレかけるお姉さんの言葉と同時にか次の一瞬で数メートル殴り飛ばされる男「転生はさせるにはちょっと足らなかったか、思った以上に難しいな、さじ加減の仕方」気絶している男に向かい言葉を吐き捨て、男の子の前に屈み込んで「取りあえず君の名前は?」このグループの最年長である少年に声をかける「あんなことして、如何してくれんだよ!やっと見つけた居場所だったのに……こっちに来て腹は減らないけど、何処行っても子供だって理由で街にすらいれてもらえない、だからあんな奴らに従ったのに……」下を向いたままボソッと話すその言葉は休まることのない死人としての生活が垣間見えた。そんな彼に対しどう接したらいいか言葉を投げ掛けられすにいると横から「ニャハニー」眼を真ん丸に開き答えたのは下半身を演じていたちょっと丸っこい女の子そんな自信満々に大好きな兄の名前を教える妹だったが「”ニャハ”じゃない”ナハ”だまぁ名前なんて無かった一緒にいた奴がそう呼んでただけだ。生まれてこのかたってもう死んでるけど他の呼び方されたことない」ニャハニャハとニコニコしながら満足気に自分を呼ぶ妹見るとニャハニャハの大合唱になっている「分かったわ、じゃあナハ君(倒れる死人を指差しながら)あの死人との関係、さっきの話からすると居場所を提供したみたいな言い方だったけど?」その言葉に「あいつらは”カミカゼ”って自分達の事を名乗ってた。ゴメンよく知らない、僕がこっちに来たときわけもわからず彷徨ってた、街にも入れてもらえ無かった。そんな死人の子供たちを拾い集めてる」どう思うと髪飾りの中にいるジュロさん達の意見を聞く『死人の動向については社に居た頃から把握は出来てなかった。死人の数が増えてるって報告は福禄から聞いてはいたけど」振られたロクジュさんは「カミカゼという死人の団体は把握していない死人連合の一部かその一員なのか……しかし彼らは基本”街”単位で動いているはずだ。でもそのカミカゼという死人は表向きは街を持たないようだ。言師も知っている”死浪”に近い形なのかもしれない」死浪今まで様々な場面で現れた特別な鍛練を積んだ死人、夢神国のメイドや他の死人の護衛(神と戦っても結果は見えているので盾とか身代わり的な感じ)今敵対しているプロキシアスの中にもいる。そんな神世界の便利屋と同じではないが……まだ把握できない神世界の異物である死人に不安になる「お姉ちゃんは”カミサマ”なの?」顔を乗り出すように頭を振り見回す妹「いやなオジサン、バーンってやっけちゃった」見たことなどなかったのだろう。手を使い興奮状態で話すその姿勢に同じ背丈になるよう屈み込んで「ううんお姉ちゃん達は神様じゃないわ」耀く瞳に申し訳なく応えるものびているオジサンを見て、でもという妹の顔を見て兄の方が「じゃあ、もしかしてあんた達”死浪”なのか?(ジロジロと眺め)ただの死人には見えねーし、神でも無いかといってあの力」自身の掌を眺め思いたったようにその場に土下座する「頼む!あんたが神じゃないってんなら、どうやったらその強さに至ったのか教えてくれないか?僕にもできないか?死人は神には勝てない別に神様と戦いたいとか思ってるわけじゃないんだ。ただ」いつの間にか回りを小さな子供たちが不安そうに取り囲んでいる「俺達死人は何時転生するかはわからない、せめて俺が転生するまで(回りを見渡し)こいつらが”次の生へ進むその時まで”(あたしの方を一度向き再び頭を地面にこすりつけ)頼む!この通り!」一生懸命自分に今できる事をしている彼を見て、死人ではなく生きてる人だとはいいにくい、それにその事を説明しても神約は”生きてる者と神との間に結ばれる”モノであり、死人では神約は結ぶことはできない、彼のいうように死人の中でも思い入れの強いものを媒介に魂の力を借り現した”似神非力”と呼ばれる神力に似た力は出すことは出来るみたいだけど「分かったからね」といい土下座を辞めさせたかったアタシに顔を上げながら「じゃあ教えてくれるのか!」と耀く笑顔を見せる彼に「いや、其れは」というアタシに「頼む!」と更に頭を地面にその姿に「取りあえず頭を上げて子供たちも心配そうにしてるからね」という塩対応をするあたしの言葉に回りを見つめると不安そうな子供たち「ニャハニー」とあちこちから聞こえてくるその表情に「分かった……取りあえず考えておいてくれ」と立ち上がるナハ君に「そのカミカゼについて詳しく教えて、そのカミカゼってのを何とか出来れば君の力にこの子達を守る力になると思うの」少し悩んでいたが「分かったよ……でも知ってるのは、さっき話した内容とは変わりないよ」其れを聴いていたフクローさんは「なら知っている者に聞いてみるか」と伸びているオジサンの元へ「……ここって!ってメーは!何だこりゃ」水の玉の中でのたまうオジサンを見て「すごい!これが”死浪”の力」驚くナハ君比寿さんの力で閉じ込めているだけ何だけど死人は神力を感じられないので分からないナハ君の言葉と殴り飛ばされた自身を思い出し「てめえが”死浪”くそっ……お嬢いや死浪の旦那、頼むよ俺らはこのガキ……子供たちに居場所を与えてただけじゃないですか……旦那達死浪の団体とはお互い持ちつ持たれつじゃないですか」神世界での死人と死浪との関係が分かる「うーそーツーキー!」妹ちゃんが頬を膨らませオジサンをにらみつけ「アタチ知ってるもん、ピカッてキラキラになる前にルカちゃんのこと殴ってたもん!ルカちゃんは”大丈夫って””言わないでって””余計酷くなるから辞めてって”だからだからニャハニーにも言えなくて……(今にも溢れ出しそうな涙を袖で拭きながら)言っておけばよかったルカちゃん……ルカちゃん」涙で声が曇るそんな妹ちゃんを見ても、うるせークソガ……といいそうになるも大人な対応で「殴ったなんて、ただいうことをきかないから少し躾しつけだよ……そんなことあんだろ、ちょっと殴っただけだよ!」乾いた音が響き渡るオジサンの頬が鮮やかに腫れ上がる。その目の前に仁王立ちして見下す螺馬ちゃんのお姉さん「いってーな!何す」間髪を入れず「痛いわよね、でもあたしは少し叩いただけよ、大の男が耐えられない痛さじゃない、ほらさっきまで鮮やかだった頬も薄くなってる……それでも”痛かったんでしょ!”ならあたしより力の強い、体格も大きい、覆い被されば全部埋もれてしまうあなたが”ちょっと殴っただけ”がどれだけ怖いことなのか、今のあなたみたいに言い返すことすらできないのよ!」真っ直ぐと見つめるその眼が見れなくなったのか目を逸らして小声で「ウッセー(正面を向き鋭い目つきで)何だよ、その年で死人になったからろくな死に方じゃないとはおもってたが……ハッ随分とおめでたい思考力してんだな!あっあれかむくむくと親に愛されて、小銭稼いで学校いって、くちゃベって、車にポーンとこっちに来たか」一見乱暴な物言い何だけど、その眼は怨み、妬みが垣間見える押されたお姉さんを他所に視線をアタシに向け「とまぁ……お互い思うところはあるってことだけど、俺は記憶に無いんだか、そのルカちゃんてお子様は今はどこに?この中にはいるんですかい?」証拠が無いそう言いたいんだろう。現にそのルカちゃんは死人としては転生している。だって~!だって~と怒りが収まらない妹ちゃんを必死に歯を食いしばりながら止めるナハ君、動けない体を少し捻り、沈黙の子供たちの集団の一人の死人の女の子、友達なのだろう。その子に対して「譲ちゃんも殴られたよね?」回りの子供たちが離れていき一人もじもじと「えっ……あっ……んとえとね」目が泳ぎ落ち着かない様子で手混ぜをはじめる。そんな彼女のそばに行き「大丈夫だよ、今は死浪っていうお姉ちゃん達がいるもんそれにオジサンは捕まってる、後でいじわるされても、あたし達が守ってあげる!」バックにあたし達がいるせいか態度は大きくなる妹ちゃん”エッヘン、言っておやり”とばかりに譲ちゃんに急かす、押される形でオジサンの前に立つ譲ちゃん「あのあたしはそのえっと……」そんな譲ちゃんに「なぁ”アレ”欲しくないか?」もじもじしていた譲ちゃんの揺れが止まり確認するようにオジサンの方を向く「アレ……アレアレ……アレアレアレ!」その表情にニヤリと笑みをこぼしながら「譲ちゃんのだーいすきなアレだよ!欲しいよな?だったらコレを解くようにそこのお姉さんに譲ちゃんからもお願いしてくれよ」何を言ってとオジサンに向かう妹ちゃんだが譲ちゃんはフラフラとそのままアタシの前に歩み寄り黒竜の衣の端を引っ張り「解いて……アレがほしいの!…放してあげて……アレ欲しい!……大丈夫だよ……アレアレ!!……」どんどん荒く激しく黒竜の衣を揺する。可愛らしい声はなりを潜め低く枯れた声に「ちょっと!?」譲ちゃんの肩を触れ彼女が顔を上げた瞬間そこには目は虚ろで血走る、鼻からは鼻水が垂れ、口からは、よだれを垂れ流す小さな女の子がこんな顔い「解け!すぐに!放せ!」怒ったと思ったら「あーれ?あーれ!あーーレ」想像し喜んでいる「どうして?どうしてくれないの?あれがないと!あれがあれが」と不安になり全身を掻き毟る「いじわるしないで、取り上げないで」大きな関心でわんわんと泣きじゃくる「どうしよう、誰かが、誰かに、取られちゃう、無くなっちゃう、お姉さんも欲しいの、取っちゃダメ、取るな!」力は弱くが本気で首を締め上げようとする。譲ちゃんの目が本気である「譲ちゃん辞めてよ!」と止めに入る妹ちゃんだが歯をむき出しにした譲ちゃんの首を絞める「アレ!!ア・レ・は(目を見開いて)”アタシノダ”ワタサナイ」高笑いと共に「”こんなもんなんだよ”小さな純粋だったあいつも其奴も俺達全員”心のどこかに不安を抱えて生きてただが死んだ!夢や希望を胸に抱いてだからこそ踏ん張って生きて…でも死ぬんだよ……いつかその時は必ず来る……俺たちはそれが今で有りそいつは今欲しいのさ!今この時に!そしてこの瞬間さえも転生という終わりが来る……生まれ変わる?其れは自分なのか?いやそうじゃない転生がどういうものかは分からないが、今までの人の歴史から”人に転生したとしても元の記憶は受け継がずリセットされる”……例外はあるかも知れないがごく一部だ(笑いながら)だからいいじゃないか好きな事をやっても」縋ってオジサンを自由にするようにとの最初の趣旨から外れ”ちょうだい、くれよ、よこせ”と乱暴な言葉使いに変わる頭の中は”アレ”のことで一杯のようだ。そんな譲ちゃんの腹を軽く殴り気を失わせる「とにかく一旦ナハ君の拠点に移動しよう」ナハ君の方を向きながらその手はオジサンの首元をちょっと強めに手刀で気絶させる。目の前に倒れるオジサンを見ながら体をロクジュさんに少しの間委ねる。ロクジュさんは倒れるオジサンの体を調べ「これか!」と白い粉の入った小さな袋を取り出す、其れを摘まむようにナハ君達に見せる「これに見覚えは?」雰囲気が変わったので少し戸惑ったナハ君だったが「そういえば、他のカミカゼのメンバーの死人も同じようなものを見せられたような”落ち着くぞって”実際は気味悪かったから捨てたんだけど」どういうことと心の中でロクジュさんにきくと(コレは”神器質”何だよ、といっても神世界に自然になったものだ。そのカケラを粉状態にしたものだ。コレを取ったからといってプロキシアスの神器質のように神力を得られるわけじゃない、一時的な魂の安定位にはなるだろうが)物世界の麻薬等のドラッグや精神安定剤みたいな薬になるということか(加工の具合から死人の中ではかなり前から流通していたみたいだな)袋を振りながら「さてとなると」譲ちゃんに近づき心窩部当たりに手を当て「魂にはカケラの浸食は余りない、コレは急性だな、ならば」心窩部に翳した手とは逆の手に頭の髪飾りを取り出す、みるみるそのすがたは今までアタシの使っていたシャーモンさんの槍とは違う形”星が細長い帽子をかぶり、三日月のマフラーをした一昔前のテレビのプロデューサーみたいなモノ”が現れた「ちゃんジュロク、おひさ今度ちゃんジュロも誘っ……!」わしっと握られ蠢くシーホー「急いでるんだ”サナリムの目形””牙傷病になった生え換わった狗神の牙”そうだなあと”雷鼠神の充毛玉”を出してくれ」イッエッサーと頭の帽子からそれぞれをとーりーだーすと全てがロクジュさんの左手の上に浮かび上がるそして手首ギュッと握る三つの材料は粉々に砕け次に手首を開きその三つの粉々の材料を包み込むように手首をかき回す、すると三つの材料は均等に混ざり合わさりベストマッチ!する「よし!出来た!」アタシ(今はロクジュさん)の掌には歪に光凸凹な球体、形はテレビや本でみたウイルスみたいなモノがある。その球体は微妙に形が揺れ動く液体のようだ「後は!」心窩部に添えていた掌をゆっくりと持ち上げていくと譲ちゃんの体から少し黒ずんだ光、多分これがこの子の魂なんだと思う。其れが表に顔を出す「心の求めに応じ浸食が加速したか……だが」真横から光ウイルス薬を黒ずんだ光に吸収させると黒ずんだ部分が洗濯されたかのようにきれいさっぱり浄化され真っ白な魂に洗濯される「取りあえずはこれで良しと」そう言いながら目を瞑る、それと共に「キューサンです~!」と一礼しいつもの髪飾りに戻ってしまうアタシも体を返却され背筋を伸ばしストレッチをして「あの……譲ちゃんは?」と心配そうな妹ちゃんの頭を撫でて「大丈夫だよ、もうさっきみたいにはならないから」と笑顔で応えると彼女の満面の笑みが帰ってくる。そんな妹に安心したのか「それじゃ取りあえず俺たちの根城にみんな帰るぞ!」というお兄ちゃんの言葉に回りにいた子供たちは安心してゾロゾロと移動し始める

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