表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神約聖書  作者: 裸形炉
64/115

六十四ページ目

女医から事の顛末を聞いた俺は体の回復をまって自身のこれからの身の振り方を模索した一緒についてきた舎弟は田舎に返した実家は農家らしいので心配はしていない俺自身は命は取り留めたとはいえ火傷レベルは三度以上だったこともある体は殆ど包帯で巻かれているが中身の移植された皮膚が”異種移植”で在ることは鈍麻している感覚ですら分かるほどだ”硬く厚いだが不思議と包帯であることはぼんやりとした意識の中ですら覚えていたむしろ鈍麻しているのは”ヒトとしての感覚”かもしれない。これはかなりの鈍麻だ。だからという訳ではないが治療のことも考えて女医と行動を共にする女医さんのインフォームドコンセントが無かったのもその要因の一つ、看護士の服を貰い見習いとして同行する。ここから生きて何をするのか、目的は薄いだが、とりま俺に取り返しのつかないモノを刻みつけた”あのオーブン女は殺す”これは決定事項だ傷が疼く自然と笑みがでる「あら恋い焦がれるストーカーみたいな顔してるわよ。名前何だっけ?」あながち間違ってないことに笑いながら「名前なんぞ好きに呼べ其れより金の亡者のお前がなんだこれは?」今いるのは病院の一室すかさず横の看護士の女が「遠猿様は病院を買収、乗っ取り、脅しあらゆる手を尽くし”棄患”を広いあげられている。アタシもその一人(ボタンを外し浮き上がる皮膚の血管を見せる)3ヶ月が過ぎる度に”たらい廻された”とても少ない奇病死ぬことは無いけど、治ることも無い医者の前でそう言われたときにどうでも良くなった頑張る意味が分からなくなった見るモノ、聞くモノ、触れるモノ全て怨まずにはいられない……気付いたら一人を選んでた……口を開けば毒を吐き終わりもしない苦しみを紛らわせようと必死になるでもそのどうしようもなかった根本を変えてくれた”頑張って”なんて気休めじゃない世界をくれたの……貴方にこの話をしたのは苦しみを知っていると思ったからでもだから遠猿様に尽くせなんて言わないでもこれだけは覚えておいて”邪魔はしないで”」再びボタンを締めて遠猿っか遠ジェル様の元に駆け寄る女、俺の遠ジェル様に対するイメージは医者の仮面の裏でえげつない程の高利で金を貸すある意味”金医の遠ジェル様”その名のほうがしっくりくる。医者としての腕はよかったが”人を選んだというより金を持つ人を選んだ治療がモットー”目の前で繰り広げられる金のドブへの放棄など終末に旅行することになってもやらんだろうと思っていたのに本物の天使にでもなってしまわれたか、態度は一生変わらんと言い切れるくらい変わっとらんが見つめる彼女の態度はひたむきに患者に接する一人の医者の姿そのものでしかなく何故か拍子抜けて「クックックックック」目から涙がいやはや「ほほえましいだろう、若頭」ふと横に立たずむのは「角川の旦那じゃないですか、潜入捜査か何かですか」冗談交じりに話す言葉に「警察は辞めた、今は誰かを救う遠猿をおっと遠猿様を見守りたい」角川警部俺ら跳爛組の敵であり幾度となく苦汁を飲まされた正義の味方だ”誰にも媚びることは無い”それが角川という刑事が俺ら裏の世界から疎まれる大きな理由だったが、今はどうだ俺が知っている彼の姿はどこにもいないそんな旦那の補佐をしながら患者を見ていると、どいつもこいつもいたたまれない姿のものばかり「ここに来れば治るなんて評判は多いだが現実はそんなに甘くない、実際助かる者つまり無事この病院から出れる者はごく僅かだ。他に行き場などない其れが”答え”なのさ」小さな男の子近くに親などいないまだ歩くことさえままならない「この子は産まれて障害を持っていることが分かると”次がある”と捨てられた今はこの子の次に生まれた健常な子どもを初めての児として届出て今は楽しく暮らしているそうだ」俺の指をぎゅっと握ってくるその力はとてもとても力強く伝わってくる………「どうして……どうして……そんなこと!」簡単にやってのける……人の命をどうこう言えるほどまともな道は歩んできてねぇ……命の数ならこのガキを捨てた親の方がよっぽど善人だ……だがよ、だがよ、クソったらなんていやーいいんだわかんねーわかんねーんだよ「でも”ダメだよ”」握られてくるその指の感触に心が震えるのを感じている言葉遣いが幼くなる。強くなりたい、強くありたいために遠い昔に捨て去った幼い自分が戻ってくる「そうなんだよな”いつか捨て去っていた自分”にふと戻っている。人は多かれ少なかれあるが、ここまでたどり着く者も少ない、殆どの人は普通に両親がいて祖父母がいるそんな所から始まるこれが”持って生まれた環境”本人の力とは全く関係ないものだそんなもの自分の努力でどうとでも出来ると言う人も少なくないそれは何故だと思う?」おしめを替えつつ掛けられる問いに「だが実際はそうだろう、努力を積み重ねればいいだけ何だから」そう返し新しいおしめを渡す「ではこの子はどうやって努力するこの子の父と母は両方共に親つまり祖父母はいない頼れない今この瞬間も老廃物の排出すら真面に出来ない、このことで感染のリスクは格段に上がる。予防接種もそうだ。食べ物も同じじゃない得られる栄養素体を作り廻す代謝機能そんな基本的な事さえ出来ない者が”いったいどうやって”その先にある地点まで行き着く当たり前のように殆どが持つモノを持てないというのは結果同じ所にまでたどり着く時間、経験はことなる無論其れを飛び越え追い付き追い越す者は多数いるだがそれは”その者が持つもう一つの因子である才能であり能力”が必要以上だったつまり多かっただけである基本性能の違いは否めないのさ」完了と赤子を抱き上げるもぐずられ戸惑い眉が下がる旦那「どうしてやったらいい?どう接しても……」泣き止まない両腕の中で必死に藻掻くその姿を困ったような哀しい顔で見上げる、その目には涙が流れている……するとその涙を触りながら水遊びでもするかのようにきゃぴきゃぴとご機嫌になる「全く……お前さんのことをあれこれ考えて(和やかなその笑顔は心をすくい上げる)だから”救える道”いや足掻いて見たくなったのさ」そんな旦那を見て「ホントにキモかわいくなっちゃって、もう二度と刑事のイメージ沸かなくなっちまった……俺はとりまあのオーブン女へのお礼参りは死んでもやるってのが目標だよ(次への移動の為に段ボールを抱えながら)でもまぁそれ以外は別に目的もねぇし……旦那が足掻く姿を横で見るのも一興だ」そのまま上機嫌なその子をベットに戻しながら男二人して力仕事をこなしていく………買い占められてる?ここは非凪さんの秘密の隠れ家今いるのは傷が癒えつつある馬齢さんとパソコン片手にプロキシアスの上場していない株の動向を集めている非凪さん「ふーん、せがれが神約により罰をくらって物世界に縛られてたのは知っていだけど(まじまじと非凪さんと馬齢さんを見て)自分をちぎって殖やしてたとは驚いたわね♪」ニヤニヤと面白おかしく笑う鎖お姉さんに「神牢の主……これが”不鎖”」ボソッと呟きながらも気を張り続ける馬齢さん「そーんなに力まないの、傷がカッポレ開いて不完全治癒になっちゃうぞ」カタカタとパソコンを叩きながら「それで狗牙という獸神は?」パソコンからは目を離さず語りかけてくる非凪さん「わんわんくんは少し野暮用何でね、警戒がてら私を言師にって、信用はされてないみたいね、コピー君達」非凪さんがからかわれたのが許せないのか苛立つ馬齢さん其れを静止しつつ「コピーも大部分オリジナルから劣化しまくっているので”もはや別物”と考えてほしいですね」軽くかえされ面白くなかったのか話を進める鎖お姉さん「それで言師あんたがあったっていうその鳥神の別のコピーは”何かと敵対していた”って考えていいわけ?」その問いにアタシは「多分間違いないと思いますまだ憶測は出ていませんがこの前非凪さんが参加した会議の話に出て来た”障痕教”という団体の関係者ではないかと」どうしてそう思うのという非凪さんに「彼女最後に現れた女医さんとその周りにいた黒い看護士?彼女らが付けていた首飾り”碧い雀の小物でした”恐らく……」なるほどとパソコンを打つのをやめ此方を向く「碧い雀=碧雀?を模したモノ=その思想を踏襲した者達の集まり=”障痕教”ってわけか」アタシは頷く「せがれ君が思った以上なのか計算どおりかは推察しかねるが物世界への浸潤、神約聖書でどうにか縛られないの言師?」横目にアタシを見る鎖お姉さんに「無理ですかね、似鳥もはや物世界の範疇に組み込まれている神世界との隔たりをどうとかは思っていないし現に侵してもいない訳なので、現状では神約聖書ではちょっと無理ですかね」膝の上にある自身の神約聖書を眺めながら応える。其れを確認し終え再びパソコンに齧り付く非凪さんに一度目を向けアタシの方に視線を戻す「狗牙から言伝”近々社の主が決まる”そうよ」直ぐさま七福神達が全員髪飾りから出てくる「そうか……我々の後任が決まるか……」少し淋しそうなジュロさんに長い帽子に白い髭の生えた姿のクジューさんが「何時までも空席というのは神世界全体として好ましくはない、変にいざこざの原因にもなる(薄暗い天井の灯りを見つめ)私達なりに守ってきた神世界はもう無い、言師の考えたシステムにより一定の数に落ち着いてはいるものの死人の増大、他の神々の争いの火種も燻り続けている。やはり新たな主が社に入る頃合なのかもな」他の七福神も同じ意見だ。ジュロさんがアタシを見つめ「此方の問題も手が離せないのは分かるがすまない(頭を下げるジュロさん)どうしても気になるんだ。次の主が……だから」顔を下ろしたまま頼み込むジュロさん「オイラからも頼むんだな”争いはイヤなんだな”」ジュロさんの隣で、ほーちゃんが大きなベロを出したまま頭を垂れる「これも言師の務め何じゃないの?……とにかく”ほー”もこんだけ頼んでんだから」三角定規を鋭くして両腕を組んで頼んでくる弁天に「頼んどる態度じゃないの……ワシからも頼むわい、儂らが単独で行くとお前さんの”力”の面での抜け落ちが大きすぎる不鎖がついているとはいえ単独で動かなければならなくなった場合のリスクを考えると」云いにくそうに顎髭を触るシャーモンさんの意図はアタシにも分かった。其れを察するかのように「取りあえずこっちは”障痕教”っていう表立ってのプロキシアスの相手がいる神器質の適合集めもやるだろうけど、そっちの対処が急務のハズよ」パソコンのキーボードから手を離して椅子を回転させあたし達の方を向く非凪さんコーヒーを片手に「あんた達にはあんた達の都合が在るのはしょうの無いこと、取りあえず護衛としてそこの鎖お姉さんは付けて欲しいわね。それで手を打つわ」イヤそうな顔をして舌打ちする不鎖さんだったが「しゃーないわねー(アタシの方を振り返りながら)行くんだったら気を付けなさいよアッチかなりピリピリムードみたいよ、特に社の辺りは、七福一緒だから心配してないけど……そうだ!ちょうど週末だし」……ピンポーン、ピンポーンドタバタと廊下を走る音の後に玄関が開く「あの、えへへ妹さんいます」バタンと閉められ……そうだよねーあのお姉さんには良いようには思われてないし……でも!閉まりかける扉のドアノブを握り「すみません……どうしても妹さんに合わなきゃならなくて!」引っ張る力を強くするほーちゃんの神力使えばドア壊れてしまうし「帰って!どんな理由があるか知らないけど!あの子をこれ以上巻き込まないで!」お姉さんとしたら妹が大事である。この前も土日は帰って来なかったし「言師さん?」ドアの奥の方から聞き慣れた妹さんの声が聞こえた。チャンスとばかりに「お願い!どうしても!夢神ううんあなたたちの力を貸して欲しいの!」賭だった。断られるかもと不安に思っていたけど、ドアノブの力が緩みドアが開くそこには鼻にクリームをつけた妹さんが「取りあえず中へ」ブスッとするお姉さんを横目に家の中に入っていく「どうぞ!」乱暴に置かれるコーヒーカップ向かい合って座るあたし達の妹さんの隣にそのまま腰掛けるお姉さん「あの、えっと……」云いにくいが”神世界に行くので妹さんかーります♪”なーんていえるわけなく「どこかに行くんでしょ?(視線を合わせられず泳いでしまう)しかも危険なとこ?(見つからない着地点を探し泳ぐ泳ぐ、その様子を見て確信し自分に言い聞かせるように)パパとママの結婚記念日祝うために二人で手作りケーキ作ってお祝いしなきゃ……だからダメ!」頑なに頬を膨らまし許可を出す気は無い「お姉ちゃん……」という妹にも「今回はぜーったいダメこの前だってパパ落ち着かなくて大変だったんだから!」この前、夢神国に行った時のことか、ガミガミと文句を言うその隣で姉を宥める妹さん話的に進まないと思いきやお姉さんには見えてはいないがジュロさんと夢神様の話は既に始まっている「それでワシにどうして欲しいのかな?社の主が誰であろうと夢神国にとってはさほど大差は無いことだ(目を伏せぶっきらぼうに断る王、付け加えるように)それにこの前もこの娘が帰ってきたときひどく親が心配しておった。ワシも娘を持つ身としてはわからなくはない」その言葉にお姉ちゃんを愛おしく見る螺馬ちゃん、その姿を見てなお夢神を見据え「子を持つ親か、我ら一部分には理解しがたい似たような感覚は感じ得たことはあるが、その結びつきとはまたちがうものなのだろう……だが社の主つまり神世界のトップが決まることは、我ら神々にとっても無視できない”繋がりの一つ”なのだと思う」自分達なりの親子とは違う関係を夢神様に対し説明するジュロさん、其れを螺馬ちゃんとその姉を見ながら少し考えている一方「ちょっと!聞いてるの!話してるのは私でしょ!そっぽ向いて!」眉をひそめ目は半開き腕を組み”一歩も引かない”そんな態度がひしひしと感じている。困ったここに来る前先輩の家にも行った螺馬ちゃんはこの前のこともありお姉さん筆頭に家族は許してくれる可能性は高く無かった事で、後回しにしたんだけど先輩と不動ちゃんは学校休みのこともあり薙刀研究会に遠出していた。そういえばそんなメール数日前に貰ったような……はぁ少し不安だけどここは単独で神世界へ向かおうもしかしたらわんわんさんとも連絡とれるかも(しょうが無いですね、狗牙達獸神から社の代表が出る可能性は低く無いでしょうが)ジュロさんとお互い確認しあいながらお姉さんに断りお暇しようとしたところ夢神様があたし達が挟んでいるテーブルの上に姿を現す「うわぁぁぁぁああっっえっえっなに?赤ん坊?何で?どこから?」いきなり現れた小さな子供身構えるお姉さんに追い打ちをかけるように「ワシは付いていってもいいと思っている」その場にいる、いや正確には神約をしている螺馬ちゃんに対してしゃべっているんだけど「何?えっしゃべってる?どうして?ってか、えっ!ちょっと(ぺたんとその場に座る)何これ!?」周りには先程までアタシの中にいた七福神達が表にいた「ちょっ!なにやってんの!何で見えるように!あっ!」口が滑ったと思ったときには既に遅く「出てって!言葉なんていらない取りあえず出てって!!!」怒号が家の中を響きわたる「分かりました(螺馬ちゃんの方を向いて)あのね、今回は貴方にも夢神様にも関わりがあることじゃないの、この前のことで後ろめたさを感じているなら、そんなの気にしなくていいから(立ち上がりながら)お姉さんには、そうだな(不審がる視線で此方を見ている)説明出来る範囲で夢神様の分だけでも教えておいたほうがいいかも」とアドバイスを送り去ろうとすると「待って下さい。お姉ちゃんにはここで話します。でも言師さんには……なるべくならこの場にいて欲しいです」螺馬ちゃんの決意に一同、圧されてその場に残る。まず口を開けたのは螺馬ちゃん今までアタシと同じ病院に入院していた時、アタシがわんわんさんたちと出会ったことを目撃したこと、そのあと移神の力で神世界へ送られメイドであった飼玉ちゃん、そんな彼女をしぃーと呼ぶ遊神、その姉、戯神、病院で自身と遊神に神世界の知識と戦い方を教えてくれた師匠、そして夢神国の王たる今この場にいる夢神のこと今までのことを隠すことなくお姉ちゃんに力いっぱい説明する理解して欲しいというよりは溜め込んでいたものを吐き出すように世話しないそぶりで話す、そんな妹の話を黙って聞くお姉さん、何も言わずただ黙って聞いている。一通り螺馬ちゃんが話し終えると「それで、螺馬はどうするの、彼女が言ったように話を聞いている限り今回は貴方にもそこの夢神って神様も直接関係はないわよね」投げかけるその問いに「あたしは関係ないでも助けて」もらったという言葉を遮るように「彼女はそんなこと気にしなくていいと言ったわ、彼女達だけで行っても行けない訳じゃないんでしょ?」確認するようにアタシを見る其れを見て”正直本当は困ってる”とでも言えば夢神と螺馬ちゃんに同行して貰えるしお姉さんも断りづらくなる……なるんだけど螺馬ちゃんは正直にお姉さんに話したその事は彼女の決意でありその事に嘘をつきたくなかった「はい、行けないことはありません」ほら見なさいと話そうとするお姉さんの言葉を掻き消すようにして「それでもアタシ達がここに来たのは(螺馬ちゃんと夢神様を見ながら)一緒に付いてきて欲しかったからです!」迷いなく話す「お姉ちゃんあたし!」螺馬ちゃんが息を飲み込み話そうとするが立ち上がり「わかった!」と一言だけ残して部屋を出て行くまた同じだ。寂しそうな螺馬ちゃんを見て、前と同じ、理由は大きく違う、あの時は螺馬ちゃんが自分で決意して神世界へ行ったけど今回は……そんなアタシの言葉を察してか「大丈夫です今回も最後に行くと決めたのは”あたしなんです”夢神様も全くの無関係だって思ってないからこそついて行ってくれるんですよね?」そう言う螺馬ちゃんに「全く娘はいい友を得たものだ……夢神国の皆は家族だ、次の社の主によってはわが国の扱いも大きく変わるかもしれん。その憂いを減らすために動けるうちに動いておきたいそう思っただけだよ。ちょうどタイミングよくそこに言師達が現れたという訳さ」玄関を出る螺馬ちゃんも夢神国の礼装を着ている昔、戯神のお姉さんが着ていたお下がりだそうだ。アタシも黒竜の衣を着ている家の中を見つめる螺馬ちゃん「いってきます」と小さく呟く「それじゃ行きま!」ドンと玄関の扉が開き山にでも上るのかというリュックを背負ったお姉さんがそこには立ち尽くしていた「まさかとは思うが……ついて来る気か?」夢神様が全員の思ってる事を代弁する「ついて来る気じゃない!ついて行くと決めたの(アタシの方を向いて)今回はあくまで螺馬は手伝うって事よね。つまり貴方達は頼むほうなんだからこっちのワガママも多少聞いて貰えるのよね!」これは保護者としてアタシ達について来るつもり、その事実はお姉さんの中では固まっているのか、強気な口調とは裏腹に握られた手は小刻みに揺れている。当然今からいくのは神世界、神約をしているものならいざ知らずお姉さんは神約していない神世界へ行けないことは無いけど無防備な状態でいくことになる。神様のいる世界アタシもそうだったけどアタシがわんわんさんを見たように、お姉さんもしゃべる赤ん坊の夢神や七福神達を目の前にしてそんな世界を認識出来る…出来ると共に不安も募るだがそれ以上にお姉さんを動かすのは妹螺馬ちゃんの存在ホントの気持ちを偽りなく伝えた妹に応えたいそして守りたいそう思っているんだと感じながら一緒に向かう事をアタシは今進言しようと心に決めていた。日が落ちて辺りは暗くまるであたし達の進むべき道のようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ