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神約聖書  作者: 裸形炉
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五十九ページ目

夜が明け太陽が辺りを本格的に照らし出す「じゃあ行くかの」最初に腰を上げたのはサロリ傭兵だった傭兵稼業にカムバックし戦場を求め回るそうだ。次に「何時までも黙ってここに居ても始まらない」掘り出したパパを土に返して瓦礫の中の壊れた店から大事にしてたフライパン片手に「早くて!安くて!冷めても美味い(地面の方に視線を送りながら)ミスターパックの味世界に届けないとね」そんな二人を見て「アタシも帰る自分の国!」オイオイお前の国は戦場だぞそれはお前が一番よく知ってるだろ?とサロリ傭兵が話を進めるも「分かってるあそこはトテモイヤダカラ気分が悪くて戻りたくないでも戻るから」意を決する愚弄さんそんな彼等に言いにくそうな私を見かねたのか桜咫が「貴方達が戦場に実を置くのも、自分の夢を追うのも、何かを掴み取りたいのも否定はしません。縛る気も無いただコレだけは覚えておいて下さい″貴方達はもう普通の人とは違う、私と同じグラフトだということ″同じグラフトと言っても貴方達は碧雀の細胞を取り込んだだけです。ケガも感覚も人のそれとあまり変わらない碧雀の成分が遺伝子に溶け込んだ程度なので、ただ″受け継いで行く貴方達の子供からその又子供と永遠と″だから貴方達がその末代まで永劫グラフトで有り続けるその事は忘れないで下さい」そんな桜咫の隣で私は頭を下げ続ける事しか出来ないでいた。真剣に話を聞き「よっこいしょっと、じゃ行くわ」そう言って三者三様別の道を歩み始める…………気づくとドリルの音もせず周りは眩しい地下から出たみたいだ意識が少しずつハッキリしてくる「どうだった、アタシが話すよりリアルで分かりやすかったでしょ?それで手は組んでもらえるのかしら?言師様?」目覚めたばかりなのもあったが、先程見せられた光景が真実だと言う保証も無い……手を出さず「先程の記憶?が正しいとしたらあなたはあのプロキシアスの社長のグラフト一部分ということになる、なら伝達という絶対命令権には逆らうことは出来ない筈です。そんなリスクを犯してまで敵対するであろうアタシに力を貸す理由はなんですか?」疑問に少し考え込み「取り敢えず中へあなたにいらん情報を渡したのは重大な服務規程違反、プライバシーの漏洩なんで次会えば伝達の対象でしょう。つまり(和やかに)もう後には引けない訳(施設の中に顔を向け)一人じゃないし(後ろを見せて)攻撃、又は逃げるならご自由に止めたりはしないから」そう言って施設の中に入っていく、ここは着いていこうと彼女の後を追いかけ中に入っていく長年使われていないのだろう、中に進むにつれ誇りが多くなっていく窓ガラスは割れそれを補強なり交換なりはされず自然の猛威に曝され続けた経緯が見てとれる「ここ電気は来てないんですか?」先を行く彼女に尋ねる「電気は通しているアタシの秘密の研究室があるからね、とはいえ(彼女の背がどんどん小さくなっていく)おおっとここから地下なんだ電気は大方そちらにしか回してない暗くて悪いが足元に気をつけてもう少し我慢してくれ」薄暗い回廊微かな隙間から差し込む月の光に照らされる其処ら中に貼り巡る蜘蛛の巣を光らせるので其れを避けながら奥へ進みながら「あのわんわんさん……仲間への連絡をしたいのですが」前に進む彼女に了解を得ようとする無論わんわんさんとの連絡なんて私が神力を高めれば多少この場所よりわんわんさんが遠くにいても駆けつけてくれるはずだ神力を感じれない彼女に気付かれる事も無く。でも″組む″という事を前提にするならここで彼女に黙ってわんわんさんを呼ぶというのは彼女はどう思うだろう、間違いなくいい感情は抱かないはずだ「その心配なら無用よ!」無用?どういうこと?まさかはめられた?考えが甘いの?彼女は神力は感じられずとも神力の知識はある。そうださっきの記憶が真実なら彼女はあの社長のグラフトおそらく最後にあの碧雀とかいう似鳥の一部を受け継いだ三人の誰かの末裔″あの社長の記憶と知識を有しながら神力は持たない″特殊な人という訳か、戦闘態勢をとろうとする私に「待って大丈夫よく感じなさい神力を!」と弁天が表に出て来て私を諭す。そんな私達に「着いたわよ」と頑丈な鉄の扉を開くと「運んでおいたがここでいいのか?」そこには「えっわんわんさん?どうしてここに私は神力は高めてないのに?」思わず出した本音を言うと「ふーんアタシってまだ信用されてないわけか、あんだけの大盤振る舞いしたのになー、かなりショッ~ク」おねーさん泣いちゃうポーズでアピールしてくる。そんな小芝居に慌てふためく私を他所に「信用しねーのは当然だろーがあわよくば貢ぎ物にされそうだったんだからな」プーッと膨れながら「あらわんわんフレンズにはこういう手は通じないか?運んでくれてありがと、ホントはベットといいたいけど何分ソファーの方が便利でね、おかげで腰がアタタタタッ」腰をトントンと叩きながらお湯を沸かす「言師くんはコーヒーでいいってコーヒーしか無いけど、アタシにはそこのわんわんフレンズしか見えないけどコーヒーは?」ここに居る全員のコーヒーとはいえ犬用の入れ物を用意しようとして断ったわんわんさんや警戒してか弁天達も首を横に振るで結局、私と彼女の二人分用意されることになった。砂糖やミルク等の物はなく、辺りにあるのは資料の山や数台のスマホやタブレット等タブレットには何かのグラフだろうか上下しているものコーヒーを飲みながら引っ切りなしにかかってくるスマホをとっかえひっかえ「うんソレはいいけど、そう高騰は予測できたでしょう、念の為こちらで連絡しておくわ」逆のスマホを取り「至急お願いできるかしら、こっちだっていくらか多めにはいつも仕入れてるつもり何だけどな……ありがとさっーすが若社長ね、この借りはいつか仕入れで返すわじゃ」等とコーヒーを啜るあたしを他所に目の前のビジネスウーマンは商談?をすませていく、一段落すると「お待たせそれで答はもらえるかしら?」商談成立の確約を得るかのように話を進める彼女に「分かりました貴方達と組みます、そこで一つ聞きたいことが?」何かしらとスマホを弄るのをやめて聞き入る「貴方達は基はあの社長の一部あなたに見せてもらった″記憶″に出て来るグラフト似鳥達は全てその根源にある願いは同じ物だったはず″照留さんの神病を治すこと″ですよね?」あたしは片手のコーヒーを飲もうとするのを一度やめてテーブルに置いた「そうね、私は社長のグラフト、一部だから目指す先突き詰めれば″照留っていう社長というか、まぁ厳密に言うと違うけど解剖学的には私の奧さんでもある彼女の神病を治すこと″が最終的な目標になるわね」だったら何故?敵対を?というあたしに再びコーヒーを一口飲みながら「″この選択がその目標達成に近づく″と思ったからかしら、確かに矛盾なる神の力があれば今の神世界にはない神力や技術、情報が得られるかもしれない、でもね″得られるかもしれないだけで″その矛盾なる神様がイコール奧さんの神病を治せるとは限らないでしょ、だから私は君たちにその可能性を見出しただけ、その点では私も社長も何ら違いはないわ、持ってる力は違うけど」そんな彼女の決意を聞いて「それでもあなたのその判断と行動が社長のその可能性を潰す結果になるかも知れないんですよ?」二つの可能性はこのままで行くとぶつかるのは必須だ。自分の奧さんの病を治すために神世界はおろか物世界にすら影響を与えかねない、まぁそれほどの力だからこそ社長さんは賭けてみようと思ったんだろうけど、あたしは再度彼女に質問する「あなたの望みはなんですか?」だからさっき言ったという素振りを引っ込め傍らのソファーに健やかな寝息で眠る彼女を見て「取り敢えずベットで眠らせて上げることかな、そのためにもプロキシアスの社長かな表向きだけどそれとこれは過ぎたる望み何だけど″グラフトからの脱却″なーんて、さてとこれで聞きたいことは全てかな」そう言い此方を見据える彼女に「取り敢えずはですかね」喰えないな~と苦笑いしながらも手を差し伸べ「じゃあ軽くお互い自己紹介しとこうか私の名前は非凪・パックマン(手元のコーヒーカップを取り上げそこに付いているマークを指さし)″ミスターパック″ファストフード業界じゃちぃーとは名の知れた会社何だけど、そこの社長やってまーすプロキシアスには株価の半数握られているまぁ簡単に言うと傘下の会社というわけ、あなたに先程見せたプロキシアス社長の歴史物語に出て来た碧雀の一部を受け継いだグラフトの一族の末裔な訳あの後フライパン片手に世界に挑戦したミス・パックマンはプロキシアスの支援もあり世界展開していくの、その後あたしの一族は身も心も全てプロキシアス社長の一部として扱われるようになったわけ、私は数えて七代目かな」ズズットコーヒーで一呼吸置いて「続いてソファーで眠る彼女について彼女も碧雀の一部を引き継いでいるの、ただし私の一族とは違うわ、あの傭兵の一族の最後の生き残りなの、あの傭兵はあの後も戦地を渡り歩くわ、でも私の一族とは違い財も築けず、今や彼女独りぼっちになってしまったの、彼ら一族が得意とした戦闘術も今や機械に取って代わられてしまったし……それに」そんな非凪の袖を掴みながらそれ以上の言葉を話すことを拒むかのように非凪を見るソファーの彼女は「非凪……様……後は私が直接話します」今にも意識が途切れそうになりながらも必死にすがる彼女に「あいあい、お好きにどうぞ心配しなくても、馬齢のことはこれ以上って悪い名前言っちまった」急に会話を止められた腹いせか非凪様は彼女の名をポツリと漏らしてしまう。そんな非凪様に片目を閉じつつ反対の肩眉を上げて「まったく……あなたは……」と呆れ顔だ。ソファーに肩肘を張りもたれ掛かる非凪様は満足げにそんな顔を見つめるこの二人は多分長い年月を支え合い生きてきたんだというのはあたしでも分かる。何だか場の雰囲気が和やかになり、一瞬優しいものに触れた感じがした。一息呼吸を入れ彼女の会話が始まる。非凪様も私も手を半分以上減ったコーヒーを片手に彼女の話に耳を傾ける。「先程非凪様が語られた通り私は馬齢・ポリメラーゼと言っても名前は非凪様に貰ったものだ。始まりのポリメラーゼであるサロリ・ポリメラーゼが碧雀という似鳥のグラフトから受け継いで今の力と新たなグラフトとなってから他の新たなグラフトと違い傭兵という観点からも衰退する一方であたしが最後のポリメラーゼとなってしまった……まぁ最後にしてしまったのは他ならぬあたしの責任何だけど」最後にポツリと目を伏せ逸らすように話す、サロリ・ポリメラーゼ間違いなくサロリ傭兵と呼ばれていた彼の一族の末裔、社長の記憶の最後俺たちの戦いはこれからだと意気揚々大海原へ旅立だった彼だったけど、三人が三人ともに上手く行くとは限らない訳か、碧雀と呼ばれる似鳥の記憶と知識を受け継いでも所詮″神力を受け継げなかった者″はただの人に毛の生えた程度なのかも、神のように偉大な力を持つわけでも、似鳥のように長い年月生きられるわけでもない、それが彼等新たなグラフトという訳かカップに残ったコーヒーをズズット吸い上げながらそんな事を思っていた。コーヒーカップを離し「では馬齢さんも非凪さんと同じ事が願いなんですか?」ソファーに目を向けあらためて問い尋ねる、非凪様と呼ぶ彼女だ恐らく答は「勿論言うまでも無いが″私の願いは非凪様の為に使う必ずプロキシアスの頂点に立たせること″」ハッキリと断言する彼女に迷いなど無く命を捧げる人の感じがヒシヒシと伝わってくる。少しコワイ程にそんな彼女にまだ熱いコーヒーカップをほほに当てる「熱ッ!熱い!」そんな彼女を見下しながら「今度また私に黙って命なんか賭けたりしたら″絶対に許さないから!″(コーヒーカップが頰から離れる)それだけは覚えておいてね♪」言葉とは裏腹にそこにはとても冷たい笑顔があったことは此方からは見えなかったが馬齢さんの表情で伺いし得た「それで具体的な″手を組む″というのはどういうことだ?」そばで寝ながら話を聞き入っていたわんわんさんが尋ねる「貴方達の目的は社長の企みつまり″矛盾なる神の力を手に入れ照留の神病の回復″が目的」やれやれとわんわんさんが割って入る「矛盾の力を手に入れるか、とんだ与太話だ、その昔矛盾を封じ込める為にオ……おいなる神力を持った時閒と夢幻が苦労して封じたほどだぞ」時閒ってあの時現れた龍神と同じ格好をしたあの神様か、何気に親近感抱いたんだよな。ふと頬が赤みを帯びる。ち、ちがうよ浮気とかそんなんじゃなくて、ああたしの一番はその、チラッと目線をわんわんさんに向けるわんわんさんも何だという感じで此方を向く、よし大丈夫!そう思いつつも中身の入っていないコーヒーを啜るふりをしながら表情を隠す「おかわり?それともお邪魔かしら」自分は早々に二杯目のコーヒーの香りを嗅ぎながらクスクスと私の態度をお供にして愉しんでいる。「そそんなことより、どうやってその矛盾の神の力を手に入れるんですか、神溜鋼を使い神器質を作り出していることと何か関係が?」私にもおかわりをという風にコーヒーカップを差し出しながら非凪さんに質問する「そうね大体それで大筋あってるわ、神溜鋼を宿主が盗み出したことは″対矛盾″のためよ、どうやって矛盾の力を手に入れるかまではアクセス出来ないけどそのための手順はわかるわ。あなたが言ったように神溜鋼から神器質を作り出すこれはさっき見せた宿主の記憶にもあったでしょそのための施設の確保と自分の助手の確保この二つはプロキシアスという組織と似鳥と呼ばれるあたし達グラフトが揃いクリアしてるなので今はその次の段階に進んでいる」アタシからのコーヒーカップを受け取りインスタントの瓶を開けながら「神器質は全部で8つ、それぞれに担う者、適合者を見つけ出さないといけない。中には元々適合者を想定して創るケースもあるけど、どうかなぁ(匙の入ったコーヒーカップにお湯を注ぎ込みながら)そんなケースは稀ねその場で神器質自身が判断するわ」成る程と差し出されるコーヒーカップを両の手で受け取ると「現在その神器質の適合者の数はこの前戦った理母ちゃんが持ってたあのプラスとマイナスの磁石みたいなものや死浪の女性が持ってた銀色の猫パンチグローブみたいなものもその神器質の一つだということですか?」入れたてのコーヒーを冷ましながら非凪さんを見るとコーヒー片手に「それとプロキシアス社長の娘さん鳥神である彼女も適合者よ」そういえば最初に戦ったときとさっきの戦い方変わっていたようなあれって神器質の力だったのか、冷ましたコーヒーを飲みつつ「適合者は全部はまだ揃って無いんですよね?」その言葉に「半分かな、さっきも言ったけど適合者を想定して創るケースっていうのに該当するのがこの前脱獄した龍神なんだよね、なので総数的には四つの神器質は少なからず覚醒している」覚醒している?「まだ他にも神器質の適合者がいるんですか?」そんな問いにうーんと考え込んで「神器質はその適合者を神の中から選ぶわけじゃない、神、死人、そして生きてる人からも確かに物世界よりも神世界の方が適合率は高いと思うけど、神器質の一つが生きてる人を選んだみたいなのよね、でも覚醒つまり力は発現してはいないみたいなんだ、だから数には入れてないの」三杯目のコーヒーの香りを楽しむようにカップを傾け鼻元に当てる。神牢であった社長の娘と神約を結んでいた人あたしは彼女の事なんだろう頭を過ぎるのはそんな事だった。わんわんさんに聞こうと視線を送るも考えこみ顔を俯かせたまま考える姿は彼女を知ってる?私は再びコーヒーを飲む非凪さんを見る「じゃあ今いる適合者は全部で四ついえ五つの神器質残り……三つ」ボソッとこぼす言葉に頷く非凪さん「八つの適合者を揃えない事がこれからあたし達がやることですか?」周りを確認するように話を進める「あれ?非凪さんや馬齢さんは適合者にならないの?そんなに適合者を集めたければさっき言ったように始めから適合者ありきで神器質を創り出せば?」その言葉をすぐに否定する非凪さん「神器質は人・神・死人問わず適合するけど”創造者は息溜つまり命を吹き込んでいるのその吹き込んだ者かまたはその一部を受け継ぐ者が触れると宿主ほどとはいわないけどその創り上げた神器質を化生させてしまうのよ、つまり社長もあたしらグラフトも例外なく神器質の適合者にはなれないってわけ……でもそれを逆手にとれば残り三つの適合者の決まっていないつまり覚醒していない神器質に触れその神器質を解かすことも可能何だけどね、その残り三つもプロキシアスの内部か適合者が守っているでしょうし」容易じゃないのよとコーヒー中毒者が次のコーヒーに手を伸ばす「あのそれってケースとかに入ってますか?」伸ばそうとしていた手を戻し「ケースかなくはないと思う、適合者を選んでってその場で適合するかの判断をするか、うんあり得ると思う、何か心当たりでもあるの」という彼女に私はこれまでのことを隠さず話した彼女達と手を組むと心に決意を固めて。

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