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視線が気になるあの後城の中ならば自由に動ける制限は設けてあるが勿論ジーッと見つめる視線付きだ「あの常に一緒に行動をするんですか?」大きく頷く「風呂やトイレも」大きく頷く、彼女は部屋の中に立っている落ち着かない「話しては駄目なんですかね?」すると「何か質問?」多分彼女は城について説明されると思っているのか「貴女も拾われてここに?」頸を振る「売られた私の国貧しい作物取らない養えない、小さい頃売られた最初は髪(自分の髪を触れ)切られて売る奴だった、次が買春宿で病気貰った価値無くなった、次拷問マニア感覚おかしくなった、流れて転々としたこの国来た物珍しさで買われた、今ここにいる」淡々と話すその言葉には他人事、文章を朗読でもしているようだ愚弄と呼ばれる女性はその場を動かず、これでは話も出来ない私は思い切って「八烏様、私は碧雀を探してみようと思います」櫻咫は表情を変えず私の話を聞く「今回外への連絡はとれません。現実的には″八烏様がどちらの選択肢を選ばれる″ということになるでしょう。しかし今のこの状況はここの領主様の言葉による情報が殆どです。なので私がこの城を見て回ります。其れを八烏様に報告そして結果を出すというのが一番だと判断します」そこに立つ愚弄がいる限り櫻咫と別々に探すという選択肢は無くなるが時間的な余裕もない数日間という区切られた時間は領主様によるものの気分を変えて次あった時なーんてこともないとさえ言えないならば先に動く方がいい、うちの番頭さんはいい顔はしない自分が傍を離れるその事を示している、相手は神力自体に理解は無いにしても神力に関するモノを持っている「あなたは如何しますかこのまま私についてきますか其れとも八烏様とここに残りますか」本来なら櫻咫と共に調べた方がいいが、然しその提案に意義を上げたのは立っている彼女ではなく櫻咫だった「確かにその案には賛同するがいざとなるとワシをまさか見捨てる気か?」見捨てるねぇいざとなれば私より抜け出すのは簡単だけど、私に見せるその視線は私を悲しそうに睨む、はいはい分かってるよ「分かりました二人もとい三人で探しましょう、少なからず愚弄さんだけのほうが気楽でいいです、愚弄さんはここの案内してもらいますか報告したいなら」そう呟こうとすると「別にいいよ、ここの領主には買われているだけ、何かあっても使えないと売られるモノなんだから″貴方達を見てろ″命令は其れだけだから、それでどこに行きたいの」どこに行くか、取りあえずどの情報も真偽がハッキリしないものばかりだなので″碧雀がここに居るか″この一点に絞る時間もないし、いなければここに居る意味もない夜にでも紛れ抜ければいいだが領主様が言っていることが事実ならばこの城のどこかに碧雀は捉えられそれに政府も関わっている引き渡されたのならここ以外の場所から碧雀の神力を感じるここにいる可能性は凄く高いさてどうするか「ここを出る前に、ここにいる主要人物の紹介をしてもらっていいですか?」出来ればどの程度の戦力がいるのか、戦う事は想定には入れてないわけじゃないがサロリ傭兵のように神力の刀を持っている者もいるかも知れない碧雀を捕らえた政府の関係者も同様だ。そして一番気になるのはあの錆びた鎧だ、アレ自体から神力を感じる、あんなもの作った覚えはない、誰が何の目的であんなモノを作ったのか、私がこの物世界に来る以前に造られたのか量産されてないところを考えると一点モノ、どこぞの神の気まぐれか作神のように感じではないのか疑問は尽きないが注意を払っておこう、彼女はしばらく黙っていた「見ていろ!」と言われたものの監視しているのに、この城の事を話していいものかと、しかし彼女は口を開く「あたしの知っている範囲でいいなら」頷く私と櫻咫「ではまずあの場所にいた二人から、一人は傭兵です、雇われたのはここ最近です。何でもフリーの一匹狼で前にも同じような傭兵さんを雇われていましたその時は十数人の団体でこの国の人ではなかった。あたしの国やその周辺では何もとれない国ばかりなので殺人やら強盗をやるまがい物的な何でも傭兵さんはいっぱいいましたよ。ここに前にいた傭兵さんもその手の人でしたが、あの傭兵さんは違いました本格的な傭兵、数十人いた彼等を一瞬で戦闘不能にしました。殺すことなく、そこを領主様が気に入り今雇われています」一瞬で戦闘不能かしかも誰も殺さずに、それがサロリ傭兵の力か神力の力かはわからないけど、どちらにしても気には止めておこう、無力化出来ない訳じゃないし、続けるように今気になってる人物の話が始まる「次は雷電さんです。雷電さんは傭兵ではなく、この頃領主様が連れて来られました、うーん一言で言うならブキミな方ですが領主様は大変気に入られており雷電さんを常にそばに置かれています」この頃か、思ったより浅いな「雷電さんは戦闘とかの経験は?」私の質問に考え込む愚弄さん「いえ……そういえば雷電さんあんな鎧着てるのに……戦ってるイメージない」目を瞑りながら必死に思い出すも「やっぱり……ない」と応える「なら何か他に特技があるとか?」そう投げ掛けるも「特に……思い当たらない常にそばにいるだけ」ここの領主はあれだけの成果主義だ無駄になる人を近くに置くだろうか、ならば雷電さんを手元に置く理由はなんだろう「後はいない、領主様はあまり引き連れたりしない」その時々必要な人というかここの領主にとってはモノと大差ないのかモノは必要なときに必要なだけか、合理的とは言えなくはないが、信用をしていないか、近づくのは困難だが城を探索するのは有利かな、ここにいる人は忠義というよりは仕事だと考えた方がいいか仕事なので必要以上の感情はない、言われた事だけ忠義なら言われない事その領主様のためだと動くこともあるが「ではお願いします」コクリと頷く彼女……夜に動き出すことも考えたが愚弄さんが裏の道があるとここに最初に連れて来られたような場所を通って行くことにする然し……「あのこの電車ごっこ何とかなりませんか?」色々な場所へと通じる通称″闇の細道″言わずもかな真っ暗である。行きもそう思ったがこの闇の細道は本当に暗い闇雲に歩けばこの闇の中で白骨化なんてザラだろう「急がない?それとも手を繋ぐ?」少し恥ずかしさも有り「いえこれでいいです」とロープに手をかける。愚弄さんの言う通り、さっきのようにノロノロ歩く時間はないと言うわけで愚弄さん、私、櫻咫の順で出発進行だ。暗闇に入ると「それで何処から行く?」という愚弄さんに「やはり捕らえられてあるかの確認ですかね、なので牢屋並びに私達のように監視突きの部屋等はありますか?」少し考え「この闇の細道はこの城のありとあらゆる場所に繋がっているの、殆どの場所への行き方は分かる例えばさっきあなたが入ってきた城の近くの扉から領主とあった部屋までは″三十五歩直進突き当たりを左へ五十六歩いくと右足側の下りの階段を十五段そこから右足を回転して真横へ七歩進むと左手にはしごが触れる其れを上り真っ直ぐ進むと扉がある」そういう説明をしながらも滑り台をすべったり、かに歩きで進んだりと先程も時間はかかったが電車ごっこで繋がっているせいかかなりペースが早く、喋るスピードと同じくらいだ「でもいけない所もある、正確には行き方はを知らない一つは領主の部屋だ、この城の中にあるのは皆知ってるでも場所は分からない表経由で探し当てようとする族いたけど見つけられなかった、領主部屋入るでもそこ領主の部屋じゃない次の日別の部屋から出てくる毎回違う(真っ暗で見えない回りを見渡す)領主ここ使ってる」其れを聞いて「じゃあ今の電車ごっこバレてる?」頸を振る「今夕方日落ちてない、落ちる前だからまだ大丈夫、領主が部屋に戻る以外は使わない、さっきのは特別君達の″価値があるから″あの部屋豪華普通の交渉はこの闇の細道に放り込む半日で大概おかしくなる道順知らないとどの扉にも出られない、半日たってあたし迎えにいくと殆ど担いで帰る、衰弱状態は交渉有利」それって交渉ナンだろうか、駆け引きと言えば聞こえは良いけどなるほど手に入れたいモノはどんな方法でもか私達の事は何故過大評価何だろう、別に腕力、武器もないし、そんなタイプなら尚のこと(真っ暗な何処までも闇が広がる静かな空間が続く)ここに放り込めばすむだろうに、私が何も知らないただの人なら小一時間処か時間も空間もそのうち生きてるのかすら分からなくなって発狂するよそんな事を考えていると「不味い日の入りが迫ってきた、この闇の細道に領主が入られると駄目だ」そういう愚弄さんに最後尾の櫻咫が「こう廻りも見えん中、あの領主に見つけられるとも思えんがの」櫻咫がいうのは私も思っていたあの部屋であった感じ人としては中年の男だっただけだ特に領主様自体からは神力は感じていない、この闇の中私達をどうにか出来るとも思えない闇で動けないのはこちらも同じだがそれでも脅威というには役不足が否めない、そんな言葉は意に介さない愚弄さん先程よりもペースを上げるのが電車ごっこのヒモが強く引っ張られる「領主様、視覚でも嗅覚でも聴覚でもない″違和感で感じる″何となくいるとかだ、理由は分からないけど、前にここに放り込んだ者凄く足掻いた、あたし探せなかったここのこと頭に入れて何度も通ったのに見つけられなかった者、領主が中に入った瞬間「違和感がする」そう言ってすぐに見つけたここ広い行き方複雑でも領主歩数とかじゃない″あそこらへん″こんな感じで探し当てるしかも早い」コツンと音と共に「近く見つけた予定にはないけど出る」扉を開けると真っ暗?ではないけど酸っぱい臭いのする場所「ダメ!扉閉める」そう言ってもと来た道の扉を閉めた……「如何したんだよ、まだ仕事残ってんのか?さっき終わりだって?」ある部屋の中今日の仕事を終え領主様はマイルームへ向かうため闇の細道に入ろうとするも止まってしまった「いやな少し違和感があった、今は無い扉を開けて中に入り込む数秒間だがな……」やれやれ疲れてるのではと労うも「全索入れるか?」というサロリ傭兵の言葉に「必要ない!何も無ければ時間と労力の無駄になる………それに」………「多分バレてないと思う時間的にはギリギリかな」涙目ながらも私達に伝えてくる彼女に「ところでここってドコですか、その窓も無いようですし、鼻に来るこの部活動のニオイは」確認するように愚弄さんに尋ねると「着替え部屋だね、ほらあたしのもある」と自分のロックーを指して「うん、間違いない!」と確信する、えっ女の子ですよねどれだけ扱いヒドいんだ野郎と一緒か、間違い起こしそうな血気盛んな若者だ間違いがあってからじゃというか、そういう意味でなのか、ジッと愚弄さんを眺めていると「何か?」と尋ねる姿に何も言えなかったここは間違いなく兵士の更衣室出口は二つある先程の闇の細道に戻る隠し扉か隣から声がする方に繋がる扉のどちらかだ「やっと夕飯か、もはやこれだけだなぁ楽しみ」この声あの時の検問所の「取りあえず閉めきって今日も一安心かな、お前は今日は外か内どっちだ」どうやら夕方に街と城との間の城門の橋が上がるようだ「ゲッそう言えば今日ってオレ城下番かよ、ついてねぇこの前、政府の″維獅士″が街中にいたってなんか変な奴ら動いてんじゃねーかな」今の政府は数百年続いた国のトップに居続けた者を倒し変わったばかり、その時に前の政府を倒すのに尽力した者達がそのまま今の政府の要職についている。その裏で今もなおその政府の体制はぐらぐらで有り磐石ではないそのため″維獅士″と呼ばれる者達を派遣して自分たちの体制を潰しかねない者は早めに潰そうとしている「変な奴といえば、愚弄が連れてったあの二人組なんったけ風呂敷だっけか?」カタコトはやっぱり覚えにくいのかな「プロキシアスだよ、何でもここより遠方の商店だとか言ってたな、だが維獅士何て物騒な輩も出て来たんだ、武器の補充とかじゃないのか、領主様も扱いは特別待遇だしな」イスが動く音「何だよ、今日は行くの早ーじゃん、飯は?」コツコツとこちらに近づくてくる「城下番だからさ、外廻りも一応あって、外で食おうかと」やばいどうしよう愚弄さんに確認するも頸を横に振る今来た道である闇の細道はまだ領主様の移動中で使えないかといって目の前の扉の先には今まさに城下番として外に向かうために着替えをしにこちらに一歩又一歩と近づく足音挟まれたこの窓も無く隠れる場所も厳しいここでは駄目だ見つかる扉を開く見つかると思った時「お待ち~♪早くて~♪安くて~♪冷めても美味い♪ミスターパックのL得るセット二人前おまーーー!!!」そこにはでオチかまして颯爽登場したが奥の扉を開けたままでこっちに驚く検問所の兵士と注文者の兵士こちらはサプライズ注文をしたものの何で叫んだのか分からず看板娘を見つめる兵士達、一方自分の登場以上のサプライズが奥の兵士の開けた扉の奥に垣間見える昼間自分の店にいたお客様話を聞いてきたお客はお願いするように黙って!と人差し指を一本立てて口の形を『シィーー』と言わないで!と伝えてる、コーヒーのがぶ飲みした方は頭を掻きながらも目からはいつでも動く気満々だ、あと一人は必死に持ってる者が珍しい懐中時計を見ている「何だよ?何で城下のミスターパックん所の娘か、脅かすなよ」そのまま中に入ろうとするも、必死に頼む私を見て「えっ!L得るセット二人前お届けに」大声で言う看板娘に更衣室を入ろうとするも「お前か、勝手に頼んだのは?」一度更衣室へ向こうとした体位を座る兵士に向け移動する間一髪とはいえまだその片手はドアノブにかけられたままだ「いやぁ夜遅く外に旅立つ君に対しての労いをだね…」と二人前頼んだ経緯を話そうとするも「必要ない適当にサンドイッチでも作る。それともお前が二人前奢るのか?」そう言ってドアノブに力が入り扉が軋みながら開こうとする「えっあっーと困っ困ります!!」何とか私達を助けようとしてくれる正面の看板娘「一度ご注文いただいのであり、こうやって持ってきて要りませんからというのはいくら兵士の方でも許せません!払うモノはきっちり払って下さい!!」まぁ出前頼んで食べないからいいですは持ってきた側も納得出来ない、一旦動いたドアの軋みが止まる「それはそいつが勝手に頼んだんだ、オレは頼んでない取るんならそいつから取ればいいだろう」再びドアが動き出す「なら合計三円いただきます!」ドアノブに手をかけた検問所の兵士が止まる振り返りながら「三、三円おいおいそりゃいくら何でもふっかけすぎだろ、俺らの月当たりが八円がいいとこだ、お前んちのハンバーガーでもその三分の一以下だぞ、あり得ないだろう!」あまりの理不尽に自分が払わないとか関係なく睨みつける彼おかげで関心は彼女へ移った。いきなり攻められ困る彼女だが「当然じゃないですか、あたしの店は当に閉店している時間です、つまり勤務外時間に配達しています。つまり普通の値段な訳がないのです!」おっしゃる事は正論かどうかは微妙だが「三円なんて今持ってないぜ、なぁ頼むよ」やれやれとドアノブから手を外し自分の財布から一円五銭取り出す「半分はちゃんと払えよ」と代金をおいて自分の分のセットの入った袋をとりドアへ「あっあの……!」ここまでかと検問所の兵士がドアを開けるも、そこにはさっきの三人組はおらず、何だよまだ何かという彼に「お早めにお召し上がりを」と疲れた様子で話しかける。




